ネ子にゴハン

とうとうあげてしまった。
　ネ子にごはん！




この猫は丘のふもとのガレージで去年の春に生まれた。
兄弟は４匹。母親はグレーのトラで兄弟はみな同じ毛色だ。
父親は判らない。

小さい頃は兄弟仲良く遊んでいたが、１匹は近所で飼われ今でも見かける。
２匹はとんと見なくなった。

そんなわけで「ネ子」はこの１０８段の階段の下から上を中心に
時々頂上のT字路の真ん中でゴロゴロしたり、ふもとで転げて暮らしている。




こんな風にフニャフニャいいながら僕の足元にまつわり付きながら
家まで着いて来る。


今年の夏、家に帰ると玄関のドアの前に
しっぽの切れたトカゲが置いてあった。
ネ子の誇らしげな顔がすぐに憶い浮かんだ。

有り難くないプレゼントだ。
あまり頂けないので
玄関のタタキから草の葉の陰に隠した。
ふと左を見ると門扉の柱の下にもしっぽの切れたトカゲが横たわっていた。
こちらはすでにアリのご馳走となっていた。




どうやら僕を気に入ってくれたと云う事のようだ。

なのでトカゲのお礼に
今日は滝沢ハムの粗挽きウインナーと若鶏の唐揚げをプレゼントした。






「ネ子」と云う名をつけた。