大事なこと

　　　　　　　　　　「きのさん　ウイッグ付けてお風呂って入れるんですか」

　　　　　たくさんの患者さまと接したのでたまにこのようなお話しを頂く事があります

　　　　　　　　小さいお子様がいるケースが多いので慎重にお話しを進めていきます



　　　　　　　　　Aさまは市川の本店から４～５００キロ離れた場所にお住まい

　　　　　　　　　３カ月入院して仮退院で家族が待つお家に帰ると言います


　　　　　　３カ月も入院していたので脱毛した状態でにお店にいらっしゃいました

　まだ小さいお子さんがいるAさま離れた場所での入院で誰にも脱毛している姿を見せていないと言います

　　どうりで旦那様も送ってこられてすぐ何も言わずお店を出て行ってしまったのを見て納得しました


　　　　　　　そんな状態での制作依頼　どこのメーカのウイッグも見ていないと言います

　　　　　　　　　　　　ご家族のためにもこれからウィッグが必要なんだ

　　　　　　　　Aさまウイッグをつけて帰り小さいお子様は大喜びで抱きつくはず

　　　　　　　　　　　　　どうしても　いいもの作って差し上げたい


　　　　　　　　　　　　Aさまは入院生活で多分少しお痩せになった様子

　　　　　　　　それを踏まえてとにかくふっくらする形状記憶がしっかりしたパーマ風

　　　　　　　　　　　　　そして少し明るめのウイッグを選びだしました

　　　　　　　　　　　カットも段を細かく入れ今の状態をカバーできるように

　　　　　　　　　　　いつも思うのですがカットしていくうちに表情は変わり

　　　顔色は良くなり　素敵な笑顔が見えた時　自分たちも何とも言えない安堵の気持ちに変わります


　　　　　Aさま　「ウイッグってこんなに自然にできるもんなんですか　信じてよかった・・・」

　　　　　　　　　　　　会計のために戻ってきた旦那さまもずっと壁を眺めていました

　　　　　　　　　　　 Aさま　「どうかな・・」　　旦那様　「すごくいいよ」

　　　　　　　　　　　　　　伏し目がちがら力強い旦那様の言葉が印象的でした



　　　　　　　　 何百キロも離れた市川市で本来なら出あうことのないＡさまとの出合い

　　　　　　　　　 　お店が終わりそしてＡさまのご家族の顔が何となく浮かびます。

　　　　　　　　　　　　「もうお家に着いたころかな・・喜んでもらえたかな」

　　　　　　　　　　　　　　心にに刻まれた制作になりました