時間の外  ~since 2006~

気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

リアル「10万馬力」って、どれぐらい?

2017年02月26日 | 漫画・アニメ、そして特撮

鉄腕アトムは、当初「10万馬力」のパワーを持っていた。
主題歌にも「♪ 10万馬力だ 鉄腕アトム~」という歌詞があったぐらい。

では、10万馬力って、実際にはどれほどのパワーだったのだろう。
子供の時、「10万馬力」というパワーが一体どれぐらいのものなのかイマイチわからなくて、ピンとこなかった覚えがある。
というか、「馬力」という単位そのものが、私にはピンとこなかった。

そう思い、ちょっと調べてみた。
すると・・

以下の記事をネットで見つけた。

元々は、1馬力というのは「荷を引く馬」が継続的に荷を引っ張る際の仕事率を基準にしているらしい。

さらに・・
仕事率単位としての「馬力」は、各国共通の計量方法ではなく、例えばイギリスにはイギリスの、フランスにはフランスの、そして日本にも日本の定義があるようだ。
そのへんが、馬力の捉え方が分かりづらく感じられていたのかもしれない。

今では定義としては「1馬力とは、75kgwの力で、1秒間に1m仕事をする際の仕事率」ということらしい。
だが、どうもこれだと分かりづらい。

そこでさらに調べると

「1馬力=735Wの電力に相当。」


・人間=1馬力(継続的に発揮できる仕事率は0.1 - 0.2馬力程度)
・競走馬=15 - 20馬力(継続的に発揮できる仕事率は2 - 3馬力程度)
・四輪自動車=40 - 300馬力
・大型トラック、大型バス=250 - 600馬力
・プロペラ機=200 - 2万馬力
・ジェット機=1万 - 7万馬力]
・ロケットの主エンジン 約300万馬力
・その横についている固体ロケット 400万馬力、
・8両編成の新幹線のモーター1万馬力
・ジャンボジェット機12万馬力
・戦艦大和 15万馬力
・大型(例えばF15)戦闘機 50万馬力 」

だそうである。こうした実際の比較だと、少しはイメージしやすい。
これでいくと、アトムはジャンボジェットに近いパワーと仕事率だったことになる。
だが、大型戦艦や戦闘機にはかなわない・・・そんな感じだ。
何十年も前の戦艦大和に、あのアトムがかなわないというのは、さすが戦艦大和という気がする。


ちなみに、ご存知のようにアトムは、「史上最大のロボット」編で、100万馬力のプルートに一度負け、その後プルートに対抗するために100万馬力にパワーアップされている(ただ、その後しばらくして(?)また10万馬力に戻されたようでもある)。
仮に100万馬力だと、戦艦大和には楽勝、戦闘機にも楽勝してしまうパワーと仕事率。
だが、宇宙ロケットにはとうていかなわない。

もし、どうしても大和に勝たせたいなら、宇宙戦艦ヤマトに登場願わないと、無理なのだろう(笑)。

 

そういえばアトムの「史上最大のロボット」編では、最後に最強の敵として200万馬力のボラーというロボットが出てきたが、そのボラーをもってしても、宇宙ロケットのパワーにはかなわないということになる。

そうすると、宇宙ロケットがいかに驚愕のパワーを持っているか・・ということを実感してしまう。

ロケットに実際に上記のようなパワーがあるということは、現実世界でも300~400万馬力というパワーはすでに、人間によって実現されているということだ。

ただ、アトムのスゴイのは、あんな小さな体でジャンボジェット機並みのパワーを持っているということだ。
これだけは、現実世界でもまだ実現できていない。
実現させるには、今の科学水準だとかなりの大きさが必要になるのだろう。
100万馬力なら、大型ロケットほどではなくても、中型ロケットに近い大きさになるのではないか(実際100万馬力のプルートは、ロボットとしては大型ロボットだった)。
また、10万馬力でも中型戦闘機並みの大きさが必要になりそうな気はする。

アトムは、作品の中でも子供型ロボットだったので、かなり小柄な体だった。それでいて10万馬力バージョンでジャンボジェット機並みのパワーを持っていた。
ちなみに、100万馬力 が745 699 872 ワットなのだとしたら、最新型の大型原発の発電量の半分を、100万馬力バージョンのアトムは体内発電していたことになるらしい・・。

どちらにせよ、とてつもない。

アトムのエネルギーは原子力エネルギーだったことを考えると、まさにアトムは「動く原発」だったことになる。
しかも、動くだけじゃなく、空を自由に飛ぶわ、時には敵ロボットと格闘するわ、海にはもぐるわ・・。
特に、敵との格闘なんて、・・格闘によって壊れたり破壊されたりするリスクを考えれば、とんでもない話では・・ある。

だが・・当時の読者は、アトムのスーパーパワーの源である原子力発電は、明るい未来をもたらせてくれると信じていたのだ。
その負の要素など想定もしないまま。

 

 


 


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4 コメント

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どこのドイツ (ガーゴイル)
2021-03-11 19:43:56
手塚治好きのアトムのアニメスタッフや漫画スタッフはアトムに鉄腕ではなくアストロなど別の言い方をして欲しいとテレビの手塚治特集番組で見たことがあるんだ。さらに漢字が違ってもテツ腕という題名や歌詞にしたくもないんだって。
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Unknown (だんぞう)
2021-03-11 20:50:36
はじめまして。
時間の外にようこそ。

そういえば、アメリカでは鉄腕アトムはアストロボーイで通ってますよね。
日本でもアトムがアニメでリメークされた時に、主題歌の歌詞にアストロボーイという名前が出てきたことがありましたっけ。

なので、日本でもアトムの別名みたいな感じで、それなりに知られてるような気はします。

ただ、アトムのスタッフがそう望んでいたとは知りませんでした。
情報、ありがとうございました。
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マルテンサイト千年 (グローバル・サムライ)
2024-06-26 00:28:17
最近はChatGPTや生成AI等で人工知能の普及がアルゴリズム革命の衝撃といってブームとなっていますよね。ニュートンやアインシュタイン物理学のような理論駆動型を打ち壊して、データ駆動型の世界を切り開いているという。当然ながらこのアルゴリズム人間の思考を模擬するのだがら、当然哲学にも影響を与えるし、中国の文化大革命のようなイデオロギーにも影響を及ぼす。さらにはこの人工知能にはブラックボックス問題という数学的に分解してもなぜそうなったのか分からないという問題が存在している。そんな中、単純な問題であれば分解できるとした「材料物理数学再武装」というものが以前より脚光を浴びてきた。これは非線形関数の造形方法とはどういうことかという問題を大局的にとらえ、たとえば経済学で主張されている国富論の神の見えざる手というものが2つの関数の結合を行う行為で、関数接合論と呼ばれ、それの高次的状態がニューラルネットワークをはじめとするAI研究の最前線につながっているとするものだ。この関数接合論は経営学ではKPI競合モデルとも呼ばれ、様々な分野へその思想が波及してきている。この新たな科学哲学の胎動は「哲学」だけあってあらゆるものの根本を揺さぶり始めている。こういうのは従来の科学技術の一神教的観点でなく日本らしさとも呼べるような多神教的発想と考えられる。
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Unknown (だんぞう)
2024-06-26 13:42:22
グローバルサムライさん、専門的な見解と説明と展望、ありがとうございます。
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