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東京パリ日記

パリ日記第2章、終了。東京生活、再開。

幻想絶佳 : アール・デコと古典主義

2015-03-25 09:21:14 | シネマ・アート
東京都庭園美術館開館30周年記念
幻想絶佳 :アール・デコと古典主義
2015年1月17日(土)-4月7日(火)


庭園美術館リニューアル後2つめ、
美術館の建物、旧朝香宮邸が建てられた時代(1933年竣工)のいろんなアート作品が集まってる。

少し前に、1920年代のパリの"狂乱"の時代のドキュメンタリーを見たばかり。
大戦後のパリに多くの芸術家が集い、人々は平和や娯楽、芸術を謳歌。
新しい時代、多くが変化し豊かになった時代。

なるほど、それと同時期にこういう流れが起きていたのね、と、
この「幻想絶佳 :アール・デコと古典主義」を見てイメージが繋がった。

家具、装飾品、彫刻、絵画、劇場や市役所のレリーフや壁画、国際博覧会のポスター、
という風に同時代のいろんなものを集めると、
当時の雰囲気が見えてくる感じがして、よかった。

敵だったドイツが戦後向かった合理的で工業的な家具への対抗としての、
装飾的で職人的なフランスのアール・デコ。
モチーフになるのは古代ギリシャだったりローマだったり、
古典的なんだけどとてもモダン。

見たことがある作品も結構あったけど、集めて一度に見ることに意味がある、というような。

それにしても、2つの大戦の間の約20年間というのはほんと盛り上がってたんだろうな、パリ。
いろんなジャンルの最先端のアーティストたちがパリにいて、つながり、集まり、コラボする。
その互いに刺激し合う雰囲気を想像して、なんてリッチな!と思った展覧会。

映像上映がまたいいからぜひ見てほしい。
というかDVDにして販売してほしいくらい。

あと、入るともらえる展示案内に、「両大戦間期のパリの建築とモニュメント選」
というのがパリのイラスト地図付きで載ってる。これもいいね。

次のパリ訪問で巡りたい。


追記:次回展覧会のチラシが置いてあり、なんだかケ・ブランリーみたい、と思ったらまんまケ・ブランリーから来るらしい。
フランス国立ケ・ブランリ美術館所蔵 マスク展 
2015年4月25日(土)– 6月30日(火)

この種のって、日本では珍しいよね。

ナショナル・ギャラリー 英国の至宝

2015-01-21 11:05:33 | シネマ・アート
ナショナル・ギャラリー 英国の至宝
(監督:フレデリック・ワイズマン 2014/アメリカ・フランス/181分/英語)

最近、美術館関係の映画が多いのは、たまたまなのかな。
ナショナル・ギャラリーの裏側や作品を3時間(!)見てると、
ものすごい情報量で頭つかれるほど。

知と芸術が、すんごい詰まってる。

学芸員が作品やその背景を語る場面がたくさん出てくるんだけど、
あれを聞きながら鑑賞したら本当に充実するよね、美術館での体験が。
対象は子供から大人まで、いかに美術館に興味をもってもらうか、いかに何かを得てもらうか、
そのために尽くしているという印象。

みんなが興味のあるものはすべて絵の中にある、
同じ絵の前に立っても、自分が変われば絵も違って見える、

というような言葉は、実感としてもあるし、
次に美術館に行った時、思い出しそうな気がする。

それにしても学芸員の皆さんのしゃべりの上手さね。
これ大事よね。


「ナショナル・ギャラリー」というのはブランドであり、人々みんなのものであり、
観光スポットでもあり、美術品の宝庫でもあり、
観に来る者は拒まず、でもなんでもありではない、
その葛藤も垣間見れる。

あれだけ充実した存在があるというのは、
心の拠り所になるし、癒しになるし、刺激にもなるし、
すごく大事。

それにしても絵画の修復って深いんだなあ。

祝・リニューアルオープン庭園美術館

2014-12-23 00:38:51 | シネマ・アート
長いリニューアルが終わり、再オープンして1カ月ほどの東京都庭園美術館
お気に入りの場所が戻ってきてくれてうれしい。
長かった…。待ってたよ。(ただし庭園は非公開だった)

今はリニューアルした建物そのものを見るのがメイン。
平日は写真撮影も可ということもあって、カメラと共にあちこちをじっくり見て回れる。

玄関のラリック


広間から見たラリック



邸宅だった頃の雰囲気がより増した感じ。






こういうラジエーターカバーの修復などもされたそう。


香水塔もひびがはいっていたのを全部バラバラにして修復したらしい。すごい。


修復の様子は一部映像で紹介されてた。
あれは時間かかるねたしかに。

いままで入ったことのなかった部屋も公開されてたし、
展示スペースとしてではなく、建物そのものに注目できるこの期間は貴重。
そして、

東京都庭園美術館では2014年12月22日(月)―25日(木)の間、夜間開館を行います。
期間中は午後8時まで開館しておりますので、いつもと違う夜の美術館をお楽しみください。(入館は午後7時半まで)
なお、24日(水)も特別開館しております。

とのことなので夜もいいね。

ニューヨークの巴里夫(パリジャン)

2014-12-17 10:12:16 | シネマ・アート
また思い出しメモ。今年ももうあと2週間程ですね…。早い。

ついに完結!?あのグザヴィエがNYへ。

ニューヨークの巴里夫(パリジャン)
監督・脚本:セドリック・クラピッシュ
キャスト:ロマン・デュリス、オドレイ・トトゥ、セシル・ドゥ・フランス、ケリー・ライリー
2013/フランス・アメリカ・ベルギー/117分

グザヴィエは、いくつになってもグザヴィエだった(笑)。
ウェンディと子どもたちとしあわせな生活、と思いきや。

グザヴィエが子どもたちを追ってニューヨークに行った時の描写、
パリジャンでもニューヨークに行ったらあんな気持ちになるんだ!
と勝手に親近感を覚えてしまった。

つたない英語に、相手が自分を子供扱いする。
新世界のアメリカ人から見たら旧大陸の自分はこんな風(中世っぽい格好)に見えてるだろう。

言語的不自由が、頭の中で考えてるレベルと、外国語で会話する時のレベルの落差に、
自己嫌悪になったりするよねえ。
自分はもっと深いこと考えてるんだよ!もっといろいろ知ってるんだよ!!
という心の中の叫び&悔しさ(笑)

グザヴィエおもしろいなー。
かっこつけてないというか、その辺にいそうというか、
いや実際にいるかどうかはまた別なんだけどそう思わせるところが、(日本にはいないか)
同世代だけに余計に親近感。

ああやって、迷いながら、探しながら、自分の人生を生きていくんだよな。
いろんな形があっていいじゃないか。
こうあるべきなんて他人に言われることじゃない。
なんか元気出た!

ちょっと気になったのが、邦題が「ニューヨークのパリジャン」で、確かにそうなんだけども、
原題の《Casse-tête chinois》があると、(パズルの名前なんだけど"シノワ"が入ってるから)
中国系アメリカ人たちやその暮らしがたくさん登場することに違和感がないと思う。
映画が始まって、ああ、そういえば原題は《Casse-tête chinois》だったな、と思い出したのであった。
(前作「ロシアンドールズ」よりはだいぶ難しいよねタイトル付けるの・・・)

まもなく開幕フランソワ・トリュフォー映画祭

2014-10-09 11:36:41 | シネマ・アート
没後30年フランソワ・トリュフォー映画祭
10月11日(土)―10月31日(金)角川シネマ有楽町

今週末から始まるトリュフォー映画祭。
3週間、トリュフォーの全作品をスクリーンで見られるというだけで、
なんともドキドキワクワクする感じ、なんでだろう?

見たいのいっぱいありすぎてどれ行こうか決まらない!

しかも初日にはジャン=ピエール・レオー氏舞台あいさつ!!!

すごい機会ですねこれ。生レオーさまが。いらっしゃるなんて。
行けないけど。。。

プログラムを眺めていると、その写真たちだけでうっとり。
マイナーな作品を見ておきたいという気持ちと、
名作をあらためてスクリーンで見たいという気持ちと、
ああ、もうどうしたら。

以前まいにちフランス語応用編で梅本先生がインタビュー音声を教材にされていたの、
もう一度聞いてから行きたいなあ。
「映画の話をしよう!― フランソワ・トリュフォー」
アンコールまいにちフランス語

前半は日程的に厳しいので、後半から詣でる予定。
混雑度合いはどれくらいなんだろ。気になる。

指輪 神々の時代から現代まで

2014-09-27 23:38:13 | シネマ・アート
これ、素敵な展示会だった。


橋本コレクション 指輪 神々の時代から現代まで ― 時を超える輝き
2014年7月8日(火)~9月15日(月・祝)@国立西洋美術館

HPより――
本展は、指輪を中心とする宝飾品約800点からなる「橋本コレクション」が国立西洋美術館に寄贈されたことを記念する企画で、2012年に本コレクションを収蔵して以来、初のお披露目の場となります。橋本貫志氏(1924-)が収集した720点あまりの指輪は、年代や素材に偏りがなく、極めて広範な内容を持っています。本展では約300点の指輪を一挙に公開し、橋本コレクションの個性豊かな顔ぶれをお楽しみいただきます。――

というわけで展示されてる点数も多いし、指輪の使われ方・存在の歴史をたどるので、
実は指輪って宝飾品としてよりも「実用」という歴史の方が長いのね、
という発見。
お守りであったり、身分や地位の証明であったり、死者へのメッセージであったり。

考えてみれば現代の指輪も、結婚指輪や婚約指輪はメッセージであり証明と言えるし、
ゴージャスな指輪はステータスの表明とも言えなくもないか。

だから意外と単純に「飾りです」っていう指輪は少ないのかも。
なんらかの意味や思いを込めているものなのかもな、指輪って。

指輪という小さいものにものすごい技術力(と執念?)で刻んだ精巧な装飾。
古いものは2000年前、一番古いのだと4000年前ですよ。
何千年も前の人が作り身に着けていた指輪がそれ、というこのなんとも不思議な感覚。

近代になると時計付きだったり隠しカメラ付き(!)だったりと、
ほーんとに多種多様。
絵画の中に見る指輪、モードと共に見る指輪と、展示方法もよかった。

私も、持ってる指輪は大切にしよう。

女王と女神

2014-09-26 23:49:01 | シネマ・アート
順番前後しますが、観てきた。


メトロポリタン美術館古代エジプト展 女王と女神
2014年7月19日(土)~9月23日(火・祝)@東京都美術館

会期終了間際で混んでたのと、
頭も心も「白鳥の湖」が気になっていたというのもあってか、(まちがいなくこれがデカイ)
やや期待外れ感あり。なんて罪作りなのかしらマシュー。

生の舞台やコンサートと違って“展示物”は自らこちらを動かしてくれるわけではないので、
観る側のコンディション次第よね。

古代エジプト史における女王たち。
女性も王になったし、女神として崇められた。

余談。最近キリスト教の宗教画の本読んでるんだけど、
女性の存在感がすんごい薄くなるのってキリスト教の影響でかいよね…
あばら骨一本から作ったとかさあ…(余談ここまで)

私の中での一番の感想は、エジプトの物はエジプトで見ろ!であった。
いやまだ行ったことないんだけどねエジプト。

今回来てたのが小さいものが多かったというのも理由だと思うんだけど、
なんとなく場違いに思えてしまって。あるべき場所で見たい、と強く思った。
現地でも博物館でしか見られないとしても、少なくとも現地の空気の中ではある。
人がいて、空気感を感じて、その中での博物館なら。

ああ、困った。旅に出たくなってきた。

スワンロスとの二重苦。

『イヴ・サンローラン』

2014-09-24 17:28:57 | シネマ・アート
先週観たマシュー・ボーンの白鳥の湖以来、心が波立っているのかしら。

『イヴ・サンローラン』

サンローランは生涯、Beauté 「美」を愛した。
美しいものを愛し、美しいものを生み出そうとするその一日一日を思うと、
息詰まるような濃密さ、その反動としての逃避、
なんて濃い人生。

ピエール・ニネ。俳優が演技をするのは当たり前のことだけど、
サンローランを演じているピエールになんか感動。
あ、まだ白鳥の余波が、と思ったのはその辺り。

人が獲得していく「美しさ」、それに私は弱いんだなと。
若くて可愛い、カッコいい、イケメン、
みたいのではなくて、
ダンサーでも俳優でも音楽家でも、
今、自分が見ているこの姿を獲得するまでのさまざま、
努力と葛藤などと言うとなんだかちょっと違う雰囲気になっちゃうんだけど、
そうやって身につけてきた、身にまとってきた「美しさ」。

というわけで、私も何か、細々とでも何かを身にまとっていけたらいいのだけど。

追記
キャストにDe Villepin とあったからあのドヴィルパンと何か関係が?
と思ったら娘さんなのね!元首相の。

建築家ピエール・シャローとガラスの家

2014-09-03 15:30:00 | シネマ・アート
建築家ピエール・シャローとガラスの家
2014年7月26日(土)~2014年10月13日(月・祝)
パナソニック汐留ミュージアム

「ガラスの家」って今もパリにあるらしいのだけど全然知らなかった。
今はアメリカ人が所有・修復しているのだとか。

ピエール・シャローは建築家というより家具やインテリアのデザイナー。
建築家を目指して試験を受けたけど入学できなかったシャローが、
家具やインテリアのデザインを経てガラスの家を設計するに至ったというのも、
ちょっとドラマを感じるところ。

1920年代、新しい素材を活かした実用的かつおしゃれなシャローの家具や照明。
金属が多様されるようになる時代。

家具というパーツから空間、そして建物へ。
パリ万博でも手腕を振るったシャローも、不景気の波には勝てずアメリカへ。
シャローが最後に設計した家の写真は、なんだか切なかった。

展示内容が私にとってはとてもパリを思い出す、
ポンピドゥーや装飾美術館を思い起こさせる雰囲気があり、
しかもマレステヴァンとの関わりもあったようで、
やっぱりこの時代の雰囲気好み!この時代のパリの活気を見てみたかったー!

ってそれ「ミッドナイト・イン・パリ」みたい。

魅惑のコスチューム:バレエ・リュス展

2014-09-02 09:46:40 | シネマ・アート
魅惑のコスチューム:バレエ・リュス展
2014年6月18日(水)~9月1日(月)国立新美術館

会期終了間際にやっと行ったバレエ・リュス展。
普段あまり借りない音声ガイドと共に見てきた。

当初この展覧会に足が向かなかったのは、
衣装だけ見るのもなあ、という気持ちがあったから。
やはりバレエとして見たい。と思っちゃう。

実際に見ての感想も、やはり衣装だけじゃなくバレエの舞台として見たいというのはあるんだけど、
あれだけ間近に、それ自体が芸術品のような衣装を、
しかもそうそうたるアーティストが関わった衣装をすぐ目の前に見られるというのもまた、貴重。
音声ガイドで音楽も聴けるのが良かったな。
どうしても脳内で流れるしね(笑)

それにしても、
あれほどのインパクトと芸術性を持った何かを新たに生み出す奇跡的な出会いというのか、
すごい時代、すごい瞬間だったんだな。

図録売り切れだったから注文してきた。
早く欲しい。