以前からこういうのやってみたいなーとは思ってたんですよね。マリオカートシリーズはスーパーマリオでも特に思い入れの深いゲームなんで初回にはぴったりなんじゃないかと。
※本項では家庭版のみ扱います。
1.スーパーマリオカート

1992年8月27日発売、スーパーファミコン用ソフト。記念すべき初回作だが、以降の作品とは随所の仕様が異なる。スーパーファミコンのコントローラ端子が2つしかないため、最大プレイ人数は2人となっている。2人プレイを前提とした設計のため、1人プレイでも画面が上下に分割されるのが特徴。
全体的にコースが短く、シリーズ通して唯一5週がデフォルト周回数になっている。ただし、「マリオカートDS」以降でリメイクされたコースはすべて3週に削られたので、完走にかかる時間はさらに短くなっている。他のレースゲームにはない「アイテム」の存在がマリオカートが根強い人気を獲得している理由だろう。アイテムはアイテムパネルを踏むと入手できるが、以降のシリーズと違いバトルゲーム以外では1度踏むと復活することは無い。また、本作のみタイムアタックはキノコ無しで臨む。コース上にはコインが落ちており、10段階までスピードアップが可能(「マリオカート7・8・8デラックス」と同じ仕様)。
選択可能なキャラクターはマリオ、ルイージ、ピーチ、ヨッシー、クッパ、キノピオ、ノコノコ、ドンキーコングjr.の8人で、4タイプに分かれる。マリオカートGPモードでは選択しなかったキャラクターはすべてCOMになる。
・マリオカートGP
マリオカートのメインモードとも言える存在で、8台のカートで競走を行い総合優勝を目指すモード。第1レースのスタートは必ず8位から、第2レース以降は前レースでの順位からのスタートとなり、以降のシリーズ全作品に共通する方式である。2人プレイの場合は1P側が8位、2P側が7位で第1レースのスタートを切る。一部コースの構造がタイムアタックやVSマッチレースと異なっている。5位以下でゴールすると次のコースへ進むことが出来ず、リトライかリタイアを選択することになる。リトライ可能回数は初期状態で3回であるが、同じ順位を3回連続で取ると1回分増える。
1カップ5コースで4カップ、合計20コースが存在する。最後のスペシャルカップは隠しカップとなっており、100cc全カップで優勝することで解禁される。スペシャルカップでも優勝すると150ccが出現する。50ccではスペシャルカップは解禁後も選択不可。各カップおよびコースは以下の通り。
キノコカップ第1:マリオサーキット1
キノコカップ第2:ドーナツへいや1
キノコカップ第3:おばけぬま1
キノコカップ第4:クッパじょう1
キノコカップ第5:マリオサーキット2
フラワーカップ第1:チョコレーとう1
フラワーカップ第2:おばけぬま2
フラワーカップ第3:ドーナツへいや2
フラワーカップ第4:クッパじょう2
フラワーカップ第5:マリオサーキット3
スターカップ第1:ノコノコビーチ1
スターカップ第2:チョコレーとう2
スターカップ第3:バニラレイク1
スターカップ第4:クッパじょう3
スターカップ第5:マリオサーキット4
スペシャルカップ第1:ドーナツへいや3
スペシャルカップ第2:ノコノコビーチ2
スペシャルカップ第3:おばけぬま3
スペシャルカップ第4:バニラレイク2
スペシャルカップ第5:レインボーロード
1つのコースの背景を流用して複数のコースが作られるのが基本だが、レインボーロードのみ流用されることはなく、専用のものになっている。結果としてレインボーロードだけはナンバリングが無い。
・タイムアタック
1台で走行し、最速タイムを目指す1人プレイ専用モード。排気量は100ccで固定されているほか、本作のみキノコ無しでの挑戦となる。このモードのみアイテムが出現しない。マリオカートのもう一つのメインモードでもあり、毎作とてつもないタイムを叩き出すプレイヤーが存在する。
・VSマッチレース
2台で走行し、先着ゴールを目指す2人プレイ専用モード。コースはタイムアタック準拠だが、システムはマリオカートGPとほぼ同じ。
・バトルゲーム
2台で競走し、アイテムによる攻撃そのもので勝敗を決めるモード。レース形式ではないためゴールが存在しない。コースはバトルコース1〜4の専用コースから選択する。お互いのカートについている3つの風船を先に割ったほうが勝利となる。
・アイテム
本作で登場するアイテムの種類一覧と仕様。コース内に置かれた「?」マークのパネルを踏むことでルーレット形式で入手する。バトルゲーム以外では1度踏むと復活することは無い。
■キノコ
■羽根
■スーパースター
■ミドリこうら
■アカこうら
■バナナ
■イナズマ
■コイン
■テレサ
COMがアイテムを使うのはプレイヤーが2位以下の場合は真ん前の1台、1位の場合は真後ろの1台のみ。種類問わず設置する以外はしてこない。プレイヤーが1位か周回遅れなら放物線上に投げる。プレイヤーとは違い無制限で使用可能だが、キャラクターによって使用アイテムは固定されている。
2.マリオカート64

1996年12月14日発売、ニンテンドウ64用ソフト。根本は前作と変わらないのでそちらを参照されたし。以下は前作からの大きな変更点。
・コースが立体的な3D構造化
・スピードアップ効果を持つコインの廃止
・アイテムの入手方法変更
・コース数削減
・周回数の削減とそれに伴う長大化
・最大プレイ人数が4人に拡大
選択可能なキャラクターはマリオ、ルイージ、ピーチ、ヨッシー、キノピコ、ワリオ、2代目ドンキーコング、クッパの8人。前作からノコノコとドンキーコングjr.が削除され、代わりにワリオと2代目ドンキーコングが追加されている。タイプは軽量級・中量級・重量級の3つに簡略化された。以下、各モード解説。
・マリオGP
前作同様8台でレースして総合優勝を目指すモード。5位以下でゴールすると次のコースへ進めないのも同じ。ただし、リトライ回数の制限がなくなった代わりにゴール前のリトライはできなくなった。前作では同じ場所からは1度しか入手できなかったアイテムパネルはすぐに復活するアイテムボックスに変更された。本作ではスペシャルカップが最初から選択可能であり、50ccでも選択可能になっている。150ccで全カップ優勝すると以降の作品の「ミラー」に相当するおまけモードが解禁される。ただし、ミラーと異なりおまけの排気量は100ccとなっている。各カップおよびコースは以下の通り。前作から4コース減らされた代わりに重複することはなくなったが、一部コースの名前は前作と同じものが使われている。当然だが両者に関係はまったくない。
キノコカップ第1:ルイージサーキット
キノコカップ第2:モーモーファーム
キノコカップ第3:ノコノコビーチ
キノコカップ第4:カラカラさばく
フラワーカップ第1:キノピオハイウェイ
フラワーカップ第2:フラッペスノーランド
フラワーカップ第3:チョコマウンテン
フラワーカップ第4:マリオサーキット
スターカップ第1:ワリオスタジアム
スターカップ第2:シャーベットランド
スターカップ第3:ピーチサーキット
スターカップ第4:クッパキャッスル
スペシャルカップ第1:ドンキージャングルパーク
スペシャルカップ第2:ヨッシーバレー
スペシャルカップ第3:ヒュードロいけ
スペシャルカップ第4:レインボーロード
本作では「データ」モードで各コースのタイムアタック記録とともに全長を見ることができる。それによると1位:レインボーロード・全長2000m、2位:ワリオスタジアム・全長1591m、3位:キノピオハイウェイ・全長1036m。
・VS
こちらは前作と全く同じ。ただし、妨害キャラがキラーボールから爆弾ミニカーに変更されている。
・バトル
こちらも前作とほとんど変わらないが、3人以上でやると風船がなくなったプレイヤーのカートが爆弾ミニカーになり、1度だけ生き残っているプレイヤーに特攻することができるようになっている。また、コースアウトや当たり負けによるスピンでも風船を失う仕様になった。選択可能なコースはビッグドーナツ、ブロックとりで、ダブルデッキ、まてんろうの4つ。
・アイテム
本作ではコインと羽根が削除され、トリプルキノコ、パワフルキノコ、トリプルミドリこうら、トリプルアカこうら、トゲゾーこうら、バナナセット、にせものアイテムが追加されたほか、イナズマがサンダーに名称変更されている。バトルコースではキノコ、トリプルキノコ、パワフルキノコ、トゲゾーこうら、サンダーは出現しない。以下は本作で使用できるアイテム一覧。
・キノコ
・トリプルキノコ
・パワフルキノコ
・ミドリこうら
・トリプルミドリこうら
・アカこうら
・トリプルアカこうら
・トゲゾーこうら
・スーパースター
・サンダー
・テレサ
・バナナ
・バナナセット
・にせものアイテム
また、COMのアイテム使用に関しても変更が加えられた。全キャラ共通のパターンとなったが、アイテムボックスから取得せずにランダム使用なのは変わらず、バナナ・にせものアイテム・サンダー・テレサ・スターの5種類しか使わない。
3.マリオカートアドバンス

2001年7月21日発売、ゲームボーイアドバンス用ソフト。システム的には前作である64よりも初代のSFCに近いものになっている。ただし、使用可能なキャラクターは64と同じ8人となっている。以下、本作での主な変更点。
・コインが復活
・リトライ回数制限が復活
・マリオGPモードにおいて評価制導入
・フリーランモード実装
・「サンダーカップ」追加
以下、各モード解説。
・マリオGP
前作同様8台でレースして総合優勝を目指すモード。本作より評価制が採用され、☆☆☆〜Eの7段階で評価される。1カップ4コースが5カップで合計20コースのほか、100枚以上コインを集めて優勝するとSFCの全コースが収録されたおまけが出現する。本作のSFCコースのリメイクのみ原作同様5周となっている。各カップおよびコースは以下の通り。
キノコカップ第1:ピーチサーキット
キノコカップ第2:ヘイホービーチ
キノコカップ第3:リバーサイドパーク
キノコカップ第4:クッパキャッスル1
フラワーカップ第1:マリオサーキット
フラワーカップ第2:テレサレイク
フラワーカップ第3:チーズランド
フラワーカップ第4:クッパキャッスル2
サンダーカップ第1:ルイージサーキット
サンダーカップ第2:スカイガーデン
サンダーカップ第3:プクプクアイランド
サンダーカップ第4:サンセットこうや
スターカップ第1:スノーランド
スターカップ第2:リボンロード
スターカップ第3:ヨッシーさばく
スターカップ第4:クッパキャッスル3
スペシャルカップ第1:レイクサイドパーク
スペシャルカップ第2:オンボロさんばし
スペシャルカップ第3:クッパキャッスル4
スペシャルカップ第4:レインボーロード
この他、前述の通りおまけとして「スーパーマリオカート」の全20コースがそのまま収録されている。ただし、容量の都合かドッスンなどはすべて撤去されている。
・タイムトライアル
前作、および初代の「タイムアタック」に相当するモード。なぜか本作のみ「タイムトライアル」表記である。前作同様トリプルキノコを所持した状態でスタートし、本作ではトリプルキノコが出現するのはこのタイムトライアルのみ。
・フリーラン
「マリオカートDS」以降のVSモードに近い存在で、マリオGP同様に8台でレースするが、コースや周回数、アイテム・コインの有無をプレイヤーが自由に選択可能。特に周回数まで設定できるのは本作と次作「マリオカート ダブルダッシュ!!」だけ。
・VS
2〜4人で自由に走って競う前作同様のモード。本作ではそれに加えてレース開始時のトリプルキノコ有無を選択できる(ただし1カートリッジプレイでは不可)。
・バトル
2〜4人でそれぞれのカートについている3つの風船を割るモード。ルールは前作と同じだが、コースはSFCと同じくバトルコース1〜4に戻っている。ただし、SFCの同名コースとは全く関係ない。
・アイテム
トリプルキノコとバナナセットが削除された。トリプルキノコはタイムトライアルおよびVSの特定の設定下で出現する。新規アイテムは無い。
4. マリオカート ダブルダッシュ!!

2003年11月7日発売、ニンテンドーゲームキューブ用ソフト。2人乗りシステムやスペシャルアイテム制度など、マリオカートシリーズの中でも異色の作品。スペシャルアイテム制度は後にアーケードグランプリ2でも採用されたが、2人乗りシステムは未だ本作が唯一である。ちなみに、LANケーブルorハブを用いて最大8台×2キャラ=16人で対戦が可能。以下、主な変更点。
・2人乗りシステムの採用
・それに伴う大幅なキャラの増加
・ミニジャンプが一時的に廃止
・スペシャルアイテム制度の採用
・ダブルアイテムボックスが追加
・「オールカップツアー」が追加
・「ミラー」が追加(実質64以来の復活)
・リトライシステムの廃止
本作の最大の特徴として2人乗りシステムの採用があり、その結果として大幅に選択可能なキャラクターが増えている。本作では従来の8キャラに加えてキャサリン、デイジー、ベビィマリオ、ベビィルイージ、パタパタ、キノピコ、ワルイージ、ディディーコング、クッパJr.、ボスパックン、キングテレサが新たに使用可能となり、さらに「スーパーマリオカート」よりノコノコが復活し、合計20キャラの中から2人選ぶことになる。この中でもキノピコは異色の存在で、この「マリオカート ダブルダッシュ!!」が初めての登場である。マリオカートがデビュー作というキャラクターは今まで存在せず、キノピコが初めて。本作ではカート側にも重量が存在し、選んだ2人のうち重いほうの重量と同じクラスのカートしか乗れない。20キャラすべてに固有カートが割り振られていて、カートごとに性能が異なるのでキャラだけでなくカート選びも重要となる。
・グランプリ
本作より「マリオGP」から名称が変更された。前作までからの最大の変更としてリトライシステムの廃止がある。これに伴ってドライバーズポイントの数も変動し、1位:10ポイント、2位:8ポイント、3位:6ポイント、以下1つ下がるごとに1ポイントずつ減少というスタイルになったほか、最下位でも次のレースに進むことができるようになった。本作では64と同じ1カップ4コースで4カップの合計16コースに戻ったが、SFC同様最後のスペシャルカップは隠しカップとなっている。また、150ccのスペシャルカップで優勝すると全16コースを連続で走る「オールカップツアー」が出現し、これも優勝すると「ミラー」が出現する。64のおまけモードと違いミラーは150cc相当に変更されている。以下、各カップおよびコース一覧。「マリオカート64」と同名のコースがあるが、こちらも全く関係はない。
キノコカップ第1:ルイージサーキット
キノコカップ第2:ピーチビーチ
キノコカップ第3:ベビィパーク
キノコカップ第4:カラカラさばく
フラワーカップ第1:キノコブリッジ
フラワーカップ第2:マリオサーキット
フラワーカップ第3:デイジークルーザー
フラワーカップ第4:ワルイージスタジアム
スターカップ第1:シャーベットランド
スターカップ第2:キノコシティ
スターカップ第3:ヨッシーサーキット
スターカップ第4:DKマウンテン
スペシャルカップ第1:ワリオコロシアム
スペシャルカップ第2:ディノディノジャングル
スペシャルカップ第3:クッパキャッスル
スペシャルカップ第4:レインボーロード
ベビィパークは7週、ワリオコロシアムは2週で終了となる。また、オールカップツアーで走る順番は最初のルイージサーキットと最後のレインボーロードを除いてランダム。
・タイムアタック
1台で走って最速タイムを目指すいつものモード。本作では前後のキャラが1つずつ、合計2個のキノコを持って挑戦する。シリーズを通して唯一ゴーストが本体ではなくメモリーカードに保存される。
・VS
2〜4台で走って競うモード。本作ではタイトル画面内の「オプション」からアイテムの出現傾向と周回数が設定可能。
・バトル
本作では従来のふうせんバトルに加えて新たに「いだたきシャイン」と「ドッカン!ボムへい」が収録された。いただきシャインはコース内に1つだけ落ちているシャインを拾って逃げるゲーム、ドッカン!ボムへいはボムへいを相手めがけて投げつけるゲーム。コースはクッキーランド、ブロックシティ、ゲームキューブ、どかんひろば、ルイージマンション、ぐらぐらマリオの6つから選択可能。
・アイテムとカート
本作のもう一つの特徴としてスペシャルアイテム制度の採用がある。キャラクター選択画面で縦に並んだ2人(と固有のスペシャルアイテムを持たないボスパックン、キングテレサの合計4人)だけが使用できる専用アイテムで、アーケードグランプリの3作を除けば本作しか登場しないアイテムも多い。また、本作以降COMのアイテムがランダム使用からアイテムボックス通過取得後に使用に変更された。その他、本作のみトリプル系のアイテムを持った状態でスピンor転倒すると手持ちアイテムが1個のみになる。以下、一覧。
①通常アイテム
・キノコ
・トリプルキノコ
・ミドリこうら
・アカこうら
・バナナ
・にせアイテムボックス
・サンダー
・スーパースター
・トゲゾーこうら
②スペシャルアイテム
※保持キャラクターには一部略称を使用している。
・ファイアボール(マリオ、ルイージ)
・ハート(ピーチ、デイジー)
・タマゴ(ヨッシー、キャサリン)
・ワンワン(ベビィマリオ、ベビィルイージ)
・パワフルキノコ(キノピオ、キノピコ)
・トリプルこうら(ノコノコ、パタパタ)
・ボムへい(ワリオ、ワルイージ)
・ジャンボバナナ(ドンキー、ディディー)
・クッパこうら(クッパ、クッパJr.)
ボスパックンとキングテレサにはスペシャルアイテムの設定がなく、代わりにすべてのキャラクターのスペシャルアイテムが低確率で出る「オールスペシャル」となっている。
③カート
本作から数が増えたのでアイテムと同じ場所にまとめる。カッコ内は所有キャラクター。
(1)軽量級
・ぶーぶーカート(ベビィマリオ)
・がらがらカート(ベビィルイージ)
・ノコノコダッシュ(ノコノコ)
・パタパタウィング(パタパタ)
・ピオピオカート(キノピオ)
・ピコピコカート(キノピコ)
・マグナムカート(クッパJr.)
・タルポッポ(ディディーコング)
(2)中量級
・レッドファイア(マリオ)
・グリーンファイア(ルイージ)
・ロイヤルハート(ピーチ)
・キューティーフラワー(デイジー)
・ヨッシーターボ(ヨッシー)
・キャサリンターボ(キャサリン)
・ワルイージバギー(ワルイージ)
(3)重量級
・DKジャンボ(ドンキーコング)
・ワリオカー(ワリオ)
・キングクッパ(クッパ)
・フラワードッカン(ボスパックン)
・ゴーストドッカン(キングテレサ)
(4)特殊※全てのコンビで使用可能
・スーパーパレードカート
長くなってしまったので、5.マリオカートDS以降は次の記事に持ち越したいと思います。
※本項では家庭版のみ扱います。
1.スーパーマリオカート

1992年8月27日発売、スーパーファミコン用ソフト。記念すべき初回作だが、以降の作品とは随所の仕様が異なる。スーパーファミコンのコントローラ端子が2つしかないため、最大プレイ人数は2人となっている。2人プレイを前提とした設計のため、1人プレイでも画面が上下に分割されるのが特徴。
全体的にコースが短く、シリーズ通して唯一5週がデフォルト周回数になっている。ただし、「マリオカートDS」以降でリメイクされたコースはすべて3週に削られたので、完走にかかる時間はさらに短くなっている。他のレースゲームにはない「アイテム」の存在がマリオカートが根強い人気を獲得している理由だろう。アイテムはアイテムパネルを踏むと入手できるが、以降のシリーズと違いバトルゲーム以外では1度踏むと復活することは無い。また、本作のみタイムアタックはキノコ無しで臨む。コース上にはコインが落ちており、10段階までスピードアップが可能(「マリオカート7・8・8デラックス」と同じ仕様)。
選択可能なキャラクターはマリオ、ルイージ、ピーチ、ヨッシー、クッパ、キノピオ、ノコノコ、ドンキーコングjr.の8人で、4タイプに分かれる。マリオカートGPモードでは選択しなかったキャラクターはすべてCOMになる。
・マリオカートGP
マリオカートのメインモードとも言える存在で、8台のカートで競走を行い総合優勝を目指すモード。第1レースのスタートは必ず8位から、第2レース以降は前レースでの順位からのスタートとなり、以降のシリーズ全作品に共通する方式である。2人プレイの場合は1P側が8位、2P側が7位で第1レースのスタートを切る。一部コースの構造がタイムアタックやVSマッチレースと異なっている。5位以下でゴールすると次のコースへ進むことが出来ず、リトライかリタイアを選択することになる。リトライ可能回数は初期状態で3回であるが、同じ順位を3回連続で取ると1回分増える。
1カップ5コースで4カップ、合計20コースが存在する。最後のスペシャルカップは隠しカップとなっており、100cc全カップで優勝することで解禁される。スペシャルカップでも優勝すると150ccが出現する。50ccではスペシャルカップは解禁後も選択不可。各カップおよびコースは以下の通り。
キノコカップ第1:マリオサーキット1
キノコカップ第2:ドーナツへいや1
キノコカップ第3:おばけぬま1
キノコカップ第4:クッパじょう1
キノコカップ第5:マリオサーキット2
フラワーカップ第1:チョコレーとう1
フラワーカップ第2:おばけぬま2
フラワーカップ第3:ドーナツへいや2
フラワーカップ第4:クッパじょう2
フラワーカップ第5:マリオサーキット3
スターカップ第1:ノコノコビーチ1
スターカップ第2:チョコレーとう2
スターカップ第3:バニラレイク1
スターカップ第4:クッパじょう3
スターカップ第5:マリオサーキット4
スペシャルカップ第1:ドーナツへいや3
スペシャルカップ第2:ノコノコビーチ2
スペシャルカップ第3:おばけぬま3
スペシャルカップ第4:バニラレイク2
スペシャルカップ第5:レインボーロード
1つのコースの背景を流用して複数のコースが作られるのが基本だが、レインボーロードのみ流用されることはなく、専用のものになっている。結果としてレインボーロードだけはナンバリングが無い。
・タイムアタック
1台で走行し、最速タイムを目指す1人プレイ専用モード。排気量は100ccで固定されているほか、本作のみキノコ無しでの挑戦となる。このモードのみアイテムが出現しない。マリオカートのもう一つのメインモードでもあり、毎作とてつもないタイムを叩き出すプレイヤーが存在する。
・VSマッチレース
2台で走行し、先着ゴールを目指す2人プレイ専用モード。コースはタイムアタック準拠だが、システムはマリオカートGPとほぼ同じ。
・バトルゲーム
2台で競走し、アイテムによる攻撃そのもので勝敗を決めるモード。レース形式ではないためゴールが存在しない。コースはバトルコース1〜4の専用コースから選択する。お互いのカートについている3つの風船を先に割ったほうが勝利となる。
・アイテム
本作で登場するアイテムの種類一覧と仕様。コース内に置かれた「?」マークのパネルを踏むことでルーレット形式で入手する。バトルゲーム以外では1度踏むと復活することは無い。
■キノコ
■羽根
■スーパースター
■ミドリこうら
■アカこうら
■バナナ
■イナズマ
■コイン
■テレサ
COMがアイテムを使うのはプレイヤーが2位以下の場合は真ん前の1台、1位の場合は真後ろの1台のみ。種類問わず設置する以外はしてこない。プレイヤーが1位か周回遅れなら放物線上に投げる。プレイヤーとは違い無制限で使用可能だが、キャラクターによって使用アイテムは固定されている。
2.マリオカート64

1996年12月14日発売、ニンテンドウ64用ソフト。根本は前作と変わらないのでそちらを参照されたし。以下は前作からの大きな変更点。
・コースが立体的な3D構造化
・スピードアップ効果を持つコインの廃止
・アイテムの入手方法変更
・コース数削減
・周回数の削減とそれに伴う長大化
・最大プレイ人数が4人に拡大
選択可能なキャラクターはマリオ、ルイージ、ピーチ、ヨッシー、キノピコ、ワリオ、2代目ドンキーコング、クッパの8人。前作からノコノコとドンキーコングjr.が削除され、代わりにワリオと2代目ドンキーコングが追加されている。タイプは軽量級・中量級・重量級の3つに簡略化された。以下、各モード解説。
・マリオGP
前作同様8台でレースして総合優勝を目指すモード。5位以下でゴールすると次のコースへ進めないのも同じ。ただし、リトライ回数の制限がなくなった代わりにゴール前のリトライはできなくなった。前作では同じ場所からは1度しか入手できなかったアイテムパネルはすぐに復活するアイテムボックスに変更された。本作ではスペシャルカップが最初から選択可能であり、50ccでも選択可能になっている。150ccで全カップ優勝すると以降の作品の「ミラー」に相当するおまけモードが解禁される。ただし、ミラーと異なりおまけの排気量は100ccとなっている。各カップおよびコースは以下の通り。前作から4コース減らされた代わりに重複することはなくなったが、一部コースの名前は前作と同じものが使われている。当然だが両者に関係はまったくない。
キノコカップ第1:ルイージサーキット
キノコカップ第2:モーモーファーム
キノコカップ第3:ノコノコビーチ
キノコカップ第4:カラカラさばく
フラワーカップ第1:キノピオハイウェイ
フラワーカップ第2:フラッペスノーランド
フラワーカップ第3:チョコマウンテン
フラワーカップ第4:マリオサーキット
スターカップ第1:ワリオスタジアム
スターカップ第2:シャーベットランド
スターカップ第3:ピーチサーキット
スターカップ第4:クッパキャッスル
スペシャルカップ第1:ドンキージャングルパーク
スペシャルカップ第2:ヨッシーバレー
スペシャルカップ第3:ヒュードロいけ
スペシャルカップ第4:レインボーロード
本作では「データ」モードで各コースのタイムアタック記録とともに全長を見ることができる。それによると1位:レインボーロード・全長2000m、2位:ワリオスタジアム・全長1591m、3位:キノピオハイウェイ・全長1036m。
・VS
こちらは前作と全く同じ。ただし、妨害キャラがキラーボールから爆弾ミニカーに変更されている。
・バトル
こちらも前作とほとんど変わらないが、3人以上でやると風船がなくなったプレイヤーのカートが爆弾ミニカーになり、1度だけ生き残っているプレイヤーに特攻することができるようになっている。また、コースアウトや当たり負けによるスピンでも風船を失う仕様になった。選択可能なコースはビッグドーナツ、ブロックとりで、ダブルデッキ、まてんろうの4つ。
・アイテム
本作ではコインと羽根が削除され、トリプルキノコ、パワフルキノコ、トリプルミドリこうら、トリプルアカこうら、トゲゾーこうら、バナナセット、にせものアイテムが追加されたほか、イナズマがサンダーに名称変更されている。バトルコースではキノコ、トリプルキノコ、パワフルキノコ、トゲゾーこうら、サンダーは出現しない。以下は本作で使用できるアイテム一覧。
・キノコ
・トリプルキノコ
・パワフルキノコ
・ミドリこうら
・トリプルミドリこうら
・アカこうら
・トリプルアカこうら
・トゲゾーこうら
・スーパースター
・サンダー
・テレサ
・バナナ
・バナナセット
・にせものアイテム
また、COMのアイテム使用に関しても変更が加えられた。全キャラ共通のパターンとなったが、アイテムボックスから取得せずにランダム使用なのは変わらず、バナナ・にせものアイテム・サンダー・テレサ・スターの5種類しか使わない。
3.マリオカートアドバンス

2001年7月21日発売、ゲームボーイアドバンス用ソフト。システム的には前作である64よりも初代のSFCに近いものになっている。ただし、使用可能なキャラクターは64と同じ8人となっている。以下、本作での主な変更点。
・コインが復活
・リトライ回数制限が復活
・マリオGPモードにおいて評価制導入
・フリーランモード実装
・「サンダーカップ」追加
以下、各モード解説。
・マリオGP
前作同様8台でレースして総合優勝を目指すモード。本作より評価制が採用され、☆☆☆〜Eの7段階で評価される。1カップ4コースが5カップで合計20コースのほか、100枚以上コインを集めて優勝するとSFCの全コースが収録されたおまけが出現する。本作のSFCコースのリメイクのみ原作同様5周となっている。各カップおよびコースは以下の通り。
キノコカップ第1:ピーチサーキット
キノコカップ第2:ヘイホービーチ
キノコカップ第3:リバーサイドパーク
キノコカップ第4:クッパキャッスル1
フラワーカップ第1:マリオサーキット
フラワーカップ第2:テレサレイク
フラワーカップ第3:チーズランド
フラワーカップ第4:クッパキャッスル2
サンダーカップ第1:ルイージサーキット
サンダーカップ第2:スカイガーデン
サンダーカップ第3:プクプクアイランド
サンダーカップ第4:サンセットこうや
スターカップ第1:スノーランド
スターカップ第2:リボンロード
スターカップ第3:ヨッシーさばく
スターカップ第4:クッパキャッスル3
スペシャルカップ第1:レイクサイドパーク
スペシャルカップ第2:オンボロさんばし
スペシャルカップ第3:クッパキャッスル4
スペシャルカップ第4:レインボーロード
この他、前述の通りおまけとして「スーパーマリオカート」の全20コースがそのまま収録されている。ただし、容量の都合かドッスンなどはすべて撤去されている。
・タイムトライアル
前作、および初代の「タイムアタック」に相当するモード。なぜか本作のみ「タイムトライアル」表記である。前作同様トリプルキノコを所持した状態でスタートし、本作ではトリプルキノコが出現するのはこのタイムトライアルのみ。
・フリーラン
「マリオカートDS」以降のVSモードに近い存在で、マリオGP同様に8台でレースするが、コースや周回数、アイテム・コインの有無をプレイヤーが自由に選択可能。特に周回数まで設定できるのは本作と次作「マリオカート ダブルダッシュ!!」だけ。
・VS
2〜4人で自由に走って競う前作同様のモード。本作ではそれに加えてレース開始時のトリプルキノコ有無を選択できる(ただし1カートリッジプレイでは不可)。
・バトル
2〜4人でそれぞれのカートについている3つの風船を割るモード。ルールは前作と同じだが、コースはSFCと同じくバトルコース1〜4に戻っている。ただし、SFCの同名コースとは全く関係ない。
・アイテム
トリプルキノコとバナナセットが削除された。トリプルキノコはタイムトライアルおよびVSの特定の設定下で出現する。新規アイテムは無い。
4. マリオカート ダブルダッシュ!!

2003年11月7日発売、ニンテンドーゲームキューブ用ソフト。2人乗りシステムやスペシャルアイテム制度など、マリオカートシリーズの中でも異色の作品。スペシャルアイテム制度は後にアーケードグランプリ2でも採用されたが、2人乗りシステムは未だ本作が唯一である。ちなみに、LANケーブルorハブを用いて最大8台×2キャラ=16人で対戦が可能。以下、主な変更点。
・2人乗りシステムの採用
・それに伴う大幅なキャラの増加
・ミニジャンプが一時的に廃止
・スペシャルアイテム制度の採用
・ダブルアイテムボックスが追加
・「オールカップツアー」が追加
・「ミラー」が追加(実質64以来の復活)
・リトライシステムの廃止
本作の最大の特徴として2人乗りシステムの採用があり、その結果として大幅に選択可能なキャラクターが増えている。本作では従来の8キャラに加えてキャサリン、デイジー、ベビィマリオ、ベビィルイージ、パタパタ、キノピコ、ワルイージ、ディディーコング、クッパJr.、ボスパックン、キングテレサが新たに使用可能となり、さらに「スーパーマリオカート」よりノコノコが復活し、合計20キャラの中から2人選ぶことになる。この中でもキノピコは異色の存在で、この「マリオカート ダブルダッシュ!!」が初めての登場である。マリオカートがデビュー作というキャラクターは今まで存在せず、キノピコが初めて。本作ではカート側にも重量が存在し、選んだ2人のうち重いほうの重量と同じクラスのカートしか乗れない。20キャラすべてに固有カートが割り振られていて、カートごとに性能が異なるのでキャラだけでなくカート選びも重要となる。
・グランプリ
本作より「マリオGP」から名称が変更された。前作までからの最大の変更としてリトライシステムの廃止がある。これに伴ってドライバーズポイントの数も変動し、1位:10ポイント、2位:8ポイント、3位:6ポイント、以下1つ下がるごとに1ポイントずつ減少というスタイルになったほか、最下位でも次のレースに進むことができるようになった。本作では64と同じ1カップ4コースで4カップの合計16コースに戻ったが、SFC同様最後のスペシャルカップは隠しカップとなっている。また、150ccのスペシャルカップで優勝すると全16コースを連続で走る「オールカップツアー」が出現し、これも優勝すると「ミラー」が出現する。64のおまけモードと違いミラーは150cc相当に変更されている。以下、各カップおよびコース一覧。「マリオカート64」と同名のコースがあるが、こちらも全く関係はない。
キノコカップ第1:ルイージサーキット
キノコカップ第2:ピーチビーチ
キノコカップ第3:ベビィパーク
キノコカップ第4:カラカラさばく
フラワーカップ第1:キノコブリッジ
フラワーカップ第2:マリオサーキット
フラワーカップ第3:デイジークルーザー
フラワーカップ第4:ワルイージスタジアム
スターカップ第1:シャーベットランド
スターカップ第2:キノコシティ
スターカップ第3:ヨッシーサーキット
スターカップ第4:DKマウンテン
スペシャルカップ第1:ワリオコロシアム
スペシャルカップ第2:ディノディノジャングル
スペシャルカップ第3:クッパキャッスル
スペシャルカップ第4:レインボーロード
ベビィパークは7週、ワリオコロシアムは2週で終了となる。また、オールカップツアーで走る順番は最初のルイージサーキットと最後のレインボーロードを除いてランダム。
・タイムアタック
1台で走って最速タイムを目指すいつものモード。本作では前後のキャラが1つずつ、合計2個のキノコを持って挑戦する。シリーズを通して唯一ゴーストが本体ではなくメモリーカードに保存される。
・VS
2〜4台で走って競うモード。本作ではタイトル画面内の「オプション」からアイテムの出現傾向と周回数が設定可能。
・バトル
本作では従来のふうせんバトルに加えて新たに「いだたきシャイン」と「ドッカン!ボムへい」が収録された。いただきシャインはコース内に1つだけ落ちているシャインを拾って逃げるゲーム、ドッカン!ボムへいはボムへいを相手めがけて投げつけるゲーム。コースはクッキーランド、ブロックシティ、ゲームキューブ、どかんひろば、ルイージマンション、ぐらぐらマリオの6つから選択可能。
・アイテムとカート
本作のもう一つの特徴としてスペシャルアイテム制度の採用がある。キャラクター選択画面で縦に並んだ2人(と固有のスペシャルアイテムを持たないボスパックン、キングテレサの合計4人)だけが使用できる専用アイテムで、アーケードグランプリの3作を除けば本作しか登場しないアイテムも多い。また、本作以降COMのアイテムがランダム使用からアイテムボックス通過取得後に使用に変更された。その他、本作のみトリプル系のアイテムを持った状態でスピンor転倒すると手持ちアイテムが1個のみになる。以下、一覧。
①通常アイテム
・キノコ
・トリプルキノコ
・ミドリこうら
・アカこうら
・バナナ
・にせアイテムボックス
・サンダー
・スーパースター
・トゲゾーこうら
②スペシャルアイテム
※保持キャラクターには一部略称を使用している。
・ファイアボール(マリオ、ルイージ)
・ハート(ピーチ、デイジー)
・タマゴ(ヨッシー、キャサリン)
・ワンワン(ベビィマリオ、ベビィルイージ)
・パワフルキノコ(キノピオ、キノピコ)
・トリプルこうら(ノコノコ、パタパタ)
・ボムへい(ワリオ、ワルイージ)
・ジャンボバナナ(ドンキー、ディディー)
・クッパこうら(クッパ、クッパJr.)
ボスパックンとキングテレサにはスペシャルアイテムの設定がなく、代わりにすべてのキャラクターのスペシャルアイテムが低確率で出る「オールスペシャル」となっている。
③カート
本作から数が増えたのでアイテムと同じ場所にまとめる。カッコ内は所有キャラクター。
(1)軽量級
・ぶーぶーカート(ベビィマリオ)
・がらがらカート(ベビィルイージ)
・ノコノコダッシュ(ノコノコ)
・パタパタウィング(パタパタ)
・ピオピオカート(キノピオ)
・ピコピコカート(キノピコ)
・マグナムカート(クッパJr.)
・タルポッポ(ディディーコング)
(2)中量級
・レッドファイア(マリオ)
・グリーンファイア(ルイージ)
・ロイヤルハート(ピーチ)
・キューティーフラワー(デイジー)
・ヨッシーターボ(ヨッシー)
・キャサリンターボ(キャサリン)
・ワルイージバギー(ワルイージ)
(3)重量級
・DKジャンボ(ドンキーコング)
・ワリオカー(ワリオ)
・キングクッパ(クッパ)
・フラワードッカン(ボスパックン)
・ゴーストドッカン(キングテレサ)
(4)特殊※全てのコンビで使用可能
・スーパーパレードカート
長くなってしまったので、5.マリオカートDS以降は次の記事に持ち越したいと思います。
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