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湯道(映画レビュー)

2023-03-19 | Weblog
昨年予告を見た際に見たいと思っていた作品。
銭湯・温泉好きとしては外せないだろう。
上手くいけば第2の『テルマエ・ロマエ』や『サ道』に並ぶ作品になるかもしれないと勝手に思っていた。
なお、映画の感想なので多少はネタバレ有になるのでご了承を。

ただし、その実態だが正直そこまで人気があるとはいいがたい模様。
自宅から程よい距離に映画館があるので、混雑を避けつつ夜割りで映画を見て散歩がてら家に帰るというのが自分の映画の鑑賞方法なのだが、公開から1月経っていないのに上映会数が2回のみ、そこまで大きくないスクリーンで朝一の作品を前日夜に予約したのに事前客は1人のみという過疎っぷり。
ついでに言うと最新情報だと1回のみに変更されていた。
実際の鑑賞者は私含めて10人位はいた模様。

舞台は古びた銭湯で、都会に出て有名デザイナーとして働く兄と頑なに銭湯を守り続ける弟の対立を中心に、銭湯を巡る人々の人情劇。
銭湯・温泉・風呂好きなら「つい分かる」とうなずいてしまい場面は必見。
俳優さんたちの演技も素晴らしく、確かにこういうお客さんいるよなと思わせるような下町情緒あふれる作品。

さて、ここまでが良い点。
悪い点は人情劇の視点が多すぎるのだ。
10以上の視点が入れ代わり立ち代わり展開されるうえに、不快な視点も存在。
そしてこの表現は必要だったのか?と思う視点も点在する。
結果として全体的に上澄みをこしとったような作品となってしまい深みが感じられない作品になっている。

つまらない話ではないし、俳優さんたちの演技も良く、見た後も良い気持ちで帰れる。
とはいえ、他の人に自信をもって勧められるかというとそうではなく、もし興味や時間があったら見てみると面白いレベルに留まっている。
ちょっともったいない作品である。

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