蒼天在眼 (そうてんまなこにあり)ーベランダで星を見る

昔、昔、天文少年でした。そして、今は、ベランダから、星を見ています。
いろいろの忘備録

赤道儀をベランダに設置するの巻 その1

2021-08-29 09:06:51 | 天体観測

いよいよ、ベランダに赤道儀を設置します。

赤道儀で、天体を追いかけるためには、水平に設置することと、回転軸(赤経軸)を地球の自転軸(地軸)と平行にする必要があります。こうすることによって、赤経軸に取り付けた、モーターを自転に合わせて回すことにより、望遠鏡の視野内に天体を固定することが出来るようになります。

いざ、ベランダへ移動します。すでに、ベランダには、南極と北極を結ぶ経線(子午線)が既に引いてあります。

 

OGPイメージ

天には快晴を、 ベランダには経線を の巻 - 蒼天在眼 (そうてんまなこにあり)ーベランダで星を見る

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この線に沿って、赤道儀の三脚を載せます。さらに赤道儀の赤径軸の台座が直線的に削り出しになっているので、大型三角定規を台座基部に押し当てて、方向を決めます。ちなみに、ゴミ袋ではあんまりなので、三脚に取り付ける小物入れを購入しました。

さらに視線を移動して、なるべく正確に合わせます。

次に、赤道儀の水平出しをします。これには赤道儀基部にある2本の気泡管を基準に合わせていきます。

泡が寄っている側が高いので、三脚長を調整して気泡管の中央に泡がくるように、調整します。

本来ならば、ここから先は、赤経軸に内蔵された極軸望遠鏡を使って、北極星とその近傍の星を観測しながら、赤経軸の向きを調整するのですが、南向きのベランダでは、北極星は視界に入らないので別の工夫が必要です。

 

iPhoneアプリの「Polar scope align pro」を使います。本来は、極軸望遠鏡を使う場合の、北極星の時角計算などをやってくれるアプリですが、北極星の見えない状況で、例えば日中などで、内蔵のセンサーを使って、軸合わせを支援する機能があります。

起動すると、極軸望遠鏡を使うモードで立ち上がるので(写真左)黄色い矢印の、太陽のアイコンをタップします。すると、写真中央の画面が表示されます。iPhoneを動かすと十字線が動きに合わせて動き回るので、赤道儀の望遠鏡を取り付けるアリミゾにアイホンを載せます。ロスマンディのアリミゾは幅が3インチ(7.5cm)もあるので、iPhoneを固定できます。怖いので、固定用ネジはiPhoneが落ちない程度にそっと締めます。

本来の使い方は、同心円の中央に十字線がくるように赤道儀の水平、垂直微動ネジを合わせますが、我が家のベランダは、鉄筋のため磁石が13度もずれているので、今回は、垂直微動ネジのみ、動かして合わせます。(写真右)

iPhoneは、内蔵のGPSや、コンパス、ジャイロを使って地球の自転軸を出しているのですが、精度的には、1度ぐらいの誤差は出そうです。また方位角も定規と目で決めたので、全体的に1度程度の誤差があると思われるので、長時間露光の撮影はこのままでは難しいと思われます。

この後は、夜になってから 天体観測をして、ドリフト法で合わせていく予定です。赤道儀に、そっとカバーを掛けて夜を待ちます。


ロスマンディの赤道儀が到着する の巻

2021-08-26 10:07:42 | 日記

昨年 10月、ロスマンディGM8赤道儀を注文してから2ヶ月目の12月に、突然ジスコさんから、「出荷した」とのメールを受け取りました。出荷ってアメリカからかなとも思いましたが、3日後に、かなりの重量がある。ひと抱えの段ボールが2個玄関に到着しました。佐川のお兄さんありがとう。

一つ目の長い箱は、三脚が入っていました。二つ目箱の箱80cm四方の大きな箱にいくつかの段ボール箱が入っていて、大量の緩衝材に埋まった赤道儀と、付属品がそれぞれ収容されています。ジスコさん制作の日本語マニュアルがついていますが、英語のマニュアルはありませんでした。ロスマンディのサイトには、まとまったマニュアルがありませんので、断片的な要素要素の説明を読んで、察してねというスタンスなのでしょうか。ジスコさんの日本語マニュアルは、かなり親切で詳しいので、普通に使う分には困りません。

早速、組み立ててみました。ネジは、いわゆるインチネジ(American standard)です。六角レンチも付属しているので、差しあっては、困りませんが、metricな日本の工具はサイズが合わないので、要注意です。驚いたことに、駆動用モーターは、ユーザーが取り付けることになっていて、噛み合わせの調整とかどうするのか少し心配です。モーター固定用のネジがかなり奥の方にあり、付属の六角レンチがかなり無理な角度で締めなければならず、ジュラルミンのボディに少しキズがついてしまいました。まあ、機能には問題ないのでしょうが。いかにも、Amricanな感じです。もの自体は、ジュラルミン削り出しで、いかにも工作精度は高そうです。

 

配線して、12Vバッテリーに接続すると、動きましたが、少し変です。もう登っているはずのシリウスを自動導入すると、望遠鏡が、下を向いてしまいました。モーターの取り付けを間違えたかと思いましたが、問題ないようです。いろいろいじって最後の結論は、赤緯と赤径のモーターに繋ぐ配線が逆になっていたので、差し直して、落着しました。

三脚に留めてある買い物袋は、小物入れに使っていますが、いずれもっと使いやすいものに変更の予定。


8月は土星と木星が見頃 の巻

2021-08-09 11:25:04 | 天体観測

今回は機材ネタから、少し離れて、この8月は、土星と木星が見頃という最近の話題を。

8月2日に土星が、8月20には、木星が、衝に入ります。

衝とは、地球から見て、太陽と反対側に、天体が見える位置で、ちょうど、正面から太陽光が当たり、位置も近くなるので、明るく見えます。土星は、0等、木星は、-3等と南の空に明るく光っています。

夜の8時頃になると、南から、土星、木星の順で、東京でも、肉眼で、はっきり見えるので、自宅のベランダから、写真を撮ってみました。

では、みんな大好き、輪のある惑星、土星です。衝の直後なので、影がなく、全体が見えます。

この写真、実は、KE-60で撮ったのではなくて、別な望遠鏡で撮ったので、かなりしっかり写っています。

では、約1年前、我が愛機、KE-60で撮った土星は、こちら。

ははは笑ちゃうぐらい違いますね。上の写真は、口径18cmの反射望遠鏡で撮りました。

天文少年の頃、先輩が、「口径は正義だぁ」と叫んでいましたが、まさに、その通りです。

ついでに、衝、直前の木星です。こちらは、気流が悪くて、ピンボケ気味です。とほほ。

木星の3衛星とその影も写っています。中央部に見える真っ黒な円は、おそらく、ガニメデの影でしょう。

あと一つのガリレオ衛星、カリストは、今回は、木星から離れているので、この画角には入っていません。


アリガターアリミゾの謎 の巻

2021-08-04 11:50:29 | 天体観測

コロナ禍がとんでもないことになって、本業が忙しく、しばらく更新ができませんでした。さて、天体観測ネタにを久しぶりに投稿します。

 

私が天文少年だった頃は、天体望遠鏡は、赤道儀(架台)とセットで販売されていて、望遠鏡と赤道儀は、鏡筒バンドで結合されていました。KE-60型赤道儀も60mm口径の屈折望遠鏡と、赤緯体と一体になった鏡筒バンドで、固定するようになっています。こんな感じ。

ところが、新しく発注したlosmandy のGM8赤道儀は、アリミゾ金具で、アリガタ金具を咥えて固定するとのこととです。

ハテナ?です。

どうやら、ビクセンが、1992に発売したGP赤道儀から、この形式が普及して、今では、デフェクトスタンダードになっているようです。このGP赤道儀は、現在でも、多くのユーザーがいて、廉価な中華製の赤道儀も、GP赤道儀をまるまる模倣して販売されているようなので、オリジナルのGP赤道儀は名器と言えるでしょう。

そういうわけで、アリガタ金具と、6cm鏡筒に適合する鏡筒バンドを手に入れることにしました。ここで、問題発覚、内径63mmの鏡筒バンドが検索してもなかなか見つかりませんでした。

もっと大きい口径の鏡筒バンドならば、容易に見つかるのですが、60mm用はなかなかありせん。諦めかけた時に、救いの神が、現れました。スコープテックという会社です、このマニアも注目する入門用の屈折望遠鏡を製造している会社のパーツ販売サイトにお目当ての63mm内径の鏡筒バンドが見つかりました。ビクセン規格のアリガタの方は、いろいろ選択肢がありましたが、astrostreet 社の35cmのものにしました。

アリガタ金具と、鏡筒バンドを結合して、こんな感じに。あとは、赤道儀が到着するのを待つばかりです。


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