ピアノは比較的歴史の長い楽器です。今まで様々な国の文化、技術、アイデアが盛り込まれて、いまの鍵盤の形に落ち着いてきました。
ピアノよりも歴史の古いパイプオルガンの鍵盤は、元々は「白鍵」と言っている部分は黒檀で黒く、私たちが「黒鍵」と呼ぶ部分は、白木か象牙トップで白いです。つまりオルガンの場合、白鍵と黒鍵は、鍵盤の白黒が逆転しているんですね。モーツアルトが生きて活躍していた時代のピアノもそうでした。
(京都コンサートホールのパイプオルガン)
よく見ると、鍵盤の長さもピアノよりもだいぶ短いし、鍵盤の角も少し尖っていますね。
このようにあえて昔の伝統的な鍵盤で作られることもありますが、いまのピアノのようなタイプの鍵盤で作られているオルガンも、もちろんあります。
さて話は変わって、鍵盤の形って結構複雑にできているので、気になっていろいろ調べてみることにしました。
自宅にあるRoland XP-50(20年以上前のシンセサイザーですが)の場合、どうなっているか定規を当ててみると、ドレミファソラシまでの白鍵の幅は16.2cmでした。
別のサイトで見つけたグランドピアノ鍵盤の詳細なサイズ表です。
転載元サイトはこちら。(無断転載ごめんなさい!)
【細幅鍵盤4】ピアノ鍵盤設計と鍵盤サイズについて – 私は何から出来ているのか? (komoriss.com)
この表によると、ドとファの白鍵の形は同じのようで、実は1mm形が異なる部分があります。同様に、白鍵のミとシも、やはり形は似ていますが異なります。
(本物のグランドピアノ鍵盤)
また、ド#とレ#の黒鍵同士の幅は、ファ#とソ#の黒鍵同士の幅より1mm広く取られていることがわかります。
この表はドイツ、ベヒシュタイン社の鍵盤サイズとのことですが、どのメーカーもだいたいこのサイズで作られていると思います。
私が持っているRoland XP-50鍵盤は、グランドピアノの鍵盤に比べると、やや全体が細く作られていることがわかります。確かにこのほうが、オクターブに指が届きやすいですし、グリッサンドもやりやすい。
電子楽器の鍵盤は、どうやらグランドピアノ鍵盤とは少し、事情が異なるようです。