アルテリッカ2012の話題の一つは、仲代達矢さん主宰の無名塾が登場することです。そんなことが頭にあってか、昨日、仲代さんの映画が無性に見たくなりました。レンタル店に行って借りてきた1枚は仲代さんの最新主演作『春との旅』(2010年)。
ストーリーは書きませんが、家族(兄弟)の大切さと薄情さが描かれた作品で、ぜひ若い人に観てもらいたいと思いました。僕も若いときにこの映画を見ていたら、もっと親孝行ができただろうし、兄弟も大切にしていたかも!? でも、派手なアクションがあるわけではないし、ラブストーリーではないので、やはりこの作品を見て、感動するのは中年以上なのかもしれませんね。実際、出演者も、春役の徳永えり以外は全員中年以上でした。
ところで、この映画には仲代さんの兄役で、劇団民藝の大滝秀治さんが出演しています。大滝さんと言えば、仲代さんの代表作であり、「カンヌ映画祭」でグランプリを獲った『影武者』でも、仲代さんを補佐する渋い役を演じていましたっけ。そういえば今回、無名塾のアルテリッカ公演は「ホブソンズ・チョイス~ホブソンの婿選び」ですが、この作品の訳と演出は劇団民藝の丹野郁弓さんが担当します。う~ん、映画を1作見ただけで、無名塾と劇団民藝のつながりがいろいろと気になってしまいました。
大滝秀治さんのことが頭から離れないまま床にはいり、今朝、朝日新聞を開いたら、高倉健さんのインタビューが載っていました。昨日からの流れで、映画の記事にはどうしてもアンテナが向いてしまいます。するとまたまた出てきたではありませんか、大滝秀治さんのお名前が!
なんでも、健さんの最新作で、「つまらない台詞だな」と思っていた台詞があったそうですが、それを現場で大滝秀治さんが口にすると、なんとも味のある、意味のある言葉になったのだそうです。高倉健さんよりも6歳先輩の大滝秀治さん、恐るべし!です。アルテリッカしんゆりでは恒例となった劇団民藝公演ですが、次回(2013)はぜひ生・大滝秀治さんを見たいものだと、2012が始まってもいないのにそんなことを考えてしまったYMでした。