
あのコミックを、映像化するとは・・・と驚かされることがある。
以前、ジョージ秋山先生の「銭ゲバ」がドラマ化された時などは、そう思った。
そして、今回の「アシュラ」の映像化にも驚かされた。
「アシュラ」もまた、「銭ゲバ」同様にジョージ秋山先生の作品である。
私は「アシュラ」がリアルタイム連載されていた時のことを覚えている。
特に連載開始近辺の騒ぎを。
掲載誌は、確か少年マガジンだった・・と思う。
当時、「アシュラ」は問題作とされ、掲載されていた少年マガジンが発売禁止になったんじゃなかったかなあ。
人肉を食べるシーンがあり、それが問題視され、掲載されている少年マガジンごと発売禁止・・もしくは回収になったように覚えている。
だが、かえってその騒ぎのために、否応なしに「アシュラ」への関心は高まったのだった。
私も「アシュラ」には興味津津になった1人だった。
だが、子供の頃だったし、マガジンを毎週買うほどの金銭的余裕はなかった。
なので、初回近辺の衝撃展開の後は、読めずじまいだった。
なので、その後の展開が気にはなっていた。
あの漫画、どう進んでいくんだろう・・どんな結末を迎えたのだろう・・という気持ちで。
結局・・・「アシュラ」のその後の展開を一通り読めたのは、・リアルタイム連載からだいぶ年月がたってからだった。
仕事関係の人だったか、あるいはプライベートの友人だったかは忘れたが、知り合いが「アシュラ」を持っていたのだ。
そこで、やっと読めたというわけだ。
だが、それとて今からだいぶ前。もう内容は忘れてしまっている。
だから、「アシュラ」の経過や結末について、今語れるほどの知識は持ち合わせていない。
実は、自分で全巻持っていたくて、本屋を探したことは何回もある。
でも、結局見つけられなかったのだ。そのまま現在に至っている。
以前本屋で「銭ゲバ」の復刻本を見つけた時などは、「アシュラ」も復刻されてるのではないかと思って、それなりに熱心に本屋を探したものだが、その時でさえ入手できなかった。
それゆえ、いまだに「アシュラ」に関しては、連載開始当時の騒ぎと「問題作」というイメージが強い。
そんな問題作とされた「アシュラ」が・・・
まさか映像化されるとは。
時代は変わったんだね。
「銭ゲバ」といい「アシュラ」といい、当時のジョージ秋山先生の作品は、他の漫画家が避けて通りそうなタブー的作品を描いてたので、凄みがあった。
だが、ジョージ秋山先生は、そういう作品ばかり描いていたわけでない。
あまりにも「銭ゲバ」や「アシュラ」のインパクトが凄すぎただけだ。
実際には、「パットマンx(エックス)」などの、ほのぼの系もあったし、「ほらふきドンドン」みたいな大爆笑作品もあったし、「ピンクのカーテン」などでは再び話題作を描いたが、その一方で「浮浪雲」みたいな長寿作品もある。
個人的には、「パットマンx」などは、これまで映像化されていないのが少し不思議な気がするくらいの名作だと思うのだが・・。
ともあれ、「アシュラ」の映像化には、かつてこれが問題作とされ社会問題になった時代があったことを考えると、感慨深いものがある。
「銭ゲバ」の映像化が、この「アシュラ」の映像化をしやすい環境に繋がった・・のだろうか。
だとすれば、個人的には嬉しいことではある。
今は、「アシュラ」を全巻入手して、もう一度最初から最後まで読みなおしたい。