≪第95回全国高校サッカー選手権大会≫
【準々決勝】
東海大仰星(大阪) 1(0-0 1-0)0 東福岡(福岡)
青森山田(青森) 3(1-0 2-1)1 正智深谷(埼玉)
佐野日大(栃木) 2(0-0 2-1)1 駒沢大(東京A)
前橋育英(群馬) 2(1-0 1-0)0 滝川二(兵庫)
全国高校サッカー選手権は、
昨日準々決勝で8校が激突。
4強が出そろいました。
大会前3強と目された、
昨年度優勝の東福岡が東海大仰星に敗れる大波乱。
東福岡は圧倒的にボールを支配して攻め込みましたが、
東海大仰星が引いて守りを固める戦法でゴールを許さず、
ワンチャンスを生かして1-0で大金星を上げました。
華麗なパスを中心とした個人能力の高さと抜群の展開力で、
今大会の中でも光を放っていた東福岡。
しかしながら今大会、
こういった攻撃力の高いチームは、
市立船橋にしても長崎総大付属にしても、
抜群の攻撃力を持ちながら、
相手に徹底的にひかれてゴールを固められ、
そこをこじ開けることができずに敗れ去りました。
野球の野村監督の良く言う『弱者の戦法』とでも言いましょうか。
しかしサッカーという『1点の重みが他の競技より段違いに重い』という競技特性にあっては、
しばしばこういった展開が見られますね。
そこがサッカーの面白さでもありますから、
興味深く今大会を見ています。
そして改めて、
そういった競技にもかかわらず勝ち続けているレアルなど強豪チームの質の高さに、
『すごいことなんだなあ』
と強さを再認識しているところです。
高校サッカーは90分戦いきり決着がつかないとすぐにPK戦になりますから、
そういった意味でも勝ち進んでいくことは至難の業なんですね。
そんな大会にあって、
盤石の強さで勝ち進んでいるのが、
【優勝候補NO1】と目されていた、
U-18高円宮杯のチャンピオンでもある青森山田です。
やや組み合わせに恵まれている面もないとは言えませんが、
それでも3試合で13得点を挙げる攻撃の破壊力は見事。
しかも守備も、
GKを中心に高円宮杯のチャンピオンシップ、広島戦で見せた粘り強さと質の高さがありますから、
盤石ではないでしょうか。
準決勝の相手も、
想定していたのは東福岡だったでしょうが、
上がってきたのは東海大仰星。
東海大仰星はいいチームでしかも勢いに乗ってはいるものの、
青森山田としてはくみしやすい相手と言えるかもしれません。
悲願の初優勝に向けて、
青森山田の前にはっきりとその道は見えています。
東海大仰星としては、
東福岡戦で見せた粘り強い守備をもう一度見せたいところですね。
中1日の対戦ということで、
体力的にはどうでしょうか。
何が起こるかわからないこの高校サッカーで、
2戦連続のジャイアントキリングとなるのでしょうか。
第2試合は北関東勢同士の対戦となりました。
2回戦で優勝候補の市立船橋を破った前橋育英は、
この試合でも乗りに乗る滝川二に対してほぼ完勝といった内容。
今大会、乗っている感じになってきました。
早い寄せが機能しているときは、
市立船橋や滝川二といった強豪に対しても、
自分たち優位に試合を進めることができますね。
やはり潜在能力は高いチームです。
一方この前橋育英と対戦するのは、
まさかの快進撃を続ける佐野日大。
初戦から『守って守ってカウンター』という戦術が徹底。
二回戦でプレミア参入を決めた強豪・米子北に一方的に攻め続けられながら、
守り抜いて相手のオウンゴールを誘い金星を挙げると、
三回戦では終了間際に追いつかれながらPK勝ち、
昨日の準々決勝でも攻められ続けて先制点を取られながら追いつき、
後半のロスタイムに決勝点を挙げて激勝しました。
今大会の”シンデレラチーム”と言えそうな快進撃ですね。
常に相手を『自分たちよりも強い』と思って、
押し込まれても粘り強く守るということが徹底されています。
準決勝は前橋育英との隣県対決となりましたが、
この『守り切る展開』に持ち込みたいところ。
前橋育英がガス欠を起こして三回戦の遠野戦のように間延びしてくると、
一気に佐野日大のカウンターが生きる展開になることも考えられます。
目が離せません。
それにしてもどの競技も、
近年北関東のチームの躍進が顕著ですね。
野球も群馬勢、栃木勢は全国大会で必ずと言っていいほど関東の代表校の中でトップの好成績を残して帰ってきます。
サッカーも千葉、神奈川、埼玉などと比較して大会前の前評判がいいわけではないものの、
今大会でも前橋育英、佐野日大がきっちりと結果を出しました。
近年一気に『スポーツ県』として躍進を遂げている秘訣が、
何かあるのでしょうか?
気になります。
というところで、
土曜日に準決勝、祝日の月曜日に決勝が行われます。
昨年こそ東福岡が優勝しましたが、
ここ10数年のこの大会、
常に『初優勝』の文字が躍るほど混とんとしたトーナメントになっています。
今年の4強に残った各校も、
目指すは『初優勝』。
そう、優勝経験校は1校も残ることができませんでした。
このうち4強も未経験なのが東海大仰星と佐野日大。
このフレッシュな2校が、
近年実績を残し続けて『悲願の初優勝』を狙う青森山田と前橋育英に挑んでいきます。
さて、どんな結末が待っているのでしょうか。
埼玉スタジアムに戦いの舞台を移してから、
行くのが遠すぎて準決勝の観戦には出かけていないワタシですが、
この組み合わせはちょっと興味深いですね。
久しぶりに出かけてみよっかな?