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伊勢根付職人 梶浦明日香の『手のひらの幸せ』

これから職人になりたいと思っている人へ

夏休みで、少し将来の職業について
職人になりたいとお問い合わせが来たので
以前、別のところで書いたブログをシェアさせてもらいますね。

・・・

コロナの影響か、
ここのところの就職活動の停滞からか、
私のところへ
「職人になりたいんです。」
という問い合わせが先日まで立て続けに来ていました。

ありがたいです。
まず、気になって”問い合わせ”という形で行動してくれたこと
すごくありがたい。


そういう私のところに問い合わせてくれる方には、共通点があって
ほぼ
「伝統工芸の職人になりたいのだけれど、
なんの職人になったらいいのかわからない。」

という方々。

(中には、根付の職人になりたいという方もいらっしゃいますが、
それよりなんとなく伝統工芸の職人っていうイメージの方が圧倒的に多いです)


ものづくりの学校に行っていて、
職人になることは自分の中で決まっていて、
果たして自分にはどんなものが向いているのかわからないという方には
下記の2点を必ず伝えてる。

・自分の実家に住ませてもらえる環境なら、できるだけ実家から通える範囲の伝統工芸の中で、自分に合いそうなものをさがしてみて。

・実際に職人さんに会いに行って環境やそのものを見て。


補助金などもある工芸もいっぱいあるし、
遠くから移住してきてその土地で職人になる人も少なくないんだけど
補助金ってせいぜい2〜3年だし
(どの工芸も、その短期間ではまず一人前に稼げる状況にはなれない)
自分の暮らしを自分でなんとかなる状況に出来ないと、
すぐに辞めざるをえなくなっちゃうので、
まずは自分の暮らしを最低限確保できる環境だと続けやすいと思うのです。

そして、自分の暮らしを確保できた状態で
そこから通えるいろんな工芸を体験してみて。
本人にとってどれが好きかも大事だけれど、
どの環境ならやっていけそうか、その師匠はいい人なのか、
と、いうことのほうがずっと大事だったりもするから。
その上で、自分の中で、
例えば和紙などのように、たくさんの同じものを作る仕事がしたいのか、
根付などのように、自分の個性を出して一点物を極める仕事がしたいのか、
伝統工芸を守る最後の一人になりたいということなら、
伝統工芸を支える道具の職人さんなどが、もう衰退の危機の人が多く、
そういった道具を作る伝統工芸の職人という選択もある。

自分が何に惹かれて伝統工芸がしたいのかっていうところを
一回考えてみることをおすすめしている。

一口に伝統工芸と言っても、
最終製品になっているものも、
道具も、材料も、
いろいろあるのです。


例えば私なら、根付の魅力に惹かれたっていうことだけでなく、
マンションぐらしで工房は持っていなかったから、
広い工房がなくても仕事ができる環境じゃなきゃ無理だったし
結婚して転々とする可能性があるから、分業制のものはどこかで無理が出るかもと思ったし、
一方で、短期間である程度の収入にならなくても生きていけるから、
たくさん数をこなして比較的すぐにお金になりやすい仕事じゃなくても
じっくり向き合って、技術を磨いていく時間がある。
と、いった個人的な都合もあると思うんです。

そういう現実的なところと向き合った上で、
何ができるか考えるほうが、長続きすると思います。

あと、ほんと、師匠の人柄。
ここがすべてじゃないかと思ってる。
いろんな職人さんいるもの。




さて、上記のように
職人になることはもう決めた

っていう人はいいんです。
その覚悟がある人は、方法論だけなので。




一方で、

今の環境が苦しいから職人になりたいっていう人。

いいと思う。
でも、もう一度、伝統工芸の職人になって
何がしたいのか考えてみて。

もう人間関係に疲れて、人と接しなくてすむから職人になりたいとか、
田舎で暮らしたい、いい人が多そうだからっていう人は、
それは、だいぶ偏ったイメージですよ〜
とは、お伝えしてる。
東京下町(都会)にも伝統工芸はいっぱいあるし、
職人だって、人とのつながりは大事ですよ。
うちの師匠とか、あの人懐っこさと好奇心でいろんな人と仲良くなってて
営業という面でも
「勉強になるな〜。」
ってすごく思います。


なによりも、その思いで、無収入の修行期間を諦めずに続けられる?
その覚悟はある?
ってことかな。


私がインタビューなどで、
「職人っていい仕事ですよ」
って言っていると、時々

「そんな無責任なこと言うんじゃない。」
と、お叱りのコメントをうけることがある。

その意見も正しい。
私は職人ってやりがいのあるすごくいい仕事だと思うけれど、
一方で、そんな甘いもんじゃない。
技術の習得も、生きていくのも大変なんだっていう面ももちろんある。


その部分も認識した上で、
それでも伝統工芸やってみたいって思ってもらえるなら、
ぜひ、挑戦してみてほしい。
その価値は十分にある、やりがいのある仕事だと思います。


asuka-netsukeさんの出品

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