【阿多羅しい古事記/熊棲む地なり】

皇居の奥の、一般には知らされていない真実のあれこれ・・・/荒木田神家に祀られし姫神尊の祭祀継承者

付記1c: 茶髪

2024年03月02日 | 歴史

 

私が高円宮承子に会ったのは彼女がまだ高校生になったばかりの頃だ。
皇太子妃雅子の発砲でうろたえた東宮侍従らが、崩壊した私との関係を修復するつもりだったのか、或いは、矛先を別のところへ向けて責任逃れをするつもりだったのかは判らないが、私を秋篠宮眞子、佳子、高円宮承子と面会させたのだった。
 
 
秋篠宮の二人の子供については特に感想を述べるほどの何ごとも無かったが、承子が部屋へ入って来た時には「あ・・・」と声が出てしまった。茶色に染めた長い髪が顔の半分を覆って、いわゆる不良少女そのものだったからだ。ピアスもしているんだろうか・・・と、何食わぬ顔で窺うと、額に垂れた前髪の間から、鋭い視線が私を突き刺した。
 
 
承子は、その時、見知らぬ女に呼び付けられて(と彼女のほうは思っただろう)、さも不機嫌そうに部屋へ入って来た。そして、驚いた表情をしている私を見るなり、スカートのポケットから護身用の小型銃を取り出して、いきなり私の足下近くを撃ったのだ。
発砲の反動で、彼女の身体は少し後ろへのけぞり、その衝撃を歓喜したかのように、唇が歪んだ。そして、残りの弾を、私の靴を狙って撃ち続け、最後の一発が靴の縁をかすめて硬い床に弾けると、奇声をあげて笑った。
 
 
これでは、どうせ、すぐに「男」にも溺れるだろう。結婚すれば皇族離脱である。そう考えて私は我慢したが、これには賛同する者が少なからず存在したようだ。その一人であるらしい人物に、別の場所へ案内された。「ここにいれば、面白いものがご覧になれますよ」
半信半疑で待っていると、そこに現れたのは、サッカーの練習着を着た五、六人の若い男と、承子ら二人の少女だった。集団は声高く喋りながら、暗い廊下の角を次々に曲がって、一室の中へ消えた。俄かに若者のパーティの様な喧騒が湧き起こった。
 
 
しかし、「どうせすぐに男に溺れるだろう」という私の予想は、或る意味で外れていた。
承子はすでに「銃」と「護衛」に溺れているのであって、それを凡庸な男との結婚のために捨てるのはあまりに惜しいだろう。
相当な乱痴気パーティを繰り返した後、彼女は意気揚々と英国へ飛んで行った。