shige's diary

気ままな日記です。

うれしかったこと

2008年11月30日 22時56分33秒 | その他
早いもので今日で11月も終わり。今年も残り1ヶ月となってしまいました。誕生日を前に、今朝、うれしいことがあったので思わず書いてしまいます。
今日は、昨晩の荒れ模様から一転して雨上がりの気分のいい日でした。でも、こんな日に限って、朝から自治会の公園掃除があって、自分の庭の冬支度が中々はかどらないというのに、午前中が終わってしまいます。

【気を取り直して・・・、庭作業】
去年のガーデンシクラメンは夏越しできたものの、蕾が付いてこないので、新たに買った開花株を植えつけてみました。

庭の片隅では、冬咲きクレマティスが冷気を歓迎するかのように開いてきています。

ガーデンシクラメンガーデンシクラメンガーデンシクラメン ガーデンシクラメン 冬咲きクレマティス

今年はまとまった雨が多くて、根腐れが心配なバラの鉢植えを思い切って二階のベランダに移動しました。
ベランダ貧弱な挿し木苗を中心に室外機カバーの上に並べてみました。

①コンテス・ドゥ・セーラ(Comtesse du Cayla)
②ルイ・フィリップ(Louis Philippe)
③ブラックティ(Black Tea)
④マリーパヴィエ(Marie Parvie)
⑤クレメンティナ・カーボネリ Clementina Carbonieri)

庭のあちこちに鉢を並べるよりも、こうして一箇所に集中させたほうが管理しやすそうす。

南向きのベランダはさえぎるものがなく、一日中、太陽を浴びることができます。
土の表面がすぐに乾いてくれるのは、洗濯物と同じで気持ちいいものですね。

【うれかったこと・・・】
体脂肪計一時期20%を超えていた体脂肪率が念願の15%を切ってくれました!。内臓脂肪レベルも目標の7(標準)です。

夏前(6月)から、一日、1万歩と寝る前の腹筋50回と週末の「wii- fit」を続けてきましたが、半年間のダイエット目標が計画通りに達成できたことになります。

食事の量を減らさずに運動だけで体を絞りこむ計画で、体脂肪率と内臓脂肪レベルに注目していました。
体内年齢(21歳!)は、身長181cmの場合の基礎代謝は1,803kcalですから、根拠が不明ですね。
ちなみにBMI=20.8kg/m2(-5.5%)も痩せることが目的ではないので意味がないです。

ただ、この目標のために、朝の通勤でバスを使わずに駅まで歩くようにしてきましたが、
ここ数日の冷えこみで、挫折しそうになっています。

地おろし完了!

2008年11月29日 22時51分28秒 | バラ関係
寒空の中、先日庭に掘った穴に鉢植えのバラを植えつけました。
穴の底に牛糞とコガネ対策のカルホスを混ぜ込み、赤玉土と腐葉土にパミスを適当に混ぜた土で、あらかじめ選んでおいた株を鉢から抜いて埋め込んでいきます。
今回植えたのは・・・

【パットオースチン】
是非とも玄関先でアンブーリンとのコラボってもらいたいので、外すことはできません。既にうちには2鉢あって、年がら年中咲いてくれる国産台木は温存し、あまり咲かないほうの輸入台木のほうを下ろすことにしました。
パットオースチン


【マサコ】
春の開花以降、沈黙してしまうことがあってどうするか迷いましたが、こちらも2株あるので、冬の剪定ミスで枝が1本だけになった方を選びました。樹形がスタンダードのようです。

マサコ
【もう一つは・・】
候補1:イングリッシュガーデン
この時期になっても、春から繰り返し咲き続るイングリッシュガーデン、今日もいつもの花容で咲いています。すくっと上向きに開ききる花は、花びらがぎっしり詰まって、薄黄色からアプリコットの複雑なグラデーション。最後は重みで黄色く褪色しながらうな垂れていきます。
この品種を大株にすると見ごたえがありそうですが・・・。
この場所には既にゴールデンシャワーズとエメヴィヴェールがあって、色目が合わないのと、棘がきつくて横張りが激しいと大変なことになりそうです。
english garden english garden english garden
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【パディータ】
一方、育て初めて4年目のパディータ(Perdita 1983年)は、ソフトピンクからアプリコットピンクの花が可憐な品種です。思いと裏腹に、去年あたりから花数が少なくなってしまい、ずっと地植えにするか迷っていましたが、今回、起死回生を気してもらうことにしました。
バラ園では大株に育っていることもあって、本来は頑丈な品種のはずなのですが、トゲが少なくしなやかでな枝ぶりは、花壇に合いそうな樹形です。
パディータ パディータ
一つだけ小さな花を付けていますが、そのまま穴に納めました。
いかにも貧相な樹形で、大株になったクリスマスローズよりも華奢に見えます。
思えば、根もさほど張っておらず、大苗とはいえないぐらいのサイズです。

これが見納めになるかも^^

何はともあれ、腐葉土でマルチングをして植え付け完了です。

ジャズピアノの楽譜

2008年11月24日 22時26分15秒 | JAZZ
娘の初めてのピアノコンクールを、夫婦の祖父母一同が観戦しました。
妻の一家はエレクトーンやピアノに慣れ親しんでいますが、私はといえば、何を隠そう、中学以来、音楽の授業から離れてしまって、クラシックには楽しさを見つけることはできないものと決めつけていました。

<><>

結果は・・・、

ちょっと練習不足(汗)
バッハのメヌエットに詰まりながらも何とか一通りの演奏を終え、ホッとしましたが、他の子のレベルの高さは驚くべきものがあります。


ちょうど座席の前が審査員席で、真剣になにやらチェックしていましたが、普段、JAZZばかり聴いている耳には、きっちりと譜面どおりに弾いているのが新鮮で、子供たちの真剣な緊張感を関心しながらも見守るのみでした。

改めてクラシックピアノが「ピアノを弾く」ということの基本であることを認識させられました。

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でも、クラッシクピアノと普段聞いているジャズピアノはどこが違うんでしょう。

【たとえば、】
バド・パウエル(Bud Powell、1924/9/27~1966/7/3)の『The Scene Changes/ザ・シーン・チェンジズ(1958)』

Bud Powell(p)、Paul Chambers(b)、Art Taylor(ds)
記事の最後にYouTubeを貼り付けてます。

冒頭の『クレオパトラの夢』は、昔、村上龍のトーク番組『Ryu's Bar』やビール会社のコマーシャルに使われる等、JAZZの名曲の一つに数えられることが多いですね。
アルバム・ジャケットの後に写っている男の子は彼の息子さんです。

車を運転中にFMラジオからこの曲が流れてきて、私が鼻歌交じりに聴いていると・・・・、

娘から「こんなのは右手だけで弾けてしまうよ。」と馬鹿にされてしまいました。

【じゃぁ、左手は遊んでるの?】
頭が混乱しそうですが、この曲の右手のメロディを左手が半拍早く「食っている」のだそうです。食うっていうのは、「次の小節の頭のタイミングが、前の小節の4拍目の裏にタイ(スラー記号)でつながってせり出している。強拍より前にアクセントが来ている」ということらしいです。
わかったような、わからないような・・・

ところで、バドパウエルの父もピアニストで、6歳の頃からピアノを習いはじめ、13歳になってジャズに興味を持つようになったそうです。
8年間、ピアノを習い続けると、どのレベルまで弾けるようになるのか、ピアノを習ったことのない私には未知の世界ですが、セロニアス・モンクの影響を強く受け、ハードバップ全盛時代を開拓した天才の素養は父親にあったようです。

昔、私がジャズピアノに興味を持って、教則本を前にしたときに、何がわからないのかわからない状況に陥り、それ以降、手を出していませんでしたが、やはり、ピアノの素養は幼い頃にクラッシクを学んでおくのが近道なんでしょうね。


話を戻して、1958年といえばパウエルが34歳の頃、麻薬やアルコール中毒で精神が蝕ばまれていた中で生みだしたのが『クレオパトラの夢』です。それまでのとっつきにくかった演奏が、人間的な温かみを取り戻したことが、逆に支持を受けます。
この後、'59年にパリに渡り、クラブ『ブルーノート』を拠点に良好な環境と好意的な聴衆に支えられますが、'64年にニューヨークに戻る途中で死去、体を蝕む肺結核と栄養失調には勝てなかったようです。

【スイングするということ】
よく音符を見た瞬間に鍵盤が押せる、いわゆる初見ができる人がいますが、ジャズのスイング感は、鍵盤に向かうときの呼吸のとり方から、メロデイフェイクやアドリブまで、全てのテクニックがスイングするためのオリジナリティに溢れ、自由奔放に表現されます。
単にジャズのコードを覚えて、アフタービートのジャズ風にアレンジされた楽譜が弾けるようになったとしても、ジャズピアノが弾けたとはいえません。
楽譜に無い部分を弾いてこそ、ジャズピアノだといわれますが、バドパウエルの楽譜に無い部分の哀愁(ぎこちなさ^^)のようなものが、スイング感として伝わるのでしょうか。

最近、大人向けのジャズピアノの入門書が出ていますが、時間があったらもう一度、チャレンジしてみたいですね。




ヴィーナスはいつ咲く?

2008年11月22日 21時55分21秒 | 庭あそび

先週、バラのために庭に穴を掘っていると、クリスマスローズのこぼれ種が発芽していました。
このチビ苗が何時ごろ咲くのかわかりませんが、思いがけない芽吹きは、冬枯れに向かう気分を癒し和ませてくれます。

クスマスローズ

ラン科やキンポウゲ科は、理想の花を目指して交配する楽しみがあるといわれますが、最近は色合いが華やかになってきたばかりでなく、香りのある原種もあるそうです。

交配ってことは、雌株と雄株で・・・♪

うちにあるクリスマスローズは、10年程前に3号ビニールポットから、育て方も分からないまま地植えにして、大株に育った赤っぽいオリエンタス系と、バレンタイングリーンという株と、鉢植えの濃い赤スポットの3種のみです。
白い花を咲かせていた株はいつの間にか消えてしまいました。


当たり前ですが、香りのあるダブルの花が欲しいと思っても、香りつきとダブルの親株がないと交配のしようが無いことになります。

       

そして週末・・・、
性懲りもなく(笑)、ホームセンターの園芸コーナーを覗いてみました。
原種やメリクリン苗等、種類がたくさんあって迷いましたが、お手ごろな価格で「ヴィーナス交配苗」というのが並んでたので買ってみました。

ラベルの花は左が受粉親で右が花粉親です。一つだけ写真のないものがあり、ピコティDN+ダブルピコティとありますが、DNとは、ダークネクタィの略だそうです。

写真で見る限り、可憐なフリフリの白花の佇まいだったり、深窓の令嬢のような真っ赤な気品を漂わせていたり、妖艶なビロードのような黒ドレスをまとっていたり…。

さぞかしこの両親から生まれたのであれば品行方正、才色兼備なお子様なのだろうと、期待が膨らみます。

持ち帰ってから、よく説明書きを読んでみると「翌春開花期待株」とあり、これはどうも再来年の2月ごろまで待たないと咲かないこともあるようです。

どうも、ラベルの表情が確認できるのはまだ当分先のようです。

さらに調べてみると、希少品種を固定するのは難しくて、同じ親株同士を交配しても、生まれてくる子供は千差万別で、本当に気に入る花は少ないそうです(笑)。

咲いた花が気に入らない場合、次の交配で隔世遺伝で先祖がえりすることもあるか・・・・^^;


秋といえば穴掘り♪

2008年11月16日 20時29分25秒 | バラ関係
昨日はバラを地植えにしようと庭のあちこちに穴を掘っていたんですが、昨晩からの雨で水溜りになってしまいました。
「せっかく掘ったのに」とぶつくさ言いながら振り返ると、秋のエブリンが本来の姿で咲いていました。

【思わずアップで・・・】
エブリン エブリン エブリン
【穴堀りあと】

ここは玄関先のエゴノキの株元で、道路からも良く目立つところです。階段脇にはアン・ブーリンとコーネリア、フェンスよりのノウゼンカズラの株元にゴールデンシャワーズとエメビベールが植わっています。

思えばアンブーリン以外はポツリポツリとしか咲いてくれず、ゴールデンシャワーズはカイガラムシの餌食になっています。

今回は、2株ほど地植えにする予定ですが、候補としてパットオースチンは当確なんですが、もう一株を何にするか迷っています。

当初予定していたシャリファアスマは樹勢を落としているし・・、チャールズレニーマッキントッシュやエグラティンマサコだとピンク系ばかりになるので、ホワイト系がよさそうなんですが、
ソンブロイユはトゲがきつすぎて伸びた時に手に負えなくなりそうだし、パディータでは役不足か・・・。


【秋バラ】
アンブーリン アンブーリン アンブーリン アンブーリン
地植えにして大正解のアンブーリンは花数が多くて、まだまだ咲いてくれそうです。
パットオースチンレディヒリンドンアリスタステラグレイパディータ
パットオースチンレディヒリンドンアリスタステラグレイパディータ
インスペクターブルームパットオースチンフォルムイングリッシュガーデン
インスペクターブルームパットオースチンフォルムイングリッシュガーデン

音燈華(おんとうげ)

2008年11月13日 00時55分12秒 | アート
肌寒い季節になりましたが、今年は昼夜の寒暖の差が激しく紅葉も例年より美しいそうです。
奈良でも気温の低下と反比例して、つい先日まで美しい緑だった落葉樹が、それぞれの個性で暖色系に染まっていきます。
もう先々週のことですが、女子大の学際に行ってきました。

なにをしに?、いや、その・・・、見学に・・・、
学際 学際 学際

なんの?(汗)、いや、その、娘が理学部の「サイエンスラボ」という科学実験をしてみたいと言い出したので、付き合ってきました。
スーパーボール作りや簡易カイロ作り等‥、退屈な私はJAZZライブで時間をつぶし、一通り実験を終えてご満悦の娘らと駅に向かって帰ろうとすると・・


「奈良市民のくせに正倉院展を見たことが無いなんて」と、京都人の妻がどうしても見たいと言うので、夕暮れ迫る中、渋々、奈良国立博物館で開催されている『正倉院展』に付き合いました。

正倉院展 正倉院展

前の週はチャールズ皇太子殿下が訪れていて、妻もカミラ夫人をみかけたとか・・・
午後17時からのオータムチケットは割安でしたが、何でこんなに人がいるのか不思議に思いながら、長蛇の列にまぎれ込みます。

正倉院展 正倉院展 guitar&strings
正倉院展 正倉院展
それでも押し合いへし合いで、前評判の高かった『平螺でん背八角鏡』『白瑠璃碗(ガラスのコップ)』などに、息を飲んで見とれている人の群の透き間から覗いてまわります。
お経のような書物から当時の皇族の装飾品や日用品の数々、歴史を学ぶ謙虚さがあれば、当時の宝物を保存する為の知恵が、幾世紀もの時代を経て、時の流れを封じ込め、時空を超えたような感動が蘇ってくるもの。
ただ、私にとっては、そこにあるものが何者かちんぷんかんなのが苦しいところ・・・(汗)
足早に目録・土産物コーナー横の椅子に腰掛けて、妻と娘が戻ってくるまで、1時間近く待たされ、最後は人ごみにふらふらになりながら、外に出ると野外コンサートが催されていました。

「音燈華」"おんとうげ"と読むらしいです。

開演  19時00分~
出演  11月1日 Jusqu'a Grand-pere、mama!milk
     11月2日 Jusqu'a Grand-pere、あらいなおこ、井川由美子
     11月3日 Jusqu'a Grand-pere、月下美人
会場  奈良国立博物館 新館前
主催  奈良国立博物館、読売新聞大阪本社
協力  奈良経営振興倶楽部、日本香堂

この時間まで、人が多かった訳がわかりました。
博物館の周りの池が鉄製の灯篭でライトアップされ、生のヴァイオリンとギターが掛け合う音色が奈良公園に響き渡るのを聴きながら、思わず寒さで風邪をひきそうになりました。

真夜中の五分前

2008年11月10日 00時25分58秒 | バラ関係
真夜中の5分前(Five minutes to tomorrow)
メールチェックとブログ更新はいつもこの時間帯になります。
先週の画像を整理してみましたが、時間があまりとれないので手抜き編集で・・・。
サフラン  レディヒリドン  ピラカンサ他 ザ・プリンス、キャリエール他  冬咲きクレマティス

■玄関先のプランターに植えた(置いてあった^^)サフランが咲いてきました。
球根からいきなり伸び出した花茎にブルーの花が開きます。
よく見ると、花弁の間からオレンジの舌を出したような雌蕊が覗いて怪獣の顔のようです。
■冷たい雨の中で、ティーローズのレディヒリンドンが咲いています。
紅茶の香りがうれしいですね。
■ピラカンサが色づき、冬咲きのクレマティスやクリスマスローズが元気になってきました。
■バラはぽつりぽつりと咲いています。秋バラは色濃く本来の姿を長く楽しめますが、
こう寒いと蕾が萎縮してしまいそうです。

『ドービニーの庭』から消えた猫

2008年11月08日 13時38分18秒 | アート
ここに二つの絵があります。
<> <><> <>いずれもゴッホの「ドービニーの庭」ですが、どちらが本物かわかりますか?。
ゴッホといえば、あまりにも情熱的で悲劇的な生涯が有名ですが、特にこの作品は彼の絶筆として、自殺を暗示しているとも言われています。
でも、左クリックで画像を拡大してみても、とても死の2週間前に描かれた絵とは思えないですね。

実際、椅子に腰掛けて眺めていると、オーヴェル=シュル=オワーズのシャルル・フランソワ・ドービニーの未亡人のバラ園の緑がとても魅力的に輝き、どこまでも明るく清澄な色彩で、バラの香りが漂ってきそうです。

答えは両方とも本物です。
実はゴッホは同じ絵を二枚描いていて、上が日本の「ひろしま美術館」に所蔵されているもの、下はスイスのバーゼル市立美術館に収蔵されているものです。バーゼルといえばその筋の方にとってはある種の思い入れのある地名ですね(これは余談)。

では二つの絵を見比べてみて、上の絵と下の絵で描かれている物が違っているんですがわかりますか?。

絵の左の下のあたり、
バーゼル作品には庭を左から右に横切る黒猫が描かれているのに、ひろしま作品には、黒猫が登場しないのです。
この作品は、かねてよりドイツのマスコミを中心として、その真贋をめぐり論争が繰り返されてきました。ひろしま作品の構図が当時の遠近法からさらに整理されていることから、オリジナルを模写したものと考えられています。
さらに元々描かれていた黒猫が、後から塗りつぶされた痕跡があり、この絵を評価するうえで重要な焦点となっています。

30倍楽しむ まるごとひろしま美術館 (11月30日まで)
訪れたのは11月3日の無料公開日で、この記事は先週アップする予定だったんですが、色々調べていくと深みにはまってしまいました。
秋の夜長にはちょうど良かったかも(笑)。
あまりに長くなったので興味のある方は読んでみてください。
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>【続きを読む】

<
ひろしま美術館の今回の特別展は全部で30のエピソードから構成されていますが、このゴッホの「ドービニーの庭」にまつわる30のミステリーは、所蔵館の威信に賭けて、今までの真贋をめぐる論点と科学的な分析結果を徹底研究した成果を解りやすく解説しています。
例えば、使われている絵の具やタッチを顕微鏡撮影し、カンヴァスサイズ、修復暦、描かれている人物、庭の実景や模型との比較、そして、消された黒猫・・・

絵と心理をつなぐヒント
注目したいのは、ゴッホ自身が書簡で、「一番やりたかった絵のひとつだ。」と書いている『ドービニーの庭』の制作時期は1890年7月10日頃から23日頃であること。
この絵は、ゴッホの自殺を決定付けたと言われるパリでのテオとのいさかいの後に描かれています。
わずか十数年の活動で約2000点の作品を遺し、37歳の生涯で、たった一枚しか絵が売れなかったゴッホ。そんなゴッホを心から理解し、援助し続けたこの人たちへの負い目、ストレス、まったくお金にならない創作。真剣に取り組むほどに爽鬱を繰り返し、自立できることを渇望しつつも、人付き合いの下手なゴッホは、1886年3月、弟・テオのアパートに同居し、兄が起こす奇抜な行動やいざこざにテオが謝って回るという生活が続きます。
境界性人格障害やうつ病、統合失調症などの疾患は、常に自殺願望がつきまとうそうですが、何かのきっかけで鬱の発作がひどくなると、それは顕著になってきます。そして正常なときには、冷静にそんな自分を見つめるもうひとりの自分がいる・・・、その書簡を読んでも、理知的で、非常に優れた感性の持ち主です。


そして発作的な自殺 
死後、ゴッホ神話が彼の絵の値を吊り上げ、オークションを通じて商才豊かな人々がそれに群がっていきます。
このひろしま作品は、ゴッホの遺志で、ドービニー夫人に贈与された後、彼女亡き後は投機目的で売買され、ベルリンのナショナルギャラリーが収蔵した際、ヒットラーが退廃芸術として破棄を命じたようですが、その後も転々と売買が繰り返され、狂奔の末に、オランダの銀行家の手を経て流転の後、オークションに出品され、日本のバブル経済のなかでひろしま銀行が落札、現在はひろしま美術館の所蔵となっています。
ある人は生活が困窮して手放し、ある人は趣味のために手に入れた。時代が、世紀が移り変わるたびに評価が高まっていったゴッホの傑作と、周囲にうごめく人々の思惑。1枚の絵を発端に、激動の時代背景をも浮き彫りにするようです。


では、誰が、何時、何故、黒猫を消してしまったのか・・・
バーゼル美術館のものに見られる左下の「黒猫」、これは1900年にオークションにかけられた際の写真には猫が確認できること、該当部分がやや色合いが異なることなどから、後日エミール・シェフネッケルが「気に入らないから」筆によって塗りつぶされたものと考えられています。
そもそもこの作品にとって、黒猫はドービニー夫人の姿とともに構成要素として非常に重要な位置を占めていたはずで、この美しい庭を横切る黒猫の姿は、何を意味していたのでしょうか。
他のゴッホが残した「 ひまわり」 「 オーヴェールの教会 」 「 アルルの跳ね橋 」 の 激しさと優しさ、明暗がいずれも彼の心境を率直に表していることと、黒猫のイメージが彼が精神の平衡を保とうと病気と闘っていたことを思えば、この絵の明るさから垣間見れる「黒猫」というモチーフが自殺を示唆するメッセージだと考えると怖くなります。
考え方によっては、自立を渇望したゴッホの絶望感が表現されたとも考えられます。


真の謎は「何故消したか」
バーゼル作品を見る限り、後に、第三者が「無い方がいい」と筆を加えてしまうほどの違和感は感じませんが、バーゼル作品とは別の何かが描かれていた場合は、全く別の作品になってしまっていたでしょう。
ゴッホからのメッセージを「消してしまいたい」と思わせる欲求とはどんなものだったのでしょう。
真の謎はここにあります。
「消されてしまった」のが必然なのか「ひろしまに在ることも」ゴッホの遺志なのか・・・、

私なら、風景画の中にシャガール作品のような動きのある黒猫の姿を想像し、その芸術性を再現してみたいと思いますが・・・
いかがなものでしょう。

ゴッホが理性と狂気と闘い続けながら描きあげた遺作、ドービニーの庭は静かに輝きを放ちながら…

ジャック・オー・ランタン

2008年11月03日 08時40分04秒 | その他
ランタンジム…、チョコランタン…、ジャングルジム…、オラウータン…、ゴーゴーターバン?。
いや、「ジャック・オー・ランタン(Jack-o’-lantern)!」慣れない言葉って悩ましいですね。
昔、スヌーピーのライナスが『カボチャ大王(The Great Pumpkin)』が子供たちにプレゼントを配って回ることを信じていて、意味が解りませんでした。
ETでは、カボチャをくりぬいた中に蝋燭を立てて、魔女やお化けに仮装した子供達が「トリック・オア・トリート(Trick or treat. お菓子をくれなきゃ、いたずらするぞ)」と唱えて近くの家を1軒ずつ訪ねるシーンが登場します。
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ハロウィーンを祝う家庭では、カボチャを刻んで顔を作り、家の戸口の上り段に置いて、先祖以外の悪い霊を怖がらせて追い払うのが一般的ですが、最近、仮装パーティーの訪問先を間違え、強盗と間違えられて銃撃される惨事が繰り返されています。
本来、ハロウィーンはカトリックの諸聖人の万聖節の前晩(10月31日)に行われる伝統行事で、諸聖人の日の旧称"All Hallows"のeve(前夜祭)であることから、Halloweenと呼ばれるようになったそうですが、日本のお盆の灯籠流しや迎え火、送り火と同じく、先祖を迎える日であって、お祭り騒ぎや暴動とは無縁の行事だったようですね。