2013-1
何の前情報もなく、数年前に買って積ん読したままだった。
そのうち、子供の課題図書に挙げられたときには、えっ、そんな本だったのか、と驚いたものだった。
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中学に入り同級生に溶け込めなくなった主人公まいが、森の奥でひとり暮らす大好きな祖母と生活を始める。イギリス生まれの祖母は魔女の家系であると聞かされ、自分も超能力を持てるようになりたいと、祖母の言うままに . . . 本文を読む
今年最後に登場していただくのはやっぱりこの方しかいない。
そう、今年もっとも笑わせてくれた哲学のセンセイ。
まえがきの2行目から吹き出し、目次の表題を見て、やっぱり
また、とほくそ笑んでしまう。
「栄」の章、「?」の章。。。
(興味があれば立ち読みしてね)
「罪と罰」をもじっただけでなく、
・妻に対して罰が加えられるのか
・妻をもらった人に罰が下るのか
いやいや、
・妻をもらったこ . . . 本文を読む
やっぱりこのシリーズのテーマは「家族」。
今回は難しい年頃の子供との親子関係か。
不良債権の隠蔽問題を捜査しているとき、ある刑事が
大学時代の柔道部の後輩である銀行員から接触を受けた。
実は、同じ柔道をしている息子を通して、捜査の情報が
漏れていたのである。さらにその問題を隠すため、家宅
捜査の日取りまで教えてしまうことになる。
このことにずっと悩んできた刑事だが、ある日突然、
銀行員が殺害 . . . 本文を読む
横山秀夫や今野敏の警察小節の話をしていたときに、知人が
勧めてくれた一冊。
かつてのおとり捜査で、共に修羅場をくぐりぬけた元相棒が、
覚醒剤を使用した揚句に女を殺害したとして、突然射殺命令
が下った。このあまりに唐突な警察本部からの命令の裏には、
裏金問題の告発を阻止するといった事実が隠れていた。。。
ストーリーとしてはよくある展開。さらにこれは、横山秀夫
や今野敏の警察小説と違って、警察、キ . . . 本文を読む
樋口&氏家コンビの第2段。
今度は樋口に妻が失踪した。常に冷静に行動する樋口が、
期限が限られ、警察に頼れないためもあり、半ばなりふり
かまわず捜査する。
行動を共にする氏家は心理学を専攻していたこともあり、
相棒に対する判断、犯人に対するプロファイリング、そし
て若者や家族に対して洞察しているのだが、これが興味深い。
若者の気ままな行動を批判し、それを許したのは大人が作っ
てきた社会だと説 . . . 本文を読む
今年もっとも知的に満足させてくれた一冊。
文庫化して改題されたのだが、「ジミーの誕生日」だったら
手に取らなかっただろう。
昭和23年12月23日の日付になってすぐの深夜、東京裁判で死
刑判決を受けた東條英機ら7人の絞首刑が執行された。物語は
この場面から始まる。そう、この日は現在の天皇誕生日で、
平成になって急に祝日になった日である。
東京裁判でA級戦犯が起訴されたのは昭和21年4月29日で . . . 本文を読む
子供のころからずっと将棋が趣味である私には、米長、谷川、
羽生が憧れる棋士であった。
だから以前からこのひとの著書は読みたくて仕方なかったのだ。。
「決断力」「大局観」。。
ただ、何となく自己啓発ものには警戒心があり、手に取れずにいた。
「直感」
この漠然としたことを一冊の本にできるのか。もちろん棋士の直感を
疑うわけではないのだけども。
直感が生まれてくるのは悩んで模索した経験を数多く積み . . . 本文を読む
百人一首の本と間違って買ってしまった、いわくつきの本。
約4500首の和歌集で、20巻からなるが、このうちの約80首が
ランダムに解説されている。
語句の注釈は最低限だし、歌の解説も物語風、または著者の
エピソードなどになぞらえて書かれてる。どれも1ページ程
度の短い解説なのも、押しつけがましくなくて良い。
恣意的なのか、もともとそういう歌が多いのかわからないが、
万葉時代の恋愛事情を垣間見る . . . 本文を読む
「とりとめのない雑文」
多分、こう書いても谷川さんは怒らないだろう。
ただ1日の行動を羅列したものから、音楽会に行ったときの感想、
そして育ってきた中での両親への想いを綴ったものまで、何の一
貫性もなく、描かれている。
と思いきや、外国や日本のホールでの詩の朗読会など、詩人とし
ての様子も時々書かれている。
残念ながら、詩人の名前をかかれても私には全くわからないし、
この本には詩自体が描かれ . . . 本文を読む
久しぶりの武家もの。そして「永遠の0」で初めて知った百田尚樹の作品。
小さな妹が道で土下座をしなかったばかりに父が死ぬことになった勘一、
そして藩校一の秀才で、かつ藩内でも剣術が達人と評された彦四郎。
この竹馬の友が、ある事件をきっかけに人生の生き方に対する信念を抱く
ようになる。命をかけて一揆を先導した百姓と、藩全体を慮り自死して
責任を取った町奉行の件である。
冒頭に書かれているように、 . . . 本文を読む