蒼天在眼 (そうてんまなこにあり)ーベランダで星を見る

昔、昔、天文少年でした。そして、今は、ベランダから、星を見ています。
いろいろの忘備録

R200SSのフードを作る の巻

2022-05-27 10:14:59 | 機材

R200SSがBalconのベランダにやってきました。R200SSは、ビクセンのベストセラーのニュートン式反射望遠鏡望遠鏡です。

Vixen 天体望遠鏡 R200SS鏡筒 | ビクセン Vixen

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株式会社 ビクセン 「Vixen 天体望遠鏡 R200SS鏡筒」ページです。天体望遠鏡、双眼鏡、単眼鏡、フィールドスコープ、顕微鏡、ルーペ、コンパスなど、様々な光学機器製品のご...

ビクセン Vixen

 

Balconが、天文少年時代は、反射望遠鏡は、少年には向いていないと教えられ、天文部も、主力は、五藤光学の15cm屈折赤道儀でしたので、今日のこの日まで、ニュートン反射望遠鏡望遠鏡には触ったことはございません。もちろん、煩わしいと言われている光軸合わせもしたことはありません。

では、どうしてR200SSを入手したかというと、2022年4月から価格改定で値上げされてしまったからなのです。値上げ前の価格で在庫限りで、アイベルさんが販売していたので飛びついてしまいました。

なぜ20cmの反射望遠鏡かというと、Balconが天文少年の頃は、いつかは、8cm屈折赤道儀か、20cmの反射赤道儀を手に入れることがアマチュアの夢だったのです。今なら30cmから60cmの反射望遠鏡を普通に運用しているアマチュア天文愛好家もいますが、あの頃は、いつかは、20cmだったのです。

それ以外の理由としては、、Balconの体力とベランダでの取り回しをを考えると、20cmが限界かと思われます。F4の鏡筒なので、長さは思いの外短い感じです。ベランダのLosmandy GM8赤道儀に載せて、撮影できるように色々パーツを取り付けて、バランスを取ろうとすと、現有のカウンターウェート(3.2kg)では、バランスが取れないことが判明。ウェート(5kg)も新調しました。付属のファインダーの光軸合わせは、xy式なので、あっけないほど簡単でした。

温度順応かかる時間や、東京西部のシーイング(3秒角の揺らぎが普通)を考えると、分解能もそこそこあればいいので、このサイズの鏡筒に落ち着きました。ベストセーラーだけあって、ネットの情報も豊富です。

副鏡の結露対策に屈折式のように簡単に電熱ヒーターを巻くようなことはできないので、まずは、フードを製作することにしました。

フードの土台には、ビクセンの樹脂製フードを購入して、これの外側に緊急用保温ブランケットを貼り付けて、放射冷却による温度低下を防ぐことにしました。

樹脂の放射冷却で失う熱量は、意外と多いらしいです。この記事を参考させていただきました。ありがとうございます。

夜露対策 「一ノ段:冷却防止」

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乾燥剤の面倒から逃れる望遠鏡の夜露対策 にチャレンジ中です。  前回の遠征で 夜露による撮影大惨敗 を喫したからには、その時の体験を対策に活かさない手はありません。...

 

 

内側は、樹脂の表面剥き出しで、ピカピカです。

折角フードですから迷光対策もすることにします。植毛紙をフードの内側に貼るのが定石でしょうが、今回はファインシャットSPというポリウレタンでできたシートを貼ります。植毛紙は、植えた毛が抜け落ちて、ゴミが光学系に付着するのがイヤなので、付けたりハズたりの回数が多いフードでは、耐久性も高そうなポリウレタンシートを採用しました。

厚み極薄0.2mm!内面反射防止シートの定番 ファインシャットSP

厚み極薄0.2mm!内面反射防止シートの定番 ファインシャットSP

厚みたったの0.2mm!ファインシャットSPは極細発泡の光吸収機構を持つポリウレタンシート。植毛には無い扱いやすさと、赤外までカバーする光吸収特性を両立しています。 レ...

KoPro

 

フードの裏側に、シャインシャットSPを張って同じ角度で撮影するとこんな感じ。ゴミを片付けていないので、お見苦しくて、申し訳ありません。

テカリはだいぶ改善されました。シャインシャットSPの問題点は、植毛紙よりも価格が高いことでしょうか。銀河の近赤外撮影にも効果があるといいなと思っています。

完成した。20cm級反射望遠鏡用フードです。

このフードは、現有の高橋のミューロン180cと共用する予定で、近赤外光フィルターで、銀河をバシバシ撮る予定です。ところが、銀河の季節が終わりそうで、ハラハラしてます。

新しい機材を導入するとなぜか、天の声の主と天気がご機嫌斜めになります。とほほ。


ネットでプレートソルビング の巻

2022-05-17 09:20:49 | 機材

そろそろ梅雨が近づいてきました。天文愛好家にとっては、最悪の季節です。観測は出来ないや、機材のカビの心配もしなければならないやで、踏んだり、蹴ったりです。

仕方がないので、前に撮影した写真を整理しようとすると、何を写したのかわからない画像が出てきたりします。PCがあれば、自前でプレートソルビングして、解決できるのでしょうが、PCでプレートソルビングができる環境を整えるのは、結構大変です。

インターネット上で、気軽にプレートソルビングをやってくれるサイトがあるので、こちらを使ってプレートソルビングをお気楽にやって見ました。サイトのurlは

https://nova.astrometry.net/

です。写真をアップロードするだけで、プレートソルビングをやってアノーティションまでしてくれます。

このサイトのトップページを開くと

こんな感じです。今回は、プレートソルビングの機能をつかいます。上の部分にあるタブのHome Explore Upload ...の並びのUploadをクリックします。

すると、プレートソルビングをするファイルを聞いて来ます。今回は、写真をアップロードしてプレートソルビングをするので、ラジオボタンは、Fileを指定して、Uploadをクリックします。

イメージの形式は、jpeg、gif、png、fitsが使えるようです。

今回アップロードするイメージは、これを使います。

アップロードすると

アップロードすると、イメージ提供ありがとう。通常10分以内で処理するから、待っていてね。というページが出て、次のページに切り替わります。

左下に、提出したイメージが出て、イメージの横に、 Go to results page, ジョブナンバー、 

Processing....と表示されていますが、しばらく待っていると、Processingが、Successに変わって、プレートソルビングが終了します。

Go to results pageをクリニックすると、結果を見ることができます。

アノーティションの入ったイメージと、Caliblrationの項目に、中心の赤径、赤緯、イメージの視角、イメージのオリエンテーション、1ピクセル当たりの視角などのデータが表示されます。下の方には、しし座のお腹当たりを覗いているイメージも表示されています。

記事にすると、大変そうですが、イメージを用意して、アップロードするだけなので、とてもお手軽です。

今回の投稿で、ブログ開設以来、一年の節目を迎えました。一応、一年続けたので、にほんブログ村に参加することにしました。

バーナーを置いたら、レイアウトが大幅に変わってしまいました。前の方が、私の好みだったのですが、とほほ。

 

 

 

 


遠征2日目 マルカリアンの鎖 の巻

2022-05-10 11:12:14 | 天体観測

遠征 第一日は、気温が2℃まで、下がって初めての鏡筒ヒーターの出番となりました。SV bony製の野菜たっぷり塩タンメン3杯分で購入したもので3段階切り替え付きですが、弱で、鏡筒に触るとほんのりと温かく感じます。

今日は第二日です。晴れているので、期待できますが、山の天気はは変わりやすいので油断はできません。昨日は、フィルターなしで、系外銀河を撮影することができたので、この辺りの光害マップを参照してみます。

Light pollution map

普段、観測している場所は、ブルーの丸で表されている都内ですが、都心よりややマシの光害地です。今回の遠征地は赤丸の場所で、車で約3時間ほどの移動になります。甲府から松本にかけて、中央高速沿いに明るいベルトが走っていますが、高速を降りてから、30分ほど八ヶ岳方向に登っているので、このマップではぎりぎりグレーの領域に入っています。

赤道儀は、電装品と鏡筒を外して、ゴミ袋を掛けたままベランダに置いてあるので、2日目は、極軸合わせを省略して撮影に入ります。まずテストとして、しし座のお腹の辺りのM95、M96を狙います。もちろんフィルターは無しです。

こんな感じで写りました。ASI AIR のプレートソルビングによるアノーテションはこんな感じです。

写真が悪いので、恐縮ですが、一応写っている銀河の名前は、わかります。

本日のメインは、マルカリアンの鎖です。この天体も、自宅のベランダでは、庇が邪魔になって、見えません。wikipediaによれば、

おとめ座銀河団の一部を構成する銀河の線状の集団である。地球から見た場合、各メンバー銀河は、なめらかな弧を描く曲線状に乗って見えるので「鎖」と呼ばれている。この集団は、1960年代に、この集団の共通する固有運動を発見した、アルメニア (旧ソ連) ・ビュラカン天文台の天文学者であるB・E・マルカリアンにちなんで命名された[4]。メンバーの銀河は M84 (NGC 4374), M86 (NGC 4406), NGC 4477, NGC 4473, NGC 4461, NGC 4458, NGC 4438 および NGC 4435であり、概略位置は、赤経  12h 27m赤緯 +13° 10′ である」

とのことで、星図ではこんな感じ。

グレーのハッチが入っている領域がおとめ座で、白い部分がかみのけ座の領域に当たります。

赤い線に沿って銀河が並んで見えます。とにかくこの当たりは銀河が、たくさん存在します。

写真は1時間の露出のつもりが、途中で寝落ちして、1時間15分の露出になってしまいました。

憧れのマルカリアンの鎖も撮れたので、今回の遠征は終了、明日は自宅に戻ります。

 

 

 


新赤道儀を持って初遠征と言ってもベランダですが の巻

2022-05-08 10:30:15 | 日記

5月の連休中に初遠征してきました。

遠征先は、長野県の茅野市でいわゆる蓼科高原です。星祭りで有名な原村の隣町に当たります。

赤道儀の設置場所は、やはり、ベランダです。このベランダ、標高1600mで、東は八ヶ岳、南は南アルプス、西は雑木林、北側は建物があって、北極星は建物の陰で、ぎりぎり、見えません。

赤道儀は、明るいうちに、iPhoneの" PS allgn pro "を使って大体の位置を合わせて、星が見えるようになってから、ASI AIR アプリ1.9 に実験的に実装された全天極軸合わせの機能を使うことにします。

今回の赤道儀は、遠征用に入手したiOpteronのGEM45ECです。専用のケースが付属して、三脚とカウンターウエイト以外の全てが、収まっています。

赤道儀についても、別な機会があれば紹介していきたいと思います。

日が暮れて、星が見える頃になったら、望遠鏡のフォーカスを、オートフォーカスで合わせ、極軸を合わせます。ASI AIRの全天極軸合わせ支援は、どこからスタートしていいわけではありません。プレートソルビングを3回、赤経軸を23度づづ回転しながら行いますので、46度回転しても、視野が妨げられないような開始位置を選ぶ必要があります。今回は、子午線付近の天の赤道辺りをねらって開始します。

開始ボタンをタップすると、写真を撮影して、プレートソルビングして、自動で23度回転して、撮影、プレートソルビングを2回行います。3回目のプレートソルビングが終了すると、天の北極と赤道儀の極軸を、南から北を望んだ感じで模式的に表現した図が画面に表示されます。

 

黄色い丸が赤道儀の赤経軸で、緑の点が天の北極です。iPhoneアプリでざっくり合わせた状態で、2度弱ずれてました。

あとは、極軸を微動ねじで動かしては、撮影、プレートソルビングを繰り返して、極軸を追い込んでいきますが、もう赤道儀は回転しません。

はじめての赤道儀だったので、20分以上、奮闘した結果、7"の誤差になって顔アイコンがスマイルに変わって終了。こんなに追い込まなくても、オートガイドすればいいんじゃないかと思いますが、最初なのできっちり合わせます。

オートガイドのキャルをとって、撮影開始。今回の目標は、自宅のベランダでは、庇が邪魔になった見えない「しし座の三つ子銀河」です。フィルターなしで、どのくらい写るの確認する予定です。

結果はこの通り、

中央部をトリミングしていますが。当地のベランダでは、フィルターなしでも写ることがわかりました。八ヶ岳の麓すごいです。ここに住みたくなる気持ちもよくわかります。


中華ポータブル電源の謎 の巻

2022-05-06 09:38:27 | 日記

ASI AIR  plus を使うようになってから、あることに気づきました。

Balconは、中華製(中華人民共和国)製のポータブル電源から、赤道儀と、ASI AIR  plusの電源をとっています。 EENOURというこの機種にした理由は、12Vのアウトレットが、シガーソケットを含めて5個あるという理由で、なんとなく選びました。

2台あるのは、交互に使って、内蔵バッテリーの寿命を延ばすためと、観測中のバッテリー切れで、悔しい思いをしないようにするためです。

ASI AIR pro(旧モデル)で、運用中は、特に問題なく使えていたのですが、ASI AIR  plus(新モデル)を使うようになってから、一方のポータブル電源では、赤道儀は問題なく動くのに、ASI  AIR plusが起動しないことに気づきました。

手元にあるテスターで、開放端子電圧を測定してみると、ASI AIR plus(新モデル)が起動する方は、13.6V、起動しない方は、14.5Vと15V近く出ています。中華ポータブル電源恐るべし。

Losmandyの赤道儀は定格で、12V〜18Vで動作するので、この電圧でも問題は出なかったと思われます。
ASI  AIR plusには、どうやら、電源保護回路が入っているようで、一瞬LEDが点灯しますが、直ぐに消灯して起動しません。

ASI AIR plus は、電源電圧にシビアなようで、手元にある100Vから12Vに変換するアダプターでも、起動しないものもありました。折角のポータブル電源2台持ちが活かせないので、これは対策が必要です。

直流電圧を変換する中華製DC -DC コンバーターをAmazonで購入してポータブル電源に繋いで見ました。結論は、どちらの電源でも、起動する用になりました。

基盤の上下にアクリルの保護板がついているような簡単な作りですが、ちゃんと役に立ちました。定格では、75Wですが、ASI  AIR プラスと、冷却カメラで、合わせてせいぜい15〜16ワットなので、チップが熱くなることもないようです。液晶ディスプレイがついていて、入力電圧、出力電圧、出力電流を 表示する事が可能です。完成基盤に、ヒートシンクと、保護のアクリル板を取り付け、入力、出力のケーブルをつければ完成です。

しかし、中華の品質管理は何とかならないものでしょうか、公称電圧から3Vもずれたら、調整して出荷じゃないでしょうか。出火なんてことにならないように油断しないで、使っていきます。


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