≪IBAF U-18ワールドカップ≫
【決勝】
日本 ● 2-3 〇 アメリカ
日本、執念も実らず、準優勝!
U-18ワールドカップの決勝に臨んだ我らが高校ジャパン。
未来のメジャーリーガーを揃えたアメリカチームに果敢に挑んだ日本でしたが、
あと一歩のところでアメリカを捕らえられずに惜敗。
悔しい準優勝に終わりました。
決勝の先発はエースを任される松井(桐光学園)。
この日は前の韓国戦とは明らかに違った、
『指にかかったストレート』
『落ちる軌道のいい、空振りの取れるスライダー』
を武器に、
初回から三振の山を築きます。
4回までに8三振。
しっかりと腕を振って投げる球は、
今大会で最もよかったのではないかと思います。
我が家では、
先輩である松井の好投に、
娘がホワイトボードにKマークを書き込みながら大声援を送っていましたが、
日本が熊谷(仙台育英)のタイムリーで待望の先取点を奪った5回ぐらいから、
その松井は徐々にアメリカ打線にとらえ始められました。
やはりポテンシャルの高い選手を揃えたアメリカチーム。
しっかりとしたミートポイントを持った選手が多く、
しかも徐々に低めのボールになるスライダーを見極め始めて、
松井のピッチングを窮屈にさせていきました。
5回裏にゲッツー崩れで同点にしたアメリカは、
6回には2アウトからの連打で逆転。
7回には変わった山岡からも2アウトからタイムリーを放ち3-1.
アメリカの粘り強さが、
日本の投手陣を上回って日本は劣勢に立たされました。
しかし8回。
日本は意地を見せ、
園部(聖光学院)が相手クローザーの150キロの速球をセンターへ打ち返して1点を返して3-2。
望みを最終回につなぎました。
最終回は2死から竹村(浦和学院)が粘って死球で出塁。
すかさず2塁に盗塁を決めて一打同点のお膳立て。
バッターは今大会当たっている吉田(北照)。
しかし吉田のバットは2-2から空を切り、
その瞬間アメリカへの雪辱は成らず、
試合終了となってしまいました。
その瞬間。
森クン(大阪桐蔭)ではありませんでしたが、
涙が出てしまうほど悔しかった。
疑いようのない、
『過去最高の素晴らしいチーム』であっただけに、
勝たせたかった。
その思いが込み上げてきてしまいました。
昨年春夏連覇した時も、
そして今年夏の甲子園で敗れ去った時も涙を流さなかった森クンの涙を見て、
いかに彼らがこの大会に”本気”だったかということが垣間見えました。
昨日の敗因・・・・・??
ありませんよ。
風が日本に向かなかっただけ。
選手は本当によくやったと思います。
監督や首脳陣も、
本当に【JAPAN】のユニフォームを着ているんだという自覚と覚悟、
それを持って戦いに向かってくれていたと思います。
今大会の前、
ワタシは一抹の不安として、
『今大会を派遣している日本代表のメンバーや高野連が、この大会をどう位置付けているのか?』
ということを挙げました。
かつてあったような、
どちらかというと『ご褒美遠征』のような風情のあった甲子園後の【高校日本代表】。
しかし昨年の大会を見ると、
『とてもじゃないが、そんなマインドでこの大会に乗り込んだら、ボロボロにされる』
ということが実感できました。
観客は少なくとも、
『これはマジなガチンコの国際試合なんだ』
ということを、
骨の髄までわからされた気がしました。
これまでアジアでのAAA大会などを数度経験してきた高校ジャパンですが、
負けてしまったとき、首脳陣や高野連関係者から聞こえてきた声を集約すると、
以下の通りでした。
『急ごしらえだったので、チームを作りきる時間がなかった』
『木のバットへの対応が、できなかった』
『甲子園の疲れが、抜け切れていなかった』
『モチベーションが今一つ上がらなかった』
確かにそれらは敗因になってはいました。
しかしながらワタシは、
そういったことを差し引いても、
【高校代表チーム】というものの中で、
納得いく戦いを見ることは稀だと感じていました。
毎年あれだけいい選手を揃えて、
普段の野球の中ではあれだけ鍛えられた高度な野球をやっていながら、
その高いチーム力を見せられないまま『なんとなく』戦っていた高校ジャパンというチームが、
歯がゆくてならなかった。
昨年だって、
藤浪、大谷というここ数年では突き抜けた実力を持つ選手を揃えていながら、
その能力の50%も発揮できていないなあ・・・・
と思って、歯がゆく見ていました。
そして、
正直今年も選出されたメンバーを見た時も、
『やっぱり話題性重視なのかなあ』
と思わないでもありませんでした。
松井、安楽、高橋光・・・・
『話題になった選手が中心だよなあ』
というのが本音。
しかし・・・・。
大会に入ってみてビックリ。
選手達は、
いつもの大会と比較してもその目の輝きが断然違っていました。
『この大会を絶対獲るぞ!』
という気迫に満ちた目が並びました。
ベンチの様子が映ると、
いつもそのあたりの空気を醸し出していました。
実際の戦いでは、
枚数の揃った質の高い投手陣以上に、
攻撃陣の充実に驚きました。
出場するほとんどのの選手が、
見事なまでに木のバットに対応し、
そして、
『相手好投手を崩す時の基本』
である、
センターを中心に打ち返す打撃を徹底。
1~9番まで、
『音に聞こえた(各校の)クリーンアップの選手たち』が、
そんな打撃を徹底している姿が見受けられました。
そして例外なくどの打順でも状況によってバントのサインが出て、
それをきっちり決めきる選手たち。
『今大会は何かが違う』
ということを肌で感じるとともに、
本当にワクワクして大会を見続けました。
ワタシが長年思っていた、
『(ワタシが)世界一だと信じて疑わない日本の高校野球の力を世界に披露する』
ということを、
このチームが成し遂げてくれているように思いました。
『一人一人が勝利への強いモチベーションを持ち、自分にできる最大限の力を試合の中でいかんなく発揮していく』
という、
【本当の意味でのチームワーク】
を持ったチームだという風に映りました。
選手達の意識の高さ、
そして短期間でその雰囲気に持って行った指導陣の質の高さ、
改めて感服しました。
それだけに。。。。
勝たせたかったなあ。
この選手たちが優勝メダルを高々と掲げる姿、
見たかったなあ。
でも・・・
プレーぶりだけでなく、
その試合マナーやたたずまいなども、
『これが日本の高校野球だ』
ということを見せてくれた、
素晴らしい準優勝だったと思います。
あえて言います。
準優勝おめでとう!!
素晴らしいチームでした。
彼らは私たち日本の高校野球ファンの誇り。
そしてやっぱり、
≪日本の高校野球は世界一だと、信じている≫
というワタシの信念は少しも揺らいでいません。
来年以降も、
今年のチームのように誇りを持った、
素晴らしいチームが世界に挑戦していってくれることを、
願ってやみません。
最後に。
泣くな!森クン!
キミはすごかったぞ!!
そのキャプテンシーに、感動しました!!
そして全選手に。
お疲れ様でした。
今度こそ本当に、
ゆっくりと激闘の疲れを癒して、
次の目標に向かっていってください。
安楽くん、高橋光くん。
また来年の甲子園で。。。
これで本当に、
『ご褒美大会』の国体を除いて、
『2013年度の3年生の高校野球』は終わりです。
今年も素晴らしい選手たち、
素晴らしいチームたちに出会えることが出来て、
幸せです。
来年がより良い大会になるよう、
祈っています。