カプアン通信

石碑

カプアンの散歩

2021年02月27日 23時39分30秒

2月21日日曜日朝　この日も青山霊園をお散歩しました。
梅の花が満開から散り始めています。

たくさんのメジロが花の蜜を求めて集まってました。
わかりにくいですが上の写真の中央やや左に一羽見えます。

こちらのピンク色の花には、やや大きい鳥が枝に留まり、花を散らせてました。
ムクドリのような鳥でした。

「自殺した天才高校生」の話でお伝えした
藤村操さんのお墓です。
前回来たときはどなたのお墓かわからなかったのですが
どういう方かわかった上で訪れると対面する気持ちが違います。

作家で元東京都知事の猪瀬直樹氏が、藤村少年のことをコラムに書いてました。
「不可解」と書き残して華厳の滝に飛び込んだ、藤村操の自分探し
（cakes　2015年2月13日）

私は「天才高校生」とタイトルに書きましたが、これは16歳という年齢が
現在の高校生に重なるのでそう記しましたが、上記猪瀬氏のコラムにもあるとおり
少し説明がいります。
明治36年当時は、学校制度として旧制中学校（5年制）がありました。
（12歳から16歳まで）
なので、16歳の藤村少年は旧制中学校5年生の年齢ですが
当時、成績優秀な生徒は4年終了時に高等学校の試験が受けられ、
受かると、飛び級で高等学校に入学できました。もちろん藤村少年は飛び級で
旧制高等学校である、第一高等学校の一年生だったのです。

ちなみに、第一高等学の英語教師だった夏目漱石は、
藤村少年の自殺をきっかけに神経衰弱（精神疾患）になったと書きましたが、
漱石は藤村少年が自殺した明治36年1月にロンドン留学から帰国し、
4月から第一高等学校と東京帝国大学の英語講師になったばかりです。

この帰国は、ロンドンで漱石が重度の神経衰弱に陥り
文部省内で「漱石発狂」の噂がたったためです。
帰国してからも、教え子だった藤村少年の自殺で「漱石が殺した」などと噂がたち
神経衰弱がひどくなり
翌年、高浜虚子から精神衰弱治療の一環で創作を勧められ、執筆したのが
「吾輩は猫である」です。

藤村家の墓所の端に石碑が立ってました。
題字は難しい書体ですが、「藤村操君絶命■」だろうと思いました。
最後の一文字は「辞」でした。
「藤村操君絶命辞」
左に、遺書である「巌頭之感」が藤村少年の直筆をそのまま写し
彫ってあります。

明治時代の有名な書でありますが
ご遺族が「遺書」を石碑にするというのはどんな気持ちだったのだろう
と感じ入りました。

青山霊園の一角に不思議な木があります。幹の途中がボールのように膨らんでいます。
これは通常のものなのか、病気なのかわかりません。
ここは、かっての東京市の市長だった後藤新平さんの墓所です。
こちらのページに、後藤新平さんのお話を書きました。

父の墓をお参りするカプアンたち。

近くにある桜の老木。毎回ニオイを嗅ぎます。

近くに五輪マークがはいった石碑を見つけました。
「北島家」と墓石にありましたが、スポーツ選手なのかどういった方かわかりません。
碑をあとで読もうと撮影しましたが、日陰で潰れてしまい読めません。

たぶん前回の東京オリンピックに関連した方ではないかと思い
「1964年東京オリンピック　北島」というキーワードで検索したら
北島義彦さんという1964年東京オリンピック大会招致実行委員長の方がヒットしました。
しかし、本当にこの方のお墓かどうかわかりません。
今度は、「北島義彦墓」で画像検索したら、なんとカプアン通信がヒットしました。

恥ずかしい話ですが、3年前にこのお墓のことを記事にしてました。
「○○に行きたがったアンジェロ」

しかし、この記事が本当なのか、念のため調べることにしました。
お墓の記述が間違っていたら大変失礼です。

3年前、石碑を撮った写真が見つかり、
写真を拡大したり、反転して判読したのが以下の文章です。

北島義彦都議は三十四歳にして都政に参劃し當選五回　特にスポーツ議員としての
活躍著しく再三海外に派遣さる　一九五九年一月オリンピック東京招致の運動の為
中南米を旅行中　病を得　空路帰國　昏睡の儘病舎に到るも施す術なく
一月七日午前四時五十五分言葉もなく没す
其の功天聴に達し正六位勲五等瑞宝章を授與する　享年四十有八

昭和三十四年三月建立

間違いありませんでした。
北島さんは、東京にオリンピックを呼ぶために世界を奔走し
1964年の東京オリンピックが決定する4ヶ月前に胃がんになり急死してしまいます。
北島さんの努力で、中南米の票が大幅に増えて、1964年東京オリンピック開催が
決定的になったと伝えられています。

北島さんは、今回のオリンピックを取り巻く状況を天国からどう見られているでしょうか