チュラ大文学部Intensive Thai講座における課外活動の一環として、土曜日に行われた日帰り小旅行に参加してきた。凡そIntensive Thaiは、90時間の授業と10時間の課外活動から構成される。このうち課外活動は、タイの文化に触れながら、生徒同士あるいは先生との親交を深めることを目的としており、期間中計3回の催しが組まれている。参加は強制ではないが、単位認定に必要な総出席時間80時間にはカウントされるので、何らかの理由で授業を4日休む生徒は、全ての課外活動に参加しなくてはいけない。高い授業料を払っていることもあるが、とにかく面白い企画が多いので、私は今まで一度も欠席したことはない。受講中のレベル4では、小旅行の他に、ソンクラーン(タイ正月)パーティーと「タイ語で話そう」という二つの企画が用意されている。過去には、料理教室、タイ舞踊講習会、クイズ大会、歌謡コンテストなどがあった。スコールに見舞われると困るので、小旅行は寒季と暑季限定のイベントとなっている。
今回の小旅行では、レベル4から7までの生徒が、2台の観光バスに分乗して、バンコクの西北、チャオプラヤー川に浮かぶクレット島(ノンタブリー県)を目指した。タイ語では「島」という単語を使っているが、蛇行するチャオプラヤー川を短絡させた際にできた3.5㎢の中洲である。クルマが入ることはできないので、渡し船で川を渡り、寺院見学、陶芸体験、マーケット散策、食事を楽しんだ。どれも興味深かったが、オヤツにタイのお茶漬「カーオチェー」を初めて食べたことが、自分的には印象深い。
カーオチェーをお茶漬けと表記したが、日本のように、熱い緑茶や焙じ茶、出汁、白湯をかけるのではなく、冷たい水を注ぎ、氷を乗せる。冷たい食べ物なので、暑気払いにはもってこいだ。ご飯はバタフライピーで鮮やかに色付けされていた。一方、付け合わせは複数あり、この店では、豆を甘く炊いたもの、小さな厚揚げを含め煮にしたもの、味を付けた豚肉を解したもの、大根の煮付け、乾燥ネギ、の5種が小鉢で添えられていた。ネギ以外は、どれも濃いめの味付けなので、水漬けのご飯とよく合う。日本と異なるのは、ご飯と具を一緒にしないことと、箸ではなくレンゲを使うことである。先生によれば、味が混ざるので、別々に食べるのが基本だと言う。ご飯の上に具を乗せて、熱いお茶をかける日本との違いは面白い。
広大な海を越えた4600km彼方の地に、同じような文化を見つけて、私はほっこり嬉しくなった。