8月終わりますね

８月は子供も夏休みがあり　帰省もあり旅行もありあわただしく

自分の住む江戸川区は２５日から学校も始まりやっと通常どうりに戻ってきました


さっそく気合入れねばと病院回りをスタートさせました

やっぱりこれをやらないと始まりませんね


日射しが　写真からも

ヘアエピテーゼは家族　やご本人が抗がん剤による脱毛を経験され　「自分たち何かできないか」

の思いで集まった美容師で作られています

大手メーカーよりきめ細やかな対応が出来るし、品質だって決して負けていません

ただ大きな宣伝広告をする訳ではありませんので病院回りは大事な仕事です

もちろん協会から強制される訳でもなく、

患者さまからの感謝の言葉や笑顔が忘れられないので、定休日を使って回っていきます

今回の病院は３０キロほど離れていますが、たくさんの患者さまがいらしてくれています


半分ほどのパンフレットが無くなっておりました

定位置に置き換えて補充しました



自分の心情としてはいつでも満タンにピシッとしておきたいのです　心意気といううか何処のかつらメーカより
気配りを感じてもらえたらと思います

その意味では　今回ちょっと遅かったかもしれません・・・・

ちょっと反省


Hさまに教わっていた最上階のレストランも時間の関係でいけず残念

Hさま今度行ってみます

さあ　来週はどこ回りましょう　

大丈夫の言葉

お世話になっている患者さまのご紹介で板橋区からいらしてくれた、Nさま

今まで接した患者さまは２００人以上になるかもしれませんが

初めてのケースでした

きの　「はじめまして、U様のご紹介ですね　ありがとうございます」


Nさま　「きのさん　Ｕさんから聞いてます、パンフをたくさんもらったけど、
　　　　　Ｕさんのウイックを見てやっぱり素敵だったので　決めました」

と最初からきのさんと呼んでくれるＮさま　ありがたい限りです

ただ深くかぶった帽子から金色の髪が見えます　明るめがお好きなのでしょうか

ただ金髪のウイックはうちには　もちろんありません

きの　　「もうウイックかぶってます？」


Ｎさま　「いやだ～、違います、もうすぐ抜けるでしょ，髪抜けた時　黒だと目立つし
　　　　　気持ち悪いと思って」

きの　　「えっ　そうだったんですか、でも自分にとっても初めてのケースです」


Ｎさま　「あら、そう　２万円もかかっちゃったわよ　頭皮いたいし」



元気なＮさま　話は弾みます

患者さまとはとにかく話をします・・・ほとんど聞き役ですが・・・・・

ご家族の話なども良くします

Ｎさま　「きのさん聞いてよ・・・　うちの旦那が病気になってナーバスになってる自分に
　　　　　心配すんなよ。今温存とかもあるみたいだし　大丈夫だよって言うの
　　　　　それが何日も続いててそれでも大丈夫、大丈夫って・・・・・・
　　　　　最後は完全にブチ切れて　お前に何わかるんだよ　何が大丈夫なんだよ
　　　　　ホントに分かってんのかよって言ってやったわよ」

きの　　「大丈夫っていう言葉は普通にによく使う言葉です。でも使い方は
　　　　　本当に相手の事を考えたら難しい言葉です
　　　　　たくさんの患者さまから教えていただきました」

Ｎさま　「でしょ、それから旦那葉一切大丈夫って言わなくなったわよ」

その時の状況があり、言葉１つで　元気になれる時もあるし、逆のケースもあるのですね


患者さまからいただくたくさんのメッセージ

そして言葉の大事さ

何百人接しても、言葉の使い方は難しいしです

いつでも言葉は選びます

患者さまと接して　積み重なって行けたらと思います


あれっ　また教わってしまった　　やっぱり感謝です　Ｎさまありがとうございます

沖縄にて

昨日まで沖縄の渡嘉敷島へ行ってきました　



１５分ほど船で離れた無人島のビーチ　純粋で透明なビーチ

海を眺めながらある患者さまを思い出していました

Hさま　と言います

Hさまは抗がん剤が始まるのにどうしても沖縄に行きたくて

先生に反対されたけど　シュノーケリングをガンガンしてきたというのです

そんなHさまとはもちろん初対面でしたが　一回抗がん剤治療をしたので

もう髪は抜けはじめているので　ネットで買ったウイックを切ってほしいとお店にいらっしゃいました

自髪もベリーショートにしてほしいと言います

大量の注文です　正直ちょっと　びっくりしました


まずベリーショートにカット　とにかく気に入ってもらえました

１つめのウイック　普段かぶるようにネットで注文したようです。

「NHKでも紹介された方が作ったかつらだから」とお顔に合わせますが　どうしてもイメージがわかず

ウイックも値段も５万円前後だし、どこかのお店でカットしてもらうように作られたものですが

残念ながら洗練されてないと言ううか、マスコミから取り上げられるような医療用かつら

何が本物なのか　患者さまの事を考えたら　悲しくなります

通販では伝わらない事

人の思いが入ったもの　器でも　工芸品でも　見ただけですぐわかるものです

ネットで雰囲気は分かるのですが　思いまでは感じ取れないものです

うちのお店では　患者さまからお電話が入れば　だいたい電話で雰囲気を聞いて

ウイックをその方に合わせて　前処理しておきます

正直２時間ほどかかる事もあります　このように手を入れるのはオリジナルの発想です

そのおかげでしょうか　まだカット前の段階でもこれはいいウイックだとわかっていただけるようになってきました


実際　エピテーゼのウイックをお見せしました。Hさまはウイックの裏を見ただけで

「あっ　本物だ　こっちにする　ネットで買ったこれはキャンセルする」

そして実際かぶってみて

「やっぱり　全然違うよね」

とにかく即決という感じです


よくよく聞いてみると　Hさまは余命宣告もされていて　もうその期間を過ぎていると言うのです

自分も初めてのケースの患者さまです　どう接したらよいのか・・悩みました　それが顔に出ていたのかもしれません

「沖縄に行くのも先生と喧嘩しちゃったけど行ってよかった」　最近はどんどん決断が速くなって

良いもの　悪いもの　すぐ見わけがつくようになったと言います

これは他の患者さまからもよく聞く言葉です


自分にとって医療用かつらは天職

やればやるほどたくさんのことを教わり　患者さまの思いを毎日聴いております

いろいろな思いがあり　「こんな考えもあるんだ」いつも新鮮で

いつもスタートラインに引き戻してくれます

その度　純粋にいいウイック作りたい　微力だけど支える事が出来れば

思いは日に日に強くなります


今回　Hさまとの出合いは大事な事をいっぱい教えてもらいました

時間を大事にしているHさまが感性で選んでくれた事

人を信じる事は　自分自身を信じる事につながること

少しだけ自信になりました

Hさまが　きのさん「出会えてよかった　ずっと笑顔でいて」

もっともっといつも純粋になって　いつでも素敵な言葉頂けるように　そして笑顔

Hさま　ありがとうございます　大事にします

自分たちのお店「ANGELIQUE」

抗がん剤治療をスタートする患者さまにとってウイックは

今までの生活と変わらないようにするため　脱毛の不安を少しでも取り除きたい・・・・

1つのものですが　患者さまと接していればたくさんの思いをひしひしと感じます

自分たちもその思いを受け止め思いを込めて製作します　


患者さまの中には　どんなお店なのかしらと最初にカットやカラーにいらしてから

実際に自分の髪をカットして　気に行っていただけて製作依頼をお受けする事もあります


実は本八幡という場所は青山に次いで全国で2番目ぐらいに美容室が多い土地なのです

いらした事ある方なら分かると思いますがお店の周りは美容室だらけです

40年前の古い民家を改築した美容室「ANGELIQUE」　本八幡　ではとっても目立っています



春にはバラが咲き

今の時期は葡萄の実がなり

そのたびご新規さまがいらしてくれ「あのバラ素敵だったから一度来てみたかったの」

ありがたいお言葉をいただきます

手をかけ育った草花ですが　そんな環境に恵まれた自分たちは

たくさんのお客さまに囲まれ　毎日仕事をさせてていただいています


たくさんのお客様に支持される美容師でなければ、それ以上にいろいろなスキルを求められる

ウイックの制作はできないといつも考えて仕事をしています

それだけやりがいもありますし　選ばれる仕事です


最初にカットしていただいた方には今まで全員の方に製作依頼をいただいています

ウイックを似合わせてカットする　

多分オーダーするより　大事なことだと思います

大手メーカーさんに規模では負けますが　ウイック作りに規模はあまり関係ないと思います

「これ素敵ね・・・」ウイックも　お店も　人としても

感じていただけるように

ずっと　ずっと　大事にしたい思いです

いつか 実になります

お店の前にあ植えてある葡萄が色ずいてきました

本当に小さな枝だったのに丸3年たってこんなに成長しました



月日のたつのは早いものです

毎日、患者さまと接しています

これから抗がん剤が始まり　ウイックの制作依頼

抗がん剤が終わり　自髪デビューに向けて　ウイックを少し短くする方

自髪デビューの方

自髪デビューも終わり　パーマやカットをする方

その方がおかれた状況があり、その時々自分も患者さまと見つめてきました

よく患者さまともお話しをします

早かったと言う方もいれば　つらかったので長く感じたと言う方もいます

あらためて人それぞれだなと思うし　いつでもしっかり聴くと言う事を忘れないよう

心がけています


病院回りは続けていますが　最近はスタッフもほとんどスタイリストになり

お願いが出来なくなりましたので　少しずつ自分が回っております

先日もお茶の水にある「順天堂大学附属病院」を回ってきました


お隣の病院ももう完成でしょうか　しかし立派です

お店がある本八幡からお茶の水は30分以内

お茶の水はたくさんの病院があります
　

ドラマの「JIN」は　ここが舞台の設定だったそうですだったそうです

患者さまが教えてくれました

自分も見ましたが確かに写っていましたね

いつものように定位置に戻し、補充して来ました

いらしてくれる患者さまも少しずつ増えています

ありがたい事です　やっぱりパンフレットは最初の出会いです

ずっと大事にしていきたいものです

いつか　実がなるように・・・・・

手術の前に

4月ごろウイックをつくっていただいたHさま
少し毛先がパサついてきたと言う事でいらしてくれました

「途中も20歳ぐらいの男の子に素敵な髪ですねって誉められた・・・」
うれしいメールいただいたり印象に残る方です

き　の　　「おひさしぶりです　調子はどうですか」

H様　　　 「髪　体　どっち？・・・ヘアスタイル調子いいわよ
　　　　　　体は　抗がん剤辞めちゃった」

き　の　　「えっ・・・・・・・」

Hさま　ちょっぴり憔悴した表情をした

抗がん剤辞めるって・・・言葉が出ない

体調がすぐれず　術前治療の予定が急きょ今週手術すると言う

いつも元気なＨ様　さすがに少し元気が無い

会話も途切れがちになる・・いつも聞き役の自分だけども・・・

健康な自分とあまりに状況の違いに自分の無力さを感じる

慰める事も出来ない　もちろん共有もできるものでもない

やっぱりただ髪切る人なんだよな・・・・

いつもお世話になっている看護師さんの話になりました

Ｈ様　「先週　看護師さんに　1時間ぐらい話聞いてもらったの
　　　　誰かに聞いてもらいたくて、旦那じゃダメなの　他人に聞いてほしくて」
　　　　水曜手術でしょその前にここにも来なきゃってやってきたの」

今日もホントに他愛のない話をたくさんしました
10年ぶりに前髪作って似合うってお互い喜んだり・・・
Ｈ様　すいませんそんな事ぐらいしかできません・・・

ヘアスタイル前髪を作ったおかげで少し軽くなり全体がよりフィットしました



Ｈ様　「なんかいいみたい　自然でしょ　　ちょっと頑張れる
　　　　　今日来てよかった　手術の傷も癒えて3ヶ月ぐらい経ったらまた来ます」

きの　　「ぜひ来てください　必ず・・・楽しみに待っています」

すっきりしない天気　一瞬の晴れ間　Ｈ様の笑顔がまぶしかった