朝もはよから電話が鳴りました。
うちのじゃなくて、お義母さんの電話。
まだ8時前。
お義母さんは、まゆちゃんと一緒に朝ごはんを食べていた。
まゆちゃんは、最近おばあちゃんが大好きで、毎日のように一緒にお風呂に入って、一緒に寝ているのです。
私は2階で、こんな朝から電話なんて誰だろう?散歩のお誘いか?なんて思っていたんですが。
お義母さんは電話に出て「はい、〇〇です」と名乗った。
相手は「おばあちゃん?起きてたの?まだ寝てるかと思ったよ」と言ったそうな。
寝てると思ってるならかけてくるんじゃねえよ!と思うところですが、それは置いといて。
おばあちゃん、と言うので、18歳になる孫からだと思ったお義母さん。
「あら起きてるわよ。どうしたの?」
「おれ、蓄膿症になっちゃって・・・鼻が詰まって声が変だろ?手術するかもしれないんだ・・・」
「あ~ら、そんなんでこれ以上ばかになったら困るわね」
こんな感じで会話したそうですが、蓄膿症だからって、鼻が詰まってるからって、それにしたって声がおっさんすぎる。
もう声変わりもしてるけど、もう18歳だけど、でもやっぱり18歳は18歳なりの、若々しさがあるんだわよ、しゃべり方とか、声とかに。
しかも3日ほど前に遊びに来たばかりだ。
その時はいたって普通だったんだから、こりゃなんかおかしいぞ、とお義母さんは思った。
以前に危うくだまされるところだったことがあるので、さすがにお義母さんもこれは孫じゃないぞ、と思ったらしい。
電話がかかってきたので、お義母さんが電話に出ている横で、まゆちゃんがしきりに「だ~れ~?だれからおでんわ~?」と騒いでいたら。
「誰かいるの?」
「いるわよ。一緒に朝ごはん食べてるの」
「誰と一緒なの?」
「誰と一緒だと思うの?あんたわからないの?」
本当に孫だったらば、当然、一緒に朝ごはん食べてる子供がまゆちゃんだとわかるはずなんですが、孫じゃなく詐欺師なんだからわかるはずない。
まゆちゃんのことが分からないようなので、お義母さんはさらに聞いた。
「あんた、名前を言ってごらん」
「え・・・おばあちゃん、俺の名前忘れちゃったの?」
以前かかってきた電話では、調べてからかけてきたらしく「かあちゃん、オレだよ、〇〇だよ」と名乗ったんですが、孫の名前までは調べられなかったんだか、いまいち詰めの甘い詐欺師だったんだか、とにかく相手は名前を答えられず・・・適当に名乗った。
「オレだよ、ひでだよ」
残念ながら、そんな名前の親類はいない。
「うちにはそんな名前の子はいないけどねえ」
詐欺師はこりゃ失敗したな、とすぐに思った様子。
ちゃんと電話に出るときに「〇〇です」って名乗ってるにもかかわらず、急に「あれ、鈴木さんじゃないんですか?」ときた。
「ちがいますよ」と言ったら、「あ、すいません、間違えたみたいです」と言って切ったそうで。
ばーか。
おとといきやがれ!!
今ねえ、お義母さんの妹のダンナさんが具合が悪くて入院してたりとか・・・あと、その孫のお兄ちゃんは、とても大変な病気でいつ何があるかわからない状況だったりするので・・・朝から電話がかかってきたら何だろう?って思うじゃないの。
まったく、そんなくそ電話、朝からかけてくるんじゃねえ!!
と思ったのでした。
ではでは。