わらの合宿から戻って、「食べ方」が少し変わった。
「食べるもの」じゃなくて「食べること」
今まで、忙しい日中は、空腹をただ埋めるために、パソコンを打ちながら、
手作りの弁当でも惣菜パンでもただ口に放り込んだ。
味わうことはせずに、空腹を埋める行為。
今はどんなに忙しく、狭くてワサワサした事務所でも、席をはずして
会議机で食をとる。船越さんに教えてもらった合掌をしてからなるべく
ゆっくりいただく。おいしい、おいしいと口にしながら。
お酒好きな私としては、家での晩酌は相変わらずやめられないけれど、
食べる時間はテレビや新聞を見なくなった。
目の前にならぶ食材たちとの会話を楽しみながら。
一日に起きた出来事を振り返りながら。
わらで教わった「楽しいことをして幸せに生きるための方法」と今日の私の
接点をじっくり探し当てながら。
そうすると、外界から自由になった瞬間をふと感じることがある。
そんなときは、ヨガを終えた後のような心地よい気持ち。
もしかしたら、お酒に酔っているだけかもしれないけれど。
そんなことをしていたら、家族との食事の会話が増えた。
父のお母さんの苦悩な人生や、母のおじいちゃんの
宵越しの金は持たない破天荒な人生など、33歳になって
初めて聞く話がいっぱいで驚く。
自分が変わると、世界が変わる、は本当なのかも、な。