今月もSPIDER-MANの次はUncanny X-MEN (“UX”)の番。Uncanny X-MEN 643(21)、644(22)号をレビュー。
筋書をMatthew Rosenberg、画をSalvator Larroca 、644号途中6ページをDavid Messina、彩色をGuru-eFXが担当。添付画像はWhilce Portacioが描く644号の表紙。643号の表紙も十分良かったのだが、気分で644号のものを選んだ。
いつものように粗筋。Emmaはかつての敵CortezやMr. Sinisterの助力を得て、そのテレパシーを増幅、全世界の人類からミュータントの記憶を消し去る。敵方、政府組織O.N.E.を率いるCallahanは一枚上手、敵対するミュータントを根絶やしにしようと試みる。
今回はLarrocaの画に圧唐ウれた。前からずば抜けて上手いなと思ってたけど、彼の画力は衰えることをしらない。ばかりかまだ成長しているんじゃないかな。644号の最終ページもカッチョ良いのだが、一番のお気に入りは、Jeanとの再会を喜びキスをするCYCLOPSと、彼等を嫉妬するEmmaの図。これ素晴らしい。このページの原画欲しい。
一方、Messinaは申し訳ないが、Uncannyを担当する程の力がまだない。6ページ分は、Larrocaの時間がなかったのか、若い人にチャンスを提供したのかわからないけど。
UX 643号ではそれ程気に入った台詞はない。644号には好きな台詞が結構ある。CYCLOPSの台詞。”I never learned what I’m supposed to do when the war ends.” もう一つ、彼はX-MENの面々をsoldierと呼び、Daniはbrothers and sistersと呼ぶという台詞もある。これは、CYCLOPSがCYCLOPSであるraison d’etreだ。読者にわかるが、Daniにわからない。彼の信条が、最終ページまで活きているね。
だから、全世界からミュータントの存在が忘れ去られる選択肢を自ら破壊したCYCLOPSは、当然の帰結だ。彼の命が一番大切であるEmmaの優先順位と違って当然。
悪魔になっちゃったIllyanaとか、そいつに命を奪われたと思われるJaggernaughtとか、自己犠牲でSentinelを破壊したHavokとかの今後は気になるが、なんせ一旦全てチャラになるみたいだからな。(この原稿を書いている時点で、House of X、Powers of Xを読んでいないので、本当のところはわからん。)
最後に忽然と消えたX-MENの面々が現れた瞬間はそれで良かったが、一旦終わらせるために唐突だったな。しかし、Emmaの嫉妬のシーン(前述の)を演出するには必要だったね。
Rosenbergの話は最後まで面白かった。勿体ないな彼がX-MENをもう担当しないなんて。先月も書いたけど、X-MENの次号が待ち遠しいなんて本当に久し振りの気持ちだ。
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