ベーカーストリート

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昭和ロマン

2013年12月16日 | ハードボイルドもどき
朝霧が立ちこめる岬道に、「ヴォーン」という音が響く。
純白のポルシェ911。
ステアリングを握っているのは、端整な顔立ちをした銀髪の老人である。
山全体を揺るがして、クルマは走り去った。

・・・と、ある本で紹介された男。
すべてが並外れた日本人。
長身で際立った美貌、日本語よりも英語を得意とし、
厳格かつプリミティブな正義感の持ち主。
そう、男なら誰もが一度は気にとめた男「白洲次郎」。

そんな彼にも思わぬ一面が。
ケンブリッジ大学、クレア・カレッジで友情を育んだ親友のロビン・ビングから
贈られてきたウイスキー樽を車に積んで、向かうは京都祇園の「松八重」。
「酒持ってきたぞ!!」と到着した時に、中身はすでに空だったそうです。

酒に強く、女性にやさしく、照れ屋でイカした男。
そんな彼は、毎日夕刻になると、
ロビンから送られてくるスコッチウイスキーを味わっていました。
『 ブラックボトル 』
このウイスキーが空になると、底を切り出してグラスを作り、
また一杯やっていたそうです。
機会がありましたら是非ご賞味下さい。