きのう、犬猫殺処分問題について重要なニュースを見つけました。
なぜか、元のニュースページが削除されたので、
キャッシュページを転記させていただきます。
茨城県のニュース NHK水戸放送局(06月09日 11時01分)
犬の殺処分減少へ静岡県と連携
殺処分される犬が全国的にも多い茨城県は、県内で捕獲されるなどした子犬の一部について、
処分される犬が全国的にも少ない静岡県に提供して、
飼い主を探す取り組みを始めることになりました。
茨城県は、平成25年度の1年間に殺処分された犬が2158頭と、全国で2番目に多くなるなど、
処分される犬の頭数が多い傾向が続いています。
こうした状況を受けて、茨城県は、環境省のモデル事業の認定を受けて、
県内で引き取ったり捕獲したりした子犬を静岡県に提供して、
新しい飼い主を探す取り組みを始めることになりました。
静岡県は、平成25年度に殺処分された犬の頭数が225頭となるなど全国的にも少なく、
子犬の引き取りを希望する人も多いということです。
提供されるのは、生後90日以内の子犬で、
茨城県では、静岡県との間で提供する犬の頭数などについて調整したうえで、
今年度中に提供を始めることにしています。
県生活衛生課では、
「今回の取り組みを一つのモデルにして、将来的にはこうした連携をさらに広げ、
処分される犬を減らしたい」と話しています。
記事のデータに、一部おかしな部分があるので削除されたのかもしませんが
ここに書かれている主題は、重要な意味があります。なぜなら、
一部の愛護団体では長年「犬猫殺処分の地域格差」を問題視してきたからです。
「地域格差」とは何か。具体例をあげて説明します。
平成25年度の「犬・猫の引き取り及び負傷動物等の収容状況」というデータが
環境省のホームページに掲載されています。
動物行政を管轄する全国110自治体(都道府県47、指定都市20、中核市43)
の詳細データです。この中には「殺処分」のデータも載っています。
http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/statistics/dog-cat.html
(真ん中へんにPDFファイルのリンクボタンがあります)
例えば、東京都では平成25年度、飼い主からの子犬の引き取りは4頭でした。
所有者不明の子犬の引き取りは5頭でした。合わせて年間で9頭です。
犬を譲渡して欲しい希望者は
東京都にはおそらく何百人~何千人もいますので
子犬を譲渡して欲しい希望者さんにとってはたいへんな倍率です。
半年待ち、一年待ちという声も聞かれます。
当然、東京都で殺処分される子犬はいません。全頭譲渡されます。
しかし、お隣の埼玉県や千葉県、同じ関東の茨城県などでは
子犬の希望者はたくさんいますが、収容頭数が多過ぎるため譲渡しきれず
毎月、多数の子犬が殺処分されています。
平成25年度に殺処分された子犬は、埼玉県では45頭
茨城県では811頭(!)です。
千葉県は犬の殺処分数のうち子犬が何頭だったかは公表しておりませんが、
犬の収容数と譲渡数などから判断すると相当数処分されている
と考えられます。
また、「譲渡」については自治体ごとのルールがあり
希望者が他県の動物愛護センターから犬猫を譲渡してもらうことは
難しいようです。
(*ちばわんなどボランティア団体は他県の希望者に譲渡しています)
一番わかりやすい子犬の例をご紹介しましたが
成犬でも、猫でも同様の格差が見られます。これが殺処分の地域格差です。
冒頭のニュースは、
いまのままでは殺処分されてしまう茨城県に収容されている子犬を
子犬の殺処分が少ない(希望者が多い)静岡県に「提供」する
ということですから画期的です。
環境省のデータでは、平成25年度に静岡県で殺処分された子犬は
3頭です。
ではここで、実際にどれくらの格差があるのか、データで見ます。
前出の環境省のデータを基にして、私が図表化しました。
データシートの目視確認でデータを拾ってますので
写し間違い、見落としがありましたらご指摘いただければ有り難いです。
まずは、全国自治体別ワースト記録から
このデータは収容中の病死も含まれますので、厳密には「殺処分数」ランキングではありません。
ただし、病死が含まれる割合はかなり低いです。
犬の殺処分は近年かなり減ってきてますが
茨城県が突出しています。
千葉県は数年前まで犬も猫も殺処分数がかなり多く(犬はワースト4位、猫はワースト1位)
4年前にはこんなポスターを作ったことがあります。
平成25年度は、ぎりぎりですが上図のとおり犬の殺処分はワースト10を免れています。
猫についても4年前の半減以上(4年前の約40%)まで減っています。
犬も猫も殺処分が多いのは西日本で、とくに四国と九州が目立ちます。
犬や猫の飼い方に東日本とは違いがあるのかもしれません。
上図は最初「都道府県別」というタイトルをつけました。
全体に都道府県の施設が殺処分が多かったからです。
しかし、一箇所だけ猫の殺処分に「大阪市」が入っています。
「大阪都構想問題」が話題になりましたが
大阪市は特別な自治体なのかもしれません。
続いて、殺処分数が少ない都道府県です。
実際に殺処分されているのに「ベスト」とつけていいのか躊躇しましたが
この地域は、犬や猫を持ち込む人が少ないか
譲渡の努力を惜しまないか、優れたものがあるはずですので
人間の努力に対して「ベスト」とします。
単純比較では、指定都市や中核市のほうが処分数は少ないですが
地域が小さかったり、捕獲などの能力も低いと考えられます。
「ワースト」と比較するためにも、
まずは「都道府県別」のランキング5位まで発表します。
犬の殺処分については神奈川県が、がんばっています。
なんと、飼い主からも、所有者不明も子犬の引き取りは「ゼロ」です。
神奈川県の犬の殺処分が「ゼロ」になったというニュースが話題になりました。
もしかすると、26頭というのは「病死」なのかもしれません。
あと、なぜか犬も猫も、福井、富山、石川の北陸三県の処分数が少ないです。
この地方の方に理由を聞いてみたいです。
長野、山形など山が多い県も少ないですね。
続いて、「指定都市・中核市別」ベスト5です。
猫のデータをご覧ください。なんと全110自治体中唯一、
相模原市の猫の殺処分数が一桁です。
相模原市は大きな地方都市ですので、猫の数も多いはずです。
一桁というのは誇れる数字です。「ゼロ」が目前ですね。
ほかにも、千葉市、川崎市といった首都圏の自治体もがんばっています。
犬については「ゼロ」を達成する自治体が次々生まれそうです。
さて、最初の話に戻りますが、
犬や猫の視点にたてば、自治体の枠をはずして犬猫の収容を考えることは、
犬猫たちは殺処分を免れる可能性が高まるし
希望者は犬や猫を家族にすることができるのでいいことづくめですが、
殺処分「ゼロ」を目指してがんばっている地方の職員さんやボランティアさんが、
血のにじむ努力でやっと殺処分が少なくなったのに
他の自治体から、たくさんの犬猫がやってきたらどう思うでしょう。
東京都はもともと殺処分の多い自治体でしたが
処分数が少なくなったのは、
都の職員さんたちとボランティアさんたちの努力の結果です。
たとえば、ミグノンプランの友森さんのブログなど見ると
ボランティアさんが毎日24時間自分の命を削るようにして
犬猫の命を救っていることが理解できます。
(*もう東京都に収容されるのは乳飲み仔猫と老犬老猫ばかりです)
ちばわんのボランティアさんたちも、
自分の活動を表現することは得意ではないですが
やはり、自分の命を削るようにして毎日犬猫の命を救うため活動している人が大勢います。
本来、環境省なり全国規模の組織が、各地の事情を精査して
効率のいい「殺処分ゼロへの道筋」を検討するべきではと思います。
とはいっても、まずは、茨城県と静岡県のケースが
動物行政の「転換点」となる可能性がありますので
今後を見守りたいです。
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