
チェ・ゲバラ。
言わずと知れた、伝説の革命家。
裕福なアルゼンチンの家に生まれ、医学部で優秀な成績を収めながら、南米を旅した折りに悲惨な人民の状況に触れ、医師としての将来よりも革命家として生きることを選んだ。
カストロと共にキューバ革命を成功に導いた後も、統治者としての地位を捨て、異国での新たな革命に身を投じ、ボリビアにて39歳で命を落とす。
去年はゲバラ生誕80周年だったこともあり、その半生を描く2部作
「28歳の革命」「別れの手紙」が製作、公開された。
昨日、その前編を観てきた。
映画館には開演15分前に着いたものの、
既に15:30の回のチケットを取ることができず、17:50の回まで待つことに。
それほどの人気ぶりだった。
経済的にも政治的にも混沌を極め、
世界のリーダー達から「正義」「誇り」「信念」を見出すことの困難なこの時代にあって
いかにゲバラという人物、または彼に象徴されるものが今の世界に求められているか。
その縮図とも思えるほどの人気ぶりだった。
映画のシーンの大半は、山中でのゲリラ戦。
ゲバラやカストロと共に、観客は革命の足跡を追体験できるというものだ。
そしてその随所に、ゲバラの真のリーダーたる人間性の描写。
戦闘の最中でも常に分厚い本を開き、自己を向上させることを怠らない。
隊を率いると同時に負傷兵を的確かつ迅速に看護、一流の軍医でもあった。
「銃を持って戦うことだけが革命ではない。負傷した仲間を治療したり、物資を調達したり、隊の中で読み書きを知っている者が知らないものに教えていくことも、革命の一部だ」という科白も印象的だった。
指導者たるもの、常に部下以上に己に厳しく、揺ぎ無い信念を持ち、部下全員に愛情と気配りができなければならぬ。
自分自身は特に公には「何を率いている」という立場でもないけれど
そういう志は大切にしたいとも思った。
日本の(国家から企業までの、あらゆるレベルの)指導者達にも
ぜひとも観て貰いたい映画です。
(公式サイト)
http://che.gyao.jp/
追記:うちの兄は前からゲバラの大ファンで、誕生日にゲバラTシャツを贈ったところ、非常に気に入ったようで、自分でもかなりの数を購入。今では兄のゲバラTシャツのコレクションは数知れず。その妹としては、ゲバラに対する知識を深められてよかったです。