今月の日生劇場での歌舞伎は、もともと見る予定はなかった。
確かに菊之助の「玉手御前」は魅力的だ。
しかし、そもそも「摂州合邦辻」という演目は、主人公、玉手御前の行動に釈然としなくて、どうも好きになれないのだ。
京都南座遠征で一等席を奮発しちゃったこともあって、財政的にもかなり厳しいし…。
しかし、菊之助丈の評判がすごかった。見ずにはいられないほど、観劇した人が口をそろえてほめている。うううむ・・・。
紆余曲折あって、一等席を半額以下で譲っていただけることになり、思い切って出かけたのが18日の夜の部。
その日は、午前中は染色教室、午後は茶道教室、そしてその後、日赤劇場と、朝から出かけっぱなし。染色教室で汚れてもよいようにと、洗える(?)ポリの着物を着用した。

劇場に行くということもあり、水色の志ま亀の九寸帯を合わせたのだが、結果的にこれは大成功。というのも、この帯、柄が菊と梅なのである。つまり、主役の菊之助丈の名前にちなんだ柄といえる。しかも相手役は梅枝丈。あらら。朝、あわてて用意したにもかかわらず、意図せずして2人にちなんだ柄の帯にできたなんて、私ってどれだけ歌舞伎が潜在意識化にすりこまれているんでしょう。
寺島純子さんをロビーで見かけたが、劇場で見かける梨園の奥様のお着物とちょっとテイストが違っていて、茶系の縞のお着物で粋な風情。でも帯はしっかり白地に墨で描いたような菊柄。
お知り合いの方とでしょうか、「よかったよね、がんばったわ」とお話しされていた。
確かに評判にたがわずよかった。すごかった…。
ここは、あえて「すごい」といいたい。菊之助丈の気合に凄みを感じた。
そのエキセントリックさには、思わずお姉さんの「寺島しのぶ」を思い出してしまった。
この演目、主役野玉手ははたして本当に義理の息子である俊徳丸を愛していたのかが解釈が分かれるところ。そこが曖昧なので、私もあまり好きな演目ではなかった。
通しで上演してくれたおかげで、玉手は本当に俊徳丸を愛していたんだなあという、菊之助丈の解釈も腑に落ちた。
雪の中、止める家来(時蔵丈)と格闘して家を出ていくシーンがあり、あれは愛する男を追いかける女の激情の何物でもない。俊徳丸の病を救うために、自分の命を引き換えにしたのも、相手への愛情ゆえと考えれば納得できる。
私も劇場に足を運んだかいがあったってものです。
第二部の「韃靼」、これもそれほど期待していたわけではなかったけれど、面白かったー。舞踏劇で、これだけ迫力あるものも珍しい。体力あふれる若手役者がそろう菊五郎劇団ならでは。中でも、亀三郎丈に私は注目。風貌は、もっくんにちょっと似て、なかなか端正。踊りも、最後まで折り目正しくきりっとしていて、ついつい目が言ってしまいましたよ。
しかし、日生劇場、売店もなんだか小さくて、「歌舞伎を見に来た!」という気持ちの盛り上がりに劇場のしつらえが答えてくれていないのが、なんとも残念。
筋書きにも舞台写真は入っておらず、その予定もないという。舞台写真も、もちろん販売していない。
歌舞伎座や新橋演舞場での舞台写真が、どれだけの営業努力で成り立っていたのか、改めてそのありがたみを感じた次第。
舞台写真ぐらい、なんとかしてくれないかなー。

<日生劇場 劇場1階の天井と飾られた絵画。作りは好きなんだけど、演出でもうちょっと何とかならないか>
確かに菊之助の「玉手御前」は魅力的だ。
しかし、そもそも「摂州合邦辻」という演目は、主人公、玉手御前の行動に釈然としなくて、どうも好きになれないのだ。
京都南座遠征で一等席を奮発しちゃったこともあって、財政的にもかなり厳しいし…。
しかし、菊之助丈の評判がすごかった。見ずにはいられないほど、観劇した人が口をそろえてほめている。うううむ・・・。
紆余曲折あって、一等席を半額以下で譲っていただけることになり、思い切って出かけたのが18日の夜の部。
その日は、午前中は染色教室、午後は茶道教室、そしてその後、日赤劇場と、朝から出かけっぱなし。染色教室で汚れてもよいようにと、洗える(?)ポリの着物を着用した。


劇場に行くということもあり、水色の志ま亀の九寸帯を合わせたのだが、結果的にこれは大成功。というのも、この帯、柄が菊と梅なのである。つまり、主役の菊之助丈の名前にちなんだ柄といえる。しかも相手役は梅枝丈。あらら。朝、あわてて用意したにもかかわらず、意図せずして2人にちなんだ柄の帯にできたなんて、私ってどれだけ歌舞伎が潜在意識化にすりこまれているんでしょう。
寺島純子さんをロビーで見かけたが、劇場で見かける梨園の奥様のお着物とちょっとテイストが違っていて、茶系の縞のお着物で粋な風情。でも帯はしっかり白地に墨で描いたような菊柄。
お知り合いの方とでしょうか、「よかったよね、がんばったわ」とお話しされていた。
確かに評判にたがわずよかった。すごかった…。
ここは、あえて「すごい」といいたい。菊之助丈の気合に凄みを感じた。
そのエキセントリックさには、思わずお姉さんの「寺島しのぶ」を思い出してしまった。
この演目、主役野玉手ははたして本当に義理の息子である俊徳丸を愛していたのかが解釈が分かれるところ。そこが曖昧なので、私もあまり好きな演目ではなかった。
通しで上演してくれたおかげで、玉手は本当に俊徳丸を愛していたんだなあという、菊之助丈の解釈も腑に落ちた。
雪の中、止める家来(時蔵丈)と格闘して家を出ていくシーンがあり、あれは愛する男を追いかける女の激情の何物でもない。俊徳丸の病を救うために、自分の命を引き換えにしたのも、相手への愛情ゆえと考えれば納得できる。
私も劇場に足を運んだかいがあったってものです。
第二部の「韃靼」、これもそれほど期待していたわけではなかったけれど、面白かったー。舞踏劇で、これだけ迫力あるものも珍しい。体力あふれる若手役者がそろう菊五郎劇団ならでは。中でも、亀三郎丈に私は注目。風貌は、もっくんにちょっと似て、なかなか端正。踊りも、最後まで折り目正しくきりっとしていて、ついつい目が言ってしまいましたよ。
しかし、日生劇場、売店もなんだか小さくて、「歌舞伎を見に来た!」という気持ちの盛り上がりに劇場のしつらえが答えてくれていないのが、なんとも残念。
筋書きにも舞台写真は入っておらず、その予定もないという。舞台写真も、もちろん販売していない。
歌舞伎座や新橋演舞場での舞台写真が、どれだけの営業努力で成り立っていたのか、改めてそのありがたみを感じた次第。
舞台写真ぐらい、なんとかしてくれないかなー。

<日生劇場 劇場1階の天井と飾られた絵画。作りは好きなんだけど、演出でもうちょっと何とかならないか>
日生劇場、私は未経験で…そうなのですね。新・歌舞伎座が待たれますねぇ
お稽古に歌舞伎にとで歩いてばかりいるおかげで、年末にしなくてはならないことが全然片付いていません(汗)。今から挽回するつもりといっても、誰も信じてくれないだろうなあ…。
日生劇場、タイルを多用し、海をイメージした曲線の多い劇場で、それはそれで素敵なのですが、せっかく風情ある作りなのだから、もうちょっとそれを生かした工夫がないかなあという印象です。客席のほうは、歌舞伎座正面の破風(というのかな?)を作ったりしてがんばっていたのですが…。
おお、素晴らしい~!
菊ちゃん熱演でしたよね。やっぱ若い子はいいですわ、笑
日生劇場自体は雰囲気あるけどコーヒー飲みたいと思っても自販機無いし、座席で飲食できないし、休み時間がヒマでした。歌舞伎にはもうちょっと猥雑な方が似合うなぁと思うと、歌舞伎と演劇の違いってのはそこか!と。
それはほんと、そう思いますね。
でも欧米の劇場だってある意味、社交の場になっていて、幕間にワイン飲んだりするサービスは充実しているじゃないですか。日本でも最近は、上野文化会館でさえ、そのあたりを充実させているのに。
あまりにも日生にはその雰囲気がなかったのが残念。
暮れで、やらねばならないことが山積しているというのに、遊び歩いてばかりいるので、私も明日からこそは!?と、せめて決意だけでも・・・のつもりです。(汗)
合邦、私はお父さんの菊五郎さんや芝翫さんで拝見しましたが、菊之助くんももうそんな大人になってるんですねえ。見ておいてヨカッタですね。
はつきさん、もしよかったら文楽でも合邦を観てみてください。(もしかしてもうご覧になってるかもですが)あのドロドロ感がまた違って見えて面白いです~。
藤十郎さんと違った解釈だったようで
菊ちゃんの方が周りの理解度も高かったようです。
それにしても師走ですねえ、走り回ってますねえ。
南座はこれからでしょうか?
お気をつけて行ってらっさ~い (^0^)/
ワタシは国立を観て、今年の観劇納めとしますです。
師走らしい忙しさに追われていますが、それが全然家のことではなく、自分の趣味ゆえ。「これでいいのか?」と自分で突っ込みいれたくなります。今週は、京都にも遠征しちゃうし・・・。
文楽の「合邦辻」も是非みたいです。最近、歌舞伎と他の芸能との関係に興味がふつふつと・・・。来年は多分に観劇機会を広げるのを目標にしてます。お勧めあったらぜひ教えてください。
> やはりお出ましでしたのね (^-^)
そうなんですよ。やっぱり我慢できませんでした。
22日で仕事納めにしちゃいたいので、それはそれで追われていて、まったく家のことはほったらかし。最近は、どこまでそれが許されるのか、師走チキンレースに臨んでいる気分です。
こうなったら、京都もとことん楽しんできます!