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公私混同どころの騒ぎじゃない、ひいては国の安全に関わることだ!

2015-11-29 23:38:00 | MOVIE
ということで今年の年末年始で
一番公開を待ちに待っていた「007 スペクター」です。

余計な前情報が目に入る前に
先行上映で見てきました。

感想といたしましては、ずばり「集大成」。
ご覧になった方なら10人中98人がそう思うはず
と、確信できる勢いで
「集大成」となっております。

ですので、
ダニエル・クレイグ版007シリーズの総まとめとして見ても
シリーズ23作分のオマージュとして見ても
楽しめ、ファンも大満足なのは判ります。

判るのですが、
現時点でここまで回収してしまったら
正直後が辛いわ…。

これを俗に「いい最終回だった」と云うのですね。

シリーズ半世紀において並ならぬ爪痕を残した
サム・メンデス監督、狡いです。

こんなの見せられたら
万が一本作で007シリーズ(特にダニエル・クレイグ版)が
完全終了しても私、何ら困りません。

一応エンドロールにはおなじみの
「JAMES BOND WILL RETURN」
の文章も出てきます。

その次回作をダニエル・クレイグが続投するにしろ

【参考資料:http://eiga.com/news/20151005/5

新ボンドに代わるにしろ
ほんとどうするんですか!?

…一般公開前なのでここではネタバレにつながる
ストーリーの紹介は致しませんが、
本作もまた



前作の「スカイフォール」にひきつづき
ボンド個人の過去にまつわる因縁話となっております。


前作ではボンドの実家で大暴れしました。個人情報だだもれ。

それはそれで面白いことは面白いし
これまでにないボンド像を楽しめることは楽しめるのですが、
こういうシリーズもの
50年も主演や監督を引き継ぎ引継ぎ続いてきた
1話完結もののシリーズもので
主人公の過去を掘り下げる話は
私はあまり見なくないなあ…
というのが本音だったりします。
(シリーズ自体半分までしか見ていないので
他にも過去を描いた作品があるかもしれませんが)

それも「カジノロワイヤル」から「スカイフォール」まで
それらしき伏線などなかったと思われるのに
(私が気が付かないだけ?)
いきなり登場したスペクターな人(クリストフ・ヴァルツ)が
実はこれまでのボンドを苦しめてきた事件は
全部ほかならぬ私が裏で糸を引いていたんだよ~
とドヤ顔で主張されてもなあ…。


スペクターな人ことエルンスト・スタヴロ・ブロフェルド。名前が覚えられない。

「相棒13」のダークナイトか!!
まあ、それっきり見ていない「相棒14」と違って
次回作が公開されれば絶対欠かさず見ますけどね。

今回新作を撮るに当たって、折角ですし
これまでの前3話をそれらしくつなげて見ました~テヘペロ
という取ってつけた感がしないでもないです。

この4部作的な作りは、シリーズが進むにつれ、
1作目に登場した母親と叔父、
シリーズ半ばで結婚した妻の存在がないがしろにされている
「ミッション:インポッシブル」を意識してのことかしら?

シリーズが進むにつれて
それまでの過去やプライベートが無かったことにされていく
イーサン・ハントと
シリーズが進むにつれて個人情報や過去が明るみになっていく
ジェームズ・ボンド。

見事に対となっています。


………だから何?

ここからは完全にネタバレとなりますが、
今回のスペクターな人は
全世界を牛耳ると云う大それた計画を実行し
それに見合う組織を率いる技量と才能を持ちながら
その一方で少年時代に2年ほど一緒に暮らしただけのボンドに
数十年も執拗に固執し
その執着の度合の割には、
ボンドが007を就任した9年前ぐらいから
突如彼のことを思い出し
以降こそこそとした嫌がらせを行っていたようです。

世界制服と超個人的な復讐を
両天秤にかけているせいか
大それた悪党なのか小物なのか判りません。

とりあえず本作においては
逆光を背負い溜めに溜めてボンドの前に姿を現し
嬉々として過去の事件との関与を暴露します。

う…わぁぁ……。ちょっと勘弁してくださいよ。

今さらそんな真相を聞かされたところで
ボンドでなくとも
チベットスナギツネみたいな表情になってしまいますよね。


映画を見ている私もこんな表情になっていたと思います。

そんな子供じみた嫌がらせを得意げに披露するもんだから
本来ラスボスに当たるスペクターな人に対して
ボンドの方は通常運転のまま(=まともな大人の対応)です。

いえ、むしろ、スペクター基地爆破の際
スペクターな人の生死を確認しないなど
いつも以上に扱いが雑です。

まあ、傍から見てもスペクターな人の逆恨みですしね。

逆恨みの上にあろうことか
完全に片思いだったことを思い知らせれてしまうスペクターな人。


数十年ぶりの再会ということでボンドに微笑みかけたら「あんた誰?」みたいな顔で見返されました。

確執の理由がもう少し真面か
嫌がらせがボンドがダブルオーセクションに入る遥か以前から
始まっていれば、
もしくは(版権の問題上無理な話ですが)
「カジノロワイヤル」からうっすらでもいいから
「スペクター」らしき組織の存在を匂わせておけば
話は別だったかもしれません。


いいえ、探してませんでした。それどころか故Mの遺品を見るまで忘れてました。

上画像↑のスペクターな人の精一杯なツンデレ科白が
当のボンドの胸に全く響かないくらいですから
部外者である私にスペクターの人の怨み辛みが
共感できないのも仕方ありません。

まあ、共感できないと云えば
いつものように
すぐにボンドガールとくっついては
「辞める辞める詐欺」をブチかますボンドにも


予告編でも「辞める辞める詐欺」。これで何度目?

結局なんだかんだ云っても
ボンドとくっつく今回のボンドガールにも


ボンドも大概無表情ですが、
それに負けず劣らず無表情な今回のボンドガール(レア・セドゥ)。


そして、ボンドに対してどうしようもなく甘甘で
オタク設定の割には、
着こなしがパリコレモデルにしか見えない
Q(ベン・ウィショー)にも


女の子坐りで椅子に腰かけボンドを迎えるQ。
レア・セドゥも劇中で同じ座り方をしているけど彼の方が断然可愛い。


登場人物に共感が持てないのも辛いところです。

映画の評価って意外と
「登場人物に共感できてなんぼ」
みたいなところあるのにこれはちょっと…。


武器を開発し、車もカスタマイズできてパソコンも自由自在に扱える
ハイスペックの持ち主で容姿も良いってどう共感しろと?
もう少しミス・マネーペニーにも役割分担してほしいです。


登場人物に寄り添うことはできませんが、
そこはそれ、今年最後を締めるにふさわしい映画です。

これから見る方にも掛け値なしでお奨めしたいところですが、
鑑賞前に「カジノロワイヤル」以降の
ダニエル・クレイグ版007シリーズは
全作見て予習をしておくべきでしょう。

というより、前3作見ないで挑んでは
本作が勿体ないです。

ついでにBBC製作のテレビドラマ
「SHERLOCK」に目を通しておくと
さらに楽しめるかもしれません。


この人の出演に関しては日本の予告編ではいっさい触れられていませんでした。

やりたい放題経費使い放題の007とQを見ていたら
日本のしがない一事務員でしかない私でも
そりゃ、「00」部署をぶっ潰したくもなるわ。

C(マックス・デンビー)の言い分も尤もです。

ともあれ今回は吹替え版(山路和弘さん素敵でした)
でしか見ておりませんので
字幕版で見てから改めて感想が書けたら…
と思っております。



シャークと海洋の巨人

2015-11-24 16:27:00 | MOVIE
DVDレンタルすると、
再生直後、他のDVDの新作案内がはじまり
慌ててスキップしようにも
スクロールバーも早送りボタンも云う事を聞かず
結果成すすべなく強制的に視聴を強いられ
ついイライラしてしまうと云う体験はないでしょうか?

私はあります。それも結構な確率で。

しかし、その一方でまんまと配給会社の策に嵌り
強制的に見させられた新作案内をきっかけに
そのDVDを手に取ってしまうという体験もあります。

そういう新作案内宣伝に長けていると云えば
「アルバトロス・フィルム」です。

先日、DVDを借りてきた
殺し屋チャーリーと6人の悪党たち」も
アルバトロス・フィルム配給映画の1つ。

2001年に公開された仏映画「アメリ」で
一気に名前が知られるようになった
アルバトロス・フィルムですが、
得意とするのは「アルマゲドン2007」から
現在「アルマゲドン2015」へと続く
「アルマゲドン」シリーズに代表される
C級パロディ映画の配給です。


パロディ群。2013にマシュー・モディーンが出演していることに吃驚。

これだけ続けば実際DVDを見たという人が殆どいなくても
まとめサイトのネタにはなるのです。

当に継続は力なり。


こちらが皆さんご存知の元ネタです。

このように他の会社が歯牙にも掛けないような映画を
買い付けてきては人目を引くラッピング
(=大仰な宣伝文句、奇抜な邦題、シリーズ化としてパッケージ)
を施し、儲けはともかく話題にだけはしてしまう商法こそが
アルバトロス・フィルムの真髄です。

そんなキャッチーなパロディタイトルで
レンタルDVD界に席巻するアルバトロス・フィルムが
今、力を入れているシリーズが
テレビ東京「マツコ&有吉の怒り新党」の
人気コーナー「新・3大○○調査会」でも紹介された
「サメ映画」。

なかでも超巨大サメとの戦いを描いた
「メガ・シャークVS」シリーズの人気は高く
これまで4作リリースされています。

人気バラエティー番組での後押しもあってか
その勢いたるやとどまるを知らず
その最新作が
DVD「殺し屋チャーリーと6人の悪党たち」でも
本編前の新作案内に流れました。
それも先頭を切って。

それだけ力の入った「主力商品」ということなのでしょう。

ということで
前置きが大変長くなりましたが、その映画

「メガ・シャークVSグレート・タイタン」



が本日の映画となります。

製作は、 これまた
モックバスターと呼ばれるメジャー映画の模倣作、
奇想天外な巨大モンスターのディザスター映画で知られる
米映画会社「アサイラム」ですから、品質に間違いはありません。

まずはその予告編をご覧いただきましょう。



もうこれでも良かったんじゃない?某マンガの実写映画化。






…仰りたいことはお察しいたします。

お察しいたしますが、みなまで云うな。


今回のメガ・シャークは
旧ソ連が仮想敵国アメリカとの核戦争に備え発明した
「コロッサス」と呼ばれる
巨人型兵器と戦います。


造形はまんま「進撃の巨人」です。ただしあくまで呼び名は「コロッサス」です。

…などとエラそうに語っておりますが
たまたま借りてきたDVDに特典された予告編に釣られて
見ただけで、私、このシリーズ
前々々作「メガ・シャークVSジャイアント・オクトパス」
前々作「メガ・シャークVSクロコザウルス」
前作「メガ・シャークVSメカ・シャーク」
どれもまだ見ておりませんし、今後見る予定もありません。

シリーズとは云え、
あのスティーブン・セガールの「沈黙」シリーズと同じく
共通点は強大なサメが出ているだけの
別個の映画の寄せ集めて「シリーズ」と云っているだけか
と思い、それならいきなり第4弾からでも
なんとかなるだろうと見始めたら
「メガシャーク」シリーズは
ちゃんとストーリーが繋がっており
本作は第3作目「メガ・シャークVSメカ・シャーク」で
爆死したはずのメガ・シャークが
復活するところから始まるんですね。

すみません、アサイラムのこと舐めすぎてました。

しかも、予告編にもあったように
冒頭では(おそらくは勝手に借りてきた)ニュース映像を
ふんだんに使いB級感を払拭してかかってきます。

オープニングタイトルが明けると、舞台は今年のオリンピック開催地
ブラジル・リオデジャネイロ。

資源枯渇が危ぶまれるロシアの不審船が
新エネルギー、レッド・マーキュリーを
不法採掘していると云う情報を受け、
メガー・シャークの再来を恐れ近海を警備中だった
ユニコーン部隊が現場に駆けつけます。


マーベル・シネマティック・ユニバースではありません。

ユニコーン部隊というのは
前作「メガ・シャークvsメカシャーク」で
メガー・シャークを壊滅された米軍部隊らしいのですが、
名前からあまり強そうとは思えません。

それもそのはず、コクピットに居座っているのは
どれもこれも肌にぴったりフィットした
黒のレザージャケットに身を包んだ
妖艶な美女たちだったのです。


潜水艇ユニコーン1号機の美しすぎる乗組員たち。


潜水艇ユニコーン2号機の美しすぎる乗組員たち。

彼女たちを母艦から指揮するのは
タイタス・メリー提督(アーネスト・リー・トーマス)。
直近の部下も若い女性ですのでほぼハーレム状態です。


ニック・フューリーではありません。

不審船の乗組員が軍人ではなく民間人と判った
ユニコーン部隊は不審船を拿捕します。

が、その時、不審船に向かって迫りくる黒い影が…。

前作で全滅させたはずの
メガ・シャーク(体長9mまだ稚魚)です。

メガ・シャークは瞬く間にロシア船を木端微塵に破壊します。

オキシジェンデストロイヤー弾(……。)
で迎撃するユニコーン部隊でしたが、
メガ・シャークには通じず
逆に一撃で海上に吹っ飛ばされたユニコーン1号は
コルコバードのキリスト像を道連れに爆散し、


一瞬にして霧散するブラジルのシンボル。

残されたユニコーン2号はメガ・シャークと共に
自爆を計りますが、失敗します。

ここまでだけでも特撮もCGも結構頑張っています。
たしかにセットから予算の少なさは窺い知れますが、
シリーズ化されるだけあって
それなりのものを見せようとしています。
贅沢は云いません。

ユニコーン部隊が大敗を喫した頃、
ウクライナ・チェルノブイリ立ち入り禁止区域では
ロシア特殊部隊の成れの果てとテロリスト(?)が
新エネルギーレッド・マーキュリーの取引の真っ最中。

銃と銃を交えた交渉がまとまりかけ
ほっとしたのもつかの間
突如旧ソ連が二次大戦時に作り上げた巨大兵器
「コロッサス」が軌道します。


人間は食べません。

辺りは一気に地獄絵図と化し
潜入捜査中だったCIA女性捜査官
モイラ・キング(エイミー・ライダー)だけが
その場から命からがら逃げ果すことができました。


テロリスト側に潜入して捜査していたセクハラ上等にキング捜査官(中央)。

ところかわって
フロリダ州ジャクソンビル、ジャック海軍ビルに呼び出された
海洋生物学者アリソン・グレイ博士(イリアナ・ダグラス)。


彼女が本作のメインヒロインです。演じるイリアナ・ダグラスは超売れっ子女優。

メガ・シャークの生態を研究中のグレイ博士は
対策会議においてメガ・シャークを沖合まで電磁波で誘導して
人類に犠牲を出さずに退治する案を出しますが、
多少人類と都市に犠牲が出ようが
アイソトープ弾(核爆弾)を使って退治したいメリー提督と
同じく海洋生物学者ジョン博士(上図向かって右の男性)に
けんもほろろに却下されてしまいます。

提案を全否定されたグレイ博士は収まりがつきません。

そんな彼女に声を掛けてきたのが
大企業デインテック社の
ジョシュア・デイン社長(ブロディ・ハツラー)でした。


イケメン金持ち社長兼エンジニア枠ですが、トニー・スタークではありません。

彼はグレイ博士の提案を全面的に支持し
彼女を自分の組織にスカウトします。

一方、「コロッサス」の出現を上司に報告した
キング捜査官は責任を取らされ停職を言い渡されます。

使い捨てられたキング捜査官は収まりがつきません。

そんな彼女が目を付けたのが、レッド・マーキュリー調査担当の
若い男性捜査官・スペンサー(エドワード・デルイター)でした。


この映画何気に美男美女率高いです。


不本意ながらキング捜査官と行動を共にすることとなった
スペンサー。
基本草食系男子なので
体育会系のキング捜査官に扱き使われることになります。

メガ・シャークを捕獲したいジョン博士・デイン社長ペア
コロッサスの行方を追うキング捜査官とスペンサー捜査官ペア、
これで人間側の役者も揃いました。

揃ったところで
メインヒロインがこれ見よがしに胸の谷間を強調し出したり、


しかし、カメラさんは避けてます。胸元を避けて撮影しています。

キング捜査官がアクション映画にありがちな力技で
肩の脱臼を治したり、
スペンサー捜査官があざとくドジっこぶりを発揮したり、
メリー提督が切れて自分に向けて拳銃をぶっ放したり、
これまでチームで力を合わせ頑張ってきたのに
上映時間残り時間20分切ったところで
いきなりデイン社長が本性を現しコロッサスの造形以上に
ちゃっちい装備を身につけ


このパワーグローブでコロッサス(とメガ・シャーク)を操縦します。

世界征服を企む者が出てきたりと
いろいろやらかしてくれるので上映時間の89分
いっさい退屈することはありません。

ツッコみどころもいたる所に用意され
セットにお金を掛けてない分CGに予算を継ぎこんだのか
あまりにあんまりなコロッサスはともかく


これだもん…。

メガ・シャークが出てくるシーンは
下手な日本のCGサメ映画より見せてくれます。


日本が誇るCGで作った巨大サメ(参考:映画「カムイ外伝」)

他にも米軍の潜水艇が発射した魚雷を
メガ・シャークが尾鰭で跳ね返し、
海上を飛行中の小型機の左翼を爆破させるシーンなど
頑張っています。


どうしてアメリカのCGはそれなりにそれなりなのに日本のCGはダメなんだろう?

こういう拾いものがあるので
これからはイラつくDVDの新作案内も無碍にはできません。



全員悪人

2015-11-24 16:00:00 | MOVIE
本日の映画は
「殺し屋チャーリーと6人の悪党」


イメージビジュアルからしてコメディであることを強く主張。

と云う映画です。

主演は今や頭の上に
「『ミッション:インポッシブル』の」が
つくようになったサイモン・ペッグです。
今年
SCREEN×イマジカBS英国男優総選挙
で第3位に上り詰めたサイモン・ペッグです。


第3位です。数ある英国男優のTOP3です。

そのサイモン・ペッグはタイトルを飾る
「殺し屋チャーリーと6人の悪党」は
日本では東京の映画館「新宿シネマカリテ」が
4週間に渡って開催した独自の映画祭
「カリテ・ファンタスティック!シネマ・コレクション2015」
で新旧併せて50近く上映された作品の1作なんだとか。

πが大きい分、公開される作品も
玉石混淆の可能性が高くなると云うもので
DVDをレンタルしてから知ったのですが、
配給元が
「殺し屋チャーリーと6人の悪党」上映委員会
となっているのを目にして
急に不安になって来ました、私。

配給元ですよ、配給元です。
それが上映委員会?
こんなの始めて見ました。

ということで改めて出演者の名前に目を通すと
サイモン・ペッグ以外は
パッと顔が思い浮かばない人ばかり。

いえ、お一人、DVDパッケージを二度見するほど
目を引く名前があることにはあるのですが…。
 
 
物語は今まさに死の淵にある
何でも屋=殺し屋チャーリー・ウルフ(サイモン・ペッグ)が
どうしてこのような状況に至ったかを
お浚いするところから始まります。


回想のはじまりはじまり。

チャーリーの回想に登場するキャラクターは
以下の7名。

まずはヒロインのアリス・テイラー(アリシー・ブラガ)。


どういうわけか夫婦別姓です。そのへんに妻の夫への思いが如実に表れています。

海沿いの町イーグルズ・ネストで
夫であるジャック・ウェッブ(カラン・マルヴェイ)


「誰かに取られるくらいなら強く抱いて君を壊したい」タイプの夫です。

が経営するバーを手伝っています。

しかし、超束縛的で少しでも女房が自分に楯突こうものなら
銃を取り出すようなDV夫に心底愛想を尽かしています。

もちろんそんな悪感情を夫の前で見せるようなへまはしません。
女ですもの。

ただ、強い嫌悪感はいくら胸の内に隠しておいても
自然に洩れるもの。
特に同じ女性には直感的に判るものなのでしょうか?
ジャックの妹のルーシー・ウェッブ(テリーサ・パーマー)は
そんな兄嫁のことを忌み嫌っています。


この人も夫と同じ職場で共働きしています。

しかし、ルーシーも女性ですから
アリス本人の前では嫌っているそぶりも見せません。

表面上は友好関係を保ちつつ
裏では兄にアリスとの離婚を持ちかけています。

そのルーシーの目下の悩みは
夫のネイサン・ウェッブ(サリバン・ステイプルトン)が


ギャンブル狂の上にいざと云う時に役に立たないため妻に怒鳴られてばかり。

ギャンブルで作った多額の借金返済のめどが立たないこと。

そこで、ルーシーは
ネイサンが歯科医であることを利用して
アリスと自分の歯科記録を入れ替え
アリスを事故に見せかけて殺害し
自分にかけられた多額の生命保険金を騙しとる
保険金詐欺を計画します。

歯科記録だけで保険会社の調査員をどこまで騙せるかは
判りませんが、
ルーシー夫妻にとってはナイスアイデアです。

思い立ったら吉日とばかりに
前日ジャックに殴られ歯が欠けてたため診療に来た
アリスを捕獲し拉致に成功。

何とか事故に見せかけて車ごと崖から突き落としたところ
悪徳警官ブルース・ジョーンズ(ブライアン・ブラウン)に
ルーシー殺害の証拠を握られてしまい
ネイサンが脅されることに…。


この人がただでさえややこしくなった事態をさらに引っ掻き回します。

一方、夫の暴力に耐えかねたアリスと
駆け落ちの約束をしていた間男の
ディラン・スミス(ルーク・ヘムズワース)は


ん?ヘムズワース?

消息が途絶えたアリスを心配するあまり
ジャックの店を訪ね、そこでジャックの口から
流れ者の何でも屋チャーリー・ウルフ(サイモン・ペッグ)に


ええ、そうなんです。サイモン・ペッグは主演ではありません。狂言回しです。

妻の殺害を依頼したことを知らされます。


これで全ての役者が揃いました。

とまあ、一言で云うと「全員悪人」映画です。

更にお互いの関係と立場を判りやすく説明した相関図が
公式サイトに載っております。

これはとても便利なのですが


ん?なにやらネタ晴らし的な文章が…

このようなネタバレ承知な相関図を
公式サイトに載せている辺りに
「殺し屋チャーリーと6人の悪党」上映委員会の
この映画に対する並々ならぬ愛情が感じさせられます。

特にこの↑「この中で生き残るのは2人だけ」と煽り文句は
本作のポスターでも使いまわされており
案の定、生き残るならこの2人と云う2人が生き残ります。

この映画の原題は
「Kill Me Three Times」
となっていまして
ストーリーは3章に分かれています。
第1章「Kill me once」で起こったことを
第2章「Kill me twice」で
視点を変えてもう一度お浚いし
最終章で一気の怒涛のラストシーン
(とっても冒頭のシーンですが…)
に突き進むというスタイルを取っており
それなり面白いのですが、
低予算映画だからか
サイモン・ペッグ以外の俳優に求心力がないせいなのか
今一つパッとしないのも確か。

そんななか私の目を引いたのがこの方
ディラン役のルーク・ヘムズワースという俳優です。

ヘムズワースと聞けば思い浮かべるのが
「マイティー・ソー」のクリス・ヘムズワースと
「ハンガー・ゲーム」のリアム・ヘムズワースの
イケメンマッチョ兄弟です。


すっかり公私ともに「兄上」のイメージがついてしまったクリスですが、実は…。

こんな苗字で俳優を生業とする以上
おそらくはルークもヘムズワース家の一員。

という誰でもできる推理は見事に的中。

クリス、リアムのお兄ちゃんに当たるのが
このルーク・ヘムズワースです。

先ほどのフォトグラフに兄ルークを加えると
このようになります。


兄がいました。と云っても一人苗字が「ウォールバーグ」っぽい。

これを見たとき
私の頭の中の千原ジュニアが
こうツッコむのを止めることができませんでした。

残念な兄」と。


残念な兄日本代表。でも、せいじ兄さんも別に残念ではないよ!

一部の映画女子からは
「キレイなゴリラ」と呼ばれている
クリス・ヘムズワースですが、
昨年11月には、
米誌「PEOPLE」で「最もセクシーな男性」に選出され
すっかり「ゴリラ」を返上し
今や長身イケメン俳優として認知されております。

なにしろ、
クリスの方は190cm、リアムも負けじと191cmも
身長があるのです。

共に長身イケメン俳優である弟2人には
容貌も背丈もやや劣るとは云え(それでも180cmあります)
そこは血筋がものを云うようで
一見「残念な兄」に見えても
ルークにもディランというイケメン役が
割り当てられております。


イケメン扱いなのでベッドシーンもありますよ!

定職に就き、男気に溢れ、女性に優しく
唯一善人のように描かれているディランですが、
所詮は、人妻と不倫中で


まあ、DV夫に悩んでいる美人妻に迫られたらこうなっても仕方ないかも。

殺害するつもりはなかったとは云え
寝取られ男(=ジャック)を殺すことには躊躇いなく、


今にも泣きそうな顔をしてますが、殺すのに躊躇しません。

アリスが夫の金庫から持ち逃げした25万ドルも
ちゃっかり懐に入れてしまうあたり
この人も決して善人ではないんですよね。

邦題どおりです。

そんな悪党だらけの殺し合い大会ですから
結局生き延びた2人も
警察に追われることになるかもしれません。


生き延びていると云えば、チャーリーも一応生き延びてます。…こんなんでも。
































それにしても可愛いなあ、この兄弟。


本作をきっかけにこの画像に辿りつけただけでもDVD借りた甲斐がありました。



施して報を願わず、受けて恩を忘れず

2015-11-20 15:35:00 | MOVIE
本日の映画は
10月に首都アンカラ中心部での自爆テロ仁続き
日本でも渋谷区のトルコ大使館周辺で乱闘が発生し、
11月にはロシア軍の爆撃機を領空侵犯と見做し
トルコ軍が撃墜と
このところ何かと話題に事欠かない
トルコ共和国との合作映画

「海難1890」



です。

試写会にて一般公開に先駆けて見てきました。

それ以降も12月1日には
イスタンブールの地下鉄の駅近くで
またもや爆発事件があったりと
トルコ的にこのタイミングでの劇場公開、
興行収入に影響しなければよいのですが、
他人事ながら心配です。

なにしろ日本とトルコの友好125周年を記念して
合作されただけあって
我が国の安倍晋三内閣総理大臣がイスタンブールに赴いた際
わざわざトルコ共和国の
レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領と並んで
仲良く鑑賞したくらい気合が入っているのです。


安倍首相曰く「両国の絆を、それぞれの国民に語り継ぐための素晴らしい映画だ」。

トルコへの手前、日本でポシャるわけにはいきません。

本作で取りあげられているのは
別の時代、別の国で起こった2つの史実です。

1つは1890年に起きたエルトゥールル号遭難事件、
もう1つはその95年後の1985年に起こった
イラン・イラク戦争テヘラン在留邦人救出事件。

映画はこの2つの出来事を繋げることで
海を越え、時代を越えた絆と真心をつむぐ
感動巨編に仕上げております。

つまりは、どちらか1つの史実だけでは成立しない
2つで一対の奇跡の物語です。
ワンセットでないと意味がありません。

と、エラそうなことをドヤ顔で書いていますが、
私、エルトゥールル号遭難事件のことも
1985年のトルコ政府による在留邦人救出事件も
「もやしもん」の作者である石川雅之が
今年の春、ネット上に発表した
「Teşekkür ederim」


この作品でも在留邦人脱出に95年前の事件が関わっていることを示唆しています。

という漫画を読むまで全く知りませんでした。


当時の新聞にもでかでかと出ていたのに…。

特に1985年のニュースを覚えていないということは
日本人として誠に恥ずべき失態です。

なお、私のような世間知らずのため
この2つの史実とその結びつきについては
試写会入場前に配布された
小冊子「~マンガで読む海難1890~」


たぶん、映画館のロビーにも設置されていると思います。

にも詳しくかつ判りやすく描いてあります。


ここでも2つの史実の因縁をしっかり強調。

こちらの小冊子はこれから見る映画の全容を
たった4Pのカラーマンガで紹介しているという優れものでして
正直これさえ入手できれば特に映画を見る必要がありません。




…大丈夫ですか、こんなの配っちゃって?




………まあ、気を取り直して
まずは発端となったエルトゥールル号遭難事件を
掻い摘んで説明いたしますと、


1890年(明治23年)9月16日
オスマン帝国(その一部は現在のトルコ)初の親善訪日使節団として
明治天皇に皇帝親書を奉呈した
軍艦エルトゥールル号はその帰還途中、台風に直撃し
本州最南端、現在の和歌山県串本町沖の
紀伊大島付近で遭難してしまいます。

その際、生存者が流れ着いたという通報を受けた
大島村(現在の串本町)樫野の住民たちが
総出で荒れ狂う夜の海に船を出し生存者を救助、
さらには夜通し介抱に当たり
乗員656名中69名が助かることができました。

その後も村民たちは台風の影響で
自分たちの食料の確保もままならないなか
非常用に蓄えていた米や鶏を率先して救護者に与え、
遺体、遺品の回収にも尽力を尽くしました。

見返りを求めることもなく、事故の処理に勤め
黙々と生き残った船員の面倒を見る人々。

彼らにとっては人として当たり前のことをしただけでした。

この出来事が前半となります。

後半の舞台はそれから95年後のテヘランです。

1985年3月17日、
イラクのサッダーム・フセイン大統領が
イラン上空を飛ぶ航空機への無差別攻撃を宣言します。

滞在中の諸外国人に与えられた撤退の期限は
48時間以内。

宣言後、他の外国人が
自国の航空会社や軍が用意した輸送機によって
次々イランから脱出するなか
日本人だけが取り残されることになります。

と云うのも日本大使館からチャーター便の派遣を依頼された
日本航空は乗務員の安全を理由に救援を辞退し、
一方、当時の自衛隊はこのような事態を想定していなかったため
イランまでノンストップで飛行できる航空機が配備されておらず
派遣は不可能だったのです。

脱出に際しなすすべがなくなった日本大使館は
一縷の望みをかけて友好関係にあったトルコに
応援を要請します。

その知らせを受けた当時のトルコ首相のトゥルグト・オザル
(演じている俳優さんがそっくりです!)
の決断で救援のための最終便は2機に増やされ
そのうちの1機に215名の日本人が優先的に乗り込み
無事テヘランを脱出することができたのです。

そのため約500名のトルコの人々が
時刻が用意した救援機を見送ることとなりました。

しかし、彼らは
他に脱出の手立てのなかった日本の滞在者を気遣い
危険を承知で陸路を使って帰国したそうです。

トルコの人々にとっては
これは人として当たり前の行いでした。

そう、かつて遠く離れた日本の人々が
エルトゥールル号の乗組員の命を救ったのと同じように…


予告編ではいかにもエルトゥールル号事件のお礼のようになっていますが、
本編では説得の際95年前の事故の話には全く触れていません。



という美談と美談をくっつけたのがこの映画です。

95年前に他国から受けた恩を
直接関わりのない子孫が忘れずにいた事を思うと
我が国のように
「あの戦争には何ら関わりのない、
私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、
謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません。」
などと加害者側が言葉にしてしまうことに
抵抗を感じてしまいます。
(これは談話の一部ですので、全文を読むと
また違った解釈ができます。)

良くしてもらったことでさえ
100年近く経っても忘れない国があるのですから
酷い目に遭った国は何をか云わんやです。

恩や美談は歴史として残し
(同時期に公開される「杉原千畝」とか)
仇や恨みは忘れてほしいと云うのは
ちょっと虫が良すぎるような…。

また、トルコの好意に縋るしかなかった
当時の日本政府のふがいなさに驚かされます。


嘘だと思うでしょう?でも、本当なんです。

まあ、現在においても
渡航禁止の国でテロリストに拉致された人質が
結果殺害されることでしか解決策を見いだせなかったのに
「自己責任」「テロに屈しない」
と云いきってしまう国ですからね。

そして、私みたいなのはそういう国の方針に
唯々諾々と従ってしまうのですから
我ながらなんともやるせないことです。

と、人としての在り方や真心について
いろいろ考えさせられるストーリーではありますが、
この映画、誰にでもお薦めできる映画かと云うと
そうではありません。

はっきり申しますと、
「シネフィルお断り」
「映画マニアお断り」
映画です。

と云うのも
映画レビューをネット上に載せているような
「(自称)映画ファン」の方々がご覧になると
眉を顰めるような演出がやたら目立つのです。

と云っても序盤は、そんなに悪くはありません。

遭難事件以前、そこに至るまでの
エルトゥールル号の乗員たちの船での生活と
大島村民たちの日常生活の様子が交互に描かれるのですが、
切り替えの際、
前後の映像や科白がリンクするように描かれており
なかなか凝った見せ方をしております。
(あまりやりすぎて多少くどさが感じられますが…。)

お金を支払って劇場に足を運んでもらうための作品ですから、
頑張るところは頑張っているのです。
「おおっ。」と思わせるところはあるのです。

その後に訪れる
ただただ一心不乱にエルトゥールル号の救出にあたる
村民の姿にも涙せずにはいられません。

ところが、
救出作業も一通り終わりを告げ
乗組員も村民もそしてそれを見守る観客も
ほっと一息ついた頃、
それまで流した涙が瞬く間に乾いてしまうような
演出が待っているのです。

無事救出されたものの
生き延びたことに罪悪感を抱く
海軍機関大尉のムスタファ(ケナン・エジェ)と
彼の命を援けた村の女性ハル(忽那汐里)の
言葉を介さない二国間の心の交流が描かれる
映画オリジナルのフィクション部分で
なぜか医師兼通訳の田村元貞(内野聖陽)が
ムスタファ(と観客)に
村の苦しい経済事情も
ハルの悲しい過去の出来事も全部
べらべらと喋ってしまい
ここで一気に興醒めに…。


彼が事情説明をしたためそれまで映像で積み上げてきたものがいっぺんに台無しに。

口のきけないハルに代わって
これまでの出来事をセリフで説明したい
田村医師と監督(脚本?)の気持ちは
痛いほど判りますが、
それをやっちゃダメだろ!

おそらく私以上に映画を愛するファンの方々なら
そう思われるのではないでしょうか?

私もここでこの作品を見る目が冷めてしまったのですが
この映画を見終わって
座席を立った時私の頭に浮かんだのは

「ああ、この映画は
『映画ファンお断り』
と云うスタンスなのね。」

と云う言葉でした。

邦画、特にテレビ局製作の映画に良く見られがちですが、
この作品もまた
なにも脚本や演出にやたら食って掛かるような
映画ファンのためだけに公開しているわけではなのです。

むしろ
映画として悪いところは悪いと指摘することこそが
真に映画を愛する者の証と考える観客など
端っから想定していません。

作品を見て感動し泣いてくれればそれでよいのです。

ですから、そういった「映画ファンお断り」映画に
あれこれツッコみを入れたり
重箱の隅をつついたり
いちゃもんをつけるのは野暮ってもんなのです。

ここでは
「判る!判るよぉ。そういう演出がしたいのは凄く判る。
でも、それは『映画』としてはNGなんだよ。
(自称)映画ファンとしてそれは心情的に受け入れられないんだよ。」
と云うシーンが続出しても
ぐっと抑えて胸の内に仕舞い込むのが粋なのです。

例え「奇跡体験!アンビリバボー2時間SP」での
後半1時間をまるまる使って放送される再現ドラマで
充分涙できるストーリーに
「折角の映画化だから…」
と云う理由で、キャストを思いっきり豪華にし
さらに
「実話に忠実なだけではドラマティックじゃない!!」
という発想から
「これぞ映画的」(と作り手が思い込んでしまったよう)な
べたべたなフィクションを
これ見よがしに織り込んできてきたとしても。


と思ったらすでに6年も前に放送してましたよ、抜かりなしフジテレビ。

故郷に妻と留守中に生まれたばかりの子供が待っている
ムスタファと
事故で許嫁を亡くして以来声が出なくなったハナ。

お互いを意識しながらも
決して恋に落ちることのない2人の間にできた絆が
95年後のイランに受け継がれる
と云う胸きゅん展開にしたいのは判ります。

作り手とすればそこに「運命的なもの」を
描きたいお気持ちも判ります。

そして、この2人だけは
配役をまったく同じにしたいお気持ちも。


この2人がまさか後々


そのまま現代編で使いまわされるとは…。いや、判るんですけどね。

でも、その一方でやっぱり思ってしまうのです。
「こりゃないわ。いくらなんでもべた過ぎるわ。」と。

そんなとき
「この映画は『映画ファンお断り』作品だから」
と思えば、気張ることなく心に余裕を持って
映画を見ることができるのではないでしょうか?

この作品を教訓に
時には「映画ファンお断り」と云う映画もあることを
念頭に入れこれからも映画を見ていこう
と誓う私。

でも、そんな見方をすると
ブログに書くことも無くなってしまうかも…。



他にもエンドロール後半のこの後の展開丸わかりの演出には赤面しました。



ずっと見てる夢は私がもう一人いてやりたいこと 好きなように自由にできる夢

2015-11-18 22:42:00 | MOVIE
「コンスタンティン」のDVDに収録されている
本編前に流れる予告編を見ていたら
急にマイケル・ベイ監督の映画が見たくなって
DVDを返却するついでに入れ替えで
TSUTAYAで借りてきた本日の映画は
「アイランド」



です。

たま~に突発的にそして無性に見たくなりますよね、
マイケル・ベイ。
…あ、そんなことありませんか?

それはさておき予告編を見る限り
ショーン・ビーン
スティーヴ・ブシェミ
という
「世界的規模で死にまくるハリウッド俳優」の
二大巨頭も揃って出演しているとなれば
監督がマイケル・ベイ監督でなくとも
これは見なくてはなりません。


閲覧注意(ショーン・ビーン篇)


閲覧注意(スティーヴ・ブシェミ篇)



…ね?


肝心のストーリーですが、
日本の少女マンガ、清水玲子「輝夜姫」を知っている方なら
「これパクリじゃない」と疑惑が
頭の隅を過るのではないでしょうか?

そのくらい似てます。

ですが、クローン技術自体がこういう事態を
憂慮されている最先端技術ですので
同じようなアイデアが日米でぽこぽこ湧いてきても
なんら不思議なことではありません。

本作では、
2005年の時点での近未来を描いており
舞台は今から4年後の2019年となっております。


近未来なので用足すたびに尿検査があり体調管理や食事制限もばっちりです。

4年後の地球では、(核戦争の影響?で)大気は汚染され、
生き残った人々は、
バーナード・メリック医師(ショーン・ビーン)が
徹底した管理を行っている
清潔で安全なコロニーで規則正しい生活を送っております。


出てきた時点で最後まで生き延びれないことが判る人には判るキャスティング。

衣食住の全てが無償で与えられる
ここでの暮らしは何一つ不自由ありませんが、
住人たちは地上で唯一汚染されていないとされる
「アイランド」への移住を夢見ています。

ただし「アイランド」に行くためには
コロニー内で毎日のように行われている抽選に
当選しなくてはなりません。

主人公のリンカーン・6・エコー(ユアン・マクレガー)も
抽選結果に毎回一喜一憂する住民の1人。

とはいえ、主人公だけに彼には
他の住民とは少し異なっているところがありました。
それは好奇心が強く
何事に対しても疑問を持ってしまうところです。

「何で白い服しか配給されないの?」
「住民とそれを管理するスタッフの違いは何?」
「男と女の住民どうして仲良くしてはいけないの?」
「なんでどす?なんでどす?」
そんな疑問が彼の頭の中から次々湧いてきます。

そんなリンカーンに対して興味を持った
コロニーの技術士マック(スティーヴ・ブシェミ)は


出てきた時点で最後まで生き延びれないことが判る人には判るキャスティング。

他の住民には手に入らない物資などを分け与え
何かと面倒を見ていますが、
肝心のリンカーンの質問はいつもはぐらかして
まともに答えていません。

ある日、作業中に
絶滅したはずの昆虫を偶然捕まえたリンカーンは
その昆虫がどこからコロニーに入り込んだか探るため、
昆虫を一旦解放し後を追うことにします。

辿り着いた先でリンカーンが見たものは
数日前に当選して「アイランド」へ行ったはずの男性が
臓器を摘出され、
同じく出産が間近いため
強制的に「アイランド」行きに選ばれた女性が
出産後に薬殺されてしまう姿でした。


抽選に当選した住民が行く先はアイランドではなかったのです。

驚いたリンカーンは、訳の分からぬまま
「このままコロニーにいれば殺される!」
と云う本能に従い
「アイランド」行きが決まったばかりの
友人のジョーダン・2・デルタ(スカーレット・ヨハンソン)
を連れてコロニーの外へと命からがら脱走します。

そこで見たのは
これまで信じ込まされていた汚染された地上ではなく
どこまでも続く大地と青い空、白い雲でした。

地球は汚染などされていなかったのです。

他に頼りになる宛てのないリンカーンは
以前マックからもらったマッチ箱から
彼の居所を突き止め助けを求めます。

そこで初めて効かされる衝撃の真実。


2人ともセレブ専用の臓器移植用クローンでした。

コロニーの住民は「アグネイト」と呼ばれる
臓器移植用のクローン体でした。

短期間で
「スポンサー」と呼ばれる持ち主(=レシピエント)が
希望する年齢(=移植可能な年齢)に促成できる
「アグネイト」は、最初の内は
意識や思考力、感情を欠いた状態で作られており
殆ど「植物」と同じ扱いを受けていたのですが、
人間らしい感情と人間らしい生活を持たせないと
成長前に壊れてしまうことが判明したため
試行錯誤の結果、覚醒する際
「人間としての記憶」が植えつけられ
彼らの居住空間としてのコロニーで
臓器移植が必要になるまで管理育成されていたのでした。


なんと今年が「アグネイト」元年!どこぞのセレブが既にクローンを作っているかも。

もちろん、「アグネイト」を所有する「スポンサー」
ともなるとかなりの富裕層です。
コロニーは彼らからの出資で成り立っていたのです。

事実を知ったリンカーンとジョーダンは
とりあえず
自分たちの本体に遭いに行くことを決意します。
本体が自分たちを「人間」として認めてくれることを信じて…。



と云っても、コロニーからの追手に加え
警察からも追われる身となった2人が
そんなに簡単に本体に遭うことはできません。

リンカーンの本体が住むロサンジェルスに着いてからは
マイケル・ベイお得意のド派手なアクションが
たっぷり用意されています。

ただでさえド派手なマイケル・ベイ映画ですが、
近未来が舞台と云う事でその張り切りぶりと云ったら…。

カーチェイス!
爆発!
銃撃!
爆発!
のてんこ盛り。

2005年の時点で空想する
近未来(2019年)には
普通に車も走っていますが、空飛ぶバイクも走っています。


こんなカッコいいマシンも爆発させちゃいますよ。だって、マイケル・ベイだから

街の上空にはモノレール網も走っており
危なくってしゃあありませんが、
そこはそれ、映画ですもの
なるべくド派手な作りにしたいじゃないですか。
観客もこういうの見たいじゃないですか。
そういう需要と供給を
マイケル・ベイ監督は心ゆくまで満たしてくれるのです。


ちょっと乗ってみたいビル街を駆け巡るモノレール。

中には、近未来とは云え(近未来関係ない)
よく死ななかったな、と瞠目するアクションシーンもr…。

それはこれ↓。

追い詰められ高層ビルのエンブレム裏の鉄骨にかろうじて
捕まっているだけのリンカーンとジョーンズ。


この赤い「R」の裏側にしがみついています。

これだけでも絶体絶命の状態なのに
銃撃され操縦不能となった追跡用ヘリがビルに激突し


ビル本体をうまく避けてエンブレムに激突したものの被害は甚大です。

当然、2人はレールのない
富士急ハイランドのドドンパを体感することに。


2019年版最新絶叫マシン。

離れて見るとこんな感じですよ。


見づらいと思いますが、「R」の穴に当たる部分に2人がいます。

どう考えても助かるわけないじゃないですか!

しかし、予告編を先に見ている私には
この後の展開が判っているので怖れることはありません。

少なくともリンカーンは無傷で助かります。

何故そんなことが判るのかと云うと
この時点では、リンカーンの本体である
工業デザイナートム・リンカーン(ユアン・マクレガー)は
登場していませんが、
予告編にはこういうシーンが使われているからです。


予告編にはこの後本体が射殺されるところまでばっちり入ってます。





この「予告編テロ」がぁぁぁぁ!!

予告編からある程度までの情報を得ている身としては
リンカーンに関しては何一つ心配することはありません。

その後気にかかるのは
コロニーとメリック医師の行く末ぐらいなものですが、
それもショーン・ビーンが演じている以上
気たるべく結末は判っているのです。
(はい、そうです。
ブシェミの方は既にお亡くなりになっています。)

どうせ死ぬんでしょ?
それも無残な死に様を見せて死ぬんでしょ?

まあ、流石にリンカーンとジョーンズを追う
セキュリティーチームの長官ローラン
(ジャイモン・フンスー)が
あそこまで活躍するとは思ってもいませんでしたが…。


最後美味しいところを持っていきます。

ほんと、彼のスピンオフか主演シリーズを見てみたくなるほど
美味しい役柄でしたね。