先日、職場の友達と静岡県西伊豆の恋人岬までドライブをしました。
その日の明け方、不思議な夢をみました。
金縛りのように体が動かなくなり目を覚ました。すると暗いはずの部屋がとても明るいのです。そして体に何かが乗った重みを感じました。しかし、目も開けているし、部屋も明るいのに何も見えません。なぜか私は、13年前に亡くなった愛犬だと確信をし、愛犬の名前を呼びました。すると体がふっと軽くなり、そしてベッドの中に亡くなったはずの愛犬がいたのです。「会いに来てくれたの?ずっと気になってたんだよ」と半分泣きながら愛犬を抱きしめると、あの頃と同じように優しい目で愛犬も私に甘えてくれました。次の瞬間、愛犬は隣室におり、一度こちらを振り返り、そのまま歩いて壁の中に消えていきました。
夢か現実かと聞かれれば、たぶん夢だと思います。
私の愛犬はダルメシアンだったのですが、ベッドの中の姿が小さかったような気もするし、それに顔の黒ぶちの位置も微妙に違っていました。
しかしこの話を友達にすると、
「会いに来てくれたんだよ」と言ってくれました。
そんなことを語りながら恋人岬の展望デッキへ。
青い青い西伊豆の海。
この日の前日は母の命日でした。「もしかして、お母さんだったのかな…」と、ふと思いました。母も私の愛犬をとても可愛がってくれていました。もしかすると母が愛犬の姿で現れたのではないか、そう思ったのです。
海を眺めながらそんなことを考えていたら、若いカップルが楽しそうに展望デッキにやって来ました。邪魔しては悪いので我々オバチャマは退散です。
帰りの長い階段をのぼり、振り返るとそのカップルの楽しそうな笑い声がここまで聞こえてきました。
友達と顔を見合わせ、「良いことをしたね」と早々に立ち去ってきたこと自賛し合いながら思わずクスリ。
見ず知らずの彼らの幸せを願い、ついでに鐘も鳴らしておきましょう、ということで。
澄んだ鐘の音が青い海に響きわたります。
その清らかな音が心にスーっと染み込みました。ただの夢だったとしても、愛犬に再会できてとても嬉しかった。母と愛犬の最期には後悔があったけれど、そのどちらにも許されたような気がする。そんな風に思いました。
青い西伊豆の海から心地よい風が吹いてきました。