この2本の裁ち鋏の内 小さい方の鋏は、いつ買ったものか定かや
おません。きっと50年は経って居ると思います。
大きい方の鋏は、縫製業を始めた頃に買ったように記憶しとりますので
此れも、かれこれ45年は経っとりますやろか
と云う事で、この鋏とも、長い付き合いでおます。
此れまで、色んな事がおましたナ~ 30年以上やって来た工場をたたんだのが
15年前でおます。動力ミシン等は手放しましたが この鋏だけは
どう云う訳か手元に残り、今に至り
人の勧めもあって、9年ほど前から、着物リメイクと云う仕事を始め
今も役にたってくれとります。
よく使う鋏は、小さい方で 大きい方は重いもので、ついつい手が出ませなんだ
所が、切れが悪く鋏から布が逃げるようになり、一度研いで貰おうと
普段使わない大きい鋏から研ぎに出しました。
研賃が1丁 2700円と安物の鋏だったら買えそうな値段でおます。
研ぎ上がった鋏は、ピッカピカ ホ~と思わず見惚れたもんでおます。
ワクワクしながら布を切ってみました。
何と、此の切れ味のよさは、いや~今まで如何に切れの悪い鋏を騙し騙し
使っていた事か 思い知った次第でおます。
大きいこの鋏が重たくってついつい使うのを敬遠しとりましたんやが、
切れ味が戻ると重さも苦になりまへん。
勝手なもんでおますは、今では大きい方の鋏をメインに使ことります
ちゃんとした道具を、ちゃんとメンテナンスをして使うと
楽しく仕事もはかどると云う事やとつくづく思った次第でおます。
道具に、感謝 感謝でおます。
おおきに