「火車」
宮部みゆき著、新潮文庫、1998年2月
休職中の刑事が失踪中の2人の女性の足取りを追う中で、
クレジットやローンなどの借金を背負った人生の凄惨さを描いた長編ミステリー。
刑事が休職中という設定で、物証はなく、状況証拠で犯人と動機を推理しています。
被害者だけでなく加害者もカード社会の犠牲者であることを感じさせ、
同情や共感を覚えます。
葛飾、宇都宮、難波、伊勢といった地域が舞台です。
文庫は1998年発行ですが、単行本は1992年発行。
大阪球場が住宅展示場として使われていたエピソードが出てきて、時代を感じさせます。
テレビドラマも2度製作されています。
うっすらとしか記憶がありませんが、両方見ました。
調べたところ、1度目は1994年。
主要キャストは、
本間俊介(刑事): 三田村邦彦
新城喬子:財前直見
関根彰子:森口瑤子
碇貞夫(俊介の同僚刑事):角野卓造
倉田康司(喬子の元夫):船越英一郎
キャストから女性側の視点で描かれていることがうかがえます。
財前直見出演のドラマはよく見ていました。
2度目の2011年の主要キャストは、
本間俊介(刑事): 上川隆也
新城喬子:佐々木希
関根彰子:田畑智子
碇貞夫(俊介の同僚刑事):寺脇康文
倉田康司(喬子の元夫):高橋一生
こちらは刑事側の視点で描かれていることがうかがえます。
上川隆也(キャラメルボックス)、寺脇康文(SET、地球ゴージャス)、舞台出身の2人の共演。
高橋一生もここ数年ブレイクした印象ですが、以前は舞台で活躍していた時期がありました。
佐々木希のセリフがほとんどなかったことが話題になった記憶があります。
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理由
長い長い殺人(書籍)