蒼天在眼 (そうてんまなこにあり)ーベランダで星を見る

昔、昔、天文少年でした。そして、今は、ベランダから、星を見ています。
いろいろの忘備録

PiDP-11を使う その2

2023-11-30 11:38:00 | コンピュータ

PiDP-11と仮想TU-56磁気テープ装置です。オンラインにしてアクセスするとクルクル回わります。データの読み書きもできます。こういうギミックがあると、なにかと楽しいです。スコッチの磁気テープがとても懐かしいです。高校生の頃、ここぞという時は奮発して、スコッチのテープで、FM放送を録音しておりました。カセットテープデッキなどはなかった時代です。

Youtubeで動画公開しました。

 

実際、これらの機器は、19インチ標準ラックにマウントされていました。こんな感じ。ドン。

我が家に19インチ(約50cm)幅で、高さ6フィート(1.8m)のラックなんか持ち込んだら、天の声の雷が落ちることになりそうですが、PiDP−11は、PDPー11の60%の大きさに縮小されています。したがって、机の上に置いて操作できるぐらいの大きさになります。実はこれ、本物よりも操作性は上じゃないかと思いました。

前振りは、このぐらいにして、  PiDP−11のシステム構成についてお話すると、PiDP−11は、ラズベリーパイという、シングルボードコンピュータの上に構成されています。ラズベリーパイは、キットに含まれていないので、電源と一緒に、調達する必要があります。 推奨は、3B+というモデルで、ラスベリーパイOS(32ビット版)をインストールして、PiDP−11基板上のコネクタに差し込めばOKです。その後、 マニアルの通り必要なシステムをインストールすれば出来上がりです。マニュアルの所在は

(https://www3.ispnet.net/pidp11/PiDP11%20Manual%20v0.2.odt)

マニアルには、コンソールパネルを持っていなくても、使える旨が書かれていますから、すでに、ラズベリーパイを持っている人は、追加投資なしで試すことができます。

まず、 pi という  sudo できるユーザを作ってから、

sudo mkdir /opt/pidp11
cd /opt/pidp11
sudo wget http://pidp.net/pidp11/pidp11.tar.gz
sudo gzip -d pidp11.tar.gz
sudo tar -xvf pidp11.tar

sudo /opt/pidp11/install/install.sh

これだけで、全てがインストールされます。

PiDP-11 の動く仕組みは、基本的には simhというシステムとサーバ、クライアントの関係で、コンソールパネルを動かすように設計されています。サーバがコンソールパネル側、クライアントは、 simh です。

 simhとは、歴史的に価値があると考えられる過去のコンピュータを現在のコンピュータ上で、シミュレートして、再現するプロジェクトです。IBM、インテル、そしてDigital Equipmet Corporation(DEC)などのCPUをシュミレートするソースコードを配布しています。また、これらのシュミレータそのものをsimhと呼んでいます。

DECは、PDPー11を製造、販売していた会社で、日本にも、支社がありました。一時は、規模では、IBMに次ぐ、世界第二位のコンピュータ製造会社でしたが、マイクロプロセッサの発展とともに、UNIXワークステーションに対して、速度と価格で優位性がなくなり、コンパック、さらに、HPに吸収合併されて、消滅してしまいました。

しかし、DEC  のPDPー11の設計思想はその後のコンピュータにも影響を与え、大学でのコンピュータサイエンスの授業でも、お手本として永らく講義されていました。

 PiDPのソフト一式には、コンパイル済みの実行ファイル、 simh のクライアントなどの必要なもの一切が含まれているので、たとえ、コンソールパネルを持っていなくても、PiDP−11をラズベリーパイで走らせることができます。(つづく)

 

 

 

 

 

 


久しぶりの更新 (PiDP-11 を使う その1)

2023-11-29 14:58:56 | コンピュータ

 

新しいブツを手に入れましたので、しばらくぶりに更新します。天文ネタからからは、しばらく離れるのでご了承ください。ブツとはこれです。

これは、21世紀に蘇ったPDP-11です。PDP-11といっても何のことだかわからないという方がほとんどだと思いますが、簡単に説明すると、1970〜1990年ごろまで、一世を風靡したミニコンピューターです。この私も、大学院生の頃に実験でお世話になりました。当時の大ベストセラーで、当時の理系の学生だったら、どこかで、お目にかかったことがあるではないかと思います。私もプログラムをゴリゴリ書きました。遠い昔の思い出。

21世紀になって、忘れ去られていたブツですが、これを再生してキットで販売している方がいます。詳細は以下リンクを

PiDP-11 | obsolescence

一目見た途端に、「ワ〜、懐かしい〜、欲しい〜」となって予約してしまいました。キットなので、部品をはんだ付け、ねじ止めしたり、電源、ファンなどを別途、調達して、自分で組み立てることになりますが、日本語ページでも、組み立てについては情報がありますし、詳細なマニュアルが用意されていて、その通りに作れば、迷わず完成します。私の場合、基板だけなら、実働3時間x3日で火を入れるところまで行きました。その後、台座のオイルフィニッシュや、裏蓋の加工の方が時間をくいます。こちらは延べ約1週間ほどかかりました。何といっても、youtube に制作動画が上がっているので、私ごときが何も書くことはございません。しかし一言、あまり指摘されていませんが、はんだ付けには、フラックスを用意した方が良いです。特に、トグルスイッチを基板に直付けするときには、液体フラックスを塗るとしっかりはんだが馴染んで良いです。こんなにはんだ付けをしたのは、学部生の頃以来でした。

このPiDP-11、完成するまでは、情報には困らないのですが、完成した後、どのように、いじり倒すのかということについては、ほとんど情報がないので、オヨバスナガラ、この私が少々情報を発信してみたいと思います。(つづく)


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