大相撲春場所。
「荒れる春場所」と言われ、
これまで多くの波乱を呼んできたこの大阪場所。
今場所も場所前から、
土俵外の出来事でわさわさしていると思ったら、
2人の横綱も相次いで休場を発表。
残った「一人横綱」の鶴竜もケガが伝えられ、
なんだか「どんな展開になってしまうんだろう」と予想もつかないまま本場所に突入していきました。
先場所も「ひとり横綱」で開幕から10連勝を飾りながら、
後半にリズムを崩すとガタガタに崩れてしまった鶴竜。
見ているファン、いや、解説者もみんな、
なんだか鶴竜を「信用していないなあ」というのがありあり。
そんなワタシとて、
「いつかは負けるんじゃないか」
ということが頭をよぎりっぱなしで、
なかなか信用してみることができませんでした。
しかしその鶴竜。
何番かサーカス相撲のような土俵際での逆転勝ちなどがあったものの、
動き自体は「結構動けているな」という感じの相撲を取っていましたし、
何より先場所と違って「ひとり横綱」ということで精神的に張りつめている感じが見られなかったので、
中日ぐらいからワタシは「ひょっとしたら今場所は、鶴竜がそのまま行くんじゃないか」という目線になりました。
そして今場所は、
中盤、終盤に展開にも恵まれました。
「最も強いのでは?」
と言われていた先場所優勝の栃ノ心や逸ノ城などが、
何やら星をころころと落とす展開になって、
緊張する間もなく星の差が開いていくという展開となりました。
追ってくるのが魁聖では、
やっぱり横綱に対しては”役不足”でしたね。
実力者の大関・高安は初日からの連敗の後は白星を積み重ねましたが、
あろうことが千代丸に敗れて脱落。
鶴竜は落ち着いた相撲を取り切って14日目に優勝を決めました。
千秋楽で取り直しの末高安に敗れた一番はまあ”ご愛敬”として、
この15日間の相撲っぷりは、
十分に【横綱の矜持】を見せてくれたものだったと思います。
立派でした。
娘さんたち、
かわいいですね。
優勝杯を前にしての、
なんともうれしそうな「優しいお父さん」の顔に戻ってのバンザイ三唱。
見ているこっちも、
うれしくなりました。
鶴竜は前回の優勝後、
1年以上にわたって本当に苦しみましたから、
今回は体を万全な状態にして、
しっかり締めなおしたうえで、
今後も土俵上で”横綱の矜持”を見せ続けてほしいと思っています。
昨年来、期待され続けてきた「新世代」の御嶽海、正代、貴景勝、北勝富士、阿武咲の5人衆。
今年に入ってからは軒並み「上位の壁」に跳ね返されていますが、
そういう「若手の壁」になってくれるベテランの横綱・大関を中心としたベテラン力士、
まさに「頼もしい存在」ですね。
彼ら若手は、
その壁を自ら乗り越えてこそ、
「強い大関、横綱」への道が切り開けるのですから、
こういった「健全な大相撲」というものが繰り返されるというのは、
本当にファンにとってはたまらない「大相撲の魅力」ということになります。
そして跳ね返され続けた力士がその壁を乗り越える瞬間を、いつの日か目の当たりにする。。。。
く~~~たまりませんなあ。。
これこそが大相撲の魅力ですね。
先場所や今場所も、
「跳ね返され続けた」栃ノ心が優勝、逸ノ城が覚醒、
そして遠藤が初めての三役をつかみました。
大相撲の面白さは、
その時々の土俵の上だけではありません。
継続して見続けて「力士の成長、出世物語を見る」ドラマのような楽しさです。
そんな相撲が、
また長く続いてくれること、
期待しています。
来場所は3横綱のそろい踏み、
あるのかな?
期待して待つことにしましょう。
今年の「ナニワの春」も面白かったなあ。
いずれにしても、
鶴竜関、優勝おめでとう!!
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