大手スポーツメディアは、どうして犬飼会長を批判しないのか？

日本サッカー協会の犬飼基昭会長が、〝日本で一番権威のある大会〟にベストメンバーで臨まなかったことを理由に、処分を下すと息巻いていることに対して、新聞各社やテレビ局はどのように報じるのだろう、と興味津々だった。

有り体に言えば、“犬飼会長、貴方の理屈は屁理屈、道理に合っていない”という批判が記事に踊るものだとばっかり、思っていた。

だがしかし、昨日の報道で、確認出来る限り、テレビ局は触れず。
新聞社は、処罰する意向を犬飼会長が明言した、と論評抜きの事実を報じるのみ。

唯一、日刊スポーツ新聞社だけが、解説記事を載せていたけど、それは犬飼会長の秋春制移行を睨んだ深謀遠慮であるという内容。
違う内容を望んでいたけど、犬飼会長が、ジェフとトリニータを〝人身御供〟にして、秋春制移行への突破口にしようとしているという指摘は予想外のものであり、また同時に背筋が寒くなる思いをした。

それにしても、大手メディアは、なぜ犬飼会長の「過ち」を指摘して、是正しようと動かないのだろうか？

今回の〝日本で一番権威のある大会〟でのベストメンバー騒動は、どう考えたって、犬飼会長側に非がある。
少なくとも、道理が立たないし、二重基準を示している。

それは、吾輩を含む多くのサッカーファンブロガーが指摘しているところ。
ジャーナリストでもない人間が、犬飼会長の屁理屈を糾しているのに、大手メディアの記者さんたちが、ただ事実のみを伝えて、論評を書かないのは腑に落ちないぞ。

後藤健生さんらフリーランスの立場のジャーナリストたちは、犬飼会長の言動に、批判の声を上げている。
ただし、それはブログなどのネット媒体。
いわば、インディペンデントな媒体での発信であり、それを目にする人の数は、たかが知れている。

けど、新聞は違う。
最近はどこも部数が減っているけど、それでも100万人単位が、新聞に目を通している。
影響力は遥かに大きい。
そういう言論機関が、率先して、今回の問題を取材して記事にしないのは、怠慢だ。
或いは、犬飼会長を恐れて？遠慮して？しがらみから？論評記事を書かないだけなのかよ。

磐田と清水も大きく先発を代えたのに、それに言及しない犬飼会長に、“あなた、矛盾しています、ダブルスタンダードです”と、なぜ、どこも指摘しない？

ターンオーバー制は、欧州では常識であり、選手のコンディションなどを考えれば認めるべきと、なぜ提言しない？

誰と誰とをスタメンで使うかを決めるのは監督の専権事項であり、第三者が口を挟むべき問題じゃないと、なぜ糾弾しない？

大会規約に書かれていないのに、一人の人間の恣意的な判断で、罰則が与えられようとしていることに対し、なぜ間違っていると書けない？

そもそもベストメンバーとは何を以って定義するのだろうかという建白を、なぜ書かない？

14日の理事会で、なにがしかの処分が決まるようだが、その前後には、新聞社がそれぞれの立場で、今回の騒動を斬ってもらいたい。
犬飼会長の肩を持つ内容だったら、正直イヤだけど、それでも構わない。

大手メディアが報じることで、事態は大きく変わることは、過去いくつもあったんだから。