カプアン通信

平成23年度犬猫殺処分データ


東京地方は急に暖かくなりました。
今朝の散歩は、犬たちはオールヌード。
犬のおやじも初めてコートなしで出かけました。

日本の四季というものは、グラデーションのように
すこしずつ変化するものだと、ずっと思ってましたが
近年、考えを改めました。
日本の四季は、緞帳が落ちるがごとく、あるいは
スイッチが切り替わるがごとく変わっていくように思います。
ということで、東京地方は今日から春とします(笑)
まだ寒い日はあるかもしれませんけどね。


さて、環境省のホームページ
平成23年度の犬猫収容状況(殺処分数含む)の統計資料が発表されています。

平成23年度というのは、平成23年4月1日から平成24年3月31日までのことです。

都道府県別の資料も発表されており、千葉県については
前年に比較して、大幅に処分数が減っているように見えましたが
環境省のホームページは前年度のデータが掲載されていないので
(見つけられなかっただけかもしれませんが)
前年度との比較ができないので、千葉県のデータの評価については、
毎年、詳細なデータを発表している、ALIVEさんの
「全国動物行政アンケート結果報告書 平成23年度版」の完成を待ちたいと思います。

さて、平成23年度のデータです。(↓画像をクリックすると拡大します)



このデータでまず目に付くのは、猫の返還数(迷子猫の飼い主への返還)
の少なさです。全国で250匹しか返還されていません。
飼い主がいる迷子猫の総数がわからないので、なんとも言えませんが
仮に、引き取られた犬猫全てに飼い主がいたものと仮定すると
犬は、全77,805頭中16,363頭が返還ですから約21%
(それでも少ないですが・・・)
猫は、全143,195匹中250匹 約0.17%!
※ここでいう、「引取り」は「犬の捕獲」を含みます。

また、殺処分された猫のうち約63%は、離乳していない仔猫だった
ことがわかります。飼い主からの仔猫の引取りも多いですね。

迷子の返還もしくは、一般譲渡により、施設で殺処分されずに
生還できた犬猫の割合は、
犬の場合77,805頭中34,282頭で約44.1%が生還
猫の場合143,195匹中12,680匹で8.9%が生還
逆に言えば、収容された犬の半数以上は殺処分された。
収容された猫の9割以上は殺処分された。ということです。


次は、犬猫の殺処分は今後はたしていつゼロになるのか、を考えます。



環境省で公表している殺処分数推移のグラフです(画像をクリックすると拡大します)

平成16年度以降は詳細データも発表されてますので
貼付いたします。

平成16~23年度の犬の引取り状況


平成16~23年度の猫の引取り状況


平成16~23年度の犬猫合計の引取り状況


犬猫とも、ほぼ着実に殺処分数は減ってますが
気になる箇所があります。
それは、殺処分の削減数です。
翌年度が、前年度に比べ、どれくらい殺処分数が減ったかを
計算してみました。
この数値が大きいほど、殺処分ゼロへの時間が早まります。

まず犬について
平成16年度から平成17年度は→前年度に比べ17,271頭減った
平成17年度から平成18年度は→前年度に比べ25,909頭減った
平成18年度から平成19年度は→前年度に比べ14,134頭減った
平成19年度から平成20年度は→前年度に比べ16,092頭減った
平成20年度から平成21年度は→前年度に比べ18,403頭減った
平成21年度から平成22年度は→前年度に比べ12,097頭減った
平成22年度から平成23年度は→前年度に比べ8,358頭減った

猫は
平成16年度から平成17年度は→前年度に比べ12,227匹減った
平成17年度から平成18年度は→前年度に比べ1,671匹増えた!
平成18年度から平成19年度は→前年度に比べ27,613匹減った
平成19年度から平成20年度は→前年度に比べ7,012匹減った
平成20年度から平成21年度は→前年度に比べ27,977匹減った
平成21年度から平成22年度は→前年度に比べ13,042匹減った
平成22年度から平成23年度は→前年度に比べ21,593匹減った

犬については、最新データの平成23年度が
例年に比べ、削減数が少ないことがわかります。
平成17年度から平成22年度までの6年間の平均削減数は
年間約17,400頭ですので、このペースが続くと仮定すれば
平成23年度の殺処分数43,606頭はおよそ2.5年で消化できる数ですから
平成25年度(来月からの年度!)の半分くらいで
ほぼゼロになるペースだったんです。
しかし、平成21年度から削減数が減ってきているのが気になります。
仮に、今後、最新データの8,358頭しか削減できないと
43,606頭がゼロになるまで5年以上かかることになります。
引取り数は徐々に減ってきてますが、返還・譲渡数があまり増えていない
のが気掛かりです。

猫については、なぜかわかりませんが、毎年削減数が大幅に変わります。
平成19年度と平成21年度は、前年に比べ28,000匹近く削減
されてますので、このくらいのペースで処分数の減少が続けば
5年以内くらいにゼロに近づくことができますが
犬と同様で、引取り数は徐々に減ってきてますが、
やはり、返還・譲渡数が増えていないようです。


東日本大震災の被災動物がきっかけで、犬猫たちがおかれている状況は
かなり広く知られるようになりました。
保護犬・保護猫を譲渡してもらうことについても
数年前に比べ、かなりの人に知ってもらえるようになりましたが
まだ、どこで譲渡してもらえるのかわからない。とか
愛護団体はとっつきにくいという声も聞かれます。

私の考えでは、最初は、団体の譲渡会に出かけていただき
保護犬・保護猫は、どんな犬猫たちなのか実際に会ったり
ボランティアの人の話を聞いてみるのがいいと思います。

もちろん、インターネットで、保護犬・保護猫の情報を知って
すぐに申し込むことでも結構ですが、譲渡について
ボランティアさんの考えと合わない場合もあります。
時間がかかるようですが、譲渡会でいろんな人に会い、ご自分と
考え方・好み・センスの近いボランティアさんと知り合いになって、
犬猫のお薦めを聞いてみる。といった方法もあると思います。

ちばわんについては、
現在、篠崎の定例いぬ親会のPRを積極的に進めることになり
下記のようなチラシ&カードをお店などに配付中です。


(クリックで拡大)



ちばわんのいぬ親会ねこ親会(譲渡会)は
入場無料。予約もいりません。(入場受付けは必要です)
いまのところ犬や猫を飼う予定がない方も歓迎します。
ボランティアはいろんな質問にお応えします。
ほぼ毎月、首都圏各地で開催中ですので
犬や猫たちに会いにいらっしゃいませんか。






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ちばわんいぬ親会のおしらせ

第169回ちばわん定例いぬ親会

3月17日(日)12:00~15:00  江戸川河川敷 篠崎緑地にて開催!
参加予定わんこなどの詳細は↑上記バナーをクリック!

第21回湘南いぬ親会

今年最初の湘南いぬ親会
4月7日(日)10:30~14:30 鎌倉海浜公園にて開催!
※雨天の場合は4月14日(日)に順延します。
参加予定わんこなどの詳細は後日湘南いぬ親会ブログで発表されます。

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動物愛護センターで使用する古新聞紙募集のお知らせ

古新聞紙の募集にご協力ください
※お手数ですがチラシの混入のないようにお願いいたします。
※各いぬ親会会場へお持ちください。

※古タオルおよび綿毛布については、ご協力のおかげで十分な量を確保できました。
いったん募集を停止させていただきます。本当にありがとうございました。

*ちばわん問合せ先:gluck_lulu★mail.goo.ne.jp(担当:しろた)
(★を@に変換して下さい)

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スローガン募集のおしらせ



詳細は↑バナーをクリックしてください。

コメント一覧

カプアンパパ
TTレーサーさん
おっしゃるように、犬猫保護活動は転換期にきているのかもしれませんね。
ちばわんの卒業犬猫はついに4,000頭を超えました。いままでは、保護犬猫の存在をお知らせをするだけで譲渡先が増えましたが、これからは、宣伝のしかたや譲渡のしかたを考えないとならないかもしれません。
ARKさんは兵庫県に広大なシェルターを造ろうとしてます。ちばわんはまだシェルターは無理でしょうが、犬猫保護の将来としては検討課題かもしれません。
また、BLOOMさんのように、ペットショップでの購入について、考えてもらうような活動をはじめる人も多くなってきました。
私は、保護犬猫を家族に迎えることが、もっと自然に考えてもらえるよう効果的なPR活動ができないかな、と思います。そのためにボランティアだけでなく、著名人や有名企業とのタイアップなど、これまでとは違った活動が必要になってくるかもしれません。
TTレーサー
昨今、僕が思うこと
犬や猫を取り巻く現状が広く知られるようになり、多くの人がそのことに関心を持つようになりました。
団体や個人も含めボランティアに関わる人も増えました。
そんななか、気のせいかもしれませんが、センターから引き出したあと、新たな家族に譲渡される犬や猫の数は
伸び悩んでいるか、少し減っているような気がします。
考えてみれば、ちばわんでも10年に渡りたくさんの犬や猫を譲渡していて、彼らの寿命や日本の住環境も考慮
し、更に犬や猫が多産であることも ふくめると、センターに入る蛇口を何とかするか、引き出したあとに、
シェルターで保護するなどしないと、譲渡先が飽和状態になってきます。しかも、犬猫は、ペットショップでも
購入できるのです。
殺処分を更に減らすために、保護団体は、これまでの活動に加え、何か別の取り組みに踏み出すことの必要性
を感じる昨今です。
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