英国のプレミアリーグが、外国でも公式戦を実施する計画があることを公表。
東京で2試合開催する案もあるとの由。
単純に考えれば、アーセナルやマンチェスター・ユナイテッドなどの〝ガチンコ〟が東京で生観戦できるのだから、非常に歓迎すべきことなのだけど、吾輩は、この海外進出計画に断固、反対です。
万が一、英国外での公式戦が行われることが正式決定されても、日本サッカー協会には、日本国内での公式戦開催を拒否して欲しいし、拒否する必要がある。
なぜ、海外公式戦開催に反対なのか――
1)サッカーやラグビーとは、そもそも地域対抗戦で始まり、地域対抗戦として盛り上がってきたもの。
だからこそ、「ホーム&アウエー」という形式でリーグ戦やカップ戦が運営されている。
サッカーの母国である英国が、これを放棄して海外で試合を行うなど、とても信じられない。
ある意味、理念と歴史を冒涜する行為。
FIFAクラブワールドカップ、UEFAチャンピオンズリーグの決勝戦、UEFAカップの決勝戦、等々の試合がホーム&アウエーに無関係の〝土地〟で開催されるのはいいとして、サッカーの興行の基本であるリーグ戦を、縁も所縁もない外国で実施してはいけない。
ちょっと脱線するけど、浦和レッズが、より入場料収入の見込める国立霞ヶ丘競技場でホームゲームを主催せず、地元スタジアムの駒場開催に拘ったという有名なエピソードを知ったとき、衝撃を受けた。
また、イビツァ・オシムさんがジェフの監督時代、国立競技場で試合を主催するクラブに諫言して、以降、ジェフが市原臨海とフクアリでしかホームゲームを催さなくなったというのを知ったときも、胸に来るものがあった。
聖地を大事にする姿勢、本拠地を大事にする哲学、この重要性を叩き込まれた。
地震のための緊急避難だったとはいえ、アルビが国立競技場で主催試合をすることになったときは、二重の意味で悲しかった。
ひとつは地震への悲しみ、もうひとつは聖地で試合が催せないことへの悲しみ。
当時も東京に住んでいたけど、国立開催は歓迎すべきことではなかったね。
やはり、アルビはセイゴローで試合をしなくてはいけないのだ。
アルビ以外のクラブも同様で、目先の利益に走らず、各々の聖地を大事にしなくてはならないと思う。
アルディージャが今季の主催試合の会場を、事実上、NACK5スタジアムに固定しているのは評価できる。
観客動員の見込める埼玉スタジアム2002でレッズ戦を実施せず、NACK5に拘ったのは英断だ。
反対に、柏レイソルが、浦和レッドダイヤモンズ戦を国立霞ヶ丘競技場でやるというのは……
日立台があの赤い人たちには手狭なのは理解できるけど、日立柏サッカー場もしくは柏の葉で行うのが、Jリーグの理念上〝筋〟なのだけど……
2)プレミアリーグが、海外で主催試合を行うことは、興行権の侵害である。
プロスポーツの肝の一つは、営業収入の確保だ。
だから、フランチャイズ権、活動地域権を設定して、よそのチームが〝自分のシマ〟でゲームを主催することを許していない。
これは、日本のみならず、アメリカでもヨーロッパでも同じ道理。
プロチームが存在しない地域、活動地域権が無い空白地域で主催ゲームをやることは許されるでしょう。
道義的にもノープロブレム。
それは国単位でも見ても同じ理屈。
日本にはJリーグがあるし、中国にはCリーグがあるし、米国にはMLSがある。
それなのに、プレミアリーグが乗り込んでくるなんて、看過できない。
オールド・トラッフォードで、バルセロナ主催でバルセロナ×セビージャをやるとなったら、マンチェスター・ユナイテッドとそのサポーターは許すだろうか?
絶対に許すはずがない。
営業権の侵害だと主張して、法廷闘争に持ち込むくらいの剣幕になるに違いない。
仮に、同じプレミアリーグのマンチェスター・シティが、オールド・トラッフォードで主催ゲームを行いたいと言っても、マンUは認めないだろう。
“お前ら、シティ・オブ・マンチェスターがあるだろうが、そこで試合をしろよ”
となるでしょうね。
ここ20年の間に、経済の世界では『市場開放』『外資導入』などという謳い文句が大手を振っている。
おかげで経済が活性化されるなどのプラス面も出てきたけど、半面で、行き過ぎた「新自由主義経済」のせいで、地元経済が叩き潰されるという暗黒面も露になった。
そういう意味でも、プレミアリーグが日本で試合を行うことを認めてはいけない。
翻って、日本で大リーグの開幕戦を認める日本プロ野球機構って、ナンなんだろう?と不快に思う。
パリーグの開幕戦にぶつかる形での興行を認可するなんて、頭がイカれているんじゃないかと思う。
常識じゃあ、認めないのが普通でしょうが。
それでいて、プロ野球のオーナーたちは、NHKに対して
“メジャーリーグの試合結果ニュースを頻繁に流すのは止して欲しい”
“大リーグ中継の放映権を高い金出して買うならば、その分、日本のプロ野球中継をもっとやってくれ”
とかヌカしてんだよな。
意味が分からない。
3)選手のコンディション不良を招くもので、プレミアリーグの〝質〟そのものに悪影響を与えるから。
1990年代後半から、オフシーズン(7~8月)に、いわゆるビッグクラブがアジアや北米などを巡る『一大プロモーション』を行っているけど、そのせいでシーズン開幕前にトレーニングを積めず、時差などでコンディションを崩し、リーグ戦で散々な結果に終始するパターンが目立ってきている。
結果、ここ最近は、以前ほど海外での『金稼ぎツアー』が減少化・短縮化している。
また、サッカースケジュールの過密化とその弊害は、欧州でも頭痛の種。
そこへプラスして、長距離移動と時差ボケを招く海外での公式戦などやったら……
フレンドリーマッチならば〝手抜き〟も許されるけど、公式戦ではそうはいかない。
選手の肉体には相当な負担が掛かるはずだ。
たった1試合のために、北京だとか東京だとかニューヨークだとかまで出掛けるなんてナンセンス。
そう言えば、ブラジル代表の金儲けツアーは、いつの間にか消えてしまったね。
セレソンは世界中で人気があるものだから、ブラジルサッカー協会が、無意味な世界ツアーを組んだんだけど、これが選手と、その選手の所属クラブに大悪評。
それが効いたのか、ブラジル代表の金稼ぎツアーのニュース、全然聞かなくなった。
以上の3点から、プレミアリーグの海外公式戦を認めるわけにはいきません。
マーケットを海外に求める、その貪欲な姿勢は見習うべきだけど、超えてはならない一線というものがあります。
日本にビッグクラブがやって来るけど、あれは日本のクラブとの親善試合だから、許せること。
Jクラブを除け者にした状況での公式戦開催なんぞ、断固反対。
去年も、AFCアジアカップ2007が開催中だというのに、その期間に敢えてアジアツアーを組もうとした某有名クラブがありました。
アジアサッカー連盟が猛反対して、スケジュールが変更させられたけど、それも当然のこと。
FIFAは、どうやらプレミアリーグの計画を許可しない方針のようだけど、ホント、絶対に認めないでもらいたい。
億が一、兆が一にもFIFAが許可したとしても、日本サッカー協会は許してはいけない――それが吾輩の意見です。
現地生観戦が1番ですよね!たぶん・・・(笑)
でも・・・もしこれが本当に開催決定!!って事になったらブーブー言いながらもたぶん行きますね(汗)
青対赤 白熱中!!!
赤0-0緑
プライドinブルーを 観て来ました。
よい映画を ご紹介いただきありがとうございました。
感想はまた 後ほど
プレミアリーグについて同感です。
でも、日本に来たら、観にいってしまう 意思の弱い自分がいます。(ガクッ!)
『 青 対 赤 』 は 途中から 白河夜船でした。
でも、今朝 起きたら アーセナルファンにとって ラッキー!! しかも 2試合共。
このまま、突っ走るぞッ!! ヨッシャー!!
>現地生観戦が1番ですよね
カンプノウやエミレーツスタジアムなどの「器」も大事な要素だと思います。
そこで「観る楽しみ」というのもあるのですから、海外の無関係の土地では興行をしてもらいたくないんですよね。
予想外なのか、順当なのか、結局エジプトが2連覇を果たしちゃいましたね。
CNNでアフリカ選手権の特集をしていて、その映像を見たのですが、あれ観ちゃうと、ホント試合全部を視聴したくなりました。
「プライドINブルー」をご鑑賞されましたこと、非常に嬉しく思います。
またお気に召されてなによりでした。
>今朝 起きたら アーセナルファンにとって ラッキー
マンUファンにとったら、アーセナルに負けておいて、うちらには勝つのかい?!ってところでしょうか。
そして欲を言えば、青対赤の対決は、赤に勝ってもらいたかったですのですが、まあ御の字の結果でしょうか。