ボストン現地レポート 教育に関連した話題を現地から

アメリカのサマーキャンプ、サマースクールの短期留学専門のコーディネーターが、現地の情報を様々な角度からお届けします。

ボストンでは、卒業式シーズンです

2015年06月18日 | 教育
ボストンでは、新緑のきれいな季節から夏の装いに変わりつつあります。先月から今月にかけては、高校、大学の卒業式シーズンでした。この時期は、ボストン市内や郊外のホテルは満室となります。親御さんだけでなく、グランパやグランマ、親戚のメンバーまでが、アメリカ全国、そして世界各国から卒業式参列のためにボストンにやってくるのです。たまたま、この時期にボーディングスクール見学に急遽いらっしゃることになったご家族は、普段はお手ごろなホテルに、1泊$700でやっとお部屋を確保できたぐらいでした。

中学1年生のときに、メイン州のサマーキャンプに参加し、その後ボーディングスクールへ進学し、先月ボストン大学を卒業した男子生徒さんがいます。今でも、ボストン空港にサマーキャンプ参加のために到着した、12才の彼の表情をよく覚えています。不安な表情は隠せませんでしたが、とても礼儀正しく挨拶をしてくれたのが、印象的でした。そして、その後お母さまと、ボーディングスクール訪問のためにボストンにやって来たときは、ある学校でのインタビューの結果がおもわしくなく、手入れの行き届いた緑の芝生が眩しいグランドの隅で、お母さまとうなだれていたときの表情。日本の有名私立校のNY校を受験するも、自分としてはどうしてもアメリカのボーディングスクールで勉強してみたい、と、お母さまにはなかなか言い出せずに、私に無言で訴えてくれた表情。留学先のボーディングスクールで、後輩や先輩からも慕われて、勉強でもスポーツでも、そして寮長としても周囲から認められて生き生きとしていた表情。その後、大学進学のときは、関係者一同を唖然!とさせてくれてこともありました。もう時効ですが。。(笑)そんな彼が、この7月から社会人です。

彼の卒業式をきっかけに、仕事に追われる毎日を慌しく過ごしてきた日々から、スローダウンすることの大切さに気付きました。

アメリカのサマープログラムへの参加を、何年にもわたり暖めつつ、遂に実行に移されるご家族もいらっしゃいます。そして、サマープログラム参加をきっかけに、ボーディングスクールへの留学を検討される場合は、学校訪問から始まり、卒業までは4年から5年の歳月となります。このような長い歳月の間には、様々なことが起きて当然と言えるでしょう。ご家庭の事情が急変することもあります。
ついつい、時間が経つのがあっと言う間、と感じてしまいますが、スローダウンして振り返ってみれば、実に様々なことがあり、楽しいことばかりでなく試練もあり、現地でサポートをしてきたコーディネーターとしても、反省すべき点、考え続けなければいけないことがあるのです。

来週、この夏、サマーキャンプに参加する子供たちの第1陣が、ボストンに到着します。今年で子供たちをボストンでお迎えするのは、19年目となりますが、何年も経験していても、子供たちが到着する日の前日から、とても緊張します。何も無く順調に子供たちが現地に到着してくれることは、決して偶然に起きることでなく、関係者一同のティームワークあってこそであり、一方で回避不可能なハプニングも付き物である、ということを、長年の経験から学んでいるからです。

この仕事をしていて、一番心がけることは、日々の仕事をただこなしてはいけない、ということです。大事な大事なお子さんを、地球の反対側まで送って下さる親御さんのお気持を尊重し、ひとつひとつ丁寧に仕事をすることです。

2月末から3月にかけての日本滞在は、九州大学法学部が新しくスタートされたバイリンガルプログラムに関しての勉強会参加に始まり、東京では3回、宇都宮では1回説明会を開催いたしました。早稲田アカデミーIBSの松井先生、キャタル塾長の林先生、池田学習塾の池田先生には、大変お世話になりました。また、東京の国際文化会館での説明会では、元キャンパーであり、高校留学を経てアメリカの大学を卒業後、すっかり頼もしい社会人になっている方に、今年も引き続きお手伝いしてもらいました。彼女は、この秋からスペインで仕事をするそうです。
そして、元キャンパーのお二人のお子さんを持つファミリーにも、説明会にゲストとしてご参加いただき、現在ボーディングスクールに留学中の息子さん、来年から留学を予定していっしゃるお嬢さんには、スピーチもしていただきました。自分の言葉で自分ならではの体験談を語ってくれて、感動的でした。本当に皆さんのおかげで、実り多き日本の滞在となりました。

ついつい仕事に追われて、気持が急くときは、スローダウンを心がけて、これからも丁寧に、自分で納得できる仕事を、コーディネーションを日本の皆さんに提供していけるよう、努力したいと思います。



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