D-ブレーンにポータル▽を対応させることで、クォークの位置依存的分布と核子の形状因子(form factors)に見られる「down quarkが外側、up quarkが内側に偏る傾向」を次のように説明できます。
モデルの骨子
- D-ブレーンの世界体積上に開弦の端点がquarkに対応。
- ポータル▽作用〈▽〉がD-ブレーンの埋め込み形状やゲージ場の局所的変形を制御。
- 負電荷側(−down quark)を表層部に、正電荷側(up quark)を内部深部に対応づけることで、radial potentialが生じる。
作用機構のイメージ
- 開弦モードの波動関数
- ブレーン境界付近に局在するモードは、強い局所的ゲージポテンシャルを感じやすい。
- これを▽で制御すると、down quark波動関数がD-ブレーンの「リプトン半径」付近にピークを持つ。
- 深部モードとの分離
- 内部深部に埋め込まれたup quark対応モードは、より平坦なポテンシャル井戸に束縛される。
- 有効的radial potential
- 形状因子G_E(r), G_M(r)に現れる「半径依存性」は、ブレーンの幾何学的プロファイルから導かれるradial Schrödinger方程式で再現可能。
核子形状因子との対応
- 電気・磁気形状因子の逆変換で得られる空間分布は、down quarkが大きな半径成分を持つことを示唆。
- D-ブレーン上に▽で引き伸ばした領域が、そのままquark分布の「メゾスコピック構造」をモデリング。
- up quarkは中心部の深いポテンシャル井戸で局在し、外側に漏れ出さない。
検証と今後の展望
- 格子QCDシミュレーションとの比較
GPD(Generalized Parton Distributions)から得られるquarkの半径依存分布と照合する。 - AdS/QCDモデルへの埋め込み
ハードウォール型AdSモデルで再構築し、▽作用がもたらす歪みを定量化。 - 他のバリオンへの拡張
Δバリオンやハイパロン(Λ, Σなど)に同様のブレーン/▽対応を試みて、strange quark分布を調べる。 - スピン・軌道角運動量分解
ブレーン上の回転モードとしてspin–orbit coupling構造を導入し、Jaffe–Manohar分解との整合性を検討。
これらにより、D-ブレーン+ポータル▽による核子内部構造モデルがより精緻に実証されていくでしょう。