カプアン通信

最新!全国動物行政アンケート結果報告

地球生物会議ALIVE発行の資料集
「平成20年度版 全国動物行政アンケート結果報告書」
が発売されました。



この本は、地球生物会議ALIVEが、平成9(1997)年度より毎年
全国の自治体に対して行っているアンケート調査の報告書で
今年で12回目の発表になります。
アンケート対象は108自治体(都道府県、政令指定都市、中核都市、保健所設置市)
で回答率は毎年100%です(!)

私が知る限り、犬猫を取り扱う動物行政について最も詳しい資料集で、
データも信頼がおけるものだと思います。

データの信頼性について一例をあげれば、犬猫の殺処分数について
環境省のサイトでは、犬100,239頭、猫209,532頭と紹介しています
(平成19年度、負傷犬猫殺処分を含む)

ALIVEの平成19年度の報告書では、国の発表よりずっと以前に
犬100,963頭、猫209,494頭と発表しており、
国の発表ともほとんど差のない報告となっています。
(データの誤差は、統計の解釈の違いだと思います)

国の報告はとても遅いため、おそらく国内でもっとも早く(*)
なおかつ詳細な報告書であり、
新聞社、テレビ番組などで犬猫の処分に関する報道を行う場合、
この報告書のデータを紹介するケースがほとんどだと思います。
ちなみに、映画「犬と猫と人間と」で紹介されているデータも
この報告書のものです。

*平成20年度というのは平成21年3月末までの行政の業務のことであり
ALIVEでは、アンケート回収後も、自治体ごとに、集計の仕方の不統一や、
記入漏れなどを確認するために膨大な時間がかかってしまうとのことです。


この報告書を読めば、日本のどの地域で犬猫の引き取りが多いとか
どの自治体が譲渡に努力しているか、なども理解できます。

私は、この報告書を読むうちに、ちばわんと関わりが深い千葉県について、
いくつかの興味深いデータを発見しました。


千葉県は犬猫の一般譲渡数が全国トップクラス

千葉県は、平成20年度、犬の一般譲渡数が1,031頭で
108自治体中全国第1位です!
猫の一般譲渡数は788頭で全国第2位です。

私が所持するALIVEの平成19年度と平成18年度の報告書も調べましたが

平成19年度は、犬の一般譲渡数は879頭で全国第2位。
猫の一般譲渡数は1,022頭で全国第1位でした。

平成18年度は、犬の一般譲渡数は388頭で全国第7位。
猫の一般譲渡数は195頭で全国第5位でした。

千葉県は、近年、犬猫の一般譲渡に努力を続けてきたことがわかります。

一般譲渡とは、動物愛護センターが行っている譲渡会と
ちばわんなど保護ボランティアの引き出しの合計になります。


千葉県は連携している保護団体等の数が全国1位

今回から、犬猫の譲渡にあたり連携している動物保護団体等の数も
調査していますが、千葉県は35と全国一連携数が多いです。

私は、いまでも東京が一番多いと思ってましたので、嬉しい誤算でした。
犬猫の収容数の多い自治体に、多くの保護ボランティアが協力するのは
当然のことだと思います。
しかし、残念なことに全国のおよそ半数の自治体は犬猫の譲渡にあたり
連携している動物保護団体、個人がゼロです。
ちなみに2位は大阪府(23)、3位は東京都(22)でした。


しかし・・・

千葉県は、譲渡に関する努力は全国でもトップクラスだと思いますが、
残念ながら、犬猫の引き取り数、捕獲数も毎年全国トップクラスです。

特に、犬の引き取りは平成20年度、1,838頭で、沖縄県に次いでワースト2位
捕獲は3,348頭で、茨城県に次いでワースト2位です。
このため、犬の殺処分数について千葉県はここ数年ワースト3位になっています。
(この順位は都道府県別のデータのため、千葉市、船橋市、柏市の処分も含みます)

犬の殺処分数ワースト1位は茨城県、2位は沖縄県、4位は福岡県
この4県の順位はここ3年変動がありません。

千葉県の犬の引き取り(処分依頼)のほぼ半数は子犬です。
猫の引き取りはおよそ8割が子猫です!
また、捕獲される犬が多いということは、捨て犬や、迷子犬(捜さない?)が
多いためかもしれません。

いつも多くの保護団体でいわれるように、不要な命をつくらないために
不妊・去勢施術が重要であること、そして
犬猫を迷子にさせない工夫が大切だと思います。


この報告書は、ほとんどのページが細かい表ばかりで地味な内容ですが
後半に、アンケートのまとめとして、データの分析と、さまざまな提言が
なされています。
動物保護に関心をお持ちの方は、動物行政の現状を知るために、
ぜひお手元に備えられてはいかがでしょう。

1冊600円(+送料200円)と高価な本ではありません。
下記のサイトにて郵便振替または現金書留で購入できます。
http://www.alive-net.net/cgi-bin/shop/main.cgi?class=all&word=


※上記データは、但し書きあるもの以外は「千葉県」とは自治体の管轄のことであり
千葉市、船橋市、柏市の施設のデータは含みません。
※今回の記事のデータは、但し書きあるもの以外は、地球生物会議ALIVE発行の
「平成20年度版 全国動物行政アンケート結果報告書」より引用させていただきました。
地球生物会議ALIVEに引用許可をいただきました。





◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎
ちばわん推奨映画

犬猫保護についての長編ドキュメント映画「犬と猫と人間と」をちばわんは推奨しています。
↓下記バナーをクリックすると、オフィシャルサイトにリンクします。
上映映画館情報は、こちらでご確認ください。



◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎
緊急!迷子犬をさがしています。


ふぅ太
2010年1月23日 千葉県松戸市高塚新田より逸走
大きさ13キロ 逸走当時、赤いハーネス&緑色首輪
&ピンクのリュック&白バンダナを装着


バアニ
2009年12月18日 神奈川県大磯町より逸走
大きさ17キロ 逸走当時、黒い首輪を装着


コジロウ(活〈かつ〉)
2009年10月6日 東京都町田市金井町より逸走
大きさ11キロ 逸走当時、赤いハーネス&赤い首輪を装着

どちらのわんこも非常にこわがりで、追うと逃げます。
追わずに、下記迷子ブログ内の連絡先にご一報ください
よろしくお願いいたします。
ちばわん迷子ブログ

◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎
ちばわんいぬ親会のおしらせ

第76回ちばわんいぬ親会


今週末3月21日(日)12:00~15:00  江戸川河川敷 篠崎緑地にて開催!
↑参加わんこなどの詳細は、バナーをクリックしてください。

ちばわん湘南いぬ親会


4月4日(日)10:30~14:30  鎌倉海浜公園にて開催
今回から開催時間が30分延長されます!
↑前回(12月)の様子はバナーをクリックしてください。
◎チャリティフリマに販売する商品のご寄付をお願いしております。
☆犬猫グッズ・洋服(中型犬サイズ大歓迎・新品もしくは状態の良いもの)
☆手作り作品
※おやつなどの食料品はご遠慮ください 3月15日(月)~3月27日(土)必着
ご協力いただける方はかならず『湘南いぬ親会フリマ物資』という件名で
shounan.inuoyakai@gmail.comまでメールをお送りください。
どうぞよろしくお願いいたします。

◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎
ちばわん卒業犬猫のいぬ親さんねこ親さんへ

2011年版「ちばわんカレンダー」犬猫写真募集中
わんちゃんねこちゃんは、申し込みの早い順にカレンダーへ掲載されます。
募集枚数365枚に対して、ちばわんの卒業犬猫は2000頭以上いますので
5倍以上の倍率になります。どうぞお早めのお申し込みをお願いします。
(3月17日現在、残り191枠)
申し込み方法は↓こちら
http://animal-note.cool.ne.jp/chibawan_calender2011boshuu.html
画像の加工が困難な方は、カプアン通信で画像加工をいたします。
詳しくは↓こちら
http://blog.goo.ne.jp/angelopapa/d/20100202

コメント一覧

カプアンパパ
rinicoさん
http://blog.goo.ne.jp/angelopapa/
私も2年前にこの本の存在を知ったときは
嬉しかったです。

雑種の捨て犬を家族にしましたが
犬猫の処分の実態はどうなっているんだろうと
疑問に思ってましたので、とても勉強になりました。

でも、全体の7割くらいは表ばかりの地味な本ですので
データを読み解くには忍耐がいります(笑)。

カプアンパパ
ルルのあ父さん
http://blog.goo.ne.jp/angelopapa/
東京都の犬の一般譲渡数は、3年前は千葉県の倍でしたが
この報告書では、千葉県が東京の倍になってました。
ちばわんをはじめ多くのボランティアのみなさんの努力が大きいと思います。

ちなみに東京の犬の引き取り、捕獲、一般譲渡数などは
ここ数年大きな変化はありません。
おおまかに言うと、引き取りと捕獲の合計が2000頭くらいで、そのうち半分は飼い主に返還されて(つまり、迷子)。残りの1000頭のうち半数強は譲渡されて、半数弱は処分です。
千葉県は収容合計が5500頭くらいですが、そのうち、飼い主に返還される犬は1割ありません。譲渡される犬も収容犬の2割弱です。
とくに子犬の持ち込みが約800頭と東京都の40倍以上ありますので、放し飼いや、不妊・去勢の遅れが原因だと思います。
rinico
早速 購入したいと思います。
ご紹介ありがとうございました。

自分が住んでいる地域の現状はどうなんだろう?と
疑問に思っていたところなので、
とてもタイムリーな情報で嬉しいです。

私も他で紹介させていただきました。
事後報告ですみません。
ルルのあ父
このような
冊子があるんですね。
私が住んでいる東京のはずれの八王子は
移り住んだ20年くらい前には、捨て犬
捨て猫がとても多い地域でしたが
最近は捨て犬や迷い犬を見かけることが
少なくなりました。それだけ意識が高くなったのか
それとも、行政への持ち込みが増えたのか
定かではありませんが、こういう資料を見れば
実態が分かりますね。

譲渡件数が少ないのは、実は引き取りや捕獲がほとんどないから…みたいな日本に一日も早くなるように、微力ながら努力したいと思います。
カプアンパパ
あずきママさん
http://blog.goo.ne.jp/angelopapa/
いつもコメントありがとうございます。
データで見ると、千葉県の犬の一般譲渡は年々すごい勢いで増えています。もちろん、ちばわんなど多くのボランティアの成果が大きいと思います。この勢いなら来年度はワースト3位の汚名は返上できるでしょう。
あとは、引き取りや、捨て犬、迷子犬の数をどうにかしたいですね。
データを見ると、一挙には難しいですが、全国的に犬についてはいい方向に進んでいます。実は、処分問題が深刻なのは、猫の方なんです。こちらは、室内飼いが増えないことには大幅な改善が難しいと思います。
あずきママ
http://sakuransmr.exblog.jp/
カプアンパパさん、一千葉県民といたしまして、譲渡数の多さや、保護団体との連携など、誇れるものがあってうれしいです。(笑

が、引き取り数も上位に入ってるんですよね。最後まで面倒みないとか、避妊などの手術をしないで保護センターに持ち込んでくるなど、不名誉なこともあるんですね。

保護団体の頑張りには頭が下がりますが、少しでも引き取り数が減るようになるといいと思います。
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「カプアンパパの犬話」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事