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57 中国・韓国と日本の違いの原点 「 5レ 中国を模倣しなかった日本 」

2021-10-21 09:04:44 | 中国人韓国人にはなぜ「心」がないのか
57 中国・韓国と日本の違いの原点 「 5レ 中国を模倣しなかった日本 」

 終章
 中華民族の正体 一部引用編集簡略版
本章は以下の内容を投稿予定です。
5イ 中国が覇権を握る日
5ロ 中国は国ではなく文明
5ハ 愛国教育は情報操作
5ニ 中華民族とは何か
5ホ 孔子を排斥した毛沢東
5ヘ 孔子学院プロジェクト
5 ト 中国崩壊の予言(割愛)
5チ アメリカ人と中国人
5リ 中国はアメリカのフレネミー
5ヌ 中韓の捏造が信じられるわけ
5ル キリスト教圏とイスラム圏の距離
5ヲ イスラム版中華思想
5ヨ 儒教と対立する老荘思想
5タ 中国は民主主義国になるか
5レ 中国を模倣しなかった日本
************************
最終回です。次のテーマは未定。
5レ 中国を模倣しなかった日本

  読者は、日本が古代から、中国から多くを学んで、日本の文化を豊かなものにしてきた。にもかかわらず、韓国のように模倣することがなく、抓み食いをしただけだったことを、理解していただけたと思う。

  日本は中国から、宦官も、纏足も、役人天国である汚吏貪官制度も、取り入れることがなかった。

  日本では、権力と政治が、すべてではなかった。中国や韓国では、役人だけが人であって、役人が大人(たいじん)であったのに対して、人民はみんな小人(しょうじん)とみなされた。

  李朝の宮廷には、日韓併合が行われるまで、宦官がいた。李氏朝鮮は、宗主国の清に、毎年、宦官と妓生(キーセン)を貢物として、献上していた。

  日本は、韓国とちがい、科挙制度も模倣することがなかった。科挙は、古代中国の隋時代から行われた、官吏登用試験制度であるが、全中国を受験地獄に、陥れた。

  科挙制度と、役人崇拝のおかげで、中国人は自由奔放に発想する力を、奪われた。「圧巻」という言葉は、トップの成績をとった答案が、いちばん上に置かれて、下に積まれた答案を、押し潰したことから、きている。

  日本国民は、韓国がすぐ隣にあるのに、韓国の歴史について、ほとんど無知である。

  最後の王朝である李朝を築いた李成桂(イ・ゾンゲ 1335~1408年)は、高麗朝の将軍だったが、1392年に高麗朝を武力によって倒して、自分の王朝の太祖(創始者)となった。国名を高麗から朝鮮に変えたから、朝鮮王朝としても、知られる。

  李朝は、五百年にわたって続いた。太祖が武力によって、その前の王朝を倒したために、李朝が終わるまで、軍は禍としてみられた。クーデターを恐れて、軍を縮小し、軍人を斥(しりぞ)けた。軍人は軽く扱われ、蔑まれるようになった。

  国防は宗主国であった中国に、委ねた。外国から侵略によって、危機に見舞われた時には、そのたびに、中国に出兵を懇願した。
  そこで、秀吉が文禄・慶長の役によって、朝鮮に出兵すると、国土がたちまちのうちに、蹂躙された。この時も、清朝が派兵して、救われた。

  (日本について顧みると)、(李成桂の)クーデターを(世界大戦の日本の)敗戦に、宗主国であった中国をアメリカに置き換えたら、そのまま今日の日本になる。
  李朝は国防をおろそかにして、人民を恣(ほしいまま)に搾取、収奪することに勢力を費やして、乱脈な社会をつくったが、戦後の日本は経済的な快楽に熱中するあまり、軍を嫌い、軍事を軽視して、軍人を斥けてきた。戦後の日本の政治家と、マスコミ人は、背広よりも、朝鮮服のほうがよく似合うと思う。

  中国は、中華思想を患っているために、対外関係を、上下関係としてしか、みることができない。

  中国は尖閣諸島を奪いにこよう。中国にとって、尖閣諸島はクラゲや、皮蛋(ピータン)のような前菜だ。そのうえで、沖縄を貪り、日本を従えようとしている。
  中国は、中華文明であるから、国ではないのだ。中華文明には、国境がない。

  いま、日本は間違えば、中国の属国となりかねない、切実な危機に直面している。

参考:加瀬英明著「中国人韓国人にはなぜ「心」がないのか」
 加藤英明氏は「ブリタニカ国際大百科事典」初代編集長

56 中国・韓国と日本の違いの原点 「 5タ 中国は民主主義国になるか 」

2021-10-20 09:01:10 | 中国人韓国人にはなぜ「心」がないのか
56 中国・韓国と日本の違いの原点 「 5タ 中国は民主主義国になるか 」

 終章
 中華民族の正体 一部引用編集簡略版
本章は以下の内容を投稿予定です。
5イ 中国が覇権を握る日
5ロ 中国は国ではなく文明
5ハ 愛国教育は情報操作
5ニ 中華民族とは何か
5ホ 孔子を排斥した毛沢東
5ヘ 孔子学院プロジェクト
5 ト 中国崩壊の予言(割愛)
5チ アメリカ人と中国人
5リ 中国はアメリカのフレネミー
5ヌ 中韓の捏造が信じられるわけ
5ル キリスト教圏とイスラム圏の距離
5ヲ イスラム版中華思想
5ヨ 儒教と対立する老荘思想
5タ 中国は民主主義国になるか
5レ 中国を模倣しなかった日本
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5タ 中国は民主主義国になるか

  ソ連が解体して、1990(平成2)年に西ドイツが共産主義国だったドイツ民主共和国というと、東ドイツを吸収した時に、フランスの当時のミッテラン大統領が、「私はドイツが大好きだ。一つのドイツよりも、ドイツが二つあったほうがよい」と、うっかり口を滑らせて、物議をかもしたことがあった。これまで、フランスはドイツによって、何回も、酷い目にあわされてきたから、本音だっただろう。

  中国が、民主主義国家に生まれ変わってほしいと、願いたい。
  だが、何といっても、中国は大きすぎる。大きすぎると、強権政治によって統治しなければならない。

  著者も、中国が大好きだから、中国が一つしかないのでは、寂しい。中国が、三つも、四つも、五つも、いや、六つ、七つあったほうが、楽しい。
  その場合には、北京料理、広東料理、福建料理(福建省は、台湾海峡をはさんで台湾と向かい合う位置)、四川料理といったように、それぞれ言葉が大きく違っていて、まったく、相互に通じないから、話す言葉によって、分かれるとよい。それぞれ話す料理と、それぞれ話す言葉が、一致している。

  著者は中国の漢字は悪魔の字だと、いってきたが、日本は漢字を取り入れてから、すっかり灰汁を抜いてしまったからよいが、中国で使われている漢字から、政治の毒を消すことができない。

  中国語では、北京語が標準語となっており、「北京官話」(官が使う言葉)と呼ばれている。他の言語は、すべて方言とされている。日本では「標準語」が、役人が使うからといって、共通語とされたわけではない。中国は何ごとについても、政治の国なのだ。

  中国では、呉方言、広東方言、客家(はっか)方言、びん(門+虫)南方言をはじめ、方言は発音や、語彙が違うために、相互のあいだで通じない。文語(ウェンヤン)と呼ばれているが、北京語や、方言を漢字を用いて、表記することによって、はじめて、互いに理解しあえる。

  蒋介石、蒋経国(しょう・けいこく:蒋介石の長男)政権のもとの台湾で、北京語が国語となって、強制されたので、小学校の「国語」の教科書は、北京語だった。

  入学すると、教科書の一冊目に、「我是中国人(ウオ・シ・ツオンコウレン)、你(ニイ)是中国人、他(タア)是中国人 (ぼくは中国人、君も中国人、彼も中国人)」と、書かれていた。
  台湾人の子どもたちは、台湾語で詠むと、「餓死中国人(中国人を餓死させろ)、捏死中国人(中国人を絞め殺せ)、踏死中国人(中国人を踏みつぶせ)」の発音と、まったく同じなので、そういって笑っていた。

  台湾人は、大陸からやってきて、大虐殺を行った外省(中国)人を憎んでいた。
  漢字なしには、中国の多くの言語のあいだで、意志を伝えることができない。そこで、漢字を廃止して、ローマ字で表記するようにしたら、互いに通じなくなるから、地域ごとに、独立意識が強まろう。

  どっちみち、漢字には二千年以上にわたる毒がこもっている。漢字なしには、大中華意識が成り立たなくなるから、漢字と決別したほうが、民主化を援けることになろう。

参考:加瀬英明著「中国人韓国人にはなぜ「心」がないのか」
 加藤英明氏は「ブリタニカ国際大百科事典」初代編集長

55 中国・韓国と日本の違いの原点 「 5ヨ 儒教と対立する老荘思想 」

2021-10-19 09:06:07 | 中国人韓国人にはなぜ「心」がないのか
55 中国・韓国と日本の違いの原点 「 5ヨ 儒教と対立する老荘思想 」

 終章
 中華民族の正体 一部引用編集簡略版
本章は以下の内容を投稿予定です。
5イ 中国が覇権を握る日
5ロ 中国は国ではなく文明
5ハ 愛国教育は情報操作
5ニ 中華民族とは何か
5ホ 孔子を排斥した毛沢東
5ヘ 孔子学院プロジェクト
5 ト 中国崩壊の予言(割愛)
5チ アメリカ人と中国人
5リ 中国はアメリカのフレネミー
5ヌ 中韓の捏造が信じられるわけ
5ル キリスト教圏とイスラム圏の距離
5ヲ イスラム版中華思想
5ヨ 儒教と対立する老荘思想
5タ 中国は民主主義国になるか
5レ 中国を模倣しなかった日本
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5ヨ 儒教と対立する老荘思想

  だが、中国にも、よい面があるはずだ。

  儒教だって、専制体制の統治イデオロギーとして用いることなく、権力者をはじめとして、全員がその徳目を守ることになれば、有益な教えとして、役に立つはずだ。日本車をアメリカへ輸出しているように、日本で磨きあげた儒教を、中国が逆輸入するとよい。

  著者は、荘子の老荘思想を、好んでいる。老荘思想は、儒教と対立するものだ。
  老子と、荘子(紀元前370年頃~紀元前310年頃)は、中国の道家(どうか)の代表だ。道家は、人為的な儒教を排斥して、自然の清浄な行いを、重視する。

  老子の言葉に、「小国寡民」がある。
  「小さな国で、人口が少ない。欲がないから、機械を使うことがない。車や、船があっても、それに乗ることをしない。軍備をしない。隣国は鶏や、犬の鳴き声が聞こえるぐらい、近くても、隣国と行き来をしない。付き合わない」という、有名な言葉があるが、いまの中国共産党は、その反対のことばかりしている。

  また、老子の教えだが、「思想を弄ばない」という戒めは、歴代の中華帝国に向けられたものだ。

  老子の百年あまり後に、荘子が生まれたが、あわせて老荘思想と呼ばれている。老子は、孔子と同じ時代の人だといわれ、「史記」のなかに「老子伝」があって、孔子が老子に教えを乞うたという、伝説がある。孔子のほうが、年下だったといわれるが、史実がどうか、分からない。

  老子は恬淡(てんたん)と、静寂を尊んで、自然ーーネイチャーには作為がない、という。日本の侘び寂びに、近い。

  老子には、両面があって、無為淡白の精神を説いているかたわら、もう一つは、上手に危険を冒さずに、世の中を渡っていく、保身の術だ。中国はやはり、政治の社会なのだ。

  荘子も、無為自然に、人為を捨てて、自然に生きることを、説いた。「知足安分」(わが分(ぶん)に安じて、足るを知る)を求めたが、儒教が世俗的であって、人工的な道徳や、礼儀によって、人を拘束することを嫌った。

  もし、中国が、自然を尊ぶ、老荘思想の国となったら、有徳な天子や、国家主席が専制を行うという、つくりごとが、通用しなくなるはずだ。

参考:加瀬英明著「中国人韓国人にはなぜ「心」がないのか」
 加藤英明氏は「ブリタニカ国際大百科事典」初代編集長

54 中国・韓国と日本の違いの原点 「 5ヲ イスラム版中華思想 」

2021-10-18 09:22:17 | 中国人韓国人にはなぜ「心」がないのか
54 中国・韓国と日本の違いの原点 「 5ヲ イスラム版中華思想 」

 終章
 中華民族の正体 一部引用編集簡略版
本章は以下の内容を投稿予定です。
5イ 中国が覇権を握る日
5ロ 中国は国ではなく文明
5ハ 愛国教育は情報操作
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5ホ 孔子を排斥した毛沢東
5ヘ 孔子学院プロジェクト
5 ト 中国崩壊の予言(割愛)
5チ アメリカ人と中国人
5リ 中国はアメリカのフレネミー
5ヌ 中韓の捏造が信じられるわけ
5ル キリスト教圏とイスラム圏の距離
5ヲ イスラム版中華思想
5ヨ 儒教と対立する老荘思想
5タ 中国は民主主義国になるか
5レ 中国を模倣しなかった日本
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5ヲ イスラム版中華思想

  イスラム教が世界でもっとも優れていて、全世界をイスラムのもとに置くべきだという、イスラム版の中華思想がある。中国と同じような、傲りがある。だから、傷がいっそう深いものとなっている。

  中東のイスラム圏では、キリスト教圏のヨーロッパと、ヨーロッパから生まれたアメリカに対して、抜きがたい優越感と、癒やしがたい劣等感が、一緒にうずいている。

  ところが、イスラム圏の人々は、キリスト教世界が、どうして長足の発展をとげることができたのか、西洋のよいところや、長所をみることを拒んで、彼らが好血だから、狡猾だから、我々を追い抜いたんだといった、説明しかしない。イスラムの人々は、気位が高くて、イスラムが世界一の信仰であると、信じているから、現実を直視することが、できない。この点でも、中国と二重映しになる。

  中国の人々は、日本についても、日本のよいところを、けっして見ようとはしない。日本が和を重んじて、秩序ある社会を営んで、地道な努力をしてきたために、力をえたことを、認めようとしない。

  中国と韓国は、酷政が行われていたために、社会が疲弊しきっていたので、十九世紀後半に入ってから、近代化する力が、まったくなかった。自業自得であるのに、反省しようとしない。
  韓国人も、自分勝手だから、歴史を直視して、反省しようと、思わない。韓国の人々も、自分たちよりも、はるかに遅れて、未開だった日本に、進んだ文物を教えてやったという、いまだに抜きがたい優越感に、浸っている。

  そのかたわら、その日本に先を越されてしまったために、中国と同じように、癒やしがたい劣等感によって、苛まれている。日本人にやられるなんて、あってはならないことだ。

  イスラム圏と、キリスト教圏の不毛の対立は、日中関係にそのまま、あてはめることができる。アメリカや、ヨーロッパ世界は、どのようにイスラム圏に対応したらよいのか、途方にくれている。

  著者はアメリカ、ヨーロッパと、中東のイスラム圏との確執を前にすると、日本が中国や、韓国に対して、まったく同じような状況に置かれているから、身につまされる。

  中国と韓国は、抜きがたい優越感と、癒やしがたい劣等感によって苛まれ、深く病むようになっている。
  中国、韓国のヒステリックな日本を憎む言動や、反日行動は、キリスト教圏に対する、イスラム過激派を思わせる。

  このように話すと、中国や、韓国が、どうして日本に対して、不条理な憎しみを向けているのか、分かってもらえる。
  2013(平成25)年に、ワシントンのシンクタンクで、所長以下の幹部に話したら、「よく理解できた」と、いってくれた。

  抜きがたい優越感と、癒やしがたい劣等感を、同時に持っている人が、もし、いたとしたら、精神が不安定で、病んでいるとしか言えない。
  そこで、中国も、韓国も、いつか、日本を叩き潰したい、という願望に、駆られている。狂人に、つける薬はない。つけ込まれないだけの、力を持つほかない。

参考:加瀬英明著「中国人韓国人にはなぜ「心」がないのか」
 加藤英明氏は「ブリタニカ国際大百科事典」初代編集長

53 中国・韓国と日本の違いの原点 「 5ル キリスト教圏とイスラム圏の距離 」

2021-10-17 09:10:51 | 中国人韓国人にはなぜ「心」がないのか
53 中国・韓国と日本の違いの原点 「 5ル キリスト教圏とイスラム圏の距離 」

 終章
 中華民族の正体 一部引用編集簡略版
本章は以下の内容を投稿予定です。
5イ 中国が覇権を握る日
5ロ 中国は国ではなく文明
5ハ 愛国教育は情報操作
5ニ 中華民族とは何か
5ホ 孔子を排斥した毛沢東
5ヘ 孔子学院プロジェクト
5 ト 中国崩壊の予言(割愛)
5チ アメリカ人と中国人
5リ 中国はアメリカのフレネミー
5ヌ 中韓の捏造が信じられるわけ
5ル キリスト教圏とイスラム圏の距離
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5レ 中国を模倣しなかった日本
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5ル キリスト教圏とイスラム圏の距離

  日本文化と中国文化の違いは、同じように海を越えて向き合っている、ヨーロッパのキリスト教文化圏とイスラム文化圏の違い、アメリカとヨーロッパの人々とのあいだの違いよりも、大きい。というと、「そんなことは、はじめて聞いた」といって、驚く。西洋人はアジアについて無知だ。日中韓の三ヶ国が同じ儒教文化に属していると、思い込んでいるから、文化の違いを誇張した方がよい。

  日中関係を見ると、今のキリスト教徒と、イスラム教徒の間の、どうしようもならない不毛な対応と、まったく同じものだ。
  ヨーロッパのキリスト教圏と、中東のイスラム圏の歴史を遡ると、イスラム世界のほうが、長いあいだにわたって、キリスト教世界よりも、遥かに先を進んでいた。

  イスラム文明が黄金時代にあって、航海術をとっても、医学、数学、天文学、法学、文芸、哲学をとっても、すべてイスラム圏のほうが、上にあった。
  ギリシャ文化の遺産も、イスラム世界が保存していた。

  そのあいだ、ヨーロッパのキリスト教世界は、聖書に書かれたキリスト教の教えだけが、真実であって、それに反する学説は、すべて異端とされた。そのために、あらゆる面において、停滞した。
  ローマ法王が、絶大な権威を持ち、キリスト教の原理的な教義を押しつけて、ヨーロッパにおける、一切の学問の進歩が停まっていた。ヨーロッパは、「暗黒の時代」にあった。

  教義に外れる者は迫害され、投獄されるか、殺された。

  時とともに、イスラム世界の進んだ学問が、イスラム教徒が支配していたイベリア半島や、イタリア半島のわきの市シリア島から、徐々にヨーロッパへ浸透していって、ルネッサンス(文芸復興)をもたらした。

  ヨーロッパは、ルネッサンスによって、学問の自由が蘇った。
  1517年に、ルネッサンスにとって、中核的な出来事が起こった。この年に、ドイツの宗教学者だったマルチン・ルター(投稿者補足:旧東ドイツの人物)が、ドイツ中北部のウィッテンベルグ城の教会の厚い扉に、ローマ法王に反抗する宣言文を、打ちつけた。
  これが、プロテスタント——キリスト教新教のの出発点となった。ヨーロッパが暗黒の時代から、先明の時代に移っていった。

  今日でも、中東を訪れると、イスラム教徒たちは、かつてヨーロッパのキリスト教世界が、自分たちよりもはるかに遅れていて、自分たちが未開なキリスト教圏に、科学から文芸まですべて、教えてやったという時代を、覚えている。そこで、ヨーロッパの人々に対して、抜きがたい優越感を持っている。

  ところが、癒やしがたい劣等感を、あわせて持っている。
  トルコ帝国が、第一次世界大戦で、ドイツと同盟して敗れたために、帝制が崩壊して、北アフリカから、ペルシャ湾まで広がっていた領土を失った。

  すると、ヨーロッパの列強が、このトルコの広大な領土を奪って、分割した。トルコの支配と比べれば、非常に短い期間だったが、イギリスがイラク、フランスがシリア、イタリアがリビア、スペインがモロッコというように、中東を山分けして、統治した。

  中東のイスラム圏の人々は、自分たちが気がついて見ると、長いあいだにわたって、遅れていたとみなしてきた、キリスト教世界によって、取り返しのつかないような、どうしようもない大きな差を、つけられてしまった。

参考:加瀬英明著「中国人韓国人にはなぜ「心」がないのか」
 加藤英明氏は「ブリタニカ国際大百科事典」初代編集長