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東京パリ日記

パリ日記第2章、終了。東京生活、再開。

絵画の時間 ─ 24のエピソード

2014-08-29 11:33:45 | シネマ・アート
書くのをサボリ過ぎて何から再開しようか悩ましい。

ブリヂストン美術館コレクション展
絵画の時間 ─ 24のエピソード
2014年8月2日(土)~2014年9月23日(火)

あらためて、ブリヂストン美術館いいの持ってるなあーっと感心してしまったこの展覧会。
久しぶりに観る絵、新鮮に見える絵。

その場で生で上演される舞台と違って絵の場合、相手はずっと変わらずにいて、
思うこと感じることはその時の自分のコンディションによって変わる。

今回24のエピソードということで24点に解説がついていたんだけど、
見どころの1つになっているモネの《黄昏、ヴェネツィア》に、
今回はぐっと掴まれた。
描くことへのモネの執着、執念、掻き立てられる情熱、
みたいなものを筆跡に感じて。

と感じた今の自分はもっと夢中になったり執着するような何かが足りないのかな?
と思ったり。

こうやって有名な絵に時間をおいて何度も出会うというのは、
その時の自分を考える機会になるものですね。

展示点数も多いし、見応えのある展覧会。
行ってよかった。

世界報道写真展2014

2014-06-18 00:35:36 | シネマ・アート
今年も行ってきた、世界報道写真展2014@写美。

これまでと少し違う印象だった。
ちょっとマイルドになったような?
写真のプリントのサイズが小さくなったような?

「現代社会の問題」の部は、多くの人から見過ごされている問題に光を当てる。
「日常生活」の部は、自分が知らなかった現実を知る。

ヨーロッパ主要国のニュースを見ていると、
例えばイギリスなどが顕著かもしれないけど、
ルーマニア、ブルガリアのEU加盟によって大量の移民が押し寄せる!という危機感がある。
すでに世界各国からのたくさんの移民がいるイギリスにはもうこれ以上は無理だ、
という意見があるのもまあ、わかる。
社会保障目当てだろう、なんて意見もある。

今回、ルーマニアで何世紀も前から変わらぬ生活をしている人たちの写真があった。
昔ながらの彼らの農業は生産性は低く、でも自給率は高い。
でもEU加盟によってその生活が脅かされている。
小規模過ぎてEUの補助金の対象にはならないし、EUから流入する安い商品には負ける。
多くの人が外国に出稼ぎに行く。

一方ではもう来るなと言われ、かといって昔のようには暮らせない。
EUのひずみ、と言えるのかもしれない。

例えばこういうことを考えてみるきっかけになる、世界報道写真展。

8月3日まで。



そういえば2015年は東京芸術劇場で開催しますって書いてあったような。
そうなの?

植田正治とジャック・アンリ・ラルティーグ

2013-12-07 20:34:38 | シネマ・アート
植田正治とジャック・アンリ・ラルティーグ -写真であそぶ-
2013年11月23日 ( 土・祝 ) ~ 2014年1月26日 ( 日 )@東京都写真美術館

「生涯アマチュア精神を貫き、撮ることを純粋に楽しんだ植田正治とジャック・アンリ・ラルティーグ。」
という共通点がありながらも、実際に同時に見てみると、全然違った。

銀行家の息子で裕福な家庭に育ったラルティーグ。
その写真にはその豊かさと幸せがいっぱい。
ヴァカンスで訪れたと思われるフランス各地の風景と共に、
これぞしあわせ家族、と言えるかのような写真の数々。

うん、アマチュア写真的。

植田の写真は、一見なんとなく撮ったように見えて実はすんごく狙いすましてる。
見事な構図や、予定調和に陥らないように周到に練られてる新鮮さ。
ラルティーグと同じように家族を撮ってても、全然違う。
やっぱり私は植田の写真が好きだ。

今年生誕100年の植田さんの写真展は今、東京ステーションギャラリーでも開催中。
こちらはまだ行ってないんだ、早めに行かないと。

生誕100年!植田正治のつくりかた(2013年10月12日(土)~2014年1月5日(日))

さらに、植田さんの美術館が鳥取県にあります。

植田正治写真美術館(2月末まで冬期休館中)

それゆえに、山陰の旅となったわけなのだ。

ということで、旅の日記のつづきへ。



植田正治のつくりかた

『暗くなるまでこの恋を』

2013-12-07 20:19:06 | シネマ・アート
『暗くなるまでこの恋を』フランソワ・トリュフォー監督 1969年仏
カトリーヌ・ドヌーヴ/ジャンポール・ベルモンド

かなりやられました。トリュフォーに。
フランス語でシナリオを読みたい。
それくらい、台詞がよかった。
これはぜひフランス語で味わいたい映画。

T'es belle... t'es adrable...formidable...

ベルモンドが憑かれたようにドヌーヴにつぶやく言葉。
女を愛さずにはいられない男の吐露。敗北宣言のような。

何かを強く欲したとき、かわりに何かを失っても構わない。
苦しむことになっても、それを受け入れる。そういう強さ。

いやはや。なんだか当分いろいろ考えちゃいそう。

ひさしぶりのトリュフォー、みてよかった!
スクリーンで見られるのは明日まで。

スクリーン・ビューティーズ カトリーヌ・ドヌーヴ
11月16日~12月6日 新宿ピカデリーほか


追記:
フランス語字幕付きのDVD売ってたからそっこーゲットしちゃったよ!
しかもなぜにこんなお手頃価格。
(でもなんかイメージちがうよねDVDの画像…)

暗くなるまでこの恋を [DVD]

『恋のマノン』

2013-12-02 23:22:03 | シネマ・アート
スクリーン・ビューティーズ カトリーヌ・ドヌーヴ
11/16~12/6 新宿ピカデリー 他

『恋のマノン』《MANON 70》ジャン・オーレル監督 1967年仏

なんてエネルギーがいるんだろう!愛するって!大変!
と、勝手に若干疲労してしまった本作。
愛に生きる、それを貫くには強くなければ。
そしてある種のわりきりがなくては。

美しすぎるマノンと、マノンに引き寄せられて振り回される男たち。
あからさまに転落していく男や、捨てられる男、利用される男。
でもマノンを憎む気にはなれないんだよね。
たぶん男たちもきっとそう。

しかしなんだろうな、この、からっとした感じ。
ドヌーヴの超絶な美女っぷりとか、少しも悪びれない感じとか、
もし日本版を作るとしたら?を想像することも許さないほどに、
貫かれてるアムールの国フランスというかなんというか(笑)

それにしても映画の冒頭にジャポンが登場してびっくり。
ウンガロのファッションもポップでキュンとした。
そういや深夜にテレビでやってたこの時代のフランス映画を録画しまくって観てたんだよなあと、
若かりし頃を思い出したりして。

こういう映画を観て育つと、こうなる(笑)。
しかし当然、ドヌーヴ様には遠く及ばない。

言うまでもない、か。



カトリーヌ・ドヌーヴ 恋のマノン HDマスター版 [DVD]

スクリーン・ビューティーズ カトリーヌ・ドヌーヴ

2013-11-28 10:08:31 | シネマ・アート
気がつけば11月が終わりそう!!

スクリーン・ビューティーズvol.2 カトリーヌ・ドヌーヴ
11/16~12/6 新宿ピカデリー 他

「暗くなるまでこの恋を」「恋のマノン」「シェルブールの雨傘」
の美しいドヌーヴ様をスクリーンで見られるよ!

とだいぶ出遅れた私は「恋のマノン」だけ観に行きました。
もうもう1本観に行くつもり。

ピアノを聴きに

2013-10-11 20:22:57 | シネマ・アート
きらり・昼どき・コンサート 金子三勇士(ピアノ)

以前からファンで、近場のコンサートには何度か足を運んでいるのだけど、
今回のは昼の1時間休憩なしという、みんな気軽に聞きにきてね、という企画。(たぶん)
プログラムも、金子さん得意のリストを中心に、
有名な曲やトークを交えながらの初心者にもやさしいコンサート。

簡単にプロフィールを。
1989年生まれの24歳。6歳でハンガリーに単身留学。祖父母の家(金子さんのお母様はハンガリー人)から学校に通い、11歳で飛び級で国立リスト音楽院大学ピアノ科に入学。数々のコンクールで優勝。ピアノ科全課程を修了し2006年に帰国。現在東京音楽大学大学院在籍中。

というわけで、11歳で大学とか凡人にはちょっとよくわかりませんが(笑)、
24歳の若さにしてすでに落ち着きがあったりとか、
知的な感じがするのですよ。内にある多様性というか。

黙ってステージに出てきて、演奏して、帰る。以上!が当たり前のクラシックにあって、
今回のように合間合間に曲や作曲家の簡単な説明をしてくれるというのはとてもいいと思った。
それもこれもトークもいける金子さんだからだけども。
飽きさせないし。寝させないし。(笑)

彼の演奏を聴き始めた当初はリストの演奏に圧倒されてたんだけど、
ショパンの甘く美しい曲に、最近はやられてます。
迫力あるリストもかっこいいし、甘く切ないショパンもいい。
アンコールのショパンのノクターン(遺作)にうっとり。
なんて美しいんだろう!

が。

一歩ホールの外に出ると、
哀しいかなガチャガチャとした美しくない街並み。煩い看板。
ああここがヨーロッパだったらいいのに!!
ショパンが最後に生きたパリだったらいいのに!!

と、夢遊病のように、目もうつろに帰宅の途についたのであった。

以下おすすめ。
デビュー盤

Miyuji plays Liszt リスト:ピアノ曲集

ベートーヴェン、バッハ、バルトーク

MIYUJI 2012

『椿姫ができるまで』

2013-10-03 23:58:02 | シネマ・アート
『椿姫ができるまで』(フィリップ・ベジア監督 2012年フランス)

「2011年春、フランスのオペラ歌手ナタリー・デセイは、演出家のジャン・フランソワ・シヴァティエとともに、エクサン・プロヴァンス音楽祭で上演されるヴェルディの傑作オペラ「椿姫」の製作に臨んだ。演奏はルイ・ラングレ指揮によるロンドン交響楽団。練習の合間に茶目っ気を見せるデセイ、シヴァティエの演出の下、真っ新な稽古場から始まり、試行錯誤を経て、一つ一つのシーンを積み上げ、色彩に満ち華麗な舞台に至る製作風景は観る者を魅了する。デセイの伸びのあるソプラノで聞かせる『椿姫』の名場面も映画の見どころの一つ。」(公式HPより)

すんばらしい!こんな風に製作過程が見られるなんて!

こんなに、これほどまでに、1つの舞台を創り上げることがどれほどの積み重ねかというね、
アーティストたちが作品に注ぎ込む情熱、愛情、努力。
すごいわー、そして、うらやましいわー。

オペラ歌手=歌が上手い人、ではない。
歌だけ上手い人はもっとたくさんいるかもしれない。
でもこれだけの物語を理解し、演出家の要求に応え、「演じ」かつ「歌う」。

バレエダンサーもそうだけど、
ベースとなるテクニックは備えた上での、
舞台上でさらけだす「中身」がどれだけ豊かか。
やっぱり並みの人間にはできないわー。

しかし人間の歌声の美しさってすごいなー。美しさに涙するくらい。
その存在に感謝する気持ちに近いのかな、
うまく言えないけど、ほんと美しいものが好きなんだな私。

ナタリー演じるヴィオレッタと、その相手アルフレード。
アルフレード役のシャルル(ほんとはチャールズだけどフランス語風に呼んでた)の美声に、
そりゃあ好きになっちゃうよ!!
と思いました、はい。

美しいヴェルディのオペラの世界に没頭する彼らの姿もまた美しい。

これ観ちゃうと実際の舞台も観たくなるね。

TOKYO PHOTO 2013

2013-10-01 23:46:12 | シネマ・アート

TOKYO PHOTO 2013
2013年9月27日(金)~9月30日(月)@増上寺

パリフォトならぬトーキョーフォト、やってたんですね。
今年で5回目。

なんだろうこの背筋の伸びる感じとわくわくする感じ!
と思った、足を踏み入れた時。
ゆるゆるだらっとしてちゃいかんな、みたいなね、
パリ生活を思い出すような。なんでだろ。

いろんな人がいる空気が好きなのかなあとも思う。
いろんな人がいて、いろんな言語が聞こえてきて、
みんなが自分の好きなことを好きとアピールしてる(笑)、
そういう雰囲気。(か?)

いいなと思ったメモ。
Pentti Sammallahti
Michael Kenna
Lucien Helvé
以上、Galerie Camera Obscura
そして追悼展示もあった東松照明

他にもいろいろ刺激的だったな。

シゲキ、シルヴプレ。

第8回UNHCR難民映画祭

2013-09-27 12:29:12 | シネマ・アート
ちょっと気になるの発見。

第8回UNHCR難民映画祭
2013年9月28日(土)~2013年10月6日(日)

いくつかの会場で開催。スケジュール
ドキュメンタリーが多いけど、映画「ぼくたちのムッシュ・ラザール」もあるよ。
日本が舞台の「異国に生きる ― 日本の中のビルマ人」(ドキュメンタリー)も。

日本は先進国の中では難民の受入れ数が少ない国。
地理的なこととか言葉とか遠さはあると思うけど、
日本ではとかく「遠くのこと」「ひとごと」になりがちなので、
せめて知ろうとする気持ちは持っていたいな。