汗と涙の着物生活 

突如着物に目覚め、ついに着物作成に挑戦。着付けに涙し、とどまらぬ物欲に冷や汗の毎日。

十二月大歌舞伎 仮名手本忠臣蔵で発見!

2013-12-16 | 歌舞伎
久しぶりの着物ブログ。
しばらく着物を着ていないのです…。だからネタがない(汗)

私が着物を着るのは、お茶のお稽古か歌舞伎観劇。
ここのところ、お茶お稽古がある土曜日は、ヨガインストラクター資格取得の講座にも通っているので、着物で行くわけにいかず…
いや、行っても良いけど、着物を着換えるほどのスペースがないし、時間もかかっちゃうし…
そんなわけで週末はずっと洋服。

また、フリーランスになってからは歌舞伎に行くのも平日が多く、自ずと仕事もある日に観劇することになり、洋服で出かけることが増えた。
今月の歌舞伎も平日観劇。
週末に行きたかったのだが、久しぶりの玉三郎の登場効果なのか、今月の歌舞伎座の昼の部はプラチナチケット状態。
チケット発売に後れを取り、やっとのこと、平日のチケットを取れた次第。

演目は先月と同様、「仮名手本忠臣蔵」。
何回も見ていたはずの演目なのに、登場人物の着物で今回初めて気が付いたことが!
というわけで、今回は自分ではなく、歌舞伎の舞台上の着物について。

一つは、大星力弥の着物。
元服前の前髪姿なのですが、見ると着ている着物が振袖?
黒い紋付なのですが、袖に身八つ口が開いていて、袂から襦袢がちらりと見える。
元服前とはいえ男性なのに身八つ口?
あれは女性の着物だけにあるのではなかったのか?


私の見た幕での大星力弥の衣装。黒紋付に裃。袖が長いのはわかるけど、身八つ口まではこれではわかりにくい…


こちらの大星力弥は、完全に「振袖」姿

というわけで、早速家に帰ってからネットで調べてみたところ、このような解説を発見!

さまざまな変遷を経て
現代の着物の形へと近づいた「振袖」

(そのほかにも同様の解説のページも発見)

なるほど。
子どもの着物は体温調整しやすいよう、身八つ口が開いていたんですねー。
力弥も元服前だから子ども仕立ての着物だったのか…。納得。


もうひとつ、おや?と思ったのが、塩冶判官切腹の場で登場した藩士たちの足元。
はだし~!?
高位の侍は白足袋を履いているものの、、
それ以外の(といっても登城許されているから、相当の身分だと思う)侍は裸足なのだ。

というわけで、こちらについてもネットで調べてみると、いくつかのサイトで「武士は裸足という規定があった」ということを発見。
代表的なものを引用いたします。

「当時の武家には江戸時代 以前と同じく足袋の使用に関する厳しい規定があった。その規定の内容は、足袋を用いることがで きるのは50歳以上のもので、それも10月1日から2月20日の間と規定され、例え病気等で足 袋を用いるとしても“足袋御免”と呼ばれる主君の許可を得なければならないという厳しい制度が あった。また大奥でも、足袋を用いる事のできる期間が厳格に定められ、有職家により装束につい て解説された書においても、「武家は礼装の際素足である」という事が記述されていた。このよう な制度は、木綿足袋が普及し、容儀を整えるために足袋を用いるようになると共に有名無実化して いったと考えられるが、足袋御免の制度自体は文久2年(1862)年の武家服制改革まで存在して いた。 」
「足袋の歴史」

「礼装が素足」とは、今とまったく逆の発想。
けっこうビックリしました。
昔は草履や草鞋のように、足を覆わずに外を歩いていたから、裸足になったほうが外の汚れを室内にもちこまなかったのかも。
また足袋自体がぜいたく品だったから、あえてこうした規定を作って誰でも例を守りやすくしたのかな…。

いやいや、
昔の風習を守っている歌舞伎ならではの発見。面白いなあ…

観劇の感想については、お仕事ブログに書いています。
よかったらご一読ください。
「雨が降らなければ虹は見られない」


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4 コメント

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Unknown (Tomoko)
2013-12-16 13:18:34
足袋の歴史、面白いですね。
細かいことはまったく無知なんですが、家康自身真冬でも素足のまんまであかぎれこさえて歩いてたって話を読んだことがあります。「濯ぎ(洗足)」があたりまえだった時代を考えると、なるほどなあって思いました。
江戸の町人も裸足が基本ですよね。これもいつだったか、あかぎれのない綺麗な踵が江戸の女将さんたち女性の自慢でした・・・って杉浦日向子さんの話を聞いて、冬場でも毎晩踵にニベアなんかを塗るように気をつけたものでした。おっと、今はちょい荒れ気味、また気をつけねばです。笑
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裸足のお手入れ (はつき)
2013-12-16 15:50:18
Tomokoさん、コメントありがとうございます。
私も最近の自分の素足は、人様に見せられない状態で…反省。

それはそうと、白足袋が正式なものになったのは明治以降なのですねー。「頭寒足熱」なんてぇことわざも、もしかしたら比較的新しいのでしょうか。
今まで常識で疑ったことがなかったので、ほんと驚きました。
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Unknown (神奈川絵美)
2013-12-16 22:17:57
こんにちは!「仮名手本忠臣蔵」、11月も12月も観られず…。
この時期に「素足」などと聞くと、自分も足元がひんやりしてきそうです(笑)。でも確かに、Tomokoさんもお書きになられているように、人の家にあがる前に足を洗う場面、
歌舞伎でもよくありますよね。

お仕事ブログのタイトル、つい先日NHKのドキュメンタリーでハワイのカウアイ島を取り上げたときにも出てきました。世界で一番雨の多い島だそうで、雨の後の虹の映像が素晴らしかったです。

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Re:Unknown (asochan0930)
2013-12-17 08:36:21
絵美さん
コメントありがとうございます。
足を洗うのは、裸足でいるのが前提だったからなんですね。私はその後に足袋を履くのかと思ってました。今後、侍映画は、足から目が離せないです。

お仕事ブログ、「楽あれば苦あり」という意味ですが、虹が見えないよ…の言い方が、なんだかお茶目でいいなあと思い、タイトルにしました。こちらもボチボチ更新していきますので、よろしくお願いします。
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