ブログで続けて防水・止水ときましたので、今回は「撥水ナイロン糸」をご紹介します。バッグの防水機能で本体素材の性能に注目される方は多いです。しかし、雨の水分は縫製の糸目からも染み込んでくるのです。
下の写真は、白生地に普通のナイロン糸(上)と撥水ナイロン糸(下)で縫った糸目(ステッチ)に赤いインキを垂らしたところです。普通のナイロン糸は赤インキが糸目を伝って広がっていきます。しかし、撥水ナイロン糸は水滴をはじいて染みこみがゼロです。
下の写真は、先ほどの生地の裏側です。普通のナイロン糸では、裏側にまで赤インキが染み出しています。しかし、撥水ナイロン糸では全く裏側に赤インキは出ていません。
下の写真は、白生地にステッチを入れ、ボートのように四隅をつまんで、赤いインキの水槽に浮かべたものです。少し分かりにくいですが、上側の普通のナイロン糸からは水槽の水が赤くしみこんでいるのが分かります。しかし下側の撥水ナイロン糸のステッチには全く水がしみこんでいません。
このように、バッグの縫製糸も防水にとっては重要なファクターなのです。しかし、日常生活での防水対策では、通常「撥水ナイロン糸」までは必要ないと思います。また、完全防水をお望みの場合は、ミシンでの縫製はお勧めしません。ウエルダー加工か、縫製箇所に防水テープを貼り付けることになります。
当社では、海や水につかるような製品(ダイビング・アウトドア関連など)にこの「撥水ナイロン糸」を使用しています。撥水効果があるので塩水や汚れた水から糸を守ってくれるので、糸自体の性能が保たれるからです。塩や汚れが原因で縫製糸がダメージを受けると製品の強度が下がってきます。それを防ぐ為に、使用しています。
バッグワークスでは、こだわりのお客様の為に「撥水ナイロン糸」で全てを縫製することもしています。撥水ナイロン糸のすごさは、このように糸目を伝って染みこむ水をシャットアウトできることです。ご要望は、メールでお問合せ下さい。
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バッグが雨で濡れたとき、内部に水が入りやすいのはファスナー部分からです。
その原因の多くは、ファスナーが開いているからですが、ファスナーを閉めていても大雨の場合は染みこんできます。
そんなファスナー部分からの染みこみを防ぐ為に、「止水ファスナー」があります。普通、ファスナーは「綿テープ」に「ムシ」と呼ばれる部品がついて、ムシとムシを「スライダー」で合わせて開閉します。普通のファスナーは、綿テープ部分から水が入ってきます。そこで綿テープ部分とムシ部分をビニールでコーティングしたものを「止水ファスナー」と呼び、最近人気のパーツです。
ファスナー合わせの極細のすき間からは水が入りますが、普通のファスナーよりはかなりの精度で水の染みこみを防いでくれます。止水ファスナーは、YKK製でビニールコーティングの方法(艶あり、マット、革シボ)の違いで、現在3種類くらいあります。
バッグワークスでは、パソコンバッグ、計測ケース、ナビケース、メッセンジャーバッグなどに使用しています。ファスナー自体がパーツとして面白く、アクセントとして使え、また止水機能もしっかりあるので、お客様にお勧めしています。
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お客様から防水素材のご要望を良く承ります。
ナイロン、帆布、ビニールなどほとんどの素材は防水については、それぞれ加工方法があるのでOKです。しかし、見た目で不安に思われる方にや、風合いより機能を求められる方には「ターポリン素材」をお勧めしています。
ターポリン素材は、ナイロン生地の両面に塩化ビニール面を作っていますので、強さと防水を兼ね備えています。しかし、その表面は艶ありと艶なしの面しかなく、風合いが限られています。
通常は、艶ありの面を使用しますが、アクセントをつけるために艶なし面を使うこともあります。最近では防炎加工がしてあるので、様々な分野の商品に使用されることが多くなりました。
バッグワークスの商品もターポリンを使用しています。このメッセンジャーバッグは、白色ターポリンに当社でペイントして、製品化したものです。
個人的には、ターポリン素材は好きなのですが、風合いが無機質な感じがするのと、素肌に直接ふれると引っ付くような気がして、作るバッグが限られるように思います。しかし、機能は抜群です。
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キーホルダーの革リングが少なくなってきたので、作ることにしました。良く出る革色は、白色と赤色です。長さ45×幅5ミリの革を切り出します。
その両側を包丁で漉きます。斜めに漉くのですが、結構難しいです。思わず切り過ぎて長さが短くなったり、斜めの角度が合わなくてリングが変形したりします。
革の両側に接着材をつけて合わせます。リングが小さいのと接着材がすぐ乾くので、ちょっと大変です。きれいにリングができるとうれしいものです。
ファクトリーショップの体験コーナーのキーホルダー用のパーツです。5色の革色でリングを作っています。ベースの配色やベルトの色と組み合わせでみると、小さいパーツですがポイントとなっています。
キーホルダーは、蝶々、お魚、きのこの3種類のデザインから選んで、手作りして頂きます。製作時間はおよそ30~40分で、¥2,300円(税込)となっています。
バッグワークス・ファクトリーショップの手作り体験はこちらから→
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革小物のオーダーが入ったので、工場で裁断を行ないます。
原皮は牛一頭の半分のサイズで入ってきます。今回使用するのは、シュリンクレザーの白色です。柔らかく加工された革は、結構重量があります。
革の裏面(床面)は、少し毛羽立っています。今回の商品は床面がそのまま見えるので、きれいにするために目止め液をぬります。ペンキ塗りではありませんが、平均に液をつけていきます。全体に染みわたらせますので、乾くのに時間がかかります。
乾いた革を裁断機にかけて、抜き刃型で抜いていきます。バッグワークスの裁断機は年代モノで40年くらい使っています。また、2004年の台風でもモーターが水につからず、工場の中で唯一生き残った機械となります。
一枚、一枚、裁断をするわけですが革は生き物で、生きていたときの傷や刻印のあとなどがあり、それを外して裁断しなければならないので、パズルのように配置を考えながらの作業となります。
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バッグワークスの商品は全て日本製です。
お客様で、「日本製でなくちゃ、嫌だわ・・」といわれる方は結構多いです。中国製バッグの品質も上がっています。それでも、なぜ日本製のバッグがいいのか?その理由は様々と思いますが、メーカーの立場から、あまり表には出てこない材料の吟味という観点からお話しします。
バッグワークスの製造したあるナイロン製のバッグの例でご紹介します。
その鞄の材料は、本体生地、内装生地、芯材、パイピング、テープ、ファスナー、縫製糸、シルクインキ、ポリ袋など17種類の65パーツの材料を使用しています。私達は、その全ての素材の環境負荷、使用禁止物質の含有(RoHS対応)データや製品安全データシート(MSDS)の記録を保持しています。これって結構すごい事なのです。
何がすごいかって言うと、別々の10社くらいのメーカー・商社から材料を購入しているのですが、素材のデータが欲しいというと、全社が製造元に問合わせてくれて、そのデータが入手可能になるのです。この企業間の連携と製品に関する品質データを保持していて、なおかつ安全な物質しか使用していないとう結果が得られるのは日本ならではと思ってしまいます。
日本の企業では当たりまえのことで、材料メーカーも私たちバッグメーカーもあまりPRしていません。全ての素材の元をたどり、データが入手可能ということは、商品の信頼性の立証が出来るので、本当にすごいことです。ちなみに中国では、一部企業では日本と同じようにデータ入手できますが、ほとんど不可能に近いです。
例えば、バッグに印刷してあるロゴを赤ちゃんが舐めるかも知れません、しかしそのインキには鉛や水銀、六値クロムなどは含まれていませんので、安心です。本体生地から縫製糸、インキまで、その材料が吟味されています。
日本製であれば、吟味した安全な素材を使用出来るということです。日本製の良さの奥のところ、すこし分かって頂けましたでしょうか?
→RoHS対応とは
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お客様からのオーダーでiPhoneコード巻きの革小物を作っています。その工程を少しご紹介します。
厚みの違う2枚の革の間に、芯地とアンチック加工の丸カンをテープに通して接着材でとめてあります。コードの引っ掛かりをよくするために、下側の一部をポンチで抜いて、包丁で角をきれいにならします。その凹内側のコバ塗りは、ベルポーレンを細く切って、手作業で塗っていきます。
コードを束ねる革パーツの穴あけ作業です。外周の抜き刃型はありますが、穴あけは手作業となります。1個づつトジ(目打ち)で当りをつけてから、使い込んだポンチで抜いていきます。
先ほど塗っていたコバが乾いたので、ミシンで外周を縫います。縫い上がりですので、細かい糸がでています。糸の処理もライターなどを使ってきれいになるように処理します。こうして、各パーツが出来上がって、初めて組み合わせることになります。
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毎年12月~3月は、バッグメーカーにとって新商品製造の時期で、生産現場が活気をおびています。
バッグワークスでも、自社ブランドのパソコンバッグの生産が順調に上がってきています。BGWのマーク入りダンボールに商品が入っています。
工場の内部には金融機関向けの渉外鞄の仕上げが終わり、検品待ちの状態で待機しています。いつも思いますが、同じ商品がずらっと並んで置いてあると、それはそれで綺麗な模様のように見えるのが不思議です。
これから3月の下旬まで、生産と納品の繰り返しです。皆さまの手元にバッグが届くのは、もう間近となっています。春の訪れとともに新しいバッグで仕事をしたり、通勤したりするのは楽しいことです。
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今日は、ビニール製ネームカードの仕上げ作業です。工場の方は、バッグの本体作業で忙しくしているので、ネームカードの部品を持って、ショップの体験ルームに来ています。
ビニール製のネームカードが縫い上がってきましたので、糸始末をして、ボールチェーンが通る穴を開け、白い厚紙を透明ビニールに入れて25枚づつ重ねています。
バッグのパーツ作りも結構細かい作業があります。出来上がったネームカードは、ソコ鋲の入っていた箱に入れて工場へ運びます。写真で見えている方は白紙が入っている方で、その反対側にはお客様のロゴがシルバーの箔押しで入っています。ご要望にお応えして、いろいろな形状のネームカードが作製可能です。
秋の夕日がショップの体験ルームにあたっています。但馬地方もすっかり秋深くなってきました。紅葉もそろそろ見ごろと思います。城崎、出石に来られたら是非豊岡鞄団地のバッグワークス・ファクトリーショップへお寄り下さい。
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お客様から、次のようなメールを頂きました。
「10年ほど前に注文した緑のコンピュータ用バッグショルダー掛けの金具を紛失しました。それで今回黒いコンピュータ用のバッグを注文したのですが、緑のバッグも愛着があってあと1年ほど使いたいので金具が磨り減って抜け落ちた金具をショルダーベルトに取り付けてもらえませんか?」
長く当社製品をお使い頂きまして、ありがとうございます。有料になりますが、ナスカンを両方とも取り替えて、修理させて頂きます。パソコンバッグを作り始めて、10数年になりますが、使い続けて頂いて、修理依頼を受けることは、メーカーにとってもありがたいことです。
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バッグワークス公式サイトに「バッグの設計思想について」という記事を追加しました。
依頼されたバッグや鞄を作るときに、通常は価格や納期の話だけがメインになります。しかし、バッグワークスはBGW製品としての信頼性や安全性などを前提として、見積りや納期を出しています。これは、当然のことなので、表にはでません。
普段、表に出ない、また話題にならないような、バッグを作る上で基礎的な事柄をまとめています。多くの種類のバッグ生産に携わってきたから、得られたノウハウばかりです。そこに至るまでには、失敗や修理を多くしてきました。
詳しくは、バッグワークス公式サイト・「オーダーの受付」ページを見て下さい。
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新製品や見本づくりの製作現場です。バッグワークスの建物の1階部分の広さは、生産工場が75%、事務所10%、ショップ15%くらいの割合です。工場へは、ガラス面を大きくとったオレンジ色の引き戸を開けて入ります。写真は、型紙つくりの現場で、3人が取組んでいます。
アクリルテープを縫製して、ハンドル部分を作ろうとしている最中です。テープの色も中間色を中心に選び、牛革との組合せを試しているところです。
なが~く、鞄を作っていますが、紙上のデザインだけでは、なかなか決定することが出来ません。やはり、現物を見て、また実際に形にしないと分からないことが多いです。おまけに、部品を触ってみることも大事なことだと思います。手触りや質感が結構大きなポイントになることがあります。
ファクトリーショップのお客様は、窓越しになりますが工場を見学することが出来ます。豊岡市(城崎温泉・出石そば・コウノトリ)観光に来られたら、お立ち寄り下さい。
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