~日刊スポーツより~
デーブ・ヒルトン氏(元プロ野球ヤクルト、阪神内野手)が17日に死去、67歳。死因は不明。
71年に米大リーグのドラフト全体1位でパドレス入り。78年にヤクルトに入団し、当時プロ野球タイ記録のシーズン8本の初回先頭打者本塁打を放って打率3割1分7厘、19本塁打、76打点で日本一に貢献した。
あのヒルトンが、
鬼籍に入ってしまいました。
ヒルトンはヤクルトに希望を運んできた選手。
78年の初優勝時には、
本当に活躍してくれました。
思い出に残っている助っ人選手のひとりです。
70年代後半(昭和50年代といった方がしっくりきますが)、
プロ野球は新時代を迎えていました。
巨人のV9が終わり、
長嶋も引退し、
プロ野球は1強時代から群雄割拠の時代へと変化。
75年にあの弱かった広島がセ・リーグ初優勝。
そして78年には、
セ・リーグの”お荷物球団”であったヤクルトまでもが優勝を飾りました。
プロ野球が新しい時代を迎え、
ますます隆盛を極めていたころです。
ワタシはもともと”アンチ巨人”でしたが、
長嶋のことは大好きという少年。
長嶋が監督を務める巨人にシンパシーは感じつつも、
やはり広島やらヤクルトという清新な球団に強く惹かれるものを感じていました。
『生粋のカープファン』
『生粋のヤクルトファン』
ではないものの、
彼らの優勝には一緒になって熱狂していた思い出もあります。
昭和53年は、
ヤクルトの年でした。
ヤクルトと言えば、
ず~~~~っとセ・リーグのテールエンドを走り続けてたというイメージがありましたが、
52年に広岡監督が就任してから、
なんだか急に『野球らしく』なってきて、
53年は開幕からなんだか『強いなあ・・・・』という感じでしたね。
このヒルトンから始まって、
若松、大杉、マニエルのクリーンアップに、
大矢、角、船田に杉浦、八重樫とかが絡んでたんだっけなあ。。。。。
投手陣はエース松岡に安田、鈴木康二郎、会田かあ。。。。。
懐かしいなあ。。。
確か神宮の1塁側でいっつも金太鼓を鳴らし続けていた名物おじさんがいたのも、
思い出しました。
いしいひさいちの漫画にいつも登場していましたっけ。
広島の初優勝の時もそうでしたが、
ヤクルトのこの初優勝の時も、
まさに『苦節○○年』でしたねえ。
弱い時からチームを見捨てず、
ずっと応援し続けていた人たちが、
たくさんいました。
ヒルトンはこの年に入団して、
とにかく1番やら3番やらで、
打ちまくってくれました。
ヒルトンとマニエルの両外人コンビは、
間違いなく12球団NO1でした。
そういえば広島初優勝の時も、
ホプキンス・シェーンという優良外人コンビがいましたね。
当時は外国人枠は2人でしたので、
『あたりを引くかはずれを引くか』
で本当にチームの命運は左右されていました。
ヒルトンと言えば、
優勝した後の日本シリーズで、
1勝2敗の第4戦で、
9回2死から起死回生の逆転ホームランを打ったシーンが、
今でも蘇ってきます。
相手の阪急のピッチャーは今井雄太郎。
9回2死から代打の伊勢が内野安打で出塁してバッターはヒルトン。
この場面で、
阪急の上田監督はエースの山田をマウンドに送るつもりだったのが、
今井雄ちゃんの『最後まで行けます』の志願で翻意。
そのまま続投を命じ、結局打たれたんでしたね。
この日本シリーズ。
今でも語られるのは、
第7戦のあの大杉のホームランですが、
本当にポイントとなったのはこの第4戦のヒルトンの逆転アーチ、
それしかありません。
ここで息を吹き返したヤクルトが、
第5戦も取って3連覇中の【王者・阪急】に対して大アップセットを果たすのですから、
球史に残る大きな一打でした。
この第4戦にそのまま敗れて1勝3敗になっていたら、
ここからの大逆襲はまずなかったでしょうからね。
ヒルトンの打球が西宮球場のラッキーゾーンに吸い込まれていった瞬間、
ワタシは今でもはっきりと覚えているのですが、
なぜ平日のこの試合を見ていたのか、どこで見ていたのか、
そんなことは全く思い出せません。。。。。
実直に淡々と守備をこなし、
打っては独特のクラウチングスタイルから快打を連発。
そしてかっこいい金髪の野球選手。
ヒルトンは、
ワタシにとって、
憧れの選手でしたね。
その後なぜか阪神に移籍。
(移籍の経緯は、ほとんど知りません)
移籍先の阪神で、
新人の岡田と二塁をめぐって競争させられて、
そのことで確か、
監督のブレイザーがクビになったんでしたっけね。
『岡田を使わなかった』
ってことで。
ヒルトンと岡田をうまく使いこなせば、
阪神の低迷も収まっていたかもしれないのにね。
そんなヒルトンも、
亡くなってしまいましたか。
なんだかまた時代が一つ、
終わった気がします。
ああ、あの頃は・・・・・・・
そんなことを思い起こさせてくれました。
どうぞ安らかに。
あの逆転ホームラン、
忘れません。






