紙魚子の小部屋 パート1

節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物のあれこれ、家族漫才を、ほぼ毎日書いています。

お茶目な住まい

2006-08-06 23:15:09 | おでかけ
 昨日は猛暑の中、PTAのお仕事で京都に行って来た。次回のPTA広報に掲載するヴォーリズ建築を巡る連載、京都YWCA旧館への取材である。3名の素人広報部員を、会館のチーフの方が温かく出迎えてくださったおかげで、和気あいあいとゆったりとした取材の時間を持つ事ができた。感謝にたえない。


 ヴォーリズ建築で特筆すべきは階段である。どの建物もすべからく上り下りがしやすく、楽しくさえある階段なのだ。たとえエレベーターがあっても、あまり利用されないというくらい、魅力的な階段なのである。これはもう、体験するしかありません。

(←すみません、90度回して見てください・汗)



 今回訪れたYWCAは、簡単にいえばYMCA女性専科みたいな場所なのだが、旧館はかつて外国からの女性客が宿泊するための施設であったため、細やかな配慮がある。

 昨年取材させていただいたヴォーリズ建築は、階段の途中の木の壁面に五角形の切り込みに取手がついており、取っ手を引っ張ると「隠し収納場所」だったりして、あっけにとられたあと大喜びしてしまった。

 今回もそれに匹敵するような面白い趣向があった。

(すみません、ふたたび90度回して見てください・・・)
 小部屋と小部屋の間の廊下に、小さな細長いドアが付いている。取っ手を引っ張ると、細いドアは下向きに唐黷X0度で静止する。細長い机のように広がるそれは、なんとアイロン台として使われたらしい。



 シンプルで機能的で、細やかな配慮とお茶目な遊び心。ヴォーリズ建築の神髄は豪華な建物より、むしろ「日常生活」をメインにすえた一般住宅にこそあるように思う。そこに作り手の人格というものを、しみじみと感じる。
 ヴォーリズさんが亡くなって、もう半世紀ほどになるのだけれど、彼の作った建物があるかぎり、彼は「生きている」のかもしれない。






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