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ASTRO PORT Blog

これはゲーム製作サークル「ASTRO PORT」の驚異に満ちた物語である

ZANGEKI WARP 10周年

2025年05月28日 | 創作よもやま
ASTRO PORTのサクです。

横スクロール地形シューティングZANGEKI WARPがリリース10周年を迎えました。



「斬撃ワープ」で空間移動しながら敵をぶった切る、風変わりなシステムのゲームです
「ショット」と「ワープ」、たった2つのボタンで多様な戦い方ができるシステムは、機能美があって大好きです。

「覚えゲー」で「死にゲー」なので一気に遊ぶと疲れますが、セーブ機能を使って一日一面、じっくりと攻略して頂きたいです。

ASTRO PORT作品では一番グロテスクなので、ビジュアルを見ているだけでも疲れます。
「地形シューティングといえばグロいクリーチャー!」
とスカッとしたグロじゃなくて、嫌な気分がじわじわ堆積するゲームを目指しました。いや、目指すなよ。
僕も真夜中に敵の絵を描きながら、SAN値が減っていく気分を味わう。そんな10年前でした。

悪役「ベノミヤ博士」が本作で初登場(裏設定のみの存在ですが)。
アストロサーガの悪人は意外に良い人が多いのですが、ベノミヤ博士は残虐な悪の科学者です。
ベノミヤ博士は『ロケットロン』『バルビークル』にも登場しています。

『ZANGEKI WARP』はASTRO PORT作品の中でもひときわマニアックな存在ですが、コアなファンもしっかりいます。本当にありがたいです。
この機会にみんなでコアなファンになって、一緒にSAN値を減らしましょう。

蒸気活劇アドベンタム15周年

2024年11月19日 | 創作よもやま
ASTRO PORTのサクです。

蒸気活劇アドベンタムが15周年を迎えました。



キャラクター、イラスト、UI、ロゴなどなどを『ヒトミ先生の保健室』の鮭夫さんが担当。ちなみに『ヒトミ先生~』は今月で連載11周年の長寿マンガです。

アドベンタムはASTRO PORT初のアクションゲームです。
『超電気ロボ バルカイザー』『ARMED SEVEN』『魔女ボーグ メグリロ』がアストロ黎明期作品とするなら『アドベンタム』は新時代を切り拓いたゲームです。
『アドベンタム』を作るまでASTRO PORTにはアクションゲームを作る技術が無く、開発そのものが挑戦でした。



初アクションにして、戦車をクルクル動かす軽快な操作感がウリのゲームとして完成。
『アドベンタム』でアクションのノウハウを得て、その後15年で制作できるジャンルが一気に広がりました。
なんと「シューティング」と「アクションシューティング」の二種類!!を作れるようになったのです。

アクション初挑戦ながら、『アドベンタム』は2009年のコミケ(C77)で、200本を2時間で完売するASTRO PORTコミケ史上の大記録を達成し、大いに自信をつけました。


15年で時代が変わったなと思うのは、火炎砲担当の「ハンナ」のイメージです。



ハンナ(中央)は「スーパーネガティブ思考」なキャラです。
「内気、引っ込み思案」の枠から突き抜けた性格は、当時は斬新でしたが、今ではテンプレート属性の一つになっています。

マデレーン(左)の「オカルト大好き」は10周年の頃にはテンプレ化していましたし、『アドベンタム』20周年はどんな時代になっているのか楽しみです。

WOLFLAME 10周年

2024年05月29日 | 創作よもやま
ASTRO PORTのサクです。

WOLFLAME(ヴォルフレイム)が10周年を迎えました。



むちゃくちゃ高速な敵弾が飛んでくる縦シューティング。
高速弾をギリギリ避けたり、直撃したりのアドレナリン全開ゲーです。

WOLFLAMEを作った頃は時代に逆行したゲーム性がウケましたが、そんな時代から10年が過ぎました。
もう高速弾はノスタルジックな文脈で語られる事はなくなり、フラットに面白いかどうかが語られるようになりました。
今は古いから良い、でも古いからダメでもなく、面白ければ何でもOKの時代になったのは嬉しい事です。

WOLFLAMEは自機のメインショットが弱いので、左右のサテライトの火力を利用して戦う事になります。
左右別の武器にできるのは僕が好きだった『タイガーヘリ』の影響です。
僕は『タイガーヘリ』で左右に射角の違う支援機をつけるのが好きだったんです。

ASTRO PORT作品は基本的に自機がかなり強いんですが、WOLFLAMEは弱くてクセのある自機と強力な敵が戦うゲームになりました。

パワーで押しまくれるわけでもなく、最強状態でも気を抜けばザコにスナイプされ
「あっ、今のなし!」
と一人つぶやいてしまうストイックさ。

「シューティングゲームサイドvol11」で僕が大好きなニチブツ特集とともに記事にして頂いたのも思い出深いゲームです。

月星人地球をしゅうげきす

2024年01月21日 | 創作よもやま
ASTRO PORTのサクです。



これは僕が小学四年生の時にじゆうちょうに描いてた漫画です。
『地球最後の日! 月星人地球をしゅうげきす』
すごいタイトル。70年代の小学生の語彙じゃない。
宇宙人と自衛隊が延々戦ってるだけの他愛ない話ですが、クライマックスで月星人の弱点が「電気」だと分かる等、B級侵略物のツボを抑えた展開でした。

これを描いた時代は『宇宙戦艦ヤマト』『スターウォーズ』が大人気だった頃です。ガンダムは未放送。
SFアクションの舞台は未来の宇宙が基本で、現代日本を舞台にしたものは古くさくて幼稚だと考えられてました。
だからヤマトやスターウォーズの情報はTVや雑誌に溢れていた。そのかわり見たくても見られなかったのが50~60年代の侵略映画でした。
ゴジラやガメラはTVでよくやっていたので怪獣成分は十分摂取してましたが、メカ成分が足りない。自衛隊や米軍が空飛ぶ円盤と戦ったりする系がちっともTVでやらない。レンタルビデオも動画サブスクもない。
欲しいものは自分で作るしかないのです。ティム・バートンの『マーズ・アタック』への愛情と同じです。

特撮映画だけでなく、ウェルズの『宇宙戦争』、海野十三の『火星兵団』といった昔のSF小説への強い憧れもありました。
どちらも作者が「火星人はいないよなぁ」と思いながら執筆していた事にも感動しました。
「それじゃ僕は火星人よりもリアリティのない月人を出そう。月人じゃ語呂が悪いから月星人にしよう」と考えたのを覚えてます。
月が星じゃないのも(なんとなく)知ってました。

月星人の光線も稲妻風にスペシウム光線風と60年代テイスト。「ピュンピュン」音がするパルスレーザーは出てきません。
自衛隊は小4の子供が雑に描いた割りには凝ってます。
戦車は迷彩塗装。歩兵の奥に兵員輸送車(らしき車両)があり、後部ドアから陸自隊員が降りてます。細かい。

僕が子供の頃に作ったものを見ると、昔も今も変わらないなと思います。
これもASTRO PORTの原点です。

メグリロ15週年リロ

2023年12月29日 | 創作よもやま
ASTRO PORTのサクです。

魔女ボーグ メグリロが本日15週年を迎えました。





メグリロ制作中は公私ともに無茶苦茶に忙しかった時で、とてもじゃないけどゲームを作ってる場合じゃありませんでした。
それなのに『ARMED SEVEN』のリリースからわずか半年で完成。
工数を絞るつもりだったのに不要不急の「キセカエルーレット」を実装する。
正気の沙汰じゃありません。

メグリロの原作はデザエモン2で作った横STGでしたが、内容がヤバかったのでマイルドにしようと設定を一新したら、もっとヤバい展開になりました。
いやもう、正気の沙汰じゃありません。
それだけにリミッターが外れ、潜在能力が覚醒した作品になりました。
15年経った今でも「凄いな」と自分でも思います。

イラストの鮭夫さんも、企画を考えたオーダンもノリノリで、開発中はずっとお祭り状態でした。
あの勢いとコンビネーションならゲッターロボにも合体できるはず(みんなの目は石川賢版)。

古いゲームですが面白いのでSteamでぜひ遊んで下さい。

メグリロの不謹慎ギャグに現実が追いついてきてるので、早く遊ばないと常識的なゲームになってしまうかもしれません。
メグリロ20周年の時は「弱きを助け、強きをくじく」みたいな言葉を、皆が「ハハッ 逆でしょ?」と明るく笑う世の中になってるかもしれません。



近未来をお楽しみに。

STEEL STRIDER 10周年

2023年11月02日 | 創作よもやま
ASTRO PORTのサクです。

STEEL STRIDERが10周年を迎えました。





本作は過去作とのリンクが多く、『GIGANTIC ARMY』から40数年後のラムロン星や『SATAZIUS』の裏話を描いてます。

秘密組織『アルゴ運送』が初登場し、TDF(地球防衛軍)を助けたり、対立したりと大活躍。アストロサーガの構成要素はSTEEL STRIDERの完成によって揃いました。
というわけで今年は『アストロサーガ成立10周年』とも言えます。
アストロサーガの全体像は『STEEL STRIDER』の他、『バルカイザー』『MECHBLAZE』『バルビークル』の4作をプレイすれば、ざっと把握できます。

STEEL STRIDERの操作はFPSにならい、キーボード移動、マウス照準です。
10年前、FPSは日本でも流行り始めていましたが、現在に比べればマニアックなジャンルで「FPS感覚で楽しめる!」を押し出すには早すぎました。
そんなわけで当時はゲームパッドでプレイした人が多く、みんな操作に苦労してました。すいません。
パッドでもプレイできますが難易度が爆上がりするので、ネタプレイ用として楽しんで下さい。

全方向STGの超戦車戦アドベンティアもキーボード&マウス操作ですが、パットでプレイした人の話を聞いた事がありません。
やはりゲームジャンルによって受け入れやすい操作系は変わるみたいです。
何と言っても、マウスでさっと銃を動かし狙いをつけるアナログスティックとも違う気持ちよさを味わって頂けると嬉しいです。

これから10年、20年後もよろしくお願いします。

バルビークルキャラ解説&細かすぎ設定

2023年08月06日 | 創作よもやま
ASTRO PORTのサクです。

爆裂武装バルビークルの舞台背景とキャラ解説の雑がたりをします。



バルビークルの会話は呑気とシリアス味のある内容に違和感を感じて下さった方が多くて嬉しいです。
凄く辛い過去があっても、それを話す時は深刻にならず、にこやかに他人事のように話す事って多いですよね。そして本当に辛い事は無意識的に話題にしません。
バルビークルは過去の傷が癒えていない人たちが、笑顔でしれっと語る思い出話の側面があります。
ドライでゆるく変てこな会話パートを読んで頂き、本当にありがとうございます。

ちなみにエリカの住んでたスラムはMECHBLAZEの2面です。

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ここからは、辛口キャラクター紹介と裏話です。


コケル
出身星:アドリー

烏合の衆を束ねるカラス
明るく元気な反面、自己肯定感が低く、セリフの端々に見捨てられ不安がにじみ出るリーダーにしてはいけないタイプ
電送エンジニアとしては超優秀で、コケルがいなかったらビークルは基地の外にも出られなかった
WOLFLAMEではアドリー軍におり、マナミを含む地球人を滅ぼしかけ、反撃で滅ぼされかけた
そのためTDF(地球防衛軍)にライバル心を抱いている

名前の元ネタは「こける」
アドベンタムに登場したアドリー人がヴァレル(ばれる)だったのでダジャレ繋がり

★★★ ★★★ ★★★


ラミィ
出身星:チャトラム

殺人術のプロ
何も語られてないけど、実は壮絶な過去がありそう
「人を殺し続けていたら、プロになっていた」
みたいな事を言ってるし

菊池光の翻訳小説(深夜プラス1など)みたいな話し方をする

名前の元ネタはドラミ
メグリロに登場したチャトラム人がキチィだったのでネコキャラ繋がり
Rummyの綴りは「大酒飲み」の意味もある

★★★ ★★★ ★★★


エリカ
出身星:ラムロン

兵器開発者でパワー系の武器を好む
過去の苦労話をのん気に語るけど、死にかけたケースも多くて真面目に語られたらシャレにならない
置き去りにされたゴゴー軍団員だったので、異星人狩りが横行する地球では息を潜めていたはず

名前の元ネタはエリカの木
メグリロに登場したラムロン人がサクラだったので樹木繋がり

★★★ ★★★ ★★★


マナミ
出身星:地球

WOLFLAMEの自機を強化改造し、コケルが所属したアドリー軍を間接的に滅ぼした
天才少女ゆえに地球では異端児扱いされ、彼女の年齢と能力に違和感を持たない異星人の方が仲良くしやすい
部屋の張り紙やホワイトボードに注意書きをしているのはだいたい彼女
ラミィに憧れているが外見に惹かれてるだけ。恋愛感情に疎いけど恋占いには情熱を注ぐタイプ

マナミは20世紀末生まれの女の子に多く着けられた名前らしく、名前で時代を再現しようとした

★★★ ★★★ ★★★


フォノ
出身星:リルト

常識人っぽくふるまってるけど、バイオテクノロジーに関する倫理観に乏しく本質はベノミヤ博士とそんなに変わらない
リーダー風もふかすけど、やってる事はほぼツッコミで自分から物事を決めない
これだけ書くとただの無能みたいだけど、彼女がいなかったら栄養、医療の面で詰んでいた

序盤はQ.Tを避けてたので会話パートでほとんど一緒にいない
途中からQ.Tとの距離が物理的に近くなるので測ってみて下さい

名前の元ネタはフォノイコライザー
メグリロに登場したリルト人がアンプだったので音響機材繋がり

★★★ ★★★ ★★★


Q.T
出身星:メタナル28

機械の体を持ってることで銀河じゅうから差別されてるサイバネ人
サイバネ人差別の問題は2049年にROCKETRONで噴出する
人生について達観してるし傍観者みたいな立場で話すけど、自分に興味を持たれるとすっごく喜ぶ
歴史学者だけど天才的スキルもガツガツした向上心もない。そのぶん怠惰さの価値を知っている賢人

独特のぼやき口調は昔の漫画「ロボット三等兵」がモデル
本人が「自分はロボじゃない」って言ってるのに、名前もロボ感があるし各所にロボネタを仕込まれてしまうのが可哀想

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さて、ここからは個人ではなくチームの話です。
バルビークルのキャラは主体性やビジョンを持つ人が一人もおらず、状況に流されるばかりです。

ベノミヤ博士が悪の道に転ぶきっかけを作り、それがZANGEKI WARPROCKETRONでの事件に繋がります。

アドベンタムの主人公カシアは超絶有能なリーダーでした。
アドベンティアの主人公ルーシィはおとなしいけど、求心力がありました。
バルビークルのコケルは上記2作と違い明確な主人公キャラではないので人徳が数段劣ります。

そんな感じなので、みんなも無意識レベルで余裕がなくなり部屋がだんだん汚れていきます。機材が壊れるのは仕方がないとしても、倒れた小物も放置されっぱなしです。
「栄養と休養が大切」と言ってるフォノも掃除は重視しなかった様子。

それでも人間関係が荒まず最後までお気楽ムードだったのは、個々の人柄の良さにあったんだと思います。

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あとは本当に細かい話ですが、バルビークルは2010年の話なのでキャラが喋る言葉が過去作と異なります。
たとえばバルカイザーは1977年が舞台なので「スイーツ」「パンケーキ」という言葉は使わず、「お菓子」「ホットケーキ」と言います。
バルビークルに出てくる言葉は比較的今風ではありますが、設定年代が今より10年ちょっと前なので、やっぱり一昔前です。
「ゆるキャラ」「人狼ゲーム」は当時流行したのでネタにしましたが、「KY」などの死語は使うのを止めました。

と、このようにバルビークルには細かすぎて伝わらない要素がいっぱいあるんですが、伝わらなくてもいい事ばかりです。

ARMED SEVEN15周年

2023年07月15日 | 創作よもやま
ASTRO PORTのサクです。

ARMED SEVENリリースから15年たちました。

ARMED SEVENは超電気ロボ バルカイザーに続くASTRO PORT作品第二弾で、前作とはうってかわったリアルロボ路線。
バルカイザーやメグリロが変わりだねすると、ARMED SEVENは15年前から現在に至るASTRO PORTの基本スタイルです。



ARMED SEVEN10周年の記事を読みかえしてみたんですが、5年前は姉妹作のMECHBLAZEの完成の目処が立ってなかったんですね。
MECHBLAZEも無事に完成して良かった良かった。



F-15戦闘機、ナイキ対空ミサイルなど、ところどころに通常兵器を出して現実世界と繋げつつ、
2面ボス「カイドッカー」の生物→人型ロボへの変形でバルカイザーとの繋がりを演出してます。

15年たつと技術がSFに追いつきます。
軍用ドローン、垂直離着陸できるロケット等、制作時は近未来を演出するメカも普通に存在するようになりました。

さてARMED SEVENは「第二次ローラン戦争」を描いたゲームですが、いつまで経っても「第一次ローラン戦争」のゲームが出ません。
「いつか作りたいねぇ」
と、オーダンと10数年前から話してます。

また、ARMED SEVEN以降の作品で活躍させるつもりだったのに、次の出番が全然来ないメカもいます。

↑中央の宇宙艦は縦STGのザコキャラとしてバンバン出すつもりでした。


ちなみにASTRO PORT最新作爆裂武装バルビークルSwitch版が7月20日に発売です。
ビジュアルが全く違いますがしっかり系列作。
ARMED SEVEN4面ボス「バンガード」の後継機が登場します。
こちらもよろしくお願いします。

魔女ボーグ メグリロ 開発秘話

2022年11月04日 | 創作よもやま
ASTRO PORTのサクです。

ASTRO PORTの異色作魔女ボーグ メグリロがHentekoDoujinから販売になりました。



もう14年前のゲームですが、伝説でもあり、現在も現役で好評。
ゲームシステムは正統派ですがシナリオは正気じゃないと評判です。
実際、メグリロは命を削って作られた狂気の産物なのです。





メグリロはASTRO PORTの作品では珍しくコミケ合わせのスケジュールで作りました。
オーダン 「新作を今年の冬コミ(C75)に出したい」
僕 「よし、まかせとけ!」
という、やりとりで決定。

初期の企画タイトルは「電撃ワープ」→「瞬撃ワープ」。
スターソルジャーのようなファミコン風ドット絵のゲームの構想でしたが、2008年当時、8bitや16bitのドット絵は現在ほど市民権を得ておらず、フックとして弱い印象がありました。

そこで改良案
・主役をデザエモン2で評判の良かった「魔女ボーグ メグリロ」にする
・絵柄は主線の太いポップな絵柄(マジカルドロップが源流)にする
・イラストは鮭夫さんにお願いする

さて、問題はデザエモン2版メグリロの内容がヤバすぎた事です。
メグリロが「魔女め!」と言われて火あぶりにされるシーンから始まり、ステージも幻覚みたいなものばかり。設定も修正しないと!
ここまでは冷静な判断ができてます。
ここまでは。

「敵はスペイン宗教裁判みたいなのじゃなくて、ゴゴー軍団にしよう。
 ストーリーは「チャージマン研!」のパロディにしよう。
 これで、内容もマイルドになるぞ!」

結果的にマイルドどころか、より頭のおかしいシナリオが出来上がりました。
チャー研を混ぜちゃたら、そうなるよなあ。
「チャージマン研!」は当時はマイナーなカルトアニメで、人気にあやかろうとしたわけでもなく、布教の意図もなく、単に好きだったから混ぜました。
正気じゃない。


●「お許しください」なサブタイトル


●毎回ボスを罵倒する

さらに、僕の本業は今までの人生で最も多忙でした。
平日は激務をこなし、土日はメグリロに全力投球。
仕事もゲーム制作も楽しかったので、公私ともに充実した毎日でした。
充実はしていても、忙しすぎる生活は健康を損ねます。
顔の筋肉がこわばって、無表情になりはじめます。
「これは休養が必要だ」
と気づいたものの、休養しなかったので倒れました。
正気じゃない。

メグリロのメカデザイン、ストーリーともに気に入ってます。
「キセカエコーナー」もバカバカしくて好きですが、我が身を犠牲にしてまで入れるほどのものかどうか。
正気じゃない。


●「リカちゃん」じゃなくて「マグネモ」遊びがしたかった

鮭夫さんや、オーダンも大変でしたが、僕は自分の事で手一杯で、周りがどうだったか全く覚えていません。
酷いですね。

なにはともあれ、メグリロは無事、C75に間に合いました。
いや、倒れてるんだから無事じゃなかった。
忙しすぎると、判断力が低下するので、皆さんお気をつけ下さい。
僕はいろいろ悔い改めて、無茶しない事に成功してます。

バルカイザー15周年

2022年09月28日 | 創作よもやま
ASTRO PORTのサクです。

超電気ロボバルカイザーがリリース15周年を迎えました。





バルカイザーはアストロサーガの中心なので、プレイしておくと、その他のゲームもより楽しめます。
いろいろなゲームの演出、設定と、地味に(時には派手に)つながっているので
「おお!」
と驚くポイントが増えます。

同じキャラでステージクリアすると、親密度が上昇。
親密度上昇プレイでバルカイザーのストーリーが進みます。
縛りプレイの方が本編です。
特にドリル姐さん、十条スズナは後にアストロサーガの重要人物です。
後づけでそうなったのではなく、15年前に構想が出来上がってました。
まあ、大抵は後づけ設定なんですが。
というわけで「バルビークル」をプレイした方は、ぜひドリルカイザーシナリオも体験して下さい。
バルビークルの印象も変わります。



バルカイザーのストーリーは、制作中に自分が思ってたよりも70年代ロボットアニメの再現度が高いです。
70年代スーパーロボットというと、熱血、コミカルの印象がクローズアップされますが、実は、それほどでもないんですね。
悪のサンタクロース型ロボにも、作中人物はみんな真面目に対処します。バルカイザーもそんな感じ。

バルカイザーは重い話の比率が4割ちょいです。
村田ユキマサと、十条スズナが重い。
あー、ゴゴー軍団内部の雰囲気は(描かれてないけど)比較的のんびりしてるかも。

主人公も熱血してない。
そもそも、ほとんどセリフが無いんですが、聞き上手な性格です。
熱血ポジションって、ボスやムサシなどコメディリリーフを兼ねてる場合が多いです。
バルカイザーだと、山下カイコウですね。

バルカイザーのスピンオフ作品は、セルフパロディというかギャグに振り切ってます。

コント集バルカイザー撃場

縦STG魔女ボーグ メグリロ

短編ノベルゲーム超電気博士アマモリ

これらも、ぜひどうぞ。

今後とも、バルカイザーをよろしくお願いします。

超戦車戦アドベンティア 10周年

2022年05月10日 | 創作よもやま
ASTRO PORTのサクです。

超戦車戦アドベンティアが10周年を迎えました。




アドベンティアは現在、ASTRO PORTで唯一の全方位STGです。
キーボードで車体を動かし、マウスで砲身を画面ごと回転させて、敵戦車を狙撃したり、なぎ払ったりします。



オーダンが「全方位戦車STGを作りたい」との要望に、僕が「実在戦車を出していい!?」と乗っかりました。
アドベンティアの制作を決めた頃は、まだ「ガールズ&パンツァー」は放映されておらず、戦車はマイナーな存在でした。
それでも僕は、実在戦車が登場するゲームを作りたかったんです。

堅苦しいゲームにしたくなかったので、美少女が活躍する戦車アクション蒸気活劇アドベンタムの続編に決定。
後に「ヒトミ先生の保健室」を連載する鮭夫さんにキャラデザインを続投してもらいました。


選択した女の子2名の組み合わせで、道中の会話が変化します。

■■アドベンティアの登場人物■■
ルーシィ

おっとり系主人公。アメリカ出身。
前作「アドベンタム」のカシアのような積極性は無いけど、なんとなく周りを巻きこんでいくタイプ。
実は彼女のリーダーシップの高さに気づいたのは、シナリオを描き終わってからでした。

鮭夫さんに、
「服装は縦じまのワンピースで。変な服だけど、当時の流行ファッションだから」
と無茶振りしたところ、しっかり可愛い上、星条旗の意匠まで入ってて驚きました。
身につけてる小物は戦車用じゃなくて、バイク用です。装備品にも鮭夫さんはこだわってくれました。

ターニャ

元気な元戦車兵。ソ連出身。
10年前はまだ、ロシア人キャラは「クールでミステリアス」が主流でしたが、実際には細かい事を気にしない、人懐っこい気質もあるそうで、そちらに焦点を当てました。
軍人調の喋り方は小学生の頃に「のらくろ」を夢中で読んだ経験が活きました。
「戦車帽は必須! マストアイテム!」
と鮭夫さんに駄々をこねました。

ジョイス

諜報部員のお嬢様。イギリス出身。
こちらは英国ステロタイプなキャラ設定ですね(日本だとゲイシャ忍者?)。
頭は抜群に良いし指導力もあるけど、リーダーの資質はルーシィに劣る気がします。
この人がいないと全員ボケて終わったりする、貴重なツッコミ要員。

フリーダ

ツンデレ戦車マニア。ドイツ出身。
「人間不信」で「人間嫌い」な子ですが、フリーダが好きな物は全て「無機物」だと、だいぶ後で気づきました。
人間を含めて「生物不信」って、僕のどんな闇から生み出されたのか、自分が恐い。
そんな彼女も、他のキャラと関わりあって成長します。

メル

精霊の心を宿した人形。精霊界出身。
アドベンタムから続投のキャラ。
精霊なので、浮世離れしつつも優しい性格。
アストロサーガで最も人間ができている人。人間じゃないけど。


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戦車も重要なキャラクターです。
打たれ強さ(装甲厚ではない)、砲塔旋回速度など、システムに入れ込める範囲で再現してます。
ソ連戦車は高性能だけど、索敵能力は低かったりします。

独断と偏見による戦車解説も入ってます。
長所と短所をそれぞれ一言でまとめるのが大変でした。


カヴェナンター大好き・悪口しか書いてないけど

登場する戦車も厳選しました。
「豆戦車CV33は外せないな。マイナーだけど」
「重戦車ルノーB1も外せないな。マイナーだけど」
どっちも、マイナー中のどマイナー戦車だったんですが、その後、アニメで大活躍するなんて思いもよりませんでした。

折り紙宇宙艦隊

2021年10月19日 | 創作よもやま
ASTRO PORTのサクです。

いつでもどこでも玩具で遊びたい僕は、小学生の時に折り紙で宇宙戦艦を考えた事があります。


宇宙戦艦

モデルは宇宙戦艦ヤマトじゃなくて、惑星大戦争の主役メカ「轟天」。
艦首をドリル状に折りたたむと完璧。



カミラス艦

こっちはヤマトのデストロイヤー艦がモデル。
目みたいなパーツがそれっぽいです。

これを考えたのは小4の夏休み。祖父母の家に遊びに行った時です。
山の中の暮らしは楽しいけど、玩具はありません。

それで折り紙で作れるメカを考え、大量生産したわけです。
この時は敵味方の2種を作っただけで満足してました。


そして第2次建艦ブームは、僕が学童保育の指導員をしていた時です。
玩具不足解消のために折ってみたら、どんどん調子が出て様々なバリエーションが完成。

記念に保管しておいたものを、ようやく撮影しました。


巡洋戦艦
艦橋が高く船体はスマート


重巡洋艦
パワフルなくさび形


軽巡洋艦
後部デザインが凝ってる


空母
大きい紙で作ると基地遊びできる


駆逐艦
艦載機にも改造できる


カミラス空母
艦首デザインがシュルツ艦っぽい


サソリ艦
子供が考えた悪者艦。カッコ良い


宇宙戦艦折り紙は児童クラブで大流行。
女の子がミニサイズの戦艦(全長1cm)を折ったりしてました。

子供たちは僕と違ってヤマト世代じゃないので、ウケないだろうと思ってましたが、全く関係ないですね。
まず、僕が率先して楽しそうに遊んでたのが良かったのかもしれません。

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おまけ


スターデストロイヤー(スターウォーズより)


宇宙海賊船ザノン号(宇宙大怪獣ガメラより)


艦隊集合写真


SATAZIUS 10周年

2021年07月16日 | 創作よもやま
ASTRO PORTのサクです。

SATAZIUS(サタゼウス)が本日、10周年を迎えました。









前作、GIGANTIC ARMYがオーダンにだいぶ負担をかけたので、SATAZIUSはオーダンの慰労を兼ねて制作しました。

考えてみると「休むためにゲームを作る」って凄いですね。
とはいえお散歩気分で作ったわけでもなく、むしろオーダンは全力疾走、趣味全開で制作。
そんなオーダンの熱い作風が、幅広い人たちに受け入れられました(女性ファンもいたのに、オーダンは信じなかった様子)。

シューティングゲームサイドVol4で記事にして頂いたりと、これまた思い入れが深い作品です。

対談:第二次ローラン戦争

2020年12月08日 | 創作よもやま
ASTRO PORTのサクです。

MECHBLAZEの設定記事、対談:第二次ローラン戦争を公開しました。

今回は博士とキミコさんの対談形式。
アドベンタム、アドベンティアに続いて3回めです。

過去の対談に比べると、博士とキミコさんの「爺さんと孫」感が減ってます。
対談が行われた年は2005年です。この対談がいつ公開されたのかは分かりませんが。
設定記事の中にも、さらに裏設定がありそうで、ややこしいですね。

「MECHBLAZE」は多くのアストロサーガ作品と関連してるので、ざっと書くのに時間がかかり、時系列的に変な箇所を消したり修正したりでさらに時間がかかりました。

今回、記事を書いていて驚いたのが、超戦車戦アドベンティアのキャラ、ジョイス(榴弾砲手のお嬢様)について。
「ジョイスならイギリス軍の事情に明るいし、博士と情報交換してるかも……」
とぼやっと思ったんですが、その先を考えてみたら、
「なるほど! そんな事があったのか」
と、驚かされました。
歴史学者が新たな文献を発見した時の気持ちも同じようなものかも。


過去作に登場した様々なキャラも、ゲーム本編か設定記事の出番を待っているんじゃないかと思います。
もっとも、全てのキャラにはそれぞれの人生があるので、僕が設定を書かなくても、アストロサーガ世界に足跡を残しているはずです。

GIGANTIC ARMY 10周年

2020年11月12日 | 創作よもやま
ASTRO PORTのサクです。

GIGANTIC ARMYが10周年を迎えました。








プログラマーのオーダンが蒸気活劇アドベンタムで積んだ経験をさらにパワーアップさせたのが本作。
特にメカの歩行に対するオーダンの情熱は並々ではなく、何度も作り直し、その度に完成度を増していきました。
ASTRO PORTの多脚歩行メカが沢山登場する作風はここから始まっています。


僕は世界観、ストーリーを考えてオーダンに提出。






こんな絵が20枚ほどあります。
絵は雑に描かれていますが、面倒な案ばかり。
オーダンはこれらを丹念に実装して、迫力のあるゲームに仕上げました。


GIGANTIC ARMYはNintendo Switchにも移植されています。


今月、Steamで販売開始した最新作MECHBLAZEも、重量級のリアルロボットアクション。
GIGANTIC ARMYをパワーアップした10周年記念的作品です。
完成が遅れた結果、偶然10周年と重なったんですが。

そんなわけで「MECHBLAZE」もよろしくお願いします。