ビセンテ・アミーゴ 来週はムルシアで・・・

パコ・デ・ルシアが亡くなってからもう10日あまり。
フラメンコ界に駆け抜けた衝撃は大きい。
トマティートもショックで病気になり、コンサートをキャンセルしたそう。
アルへシラスに集結した数知れないアルティスタたち。
みんなパコを愛していたんだからね。

パコを失った悲しみをfacebookのオフィシャルページで語っていたビセンテ。
山間の小さな白い村で生まれた彼の、その幼心にギタリストになりたいという強い希望をもたらしたのはパコだったのだ。
ビセンテがみつけたたった一つの太陽のような存在。
ビセンテは太陽を追いかけてギタリストになった。

パコが太陽ならビセンテは月
パコが金ならビセンテは銀
それほど身にまとったアイレはちがうふたり。
でもその光と影は共鳴し合っていた。
ああ、過去形ではないよね。これからも共鳴し合っていくはず。

ビセンテはパコの不在を嘆いていたから心配だった。
大丈夫かな？パコのいない世界をこれから生きていくビセンテ。
「パコのいない人生を生きる術を学ばなければ・・・」と言っていたビセンテ。
そんな彼が来週3月14日に予定通り、ムルシアのテアトロ・ロメアでコンサートを開くそうだ。
良かった・・・。コンサートが開けるならちょっと安心した。
パコもきっと聴きにくるよ。

ビセンテのフラメンコは深くなる。
悲しみが深ければその分フラメンコも深くなる。
そしてたくさんの人の心を打つ。
人生のすべてをフラメンコは内包しているのだからね。

私もムルシアに飛んでいきたいけれど、そうもいかないから、せめて遠くからコンサートの成功を祈りたい。