東京都知事選においてある候補者が神宮外苑の再開発について
住民投票を行えとの提案がなされています。
神宮球場は学生時代からのなじみの場所であり、晩秋の銀杏並木は
忘れがたいものがあります。
長女が近くの病院でがん治療に入院していた時は この銀杏並木を
通りながら帰ったことは、今でも忘れていません。
この一帯の再開発についてコンソーシアムのメンバーである伊藤忠商事が
HPで何故この開発が必要かを詳細にわたって公表しています。
それを原文のまま紹介します。
神宮外苑再開発について
2024年7月3日
本件に関しましては、様々な方よりご質問やご意見を頂戴しており、その都度誠意をもって対応して参りましたが、大変遺憾なことに、2023年10 月に「ITOCHU SDGs STUDIO」内の子供向け施設を含む4か所に対し、環境問題に取り組む一部の活動家による落書きがなされるという被害を受けました。一部報道によりますと既にこれらの活動家は書類送検されたとのことですが、このような悪質な行為は決して許されるものではなく、斯様な行為に対しては、当社は今後も毅然とした姿勢で臨む所存です。
また、2024年6月21日(金)に大阪にて行われました当社株主総会にて、神宮外苑再開発につきましては、その重要性に鑑み、質疑応答に先立ち十分な時間を割いて、丁寧なご説明をさせていただきました。しかしながら、質疑応答に入ると、環境活動家の方が、議長からの論点整理等のお願いにも拘わらず、長々と持論を展開されるという事態も起こりました。
神宮外苑再開発事業は、三井不動産を代表施行者とし、明治神宮、日本スポーツ振興センターと当社の4社でコンソーシアムを組み行っているものですが、斯様な状況を踏まえ、改めまして今一度、正しくご理解いただくために、当社が再開発に参加する意義や緑の保全についてご説明をさせていただきます。
まず「再開発」という言葉から、当プロジェクトが一帯の樹木や自然環境をむやみに破壊してしまうかのような誤解が生じているのではないかと懸念しております。
我々の計画は今の、そしてこれからの「みどりを守る」プロジェクトであり、環境が破壊されてしまうことを懸念されている一部の方々の誤解とは全く異なるものです。
日頃、皆様に親しまれている神宮外苑のみどりを維持するためには、継続的な樹木の管理、倒木や古くなった樹木の植え替えがどうしても必要です。神宮外苑の緑は人工林です。これらの管理や維持を日々行っているのは行政等ではなく、明治神宮をはじめとする土地所有者です。土地所有者の弛まぬ自助努力により、永年に亘り神宮外苑のみどりは守られてきました。因みに、当社敷地には当社社屋と付帯商業施設があり、樹木につきましては街路樹や生垣、中庭の植栽などがあるのみです。
「みどりを守る」には当然のことながら大変多くの資金が必要です。その資金は、秩父宮ラグビー場、神宮球場等神宮外苑にある施設からの収入より得られています。
その一方で、これらの施設の老朽化は進んでいます。秩父宮ラグビー場は築76年、神宮球場においては築約100年と多くの時間が経過しており、施設の安全性・防災性の向上、またバリアフリー対応等への更新という観点から、建替が喫緊の課題となっています。当社本社ビルもまた然りです。
伊藤忠商事が当プロジェクトに参画した経緯は、築43年を経過し老朽化が始まりつつある東京本社ビルの建替を検討するにあたり、既に計画検討が始まっていた神宮外苑の「みどりを守る」ための施設建替計画において、各社の建設費捻出や事業継続性が課題であったことから、当社も含めた地域一体開発という手法で解決していこう、と声をかけていただいたことに始まります。
この手法は、地域全体で新たに建設可能となる総床面積を、土地所有者の計画ごとに按分し、その権利に応じた資金をコンソーシアムに拠出するというものです。当社が単独で建替をする場合は現法令の様々な規制のため現本社ビルよりも低いビルしか建設できないところを、一体開発に参画することでより大きなビルを建設することが可能となり、東京本社ビル敷地の資産価値が増加します。そして当社がコンソーシアムに拠出する資金もまた、神宮外苑の施設建替や更新に活用され、そこからまた収益が生み出され将来に亘り神宮外苑の「みどりを守り続ける」ためへと循環していくのです。
当プロジェクトは、既存樹木を出来る限り守りながら移植や新植もおこない、緑の量をこれまでよりも増やし、より豊かな自然環境を創っていくという計画です。有名な4列の銀杏並木については計画策定当初から伐採が検討されたことは全くなく、将来に亘り保全されます。
もしこれら施設の建替が進まない場合、老朽化が進み近い将来には「みどりを守る」ための資金も得ることは困難になり、この先のみどりを維持管理することも出来なくなります。即ち当プロジェクトは神宮外苑の「みどりを守る」ために、その資金を捻出する周辺施設建替を行うものです。
青山のこの地で43年に亘り東京本社ビルを構えてきた当社としても、都内でも稀有な素晴らしい神宮外苑の環境が破壊されることは、皆様と同じく認め難いことであり、全く望んではおりません。ブランドイメージの維持・向上のためにも、当社は神宮外苑再開発に、コンソーシアムの一員として最も高い関心を持って取り組んで参ります。
その結果として、東京本社ビルの建替のみならず、コンソーシアムが目指す安全快適で緑あふれるまちづくりに長きに亘り寄与することができるのです。私どもが再開発計画に参加する理由がそこにあります。
改めまして正しいご理解を深めていただきたいと思います。
神宮外苑再開発におきましては、保存・移植樹木を含めた計画地内のすべての高木について毎木調査を行っており、プロジェクトサイト上に調査結果や保存・移植・伐採の方針、各樹木の樹高や幹周等を公表しております。
現時点で、3m以上の樹木の伐採本数の合計は743本、新植樹木の本数は合計837本ですが、今後も伐採本数の削減を目指して参ります。移植計画の詳細も検討中ですが、新植樹木の樹種と合わせて決定し、樹木の管理は完成後のそれぞれの敷地における施設管理者等にて適切に行ってまいります。
神宮外苑再開発コンソーシアム各社の役割
三井不動産株式会社 | 代表施行者業務全般、複合棟やホテルの建設、自社敷地における緑の保全 |
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宗教法人明治神宮 | 神宮球場の建替、自社敷地における緑の保全 |
独立行政法人日本スポーツ振興センター | 秩父宮ラグビー場の建替、自社敷地における緑の保全 |
伊藤忠商事株式会社 | 東京本社ビルの建替、自社敷地における緑の保全 |
樹木調査データ