蒼天在眼 (そうてんまなこにあり)ーベランダで星を見る

昔、昔、天文少年でした。そして、今は、ベランダから、星を見ています。
いろいろの忘備録

FSQ レデューサのファースト・ライト の巻

2021-12-31 23:41:08 | 天体観測

今年最後の投稿になります。

高橋製作所のFSQ85 edpと同時購入したレデューサを使ってみました。FSQ85は、別売りのレンズを組み合わせると3種類の焦点距離を使うことができます。素の状態では、450㎜(F5.3)、レデューサを組み合わせて、327mm(F3.8)、エクステンダを使えば、 680mm(F8.0)となります。

レデューサは、カメラ回転装置のすぐ後に取り付け、短い延長筒(CA-35)を介してカメラマウント(DX-WR)に接続します。

焦点の位置は、焦点距離450mmのときと、ほぼ同じか、やや、後方に来ます。

今回は、オリオン大星雲を撮影しました。印象としては、かなり明るくなり、撮影時間を短縮できます。

露出は、0.2秒を 400枚スタックに5秒を100枚スタックして総露出時間 580秒(9分40秒)でこんな感じになりました。

焦点距離450mmで撮ると、総露出時間32分でこんな感じ。この撮影日はシーイングも良くて、単純には比較できませんが。

少しレデューサをいろいろ使い込んで、時短を図りたいと思います。

今年も最後になりました。天文趣味に復帰して、東京都内のベランダからでも、いろいろな天体写真が撮れることがわかり、いろいろ楽しんでいるうちに、約1年が過ぎました。こんな光害がひどいところでも、月、惑星は、もとより、惑星状星雲、銀河、彗星なども、カラー写真にとれることがわかり正直驚いています。技術の進歩によるところが多いとは思いますが、特に、ZWO社のASI air proによるプレートソルビング、電子観望(Live stack)の助けがなければ、ここまで、来なかったと思います。

来年の抱負としては、ベランダから、近くの公園に足をのばして、ベランダからは、見えない北天の天体を狙ってみたいと思っています。このような忘備録的なブログでも、訪問してくださる少数の方々に感謝しつつ年を越したいと思います。ありがとうございました。よいお年をお迎えください。


Leonard 彗星 と なんちゃってメトカーフ法 の巻

2021-12-25 09:12:07 | 天体観測

北海道出張の飛行機の待ち時間時に書いています。年末が迫って、ベランダから星を見る時間がなかなか取れません。とほほ。

ここ羽田は、家族連れなどで、かなり混雑しています。新型コロナの感染が増えてきているので、少し心配です。Balconは、仕事でなければ、飛行機には、乗りたくないです。とほほ。

12月18日、19日の日没後にLeonard彗星をベランダから撮影しました。18日の経験で、薄明時には、ある程度F値の大きな鏡筒の方が、コントラストがつきやすいのではないかと考え、19日には、F5.3の、FSQ 85 edpで撮影することとしました。

赤道儀は、極軸を合わせたまま、ベランダに置きっぱなしですから、自動導入で、前回同様、すぐに中心に入りました。今回は、彗星が見える15分間の間に、30秒の露出で、14枚撮影しました。

彗星を撮るときによく用いられるメカトーフ法は、銀塩時代には、主鏡と同軸に設置した副鏡を覗いて、十字線に捉えた彗星を微動ハンドルで追尾していましたが、今の赤道儀には手動ハンドルがついていないので、彗星を基準星にオートガイドを試みようかと考えましたが、キャリブレーションだの取っていたら、彗星は沈んしまうので断念、日周運動追尾で撮ることとあいなりました。

後で知ったのですが、彗星の移動速度は、プラネタリウムアプリで観測時刻と1時間後の赤緯、赤径の差から、速度を出し、赤道儀の追尾速度をセットするという手があるようです。  BalconのLosmandy GM8のコントローラ、gemini2 も、追尾速度を手入力できるようになっていますから充分実現可能な方法なので、次の機会に試してみたいと思います。さすが21世紀にもなると、思いもよらない解決方法があるものです。

撮影した14枚のうち、一枚は、シーイングが悪くてボツ、もう一枚は、ヘリコプターが、通過して、航法灯火(衝突防止灯と左舷の赤い灯火)が映りこんでいていてこれもボツ。

Balconのベランダの南側に、横田基地と都心を結ぶ最短ラインが通っているらしく、朝と夕方に軍用ヘリががよく通過します。いわゆる、「起こりうることは、必ず、最悪のタイミングでおこる」というマーフィの法則が発動しました。

ということで、残り12枚をスタックすることに、スタックする際に、彗星を不動点として、平行移動しながら、各コマを、「目の子で、」重ねて平均加算して作った画像がこんな感じになりました。なんちゃってメトーカフ・コンポジットです。18日の写真よりは、少しマシになりました。

12枚だから、できたけれど、もっとコマ数が多かったら、大変だろうなぁと思います。よく知らないけれど、天体写真デジタル処理ソフト、Pixinsightなどを使うと、バッチでできるのかしらんなどと、思いながら、デジタル写真初心者のBalconは手作業をするのでありました。

サイトロンのComet Band Pass Filter は、少し赤みが強く写るので、背景がニュートラルグレーになるように、カラーバランスを修正しています。彗星らしく、C2のスペクトル強調風に写りました。

Leonard彗星になにが起こったのか

という記事が、COBS(Comet Observers Database)のサイトにあがっていました。

Nicolas Biver さんによると、電波望遠鏡の観測によれば、Leonard彗星からの、水の放出が、12月13日1.8 tons/s から to 6 tons/s (12月15日) に増加しているとのことです。

下のグラフは12月中のLeonard彗星の明るさをプロットしたものです。縦軸は明るさの等級、青の線は、近日点通過45日前から、25日前までの観測から予想されるLeonard彗星の明るさ、黄色の線は、コマの塵とガスと比が0.05の場合の明るさの予想、赤の線は、コマの塵とガスの比が0.25の場合の予想です。12月12日までは、緑の十字の実測値は黄色の線とよく一致していましたが、15日前後に2.6等級まで、増光して、その後は、赤の線にそって推移しています。

以上のデータから、12月15日付近で、彗星が、outburstして、塵の成分が増えて、その結果予想された明るさより明るくなったと推定されるとのことです。

彗星の核の崩壊が今後も続くとすれば、今後、Leonard彗星の明るさ今後急速に変化していくかもしれません。

 

https://www.cobs.si/show?id=679

Balconが18日、初めてLeonard彗星を見たとき、5,6等級にしては、明るいなという印象持ったのは、本当に増光していたためのようです。

年末年始の休み中に機会があれば、もう一度見てみたいと思っています。


ベランダから、Leonard彗星を窺(うかが)う の巻

2021-12-20 14:00:27 | 天体観測

先達の殿ばらすなる彗星撮影といふものを我もしてみむとてするなり

ということで、Leonard彗星(C/2021A1)の撮影に挑戦します。

尾を引く彗星は、太陽の近くにあるので、明け方の東の空か、日没後の西の空に出没しますが、バルコンのベランダは、彗星を見るのには全く向いていない作りです。東はお隣との仕切り板があって、まったく見えません。西は、開けているのですが、近くの雑木林が迫っていて、地平高度が低くなると、武蔵野の林の向こうに早々と沈んでしまいます。

今回のLeonard彗星は、地平高度が低いため観測は困難だと思っていました。さらに平日は仕事から戻るのは18時すぎになってしまうので、土曜、日曜日しか、日没時に、観測できないというおまけつきです。このような制約があるのですが、ある方に背中を押されたこともあり、12月18日、19日の2日をLeonard彗星の撮影日として予定しました。

12月18日

日没:16時44分

市民薄明の終了 17時13分( まだ明るさが残っていて、人工照明がなくても屋外で活動ができる)

航海薄明の終了 17時45分 (水平線と明るい星が同時に観測できる明るさ。天測に適時)

天文薄明の終了 18時16分 (六等星まで見える暗さになる前の明るさ)

とのことなので、予想される5等級の明るさであれば、航海薄明の終わりから、雑木林に隠れるまでの15分間が見える時間帯であるとのことで、ピント合わせ、導入、試写、本番をよどみなく行っても30秒の露出で、10枚程度撮影できれば、上々と予想されます。

使用する機材は、これまで、あまり出番のなかったASKAR FMA 180 焦点距離 180mm 口径 40mm F4.5三枚玉のアポクロマート望遠鏡です。後端にM42のネジが切ってあるので、ビクセンのTリングを介して、CMOSカメラ、ASI29 mc proと接続します。手作りのフードをかぶせています。奥は東側のお隣との仕切り壁です。

この鏡筒を選んだ理由は、焦点距離が短いので、画角が大きくとれ、彗星の長い尾も記録できることと、導入に誤差が多少あっても、どこかに彗星が入るだろうと考えて選びました。F4.5とBalcon の所有するなかで一番明るい鏡筒で、短時間露出で多数枚の撮影ができるであろうというのも選択理由のひとつです。

都会での天体撮影の肝であるフィルターはサイトロンのその名もコメット・バンドパス・フィルタ(48mm)を筒先にねじ込んで使います。西側の雑木林が右に写っています。この林が西側の視界を制限することになります。

一秒も無駄にできないので、Skysafari で、方位、高度、画角をチェックします。

なんと、 ASI air proのデータベースにC/2021 A1 がありました。

おお、これならば自動導入できるではないか。プレートソルビングするために、航海薄明になったら、木星付近で、フォーカスをあわせて、プレートソルビングで、位置を出して、赤道儀と同期をとって、では、自動導入。

おやまぁ、中央に、彗星のコマらしきものが入りました。 こんなに簡単でいいのかと思うほど、あっけなく導入完了。以前だったら、考えられません。長生きはするものです。CMOSカメラの感度がいいためか、思いのほか明るく写ります。180㎜の画角の全体はこんな感じ。

写真で分かるように、林の上にLeonard彗星がかろうじて見えます。時間があまりありません。

 

5秒以上露出をかけると、センサが飽和してしまうほど、背景が明るく、5秒で30枚スタックします。

Leonard彗星周辺をトリミング

あれれ、尾が写らない。5秒30枚スタックでも、尾が写りません。とほほ。そのうち、視野に森の梢がどんどん入ってきて、タイムアップ 18:03でした。

12月14日と15日にLeonard彗星は、outburstしたらしく、 形が変わったとの報告もあります。本撮影は、その後に行われたものであり、単に、明るい空と、尾のコントラスト低いだけでなくoutburstの影響もあるかもしれません。

以上まとめると、2021年、12月18日に、Leonard彗星を都内のベランダから撮影しました。航海薄明の終わりから、天文薄明の間の30分のうち、当ベランダからは、約15分間、観察することができました。コマは、はっきり観察できましたが、尾の部分は、コントラストが付きませんでした。理由としては、大気散乱光が強く残っていた、彗星の尾の方向と視線方向が近かった、 outburstによって、核が分裂して、尾自体が、短くなってしまった、などが考えられますが、今回の観察だけでは、絞り切れません。

次回は、コントラストを上げるために、口径を絞って(F値を上げて)撮影する、できるだけ空が暗くなってから、撮影に入るなどの対策をたてて臨みたいと思います。

(FMA180 のF値が誤っていたので、修正致しました。)


星の像はどこまで小さくなるのか の巻

2021-12-11 06:06:31 | 天体観測

ZWO社のEAFのオートフォーカスを使うようになって、星像の大きさに俄然興味が出てきました。FSQ85 ed のウリは、針で刺したような星像です。では、その針の太さはどのぐらいなんでしょうか。

星像というと、真っ先に思い浮かぶのはエアリーディスクです。サー・ジョージ・ビドル・エアリー(1801-1892)は、グリニッジ天体台長として位置天文学と光学分野に業績を残しました。位置天文学上の功績は、経度0°の本初子午線を決定し、星々の位置を測定したことでしょう。

OGPイメージ

グリニッジの思い出 の巻 - 蒼天在眼 (そうてんまなこにあり)ーベランダで星を見る

まだコロナ禍が起こる前の2019年、ロンドンの外れのグリニッジ天文台(RoyalObservatory,Greenwich)を観光してきまし...

グリニッジの思い出 の巻 - 蒼天在眼 (そうてんまなこにあり)ーベランダで星を見る

 

光学上の業績は、円形開口部持った無収差の対物レンズを通った光は、光の波の性質のため、回折が起こり、同心円状のパターン(エアリーパターン)を描くことを数学的に導きました。(On deflection of an Object glass with circular aperture; 1834年)エアリーパタンはこんな感じ。

Wikipedia public domain

 

中心の明るい円盤に、ほとんどの光のエネルギーは集中するので、この明るいディスクをエアリーディスクとよび、星像はこの円盤にほぼ一致します。

この円盤の半径はd=1.22・λ・f/D

で計算できることエアリーは、を示しました。

FSQ85edが、仮に無収差の光学系だつた場合は、光の波長λを可視光の中央の波長0.55μmとして、焦点距離(f=450mm)、口径(D=85mm)で 計算すると、d=3.6μmとなります。

収差含む実際の光学系の場合は、スポットダイアグラムから像の大きさを求めることになります。高橋製作所が公表しているFSQ85 edのスポットダイアグラムは、こんな感じ。

高橋製作所カタログ

 

高橋製作所は、視野の中心で、直径12μmに95%の光束が集中する設計であることを公称しています。

FSQ85の星像の大きさは、エアリーディスクの約3倍の大きさになります。

一般的に星像は点像分布関数 (Point Spread Function) で表され、ガウス分布(正規分布)を回転させた形として近似することが多いようです。正規分布では、FWHMと標準偏差は、次のような関係があります。

ここで、ストレールレーシオの95%のが入るディスク直径dは、ガウス分布の ±2・σ にあたり、 4・σの幅となります。

FWHMの幅の関係は、FWMH=2.35・σなので、FWMH=2.35・d/4=0.59・d

となり、12μmのスポットに対し、半値全幅、FWMHは7.05μmと見込まれます。

Balconのベランダで、オートフォーカスを使うと、最小の星像の大きさは、1.8から、3.0ぐらいのあいだで変動します。

この数字が、Balconの想像する半値幅全幅(はんちぜんはば、FWHM:full width half maximum)をピクセル単位で表示した値だとすると、FSQ85 ed の450mmの焦点での星像のFWHMの大きさは、センサーのピクセルサイズ(4.63μm)を掛けて8.3μmから13.9μmぐらいとなります。

光学的性能の7.05μmと実際の星像との差は、主に、追尾エラーとシーイング(大気の擾乱による星像の乱れ)に起因すると考えられます。

追尾エラーは 約1秒角前後で推移しているので、焦点面での長さに換算すると、2.18μmで、半値全幅に換算すると、1.28μmとなります。これを先ほどの7.05μmに加えて、半値全幅 8.33μm(1.8ピクセル;ASI294mcを使用時)が想定されるスポットの大きさで、これ以上、どのようにシーイングがよくても、星像を小さくすることは出来ません。Balconのベランダで、11月から現在までで、一番小さい星像は、FWHMで、1.77ピクセル(8.3μm)でしたから、計算とはよく一致すると思われます。

通常、バルコンのベランダでの星像は、FWHMで2.6ピクセル程度が多いです。これは、焦点面で12.0μmに相当します。これと8.3μmの差が、シーイングによるものだとすると、3.7μmがシーイングに由来する変動となります。これを視角に換算すると、1.70秒角になります。

FWHMで、1.70秒角が、本当にシーイング由来なのかは、今後の検討を必要としますが、参考になる観測値があります。

Balconのベランダから、西へ8kmほど離れた国立天文台の三鷹キャンパス内で、DIMMという2つの開口部の直下にビームスプリッタを備えた反射望遠鏡を使用して、シーイングを測定した報告が日本天文学会の抄録(2008年)にあります。

これによると、三鷹で2007年 11月からDIMMでシーイングのFWMHを測定したところ、シーイングの典型的値は、1-2秒角であったとのことで、Balconのベランダにおけるシーイングの推定値もこの範囲内なので、まったく見当はずれではないと思います。

まとめると、2021年11月に、FSQ85ed(f=450mm 口径 85mm)の屈折望遠鏡を、Losmandy GM8赤道儀に搭載して、都内のベランダで、オートガイドした場合、最小の星像の直径は、焦点面で、8.3μmでした。通常の使用時には、3.7μm(1.8秒角)程度のシーイングに由来すると考えられる像の悪化を伴うという結論になります。

今回の結果を模式図にすると、こんな感じになります。

ガイドエラーよりも、シーイングの影響が大きいことがわかります。(シーイングは、一刻一刻変化しますが、Balconのベランダでの典型的値を使用しました。)

あらら、小さくなる話が、いつのまにか肥大する話になってしまいました。天体観測に、シーイングが重要であることを再確認しました。また、今回、Balconの所有するFSQ85 edがカタログ値を満たすことが、間接的に示されたので、安心しました。

今回の記事をまとめるにあたりシーイングについて、色々調べました。20世紀天文少年には、意外だったり、驚いたりする報告が、いくつか見つかりました。これらについては、別の機会に記事にしたいと思います。

2021年12月12日に一部加筆しました。


ASI224mcで、銀河を近赤外線撮影する の 巻

2021-12-05 21:34:20 | 天体観測

以前、マルミの色素フィルタ(R2)フィルタで、銀河を近赤外線撮影した記事で、近赤外線の感度の高いカメラがあると幸せになれそうだ書きました。

OGPイメージ

ベランダから、お気楽近赤外線フィルター?で銀河を撮る の巻 - 蒼天在眼 (そうてんまなこにあり)ーベランダで星を見る

前回、いつかは、近赤外線で、銀河を撮ってみたいと書きましたが、ネットサーフィンしていて、偶然に視聴した天文リフレクションさんの「ゲリラライブ...

ベランダから、お気楽近赤外線フィルター?で銀河を撮る の巻 - 蒼天在眼 (そうてんまなこにあり)ーベランダで星を見る

 

あるもので済ますことが課せられているBalconは、そうそう、カメラを新調するわけにもいきませんが、惑星撮影用に所有するZWO ASI 224mcが意外に近赤外線領域の感度が高いことに気付きました。

800nmまで、ピーク感度の50%以上を保っています。問題は、マルミR2フィルタには、アメリカンサイズ(31.7mm径)のものがないということです。アメリカンサイズのIR pass フィルタを調達できれば、asi224mcで、近赤外線撮影できそうです。

アメリカンサイズのIRパスフィルタを探してみると、サイトロンが、3種類出していて、カットオフ波長が、それぞれ640nm、720nm、800nmだそうです。後の2つは、近赤外線フィルタですが、640nmのものは、型番IR640  pro IIで、可視光のHα(650nm)を通すフィルタです。前回の、R2フィルタとほぼ同じカットオフですが、干渉フィルタだけあって、近赤外線の透過率は、ほぼ100%です。R2は、透過率90%でしたから、期待できそうです。透過特性はこんな感じ。カットオフは、R2フィルタとほぼ同じです。銀河から、出ているであろうHαも記録できるのと、R2と比較対象でいいかなと思います。

価格も、「野菜たっぷり塩タンメン」10杯分とR2フィルタの10倍もしますが、R2フィルタが破格に安いのであって、干渉フィルタとしては、戦闘的価格です。そういうことで、Amazonで、購入、翌日配達の運びとなりました。

ASI 224mcに取り付けると、こんな感じ。波長の短い青みがかった光を反射して青く見えます。

ASI 224mcは、センサーサイズが1/3インチとASI 294mc  pro の1/4です。μ180cに取り付けると、強拡大になり過ぎてしまいますし、画角が狭いので、プレートソルビングに問題が出て、自動導入に支障が出そうです。ということで、今回は、焦点距離1800mmのμ180cから、同450mmのFSQ85 ed に、鏡筒を変更して、ちょうこくしつ座銀河を撮影しました。μ180cでは、露出時間2分でしたが、今回は、30秒で充分でした。20世紀天文少年頃のモノクローム写真のようで懐かしい雰囲気の写真になりました。

μ180cでR2フィルタを使用した近赤外線の写真は、こんな感じ。口径の大きい分だけ、ちょっとだけ鮮明ですかね。

近赤外線の写真は、地上散乱光によるカブリが少なく、光害の影響もあまりなく、ベランダ撮影には良いのですが、色がつかないのが残念です。

 

 


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