10年前 共和化工との2億円し尿設備の仮契約を 葉山町が破棄した。
今回は生ごみ資源化設備 焼却炉の解体を共和化工と仮契約 16億円。
葉山町が運転停止中のごみ焼却炉を解体して、跡に生ごみ処理設備を建設しようとしている。そのクリーンセンター再整備事業者に東京に本社のある共和化工株式会社<資本金1億円 本社東京五反田>が決まった。
この事業の公募は公開プロポーザルといって民間から知恵を借りて一番優秀で価格も安い業者を選ぼうとする、役所にとって一番楽なやり方だ。
この手法により応募した4社のうち東京に本社をおく環境リサイクル会社共和化工株式会社に決まった。というのは他3社が「提示された予算ではできない」と辞退したために、自動的に残った共和化工<株>に決まったのだ。
共和化工の提示した14億4000万円<税込15億8400万円>が
葉山町のこの事業予算上限額14億4800万円〈15億8400万円〉を下回っていた。
森町長時代 葉山町の100%過失で仮契約を破棄、損害賠償一歩手前までいった。
さて、この会社の名前を聞いた時 10年前の記憶が蘇った。
この会社10年前葉山町がし尿投下設備を建設する際 2億円で落札し、仮契約までいった共和化工だ。
ところが葉山町にとんでもない職員がいてこの敷地の中に県道路公社の道路用地があることを見逃した。他人の土地だから登記簿謄本を見れば一目瞭然なのに、その基本的職務を怠ったまま、そのまま共和と仮契約を結んだ。
葉山議会に土地に詳しい議員がいてその問題を議会審議の途中でバラした。
時の町長は今は亡き森英二氏。議会の審議する委員長は山梨崇仁・現町長。
このままゆけば法律違反となる。としてこの仮契約議案を取り下げた。
5000万円を超す契約案件は議会の承認が必要だから、当然に議案が取り下た時点でこの仮契約は結ばれないことになる。設備が良い 悪いの問題ではない。他人の土地の上に建てようというのだから、救済処置はない。廃案だ。
共和は怒った。自分に過失はない。葉山町が100%悪い。
当時の部長が2回にわたり謝りにいったが、手ぶらで行ったために相手は契約破棄の文書を受け取らない。損害賠償の通知を葉山へ送った。
だが、共和は公共事業で飯を食っている会社だ。葉山町相手に損害賠償の裁判をやれば、他の自治体に知ることになる。たとえ何千万円は損害金はもらってもおそらくもう他の自治体から注文は来なくなる、と会社側は推測した。
そして、その損害賠償の通知だけ出して、金額は入れなかった。
葉山町の誠意を期待した。
共和は裁判を起こさなかった。
そして 葉山町はそのご知らん顔だ。
共和はほとんど泣き寝入りの状態だった。
仮契約したのが平成22年11月
議会が議案を取り下げたのが平成23年2月。
それから10年後。令和3年11月。
その時 泣き寝入りした共和化工が今回 自社開発し特許もとったエコ設備を引っ提げて応募してきた。
ゼネコンが「この金額ではできません」という低い価格を公募プロポーザルの上限予算として葉山町は何故 提示したか。
ゼネコンでもない資本金1億円のリサイクル企業が一番の難しい焼却炉の解体工事をそんなに安い金額でできるのか。
公募プロポーザルでは辞退した会社があっても 後は随意契約になるから、これから先は町長の判断で5千万以下の金額でいろいろ名目をつけて発注できる体制になった。
そうとは思いたくはないが、その体制にあるということだけはたしかのようだ。
葉山町は10年前の借りを返すことになった。
共和化工は10年前は2億円で泣き、今回は約16億円ゲットする。
また、議会で議員に質問をしていただきたいです。